2026年版・1-10

子育て家庭への支援と心の健康の一問一答

保育士 筆記試験「保育の心理学」から、子育て家庭への支援と心の健康に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全1000問) 保育の心理学の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-10

出産後の母親の心の状態に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①産後うつ病のスクリーニングに、質問票が用いられることがある
  • ②産後うつ病は、気分の落ち込みが続き、治療が必要なことがある
  • ③マタニティブルーズは、出産後数か月たってから始まり長く続く
  • ④出産後の気分の落ち込みは、父親に見られることもあるとされる
答えと解説を見る
正解 ③マタニティブルーズは、出産後数か月たってから始まり長く続く
解説

マタニティブルーズは、出産後まもなく(おおむね産後数日以内)に現れる、涙もろさ、気分の落ち込み、不安、いらいらなどの一過性の状態で、多くの場合、特別な治療をしなくても2週間程度までに自然に軽くなるとされています。出産に伴う急激なホルモンの変化が関係していると考えられています。したがって「出産後数か月たってから始まり、長く続く」という記述は誤りです。ただし、マタニティブルーズの症状が長引く場合には、産後うつ病への移行も考えて、専門職による支援につなぐことが大切です。

他の選択肢が適切な理由

・産後うつ病は治療が必要なことがある:正しい記述です。産後うつ病は、気分の落ち込みや、楽しみや興味の喪失、自分を責める気持ちなどが続く状態で、育児や母子関係にも影響することがあるため、早期の発見と治療・支援が重要です。
・質問票によるスクリーニング:正しい記述です。代表的なものにエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)があり、産婦健診や新生児訪問などで用いられています。
・父親にも見られる:正しい記述です。生活の変化や育児の負担などから、父親にも産後の抑うつが見られることがあると指摘されています。

【覚え方のポイント】
「マタニティブルーズ=産後すぐ・短期間・自然に回復」「産後うつ病=長く続く・治療や支援が必要」と対比して覚えます。保育士は、送迎時の保護者の表情や言葉の変化に気付き、必要に応じて市町村の保健師などの専門職につなぐ役割があります。
問21-10

保育所保育指針第4章「子育て支援」の、保育所における子育て支援に関する基本的事項として示されている内容として、最も適切なものはどれか。

  • ①保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本として、保護者の自己決定を尊重する
  • ②保育士が最も望ましい子育ての方法を決め、保護者がそのとおりに実行するよう指導する
  • ③保護者から相談を受けた内容は、支援のために職員以外にも自由に伝えてよいものとする
  • ④子育て支援の対象は、保育所を利用している保護者に限られ、地域の家庭は含まない
答えと解説を見る
正解 ①保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本として、保護者の自己決定を尊重する
解説

保育所保育指針第4章「子育て支援」の「保育所における子育て支援に関する基本的事項」では、保護者に対する子育て支援を行う際には、各地域や家庭の実態等を踏まえるとともに、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重することが示されています。子育ての主体はあくまで保護者であり、保育士は答えを押しつけるのではなく、保護者が自分で考えて選び取れるよう支えることが大切です。また、保育士等の専門性や、子どもが常に存在する環境など、保育所の特性を生かし、保護者が子どもの成長に気付き、子育ての喜びを感じられるように努めることも示されています。

他の選択肢が不適切な理由

・保育士が決めた方法をそのとおり実行させる:指針が求める保護者の自己決定の尊重に反します。保育士の専門的な助言は大切ですが、決めるのは保護者です。
・職員以外にも自由に伝えてよい:指針は、子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持することを求めています。また、保育士には児童福祉法による秘密保持義務もあります。
・対象は保育所を利用している保護者に限られる:指針第4章は、保育所を利用している保護者に対する子育て支援とともに、地域の保護者等に対する子育て支援についても定めており、保育所は、その行う保育に支障がない限りにおいて、地域の保護者等に対しても子育て支援を積極的に行うよう努めることとされています。また基本的事項では、地域の関係機関等との連携及び協働を図り、保育所全体の体制構築に努めることも示されています。

【覚え方のポイント】
子育て支援の基本は「受け止める(受容)」「信頼関係」「自己決定の尊重」「秘密保持」「保育所の特性を生かす」「関係機関との連携」の6つです。事例問題では、保護者を責めたり指示したりする選択肢ではなく、気持ちを受け止めて一緒に考える選択肢を選びます。
問31-10

