2026年版・1-3

乳児期の発達と愛着の一問一答

保育士 筆記試験「保育の心理学」から、乳児期の発達と愛着に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-3

エインズワースのストレンジ・シチュエーション法において、養育者との分離の場面で強い不安を示し、再会の場面では養育者に接触を求める一方で、怒りを示してたたくなど抵抗する行動が見られる愛着のタイプはどれか。

  • ①アンビバレント型(Cタイプ)
  • ②安定型(Bタイプ)
  • ③回避型(Aタイプ)
  • ④無秩序・無方向型(Dタイプ)
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正解 ①アンビバレント型(Cタイプ)
解説

アンビバレント型(Cタイプ、抵抗型とも呼ばれる)の子どもは、養育者と離れると強い不安や混乱を示し、再会すると身体的な接触を強く求めながらも、同時に怒りをぶつけたり、抱かれても激しく抵抗したりします。「近づきたい」と「怒り」という相反する(アンビバレントな)気持ちが同時に表れるのが特徴です。養育者の応答が一貫せず、応じてくれるときとくれないときがあるなど、予測しにくい関わりと関連しやすいとされています。

他の選択肢が不適切な理由

・回避型(Aタイプ):分離の場面でも泣いたり混乱したりすることが少なく、再会の場面でも養育者を避けたり、目をそらしたりします。養育者の拒否的な関わりと関連しやすいとされます。
・安定型(Bタイプ):分離の場面では泣くなどの反応を示しますが、再会すると積極的に接触を求め、すぐに落ち着いて再び遊び始めます。養育者を安全基地として利用できている状態です。
・無秩序・無方向型(Dタイプ):養育者に近づきながら顔をそむける、急に動きが止まるなど、まとまりのない矛盾した行動が見られるタイプで、エインズワースの3分類の後に、メインらによって加えられました。

【覚え方のポイント】
判断の決め手は「再会の場面」です。再会で避ける=回避型、再会で喜んで落ち着く=安定型、再会でくっつきながら怒る=アンビバレント型、再会で行動がちぐはぐ=無秩序・無方向型、と再会時の様子で4つを見分けましょう。
問21-3

エインズワースのストレンジ・シチュエーション法で「安定型」と分類される子どもの反応として、最も適切なものはどれか。

  • ①再会すると接触を求めるが、怒って激しく抵抗し続ける
  • ②分離でも再会でも、養育者にほとんど関心を示さずにいる
  • ③分離では泣くが、再会すると接触を求めてすぐに落ち着く
  • ④再会すると養育者に近づきつつ、顔をそむけて固まる
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正解 ③分離では泣くが、再会すると接触を求めてすぐに落ち着く
解説

安定型(Bタイプ)の子どもは、養育者がいる間は養育者を安全基地にして部屋の玩具で遊び、養育者が出ていくと泣いたり探したりして不安を示します。しかし再会すると、自分から近づいて抱っこを求め、慰めてもらうとすぐに落ち着き、再び遊びに戻ることができます。これは「困ったときには頼れば助けてもらえる」という信頼が育っている表れで、養育者が子どもの信号に敏感に、一貫して応答してきたことと関連しやすいとされています。保育所で特定の保育士と安定した関係を築くことも、同じように子どもの安心の土台となります。

他の選択肢が不適切な理由

・ほとんど関心を示さない:回避型(Aタイプ)の特徴です。分離でも混乱が少なく、再会しても養育者を避ける傾向があります。
・怒って激しく抵抗し続ける:アンビバレント型(Cタイプ)の特徴です。接触を求めながらも怒りを示し、なかなか落ち着きません。
・近づきつつ顔をそむけて固まる:無秩序・無方向型(Dタイプ)の特徴です。近づく行動と避ける行動が同時に表れる、まとまりのない行動が見られます。

【覚え方のポイント】
「安定型=泣かない子」ではない点が最大のひっかけです。安定型の子も分離の場面では泣きます。ポイントは再会したときに「慰めてもらって、すぐに立ち直れるか」です。泣かないことが良いことだと思い込まず、再会場面の回復の早さで判断しましょう。
問31-3

