2026年版・7-1

子どもの健康と保健統計の一問一答

保育士 筆記試験「子どもの保健」から、子どもの健康と保健統計に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全1000問) 子どもの保健の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-1

世界保健機関(WHO)憲章の前文に示されている「健康」の定義として、最も適切なものはどれか。

  • ①肉体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に病気や虚弱でないことではない
  • ②病気や障害がなく、日常生活を自分の力で送ることができる身体的に良好な状態をいう
  • ③肉体的・精神的に完全に良好な状態をいい、社会的な条件は個人の健康には含まれない
  • ④疾病の予防と治療が十分に行われ、平均寿命まで生きられる状態が保たれていることをいう
答えと解説を見る
正解 ①肉体的・精神的・社会的に完全に良好な状態であり、単に病気や虚弱でないことではない
解説

WHO憲章(1946年採択、1948年発効)の前文は、健康を「肉体的、精神的及び社会的に完全に良好な状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」と定義しています。この定義の大切な点は、健康を「病気がないこと」という消極的な意味でとらえず、心の安定や、人とのつながり・生活環境といった社会的な面まで含めた積極的・総合的な状態としてとらえていることです。保育の場に置き換えると、熱や咳がないことだけでなく、安心して過ごせているか、友達や保育士との関係が育っているかといった点も子どもの健康の一部だということになります。保育所保育指針第3章が、健康状態の把握とともに情緒の安定や生活習慣の形成を重視しているのも、この考え方と通じています。

他の選択肢が不適切な理由

・病気や障害がなく、日常生活を自分の力で送ることができる身体的に良好な状態:身体面だけに限った定義になっており、精神的・社会的な側面が抜けています。また、障害の有無で健康を線引きする考え方でもありません。
・社会的な条件は個人の健康には含まれない:WHOの定義は「社会的」な良好さを明確に含めています。3つの側面のうち1つを外した形の誤りです。
・平均寿命まで生きられる状態:寿命の長さや医療の充実度は健康水準を測る指標にはなりますが、健康そのものの定義ではありません。

【覚え方のポイント】
キーワードは「肉体的・精神的・社会的」の3つと、「単に病気がないことではない」という否定の一文です。選択肢を見たら、3つがそろっているか、1つ欠けていないかをまず確認すると迷いません。
問27-1

人口動態統計における「乳児死亡率」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①生後4週未満の死亡数を、その年の出生数1,000に対する割合で表したもの
  • ②生後1年未満の死亡数を、その年の出生数1,000に対する割合で表したもの
  • ③生後1年未満の死亡数を、その年の人口1,000に対する割合で表したもの
  • ④生後1週未満の死亡数を、その年の出産数1,000に対する割合で表したもの
答えと解説を見る
正解 ②生後1年未満の死亡数を、その年の出生数1,000に対する割合で表したもの
解説

乳児死亡率は、1年間の生後1年未満の死亡数を、同じ年の出生数で割り、1,000を掛けた値(出生千対)です(厚生労働省「人口動態統計」の比率の解説)。分母が総人口ではなく出生数なのは、「生まれた子どものうち、1歳の誕生日を迎えられずに亡くなった子どもがどれだけいるか」を知るための指標だからです。乳児は環境の影響を非常に受けやすいため、乳児死亡率は母子保健の水準だけでなく、衛生状態、栄養、医療へのアクセスなど、その地域や国の生活水準全体を映す指標として用いられてきました。日本の乳児死亡率は、長い期間をかけて世界でも最も低い水準まで下がっています。

他の選択肢が不適切な理由

・生後4週未満の死亡数を出生数1,000に対する割合で表したもの:これは新生児死亡率です。新生児死亡は生後4週(28日)未満の死亡をいいます。
・分母がその年の人口1,000:人口千対で表すのは粗死亡率など全年齢の死亡率です。乳児死亡率の分母は出生数です。
・生後1週未満の死亡数を出産数1,000に対する割合で表したもの:生後1週未満の死亡は早期新生児死亡で、その率は出生千対で表します。出産数(出生数+死産数)を分母にするのは死産率です。なお周産期死亡率の分母は、出生数に妊娠満22週以後の死産数を加えたものです。

【覚え方のポイント】
「乳児=1年未満」「新生児=4週(28日)未満」「早期新生児=1週(7日)未満」と、期間の長い順に並べて覚えます。分母は、この3つはすべて出生千対です。死産を含む指標(死産率・周産期死亡率)だけが出産千対になる、と区別しておくと整理しやすくなります。
問37-1