2歳児の保護者から、お迎えの際に「同じ年の親戚の子はもっと話せるのに、うちの子は言葉が遅いのではないか」と不安そうに相談された。保育士の対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①発達障害の可能性が高いと伝え、すぐ受診するよう強く勧める
  • ②言葉の発達には個人差があるので心配はいらないと言い切る
  • ③親戚の子と比べないよう伝え、家庭で言葉の練習をするよう勧める
  • ④不安な気持ちを受け止め、園での言葉の様子を具体的に伝える
答えと解説を見る
正解 ④不安な気持ちを受け止め、園での言葉の様子を具体的に伝える
解説

保護者の相談に応じるときは、まず不安な気持ちを受け止めることが出発点です。そのうえで、保育士は毎日子どもと接している専門職として、園での言葉のやり取りの様子(例えば「保育士の話はよく分かっていて、絵本を指さして『ワンワン』と教えてくれますよ」など)を具体的に伝えることで、保護者は子どもの育ちを客観的に知ることができます。言葉の発達には個人差が大きい一方で、支援が必要な場合もあるため、必要に応じて園内で共有し、市町村の保健師による相談や健診の機会などの情報を伝えることも考えられます。保育所保育指針が示すように、保護者の気持ちを受け止め、信頼関係を基本に、保護者が自分で考えて決められるよう支えることが大切です。

他の選択肢が不適切な理由

・心配はいらないと言い切る:根拠なく安心させると、保護者の不安を受け止めたことにならず、必要な支援の機会を逃すおそれもあります。
・比べないよう伝え、家庭での練習を勧める:保護者の不安を受け止めないまま助言だけをすることになり、練習を求めることで保護者と子どもの負担を増やすおそれもあります。まず気持ちを受け止め、園での具体的な姿を伝えて一緒に考えることが先です。
・発達障害の可能性が高いと伝える:診断は医師が行うものであり、保育士が可能性を断定的に伝えることは不適切です。保護者の不安を強め、相談しにくくさせてしまいます。

【覚え方のポイント】
保護者の相談への対応は「受け止める→具体的な事実を伝える→一緒に考える→必要に応じて専門機関の情報を伝える」の順です。「言い切る」「責める」「断定する」選択肢や、気持ちを受け止めないまま指示や助言だけをする選択肢は、不適切な対応である可能性が高いと覚えておきましょう。
問41-10

保育所で、着替えの際に3歳児の背中に複数のあざがあるのを保育士が見つけた。本人に尋ねると、おびえた様子で何も話さなかった。保育所保育指針に照らした対応として、最も適切なものはどれか。

  • ①虐待の確証が得られるまでは、通告せずに様子を見続けるようにする
  • ②虐待が疑われるので、速やかに市町村または児童相談所に通告する
  • ③保護者を呼んで問いただし、保護者が認めた場合に限り通告する
  • ④園長に報告し、次回の健康診断の所見を待ってから通告を判断する
答えと解説を見る
正解 ②虐待が疑われるので、速やかに市町村または児童相談所に通告する
解説

保育所保育指針第4章「子育て支援」では、保護者に不適切な養育等が疑われる場合には、市町村や関係機関と連携し、要保護児童対策地域協議会で検討するなど適切な対応を図ること、また、虐待が疑われる場合には、速やかに市町村又は児童相談所に通告し、適切な対応を図ることが示されています。児童虐待の防止等に関する法律でも、通告の対象は「児童虐待を受けたと思われる児童」とされており、確証がなくても疑いの段階で通告することが求められています。あざの位置や数、日付、子どもの様子などを事実として記録し、園長など組織として共有したうえで、速やかに通告することが大切です。

他の選択肢が不適切な理由

・確証が得られるまで様子を見る:虐待の確認は通告を受けた機関が行うものであり、保育所が確証を得るまで待つと、子どもの安全の確保が遅れるおそれがあります。
・保護者を問いただし、認めた場合に限る:保護者を問い詰めると、子どもへの加害が強まったり、証拠が隠されたりする危険があります。保護者の認否は通告の条件ではありません。
・健康診断の所見を待ってから判断する:園長への報告は大切ですが、次の健康診断まで待つと子どもの安全の確保が遅れます。虐待が疑われる時点で、あざの位置や数、日付、子どもの様子などを事実として記録し、組織として速やかに通告します。