ポルトマンの「生理的早産」に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①人間は、ほかの高等哺乳類に比べて約1年早く生まれるとした
  • ②人間は、生まれてすぐ歩ける離巣性の動物に分類されるとした
  • ③人間の誕生のあり方を「二次的就巣性」と呼んで説明した
  • ④人間の新生児は、自分で移動できない未熟な状態で生まれる
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正解 ②人間は、生まれてすぐ歩ける離巣性の動物に分類されるとした
解説

スイスの生物学者ポルトマンは、動物の生まれ方を、未熟で巣にとどまって親に世話をされる就巣性と、生まれてすぐに目が見え、自分で動ける離巣性に分けました。高等哺乳類(ウマ、サルなど)は離巣性ですが、人間は高等哺乳類でありながら、生まれた直後は自分で移動できず、長期間の世話を必要とします。ポルトマンはこれを、本来の姿より約1年早く生まれてくる生理的早産と捉え、人間の誕生のあり方を「二次的就巣性」と呼びました。したがって「生まれてすぐ歩ける離巣性の動物に分類される」という記述が誤りです。

他の選択肢が適切な理由

・約1年早く生まれる:正しい記述です。人間が他の高等哺乳類と同じ程度の成熟状態で生まれるには、さらに約1年の妊娠期間が必要だと考えました。
・未熟な状態で生まれる:正しい記述です。そのため人間の乳児は、生まれた後の1年間を、周囲の大人との関わりや社会的な環境の中で育つことになります。
・二次的就巣性:正しい記述です。高等哺乳類に共通する離巣性から、いわば二次的に就巣性に戻った特殊な生まれ方だという意味です。

【覚え方のポイント】
「人間の赤ちゃんは約1年早く生まれてくる」という1文で、ポルトマン・生理的早産・二次的就巣性をまとめて覚えます。この未熟さがあるからこそ、生後の養育者との関わりや環境が大きな意味をもつ、という保育の意義にもつながる考え方です。
問41-3

新生児期から乳児期に見られる原始反射に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①モロー反射は、大きな音などで両腕を広げ、抱きつくように閉じる
  • ②把握反射は、手のひらに触れた物をぎゅっと握りしめる動きである
  • ③吸啜反射は、口の中に入った乳首などを、リズミカルに吸う動きである
  • ④原始反射は、大脳の成熟とともに強まり、一生を通じて残り続ける
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正解 ④原始反射は、大脳の成熟とともに強まり、一生を通じて残り続ける
解説

原始反射は、生まれたときから備わっている、特定の刺激に対して自動的に起こる反応で、脳幹や脊髄のレベルで起こります。大脳が成熟し、自分の意思で身体を動かす随意運動ができるようになるにつれて、多くの原始反射は抑えられ、生後数か月から1年程度の間に見られなくなっていきます。したがって「大脳の成熟とともに強まり、一生を通じて残り続ける」という記述が誤りです。原始反射が出るべき時期に見られない、あるいは消えるべき時期を過ぎても強く残っている場合は、神経の発達を確かめる手がかりとされるため、乳児健診でも確認されます。

他の選択肢が適切な理由

・モロー反射:正しい記述です。大きな音がしたり、頭の支えを急に外したりすると、両腕を大きく広げ、その後抱きつくように腕を閉じる反射です。
・把握反射:正しい記述です。手のひらに指などが触れると強く握りしめます。足の裏にも同様の反射があります。
・吸啜反射:正しい記述です。口の中に入ったものを吸う反射で、口のまわりに触れた方向へ顔を向ける探索反射とともに、生まれてすぐの授乳を支えています。

【覚え方のポイント】
原始反射は「生まれつき→大脳が育つと消えていく」が基本です。消えていくのは発達が順調に進んでいる証拠だと理解すると、「強まる」「一生残る」という誤りにすぐ気づけます。代表的なモロー・把握・吸啜・探索・バビンスキー反射は、刺激と反応をセットで覚えましょう。
問51-3