次のA〜Dのうち、人口動態統計の「周産期死亡」に関する記述として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 妊娠満22週以後の死産は、周産期死亡に含まれる。
B 生後4週未満の新生児死亡は、すべて周産期死亡に含まれる。
C 周産期死亡率の分母は、出生数に妊娠満22週以後の死産数を加えたものである。
D 人口動態統計でいう死産とは、妊娠満12週以後の死児の出産をいう。

  • ①A○ B○ C× D○
  • ②A× B○ C○ D×
  • ③A○ B× C○ D○
  • ④A○ B× C× D×
答えと解説を見る
正解 ③A○ B× C○ D○
解説

周産期死亡は、妊娠満22週以後の死産に早期新生児死亡(生後1週未満の死亡)を加えたものです(厚生労働省「人口動態統計」の用語の解説)。お産の前後の時期は、母体の状態と赤ちゃんの状態が強く結びついているため、出生の前後をひとまとめにして評価する目的でこの指標が作られています。
A:○。妊娠満22週以後の死産は周産期死亡に含まれます。
B:×。含まれるのは生後1週(7日)未満の早期新生児死亡だけです。生後1週以上4週未満の死亡は新生児死亡ではありますが、周産期死亡には入りません。
C:○。周産期死亡率は、周産期死亡数を「出生数+妊娠満22週以後の死産数」で割り、1,000を掛けた値(出産千対)です。死産を分子に含むため、分母にも死産を加えています。
D:○。人口動態統計の死産は、妊娠満12週(第4月)以後の死児の出産をいいます。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D○:Bは生後4週未満まで広げている点、Cを誤りとしている点が誤りです。
・A× B○ C○ D×:Aの22週以後の死産は周産期死亡の中心となる要素です。Dの死産の定義も正しい記述です。
・A○ B× C× D×:分母に死産を加えるCと、死産を満12週以後とするDはどちらも正しい記述です。

【覚え方のポイント】
数字は「死産は12週から」「周産期の死産は22週から」「早期新生児は1週未満」の3つです。周産期死亡=「22週以後の死産」+「生後1週未満の死亡」と式の形で覚え、分母は分子に合わせて「出生+22週以後の死産」になる、と理屈でつなげると忘れにくくなります。
問47-1

合計特殊出生率の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①1年間の出生数を、その年の15〜49歳の女性の人口で割って求めた値
  • ②結婚している女性1人が生涯に出産した子どもの数を平均して求めた値
  • ③1年間の出生数を、その年の総人口1,000に対する割合で表した値
  • ④15〜49歳の女性の年齢別出生率を、すべての年齢について合計した値
答えと解説を見る
正解 ④15〜49歳の女性の年齢別出生率を、すべての年齢について合計した値
解説

合計特殊出生率は「15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの」で、1人の女性がその年の年齢別出生率のとおりに一生の間に子どもを産むと仮定したときの子どもの数に相当します(厚生労働省「人口動態統計」の比率の解説)。年齢ごとに「その年齢の女性が1年間にどれだけ子どもを産んだか」を出し、それを足し合わせる点が特徴です。こうすると、女性の年齢構成の違い(若い女性が多い地域かどうか等)の影響を取り除いて、出生の水準を比べることができます。少子化の議論でよく使われるのはこのためで、人口が長期的に維持される水準(人口置換水準)と比べて低いかどうかが問題にされます。

他の選択肢が不適切な理由

・出生数を15〜49歳の女性の人口で割った値:これは年齢ごとの違いを考えずに一括して割った値で、合計特殊出生率ではありません。年齢別に率を出してから合計する点が決定的に違います。
・出生数を総人口1,000に対する割合で表した値:これは出生率(人口千対)です。高齢者が多いと低く出るなど、人口構成の影響を受けます。
・結婚している女性1人が生涯に出産した子どもの数の平均:夫婦の最終的な子ども数を示す指標(完結出生児数など)の考え方に近く、未婚の女性を含めて計算する合計特殊出生率とは異なります。

【覚え方のポイント】
「合計」は年齢別の率を足し合わせること、「特殊」は15〜49歳の女性に限ることを表す、と言葉を分解して覚えます。「出生率(人口千対)」と「合計特殊出生率(女性1人あたりの人数)」は単位も意味も違うので、数字の大きさで取り違えないようにしましょう。
問57-1