【覚え方のポイント】
虐待の対応は「疑いの段階で通告」「通告先は市町村または児童相談所」「組織で対応」「事実を記録」の4点です。通告は守秘義務に違反しないことも法律で定められており、「秘密保持」を理由に通告をためらう必要はありません。
問51-10

保育士や看護師などの対人援助職に見られる、熱心に仕事に取り組んでいた人が、心身のエネルギーを使い果たしたように極度に疲れ、仕事への意欲を失ってしまう状態を何というか。

  • ①分離不安
  • ②マタニティブルーズ
  • ③心理的離乳
  • ④バーンアウト
答えと解説を見る
正解 ④バーンアウト
解説

バーンアウト(燃え尽き症候群)は、人を支援する仕事に熱心に取り組んできた人が、長期間にわたる強いストレスの中で、心身のエネルギーを使い果たしたかのように疲れ切り、仕事への意欲を失ってしまう状態です。マスラックらは、その特徴を、情緒的に疲れ果てた感覚(情緒的消耗感)、相手を思いやりのある一人の人として見られなくなり冷淡になること(脱人格化)、仕事をやり遂げたという実感の低下(個人的達成感の低下)の3つで捉えました。保育士が心身ともに健康であることは、子どもへの温かな関わりの前提です。一人で抱え込まず、同僚と悩みを共有したり、職場で相談できる体制を整えたりすることが予防につながります。

他の選択肢が不適切な理由

・マタニティブルーズ:出産後まもなく現れる、涙もろさや気分の落ち込みなどの一過性の状態で、対人援助職の職業上のストレスとは関係ありません。
・心理的離乳:ホリングワースの用語で、青年期に親の保護や監督から精神的に自立していく過程を指します。
・分離不安:愛着の対象と離れることに強い不安を示すことで、乳幼児期によく見られます。

【覚え方のポイント】
バーンアウトは「燃え尽きる」という意味で、「まじめで熱心な人ほど陥りやすい」ことがポイントです。3つの特徴(情緒的消耗感・脱人格化・個人的達成感の低下)は、そのまま選択肢として出題されることがあるので、セットで覚えておきましょう。
問61-10

ラザルスらのストレス理論における「問題焦点型コーピング」の例として、最も適切なものはどれか。

  • ①夜泣きで疲れたときは、好きな音楽を聴いて気分を落ち着ける
  • ②子どもの夜泣きの原因を調べ、生活リズムを見直す計画を立てる
  • ③つらい気持ちを友人に聞いてもらい、気持ちを軽くしようとする
  • ④夜泣きのことは考えないようにして、別のことに気持ちを向ける
答えと解説を見る
正解 ②子どもの夜泣きの原因を調べ、生活リズムを見直す計画を立てる
解説

ラザルスらは、同じ出来事でも、それをどう受け止めるか(認知的評価)によってストレスの感じ方が変わると考え、ストレスへの対処(コーピング)を大きく2つに分けました。問題焦点型コーピングは、ストレスの原因となっている問題そのものに働きかけて、解決や改善を図ろうとする対処です。夜泣きの原因を調べ、生活リズムを見直す計画を立てるのは、問題そのものを変えようとする行動なので、問題焦点型にあたります。一方、問題によって生じたつらい気持ちを和らげようとする対処は、情動焦点型コーピングと呼ばれます。どちらが優れているというわけではなく、自分の力で変えられる問題には問題焦点型、すぐには変えられない状況では情動焦点型、というように状況に応じて使い分けることが大切だとされます。

他の選択肢が不適切な理由

・好きな音楽を聴いて気分を落ち着ける:問題によって生じた気持ちを和らげようとする対処なので、情動焦点型コーピングにあたります。
・友人に聞いてもらって気持ちを軽くする:気持ちを整理して楽になろうとする対処なので、情動焦点型コーピングの例です。
・考えないようにして別のことに気持ちを向ける:問題から注意をそらして気持ちの負担を減らす対処なので、情動焦点型コーピングの例です。

【覚え方のポイント】
「問題焦点型=原因(問題)を変える」「情動焦点型=気持ち(情動)を変える」と、何に働きかけているかで区別します。保護者支援では、保護者が自分に合った対処の方法を見つけられるよう、両面から支えることが大切です。
問71-10