乳児期の微笑に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①生後間もない時期には、眠っているときなどに生理的微笑が見られる
  • ②社会的微笑は、見知らぬ人に対してだけ向けられる微笑である
  • ③生後3か月頃には、人の顔などに向けた社会的微笑が見られる
  • ④生理的微笑は、外からの働きかけとは関係なく起こるとされる
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正解 ②社会的微笑は、見知らぬ人に対してだけ向けられる微笑である
解説

生後3か月頃になると、乳児は人の顔や声に反応してほほえむようになります。これが社会的微笑で、この頃の微笑は、身近な大人だけでなく、人の顔全般に対して比較的誰にでも向けられるのが特徴です。その後、生後6か月頃には身近な人の顔が分かるようになり、特定の人に対してよく笑うようになる一方、見知らぬ人には人見知りを示すようになっていきます。したがって「見知らぬ人に対してだけ向けられる」という記述は誤りです。大人は赤ちゃんの微笑に引き込まれるように話しかけたり笑い返したりするため、微笑は大人の関わりを引き出し、愛着を育てる大切な信号になります。

他の選択肢が適切な理由

・生理的微笑が見られる:正しい記述です。新生児期には、眠っているときなどに口元がほころぶような微笑が見られ、生理的微笑(新生児微笑、自発的微笑)と呼ばれます。
・外からの働きかけとは関係なく起こる:正しい記述です。生理的微笑は、相手に向けた表情ではなく、生理的な状態によって起こると考えられています。
・生後3か月頃の社会的微笑:正しい記述です。スピッツはこの微笑を「3か月微笑」として研究しました。

【覚え方のポイント】
微笑の発達は「生理的微笑(新生児期・相手なし)→社会的微笑(3か月頃・人の顔全般に)→特定の人への微笑と人見知り(6〜8か月頃)」という流れで覚えます。相手が「いない→誰でも→特定の人」と絞られていく、と理解すると順番を間違えません。
問61-3

8か月の子どもが、初めて保育室に来た実習生に抱かれた途端、顔をこわばらせて泣き出した。保育士の理解と対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①発達の遅れを疑い、保護者に発達検査の受診を勧める
  • ②早く慣れるよう、泣いても実習生に抱かせたままにする
  • ③慣れる機会と捉え、担当以外の多くの大人に次々と抱いてもらう
  • ④愛着が育つ表れと捉え、担当保育士が抱いて安心させる
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正解 ④愛着が育つ表れと捉え、担当保育士が抱いて安心させる
解説

生後6〜8か月頃になると、乳児は身近な人とそうでない人をはっきり見分けるようになり、見知らぬ人に対して泣いたり身を固くしたりする人見知りを示すようになります。保育所保育指針解説でも、人見知りは特定の大人との愛着関係が育まれている現れとして説明されています。したがって、問題として心配するのではなく、まずはいつも関わっている担当の保育士が抱いて安心させ、その腕の中から実習生の顔を見たり、声を聞いたりする経験を重ねて、少しずつ慣れていけるよう橋渡しすることが適切です。安心できる人を拠りどころにして、関わる人の輪が少しずつ広がっていきます。

他の選択肢が不適切な理由

・泣いても抱かせたままにする:不安が強い状態で安心の拠りどころから引き離すと、かえって恐怖感を強めてしまいます。慣れるには安心できる人を介した段階的な関わりが必要です。
・担当以外の多くの大人に次々と抱いてもらう:人見知りは、特定の大人との愛着が育っている表れです。保育所保育指針の乳児保育では、特定の大人との応答的な関わりを通じて情緒的な絆が形成されることが示されており、不安が強いときに次々と知らない大人に抱かせると、安心の拠りどころを失わせてしまいます。
・発達の遅れを疑い、発達検査を勧める:8か月頃の人見知りは、身近な人とそうでない人を見分けられるようになった発達の姿であり、発達の遅れを示すものではありません。根拠なく受診を勧めると、保護者の不安をいたずらに強めてしまいます。