母子保健法に定める用語の定義として、誤っているものはどれか。

  • ①「妊産婦」とは、妊娠中又は出産後1年以内の女子をいう
  • ②「乳児」とは、1歳に満たない者をいい、新生児を含む
  • ③「新生児」とは、出生後7日を経過していない乳児をいう
  • ④「幼児」とは、満1歳から小学校就学の始期までの者をいう
答えと解説を見る
正解 ③「新生児」とは、出生後7日を経過していない乳児をいう
解説

母子保健法第6条は、「新生児」を出生後28日を経過しない乳児と定めています。したがって「出生後7日」とする記述が誤りです。生後28日(4週)までの時期は、胎内から外の世界へ適応していく途中にあり、呼吸・体温・栄養・黄疸など、注意して見守るべき変化が集中します。この期間を特に区別して「新生児」と呼び、訪問指導などの対象にしているのはそのためです。なお、生後7日(1週)未満という区切りは、人口動態統計の「早期新生児死亡」で使われるもので、法律上の新生児の定義とは別物です。

他の選択肢が適切な理由

・「妊産婦」は妊娠中又は出産後1年以内の女子:母子保健法第6条第1項のとおりで、正しい記述です。産後の心身の回復や育児の負担を考え、出産後1年まで対象に含めています。
・「乳児」は1歳に満たない者:同条第2項のとおりで正しい記述です。児童福祉法の「乳児」も満1歳に満たない者で、両法で一致しています。
・「幼児」は満1歳から小学校就学の始期に達するまでの者:同条第3項のとおりで正しい記述です。

【覚え方のポイント】
母子保健法の年齢区分は「新生児(28日)→乳児(1歳未満)→幼児(就学前まで)」の3段階です。「7日」「1週」という数字は統計用語(早期新生児)で出てくるので、法律の定義と統計の定義を混ぜないことがひっかけ対策になります。
問67-1

ある市の1年間の出生数は4,000、生後1年未満の死亡数は12で、そのうち生後4週(28日)未満の死亡数は6であった。人口動態統計の算出方法に従った場合の、この市の乳児死亡率と新生児死亡率の組み合わせとして、正しいものはどれか。

  • ①乳児死亡率 4.5・新生児死亡率 1.5
  • ②乳児死亡率 1.5・新生児死亡率 3.0
  • ③乳児死亡率 1.5・新生児死亡率 1.5
  • ④乳児死亡率 3.0・新生児死亡率 1.5
答えと解説を見る
正解 ④乳児死亡率 3.0・新生児死亡率 1.5
解説

人口動態統計では、乳児死亡率を「年間の生後1年未満の死亡数÷年間出生数×1,000」、新生児死亡率を「年間の生後4週(28日)未満の死亡数÷年間出生数×1,000」で求めます(厚生労働省「人口動態統計」の比率の解説)。どちらも分母は出生数で、出生千対の値です。
この市の場合、乳児死亡率は12÷4,000×1,000=3.0、新生児死亡率は6÷4,000×1,000=1.5となります。ここで大切なのは、新生児死亡は乳児死亡の一部だという点です。生後4週未満で亡くなった6人は、生後1年未満で亡くなった12人の中にすでに含まれています。乳児・新生児・早期新生児の死亡は、期間の長い順に入れ子の関係になっているのです。こうした率は、出生数の多い地域と少ない地域を同じ物差しで比べられるようにするためのもので、地域の母子保健の水準を見る手がかりになります。

他の選択肢が不適切な理由

・乳児死亡率 4.5・新生児死亡率 1.5:乳児死亡数に新生児死亡数を足して18としてしまった誤りです。新生児死亡6人は乳児死亡12人の内数なので、足してはいけません。
・乳児死亡率 1.5・新生児死亡率 3.0:2つの率を入れ替えた誤りです。期間の長い乳児死亡のほうが、新生児死亡より数も率も必ず大きく(少なくとも同じに)なります。
・乳児死亡率 1.5・新生児死亡率 1.5:乳児死亡数から新生児死亡数を引いた6で乳児死亡率を計算した誤りです。乳児死亡には生後4週未満の死亡も含まれるので、12のまま計算します。

【覚え方のポイント】
「乳児(1年未満)⊃新生児(4週未満)⊃早期新生児(1週未満)」と入れ子で覚え、分母はいずれも出生数(出生千対)です。したがって「乳児死亡率≧新生児死亡率≧早期新生児死亡率」の大小関係が必ず成り立ちます。分母に死産を加えるのは死産率や周産期死亡率だけ、という区別もあわせて押さえておきましょう。
問77-1