バウムリンドらの養育スタイルの研究で、子どもへの温かさや応答性が高く、同時に年齢に応じた適切な要求や決まりを示し、理由を説明しながら関わる養育のタイプとして、最も適切なものはどれか。

  • ①許容的な養育
  • ②権威主義的な養育
  • ③権威のある養育
  • ④無関心・放任的な養育
答えと解説を見る
正解 ③権威のある養育
解説

バウムリンドは、親の養育態度を、子どもへの温かさ・応答性と、子どもへの要求・統制の程度という観点から分類しました。権威のある(民主的な)養育は、子どもの気持ちに温かく応答しながら、年齢にふさわしい決まりや期待をはっきり示し、なぜそうするのかを説明して、子どもの意見にも耳を傾けるスタイルです。このスタイルで育った子どもは、自立性や社会性が育ちやすい傾向があると報告されています。保育所保育指針が示す、子どもの思いを受け止めつつ、必要な事柄を丁寧に伝えていく関わりとも共通する考え方です。

他の選択肢が不適切な理由

・権威主義的な養育:要求や統制は強いものの、温かさや応答性が低く、理由を説明せずに親の命令に従わせるスタイルです。「言うことを聞きなさい」と力で従わせる関わり方にあたります。
・許容的な養育:温かさや応答性は高いものの、要求や決まりが少なく、子どもの欲求をそのまま認めがちなスタイルです。
・無関心・放任的な養育:温かさも要求も低く、子どもへの関心や関わりそのものが乏しいスタイルで、マコビーとマーティンによって加えられました。

【覚え方のポイント】
「温かさ」と「決まり(統制)」の2つの軸で、高×高=権威のある(民主的)、低×高=権威主義的、高×低=許容的、低×低=無関心・放任的、と4つのマスに当てはめて覚えます。「権威のある」と「権威主義的」は名前が似ているので、温かさがあるかどうかで区別しましょう。
問81-10

次のA〜Dのうち、保育所保育指針第4章「子育て支援」の記述の内容として、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 保護者に対する子育て支援を行う際には、保護者の自己決定を尊重する。
B 子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持する。
C 保護者に育児不安等が見られる場合には、保護者の希望に応じて個別の支援を行うよう努める。
D 地域の保護者等に対する子育て支援は、保育所が行ってはならないとされている。

  • ①A○ B○ C○ D×
  • ②A○ B× C○ D×
  • ③A× B○ C○ D○
  • ④A○ B○ C× D○
答えと解説を見る
正解 ①A○ B○ C○ D×
解説

A ○:指針第4章の基本的事項で、保護者の気持ちを受け止め、相互の信頼関係を基本に、保護者の自己決定を尊重することが示されています。
B ○:同じく基本的事項で、子どもの利益に反しない限りにおいて、保護者や子どものプライバシーを保護し、知り得た事柄の秘密を保持することが示されています。「子どもの利益に反しない限り」という条件があるため、虐待が疑われる場合の通告は秘密保持より優先されます。
C ○:保育所を利用している保護者に対する子育て支援として、保護者に育児不安等が見られる場合には、保護者の希望に応じて個別の支援を行うよう努めることが示されています。
D ×:指針は、保育所は児童福祉法第48条の4の規定に基づき、その行う保育に支障がない限りにおいて、地域の実情や保育所の体制等を踏まえ、地域の保護者等に対して、保育所保育の専門性を生かした子育て支援を積極的に行うよう努めることとしています。
以上から「A○ B○ C○ D×」が正解です。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B× C○ D×:秘密保持は指針に示されているので、Bは○です。
・A× B○ C○ D○:自己決定の尊重は指針に示されているのでAは○、地域への支援は行うよう努めるものなのでDは×です。
・A○ B○ C× D○:育児不安への個別の支援は指針に示されているのでCは○、Dは×です。

【覚え方のポイント】
指針第4章は「1 基本的事項」「2 保育所を利用している保護者への支援」「3 地域の保護者等への支援」の3本立てです。保育所の子育て支援の対象は、在園児の保護者だけでなく地域の子育て家庭にも及ぶことを押さえておきましょう。
問91-10