【覚え方のポイント】
「人見知り=愛着が育っているサイン」「対応は、安全基地となる保育士を介して少しずつ」の2点をセットで覚えます。スピッツは、この時期の人見知りを「8か月不安」と呼びました。
問71-3

生後9か月頃から見られるようになる、子どもと大人が同じ対象に注意を向け、それを共有しながらやり取りをする関係を何というか。

  • ①三項関係
  • ②二項関係
  • ③社会的参照
  • ④自己中心性
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正解 ①三項関係
解説

生後9か月頃までの乳児のやり取りは、「子どもと大人」あるいは「子どもと物」という1対1の二項関係が中心です。それが9か月頃になると、子どもが大人の視線の先を追って同じ物を見たり、見つけた物を指さして大人の顔を見たりするようになり、「子ども-物-大人」の三項関係が成立します。このように同じ対象に一緒に注意を向けることを共同注意といいます。三項関係は、物に名前があることを大人とのやり取りの中で学ぶ土台となるため、言葉の発達にとって特に重要です。保育所保育指針解説でも、9か月頃から指差しや身振りで意思や欲求を伝えようとする姿が示されています。

他の選択肢が不適切な理由

・二項関係:子どもと大人が見つめ合ってあやし合うなど、1対1で直接やり取りする関係で、三項関係より前の時期の関わり方です。
・社会的参照:どうしてよいか分からない場面で、大人の表情や反応を見て自分の行動を決めることです。三項関係が成立した後、1歳前後から見られるようになります。
・自己中心性:ピアジェの前操作期の特徴で、自分以外の視点から物事を捉えることが難しいことを指します。

【覚え方のポイント】
「9か月の壁(9か月革命)」とも呼ばれるこの変化は、「指さし」「視線を追う」「見せる・渡す」がキーワードです。二項(1対1)から三項(物を間に挟む)へ、と数字の意味で覚えると取り違えません。
問81-3

次のA〜Dの、乳児期の発達に関する記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 生理的微笑は、外からの働きかけと関係なく起こるとされる。
B 9か月頃には、指差しや身振りで自分の欲求を伝えようとする姿が見られるようになる。
C 大人の表情を手がかりに行動を決める社会的参照は、視覚的断崖の装置を用いた実験でも確かめられている。
D ボウルビィは、特定の人への明確な愛着は、出生直後から見られるとした。

  • ①A○ B○ C× D○
  • ②A× B○ C○ D×
  • ③A○ B○ C○ D×
  • ④A○ B× C○ D×
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正解 ③A○ B○ C○ D×
解説

A ○:生理的微笑は新生児期に見られ、相手への反応ではなく生理的な状態によって起こるとされます。
B ○:保育所保育指針解説でも、9か月頃になると身近な大人に指差しや身振りで意思や欲求を伝えようとするなど、言葉によるコミュニケーションの芽生えが見られると示されています。
C ○:社会的参照は、見かけ上は床が落ち込んでいるように見えるガラス張りの装置(視覚的断崖)を用いた実験で、向こう側にいる母親が笑顔を見せると子どもが渡り、恐れの表情を見せると渡らない、という形で確かめられています。
D ×:ボウルビィは愛着の発達を段階で示し、出生後しばらくは人を区別せずに信号を送る段階であり、特定の人への明確な愛着がはっきり見られるのは生後6か月頃以降としました。したがって「出生直後から」は誤りです。
以上から「A○ B○ C○ D×」が正解です。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D○:社会的参照は視覚的断崖の実験で確かめられているのでCは○、Dは×です。
・A× B○ C○ D×:生理的微笑の説明は正しいので、Aは○です。
・A○ B× C○ D×:9か月頃の指差しや身振りによる伝達は指針解説どおりなので、Bは○です。