母子保健法に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①妊娠した者は、速やかに市町村長に妊娠の届出をするようにしなければならない
  • ②母子健康手帳は、妊娠の届出をした者に対して都道府県知事が交付しなければならない
  • ③体重が2,500グラム未満の乳児が生まれたときは、その保護者が市町村に届け出る
  • ④市町村は、入院して養育を受ける必要のある未熟児に、養育医療を給付できる
答えと解説を見る
正解 ②母子健康手帳は、妊娠の届出をした者に対して都道府県知事が交付しなければならない
解説

母子保健法第16条は、「市町村は、妊娠の届出をした者に対して、母子健康手帳を交付しなければならない」と定めています。交付するのは都道府県知事ではなく市町村です。母子保健のサービスは、妊娠の届出、母子健康手帳の交付、妊婦健診、乳幼児健診、訪問指導というように、住民に最も身近な市町村が一貫して担う仕組みになっています。母子健康手帳は、妊娠中から乳幼児期までの健康状態や予防接種の記録をひとつにまとめ、保護者と医療・保健の関係者が情報を共有するための大切な道具です。保育所でも、入所時の予防接種歴の確認などに活用されます。

他の選択肢が適切な理由

・妊娠した者は速やかに市町村長に妊娠の届出:第15条のとおりで正しい記述です。この届出が母子健康手帳交付の出発点になります。
・2,500グラム未満の乳児の出生は保護者が市町村に届け出る:第18条のとおりで正しい記述です。低出生体重児の届出は、訪問指導などの支援につなげるためのものです。
・入院して養育を受ける必要のある未熟児への養育医療:第20条のとおりで正しい記述です。

【覚え方のポイント】
母子保健法の手続きの窓口は、ほぼすべて市町村と覚えて構いません。「都道府県」「保健所」と書かれていたら、まず疑ってかかるのが解き方のコツです。届出の重さは「2,500グラム未満」をセットで覚えましょう。
問87-1

母子保健法に定める産後ケア事業に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①市町村は、出産後1年を経過しない女子と乳児を対象に、産後ケア事業を行うよう努めなければならない
  • ②都道府県は、出産後6か月を経過しない女子と乳児を対象に、産後ケア事業を行わなければならない
  • ③市町村は、出産後1年を経過しない女子のみを対象として、産後ケア事業を行わなければならない
  • ④保健所は、出産後3か月を経過しない女子と乳児を対象に、産後ケア事業を行うよう努めなければならない
答えと解説を見る
正解 ①市町村は、出産後1年を経過しない女子と乳児を対象に、産後ケア事業を行うよう努めなければならない
解説

母子保健法第17条の2は、市町村が、心身の状態に応じた保健指導や育児に関する指導・相談などの援助(産後ケア)を必要とする出産後1年を経過しない女子及び乳児について、産後ケア事業を行うよう努めなければならないと定めています。出産直後は、体の回復が十分でないうえに、睡眠不足や育児への不安が重なりやすく、産後うつや育児の孤立が生じやすい時期です。母親だけでなく赤ちゃんも一緒に対象とし、宿泊・日帰り・訪問などの形で支えることで、虐待の予防や親子の健康を守ることがねらいです。

他の選択肢が不適切な理由

・都道府県が出産後6か月まで、義務として行う:実施主体は市町村であり、対象期間は出産後1年です。また、規定は「努めなければならない」という努力義務です。
・出産後1年を経過しない女子のみが対象:条文は「女子及び乳児」としており、赤ちゃんも対象に含まれます。母子を一体として支援する点が大切です。
・保健所が出産後3か月まで行う:実施主体も期間も誤りです。保健所は主に都道府県等が設置する専門的な機関で、産後ケア事業の実施主体として法に定められているのは市町村です。

【覚え方のポイント】
産後ケア事業は「市町村・出産後1年・母と子・努力義務」の4点セットで覚えます。妊産婦の定義(出産後1年以内)と期間がそろっていると考えると、覚えやすくなります。
問97-1

次の文は、保育所保育指針第3章「健康及び安全」の冒頭の一部である。(A)〜(C)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
「保育所保育において、子どもの健康及び安全の確保は、子どもの(A)と健やかな生活の基本であり、一人一人の子どもの健康の保持及び増進並びに安全の確保とともに、(B)における健康及び安全の確保に努めることが重要となる。また、子どもが、自らの体や健康に(C)をもち、心身の機能を高めていくことが大切である。」