【覚え方のポイント】
ボウルビィの愛着の段階は「人を区別しない(〜生後3か月頃)→身近な人に多く反応する(〜6か月頃)→特定の人への明確な愛着、後追い・人見知り(6か月頃〜2、3歳頃)→相手の気持ちや予定を考えた協調的な関係(3歳頃〜)」の4段階です。「明確な愛着は6か月頃から」を押さえましょう。
問91-3

1歳3か月の子どもが、保育士のそばを離れて新しい玩具のところへ行き、ときどき振り返って保育士の姿を確かめては、また遊びに戻っている。この姿を説明する語として、最も適切なものはどれか。

  • ①安全基地
  • ②移行対象
  • ③分離不安
  • ④対象の永続性
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正解 ①安全基地
解説

愛着が形成されると、子どもは愛着の対象を安全基地として利用するようになります。安全基地とは、「困ったり不安になったりしたら戻ってくれば守ってもらえる場所」のことで、エインズワースが重視した考え方です。子どもは安全基地がそこにあることを確かめながら、安心して周囲の探索活動に出かけていきます。問題の子どもが、ときどき振り返って保育士の姿を確かめてはまた遊びに戻るのは、まさに保育士を安全基地として探索している姿です。保育士が子どもの視線に笑顔でこたえることで、子どもはさらに安心して遊びを広げることができます。

他の選択肢が不適切な理由

・移行対象:ウィニコットが示した概念で、子どもが肌身離さず持ち歩く毛布やぬいぐるみなど、母親から少しずつ離れていく過程で心の支えとなる物のことです。
・分離不安:愛着の対象と離れることに対して強い不安を示すことです。問題の子どもは自分から離れて遊んでおり、分離不安を示している場面ではありません。
・対象の永続性:ピアジェの感覚運動期に獲得される、見えなくなった物も存在し続けるという理解のことで、愛着の概念ではありません。

【覚え方のポイント】
安全基地は「行って(探索)、戻って(安心の補給)、また行く」という往復の動きで判断します。安全基地がしっかりしているほど、子どもは遠くまで探索できる、と理解しておくと、保育士が子どもの拠りどころになることの意味が分かりやすくなります。
問101-3

生後8か月頃の乳児の目の前で、遊んでいた玩具に布をかぶせて見えなくすると、乳児は布を取りのけて玩具を探し出すようになる。ピアジェの理論で、この行動の背景にある認識として最も適切なものはどれか。

  • ①保存の概念
  • ②心の理論
  • ③象徴機能
  • ④対象の永続性
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正解 ④対象の永続性
解説

対象の永続性とは、物が見えなくなったり、手が届かなくなったりしても、その物はどこかに存在し続けているという理解のことです。ピアジェの感覚運動期(0〜2歳頃)に獲得されます。これが成立する前の乳児は、玩具に布をかけられると、まるで玩具がなくなったかのように探そうとしません。生後8か月頃になると布を取りのけて探し出すようになり、その後さらに、隠し場所が移された場合にも追いかけて探せるようになっていきます。「いないいないばあ」を喜ぶのも、見えなくなった顔がまた現れることを予期できるようになっているからだと考えられます。

他の選択肢が不適切な理由

・保存の概念:見た目が変わっても量や数が変わらないことが分かる理解で、具体的操作期(7歳頃〜)に成立します。
・象徴機能:目の前にない物を頭の中のイメージ(表象)や言葉、別の物で表す働きで、積み木を車に見立てるような見立て遊びに表れます。感覚運動期の終わり頃から育ち、前操作期に大きく発達します。
・心の理論:他者には自分とは異なる考えや信念があることを理解し、それに基づいて他者の行動を予測する力で、幼児期(おおむね4〜5歳頃)に育つとされます。

【覚え方のポイント】
「布をかけた玩具を探す」「いないいないばあ」が出てきたら対象の永続性(感覚運動期)です。「見えなくてもある」=対象の永続性、「形が変わっても量は同じ」=保存、と「見えない/見た目が変わる」の違いで区別しましょう。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 保育の心理学の一問一答

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