  • ①A 情緒の安定 B 家庭と地域 C 関心
  • ②A 情緒の安定 B 保育所全体 C 意欲
  • ③A 生命の保持 B 家庭と地域 C 意欲
  • ④A 生命の保持 B 保育所全体 C 関心
答えと解説を見る
正解 ④A 生命の保持 B 保育所全体 C 関心
解説

保育所保育指針第3章の冒頭は、「子どもの健康及び安全の確保は、子どもの生命の保持と健やかな生活の基本であり、一人一人の子どもの健康の保持及び増進並びに安全の確保とともに、保育所全体における健康及び安全の確保に努めることが重要となる」と述べ、続けて「子どもが、自らの体や健康に関心をもち、心身の機能を高めていくことが大切である」としています。
A:保育の土台である養護の2本柱は「生命の保持」と「情緒の安定」ですが、健康と安全の確保が直接支えるのは生命の保持です。
B:一人一人への配慮に加え、感染症対策や事故防止など、施設として組織的に取り組む必要があるため「保育所全体」とされています。
C:大人が守るだけでなく、子ども自身が体や健康に関心をもつことを育てる、という教育的な視点が示されています。

他の選択肢が不適切な理由

・A 情緒の安定 B 保育所全体 C 意欲:Aの情緒の安定は養護のもう一つの柱ですが、ここでは生命の保持が入ります。Cも「関心」が正しい語句です。
・A 生命の保持 B 家庭と地域 C 意欲:家庭や地域との連携は第3章でも重視されますが、この一文では施設としての「保育所全体」です。
・A 情緒の安定 B 家庭と地域 C 関心:AとBの2か所が誤っています。

【覚え方のポイント】
第3章の冒頭は「生命の保持→保育所全体→自らの体や健康に関心」という流れです。「子ども一人一人」と「保育所全体」、「大人が守る」と「子ども自身が関心をもつ」という2つの対比で読むと、空欄を問われても思い出しやすくなります。
問107-1

2歳児クラスのAちゃんの着替えを手伝っていた保育士が、背中と太ももの裏側に、時期の違うように見える複数のあざがあることに気付いた。保護者に尋ねると「よく転ぶので」と答えたが、説明と傷の位置が合わない。保育所保育指針に照らした対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①保護者との信頼関係を優先して通告は控え、担任が家庭訪問して事実を確かめてから判断する
  • ②虐待が疑われるため、施設長に報告して記録を残し、速やかに市町村か児童相談所に通告する
  • ③あざの原因がはっきりしないため、確実な証拠がそろうまで通告を控えて様子を見守り続ける
  • ④転びやすい子どもと考えられるため、家庭で気を付けるよう伝え、保育の中で経過を観察する
答えと解説を見る
正解 ②虐待が疑われるため、施設長に報告して記録を残し、速やかに市町村か児童相談所に通告する
解説

保育所保育指針第3章1(1)ウは、不適切な養育の兆候が見られる場合には市町村や関係機関と連携し、「虐待が疑われる場合には、速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ること」としています。児童虐待の防止等に関する法律でも、通告の要件は虐待を受けたと「思われる」児童を発見したことであり、確証は求められていません。転倒では傷つきにくい背中や太ももの裏に、時期の違うあざが複数あり、説明とも合わないという状況は、虐待を疑うべき典型的な兆候です。保育士が一人で抱え込まず、施設長に報告し、傷の位置・形・大きさや保護者の説明を日時とともに具体的に記録したうえで、組織として通告することが適切です。

他の選択肢が不適切な理由

・通告を控え、担任が家庭訪問して事実を確かめる:事実の調査や判断は市町村・児童相談所の役割です。保育所が独自に確かめようとすると、対応が遅れたり、子どもがより危険な状況に置かれたりするおそれがあります。
・確実な証拠がそろうまで通告を控える:通告に確証は不要で、「疑い」の段階で速やかに行うことが求められています。
・家庭で気を付けるよう伝え、経過を観察する:兆候を見過ごすことになり、子どもの安全を守る保育所の責務に反します。

【覚え方のポイント】
虐待対応は「気付く→報告(施設長)→記録→通告(市町村・児童相談所)」の順番で覚えます。キーワードは「疑いの段階で通告」「一人で抱えず組織で」の2つです。通告は保護者を罰するためではなく、子どもと家庭を支援につなげるための手続きだと理解しておきましょう。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 子どもの保健の一問一答

同じ章の他のテーマもどうぞ。

【PR】