大きな災害を経験した後の幼児に見られる心の反応と、保育士の関わりに関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①一人で眠れなくなるなど、赤ちゃん返りが見られることがある
  • ②地震ごっこなど、体験を遊びの中で再現することがある
  • ③子どもが災害の話を始めたら、思い出させないよう話題を変える
  • ④いつもの生活リズムを保ち、安心できる環境を整えるようにする
答えと解説を見る
正解 ③子どもが災害の話を始めたら、思い出させないよう話題を変える
解説

災害などの強い恐怖を体験した後、子どもが自分から災害の話をしたり、地震ごっこや救急車ごっこのように遊びの中で体験を再現したりすることがあります。これは、怖かった体験を自分なりに受け止め、整理しようとする自然な心の働きと考えられています。無理に話させる必要はありませんが、子どもが自分から話し始めたときに話題をそらすと、気持ちを表現し整理する機会を奪い、「話してはいけないことなのだ」と感じさせてしまうおそれがあります。したがって、この記述が誤りです。保育士は話に耳を傾け、「怖かったね」「でも今はみんな大丈夫だよ」と気持ちを受け止め、安心感で話や遊びが終われるように関わることが大切です。ただし、同じ場面の再現をいつまでも繰り返して強くおびえている場合などは、専門家に相談することも考えます。

他の選択肢が適切な理由

・赤ちゃん返り:正しい記述です。一人で眠れない、トイレができていたのに失敗が増える、抱っこをせがむなど、以前の発達段階に戻ったような行動(退行)が見られることがあります。甘えを受け止め、安心感を補うことが大切です。
・体験を遊びの中で再現する:正しい記述です。子どもにとって遊びは、気持ちを表現し、体験を消化するための大切な手段です。
・生活リズムを保ち、安心できる環境を整える:正しい記述です。いつもの時間に、いつもの人と、いつもの活動をすることが、子どもの安心感を取り戻す大きな支えになります。

【覚え方のポイント】
災害後の子どもへの関わりは「反応は自然なもの」「気持ちを受け止める」「日常を取り戻す」「長引くときは専門家へ」の4点です。「禁止する」「話題をそらす」「我慢させる」「無理に話させる」といった言葉が入った選択肢は、不適切である可能性が高いと判断できます。
問101-10

産後うつ病のスクリーニングに用いられる「エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)」に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①医師が母親と面接し、うつ病の重症度を判定する検査である
  • ②過去7日間の気分について、母親自身が10項目に回答する
  • ③点数が基準を超えれば、それだけで産後うつ病と診断できる
  • ④保護者が子どもの行動について回答し、発達の状態を捉える
答えと解説を見る
正解 ②過去7日間の気分について、母親自身が10項目に回答する
解説

エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)は、イギリスで開発された、産後うつ病の可能性がある母親を早く見つけるための質問票です。「過去7日間」の気分について、母親自身が10項目に回答する自己記入式で、短時間で実施できます。日本でも、産婦健康診査や、保健師などによる新生児訪問・乳児家庭全戸訪問(こんにちは赤ちゃん事業)などの場面で用いられ、点数が高い場合には、専門職による継続的な支援や医療機関につなぐきっかけになります。大切なのは、EPDSは支援が必要な人を見つけるためのスクリーニング(ふるい分け)であり、診断そのものではないという点です。

他の選択肢が不適切な理由

・医師が母親と面接し、うつ病の重症度を判定する検査:EPDSは、医師の面接ではなく、母親自身が回答する自己記入式の質問票です。うつ病かどうか、どの程度かの判断は、医師の診察によって行われます。
・点数が基準を超えれば、それだけで産後うつ病と診断できる:EPDSはスクリーニングのための道具で、点数が高いことは「詳しく話を聞き、必要に応じて医療につなぐ」合図です。点数だけで産後うつ病と診断するものではありません。
・保護者が子どもの行動について回答し、発達の状態を捉える:これは津守式乳幼児精神発達診断法のような、子どもの発達を捉える質問紙の説明です。EPDSが調べるのは、子どもではなく母親の心の状態です。

【覚え方のポイント】
EPDSは「母親自身が答える・過去7日間・10項目・スクリーニング」の4点で覚えます。検査や質問票は「誰が答えて、誰の何を調べるか」で区別すると整理しやすくなります。EPDS=母親が答えて母親の心の状態を、津守式=保護者が答えて子どもの発達を、新版K式・田中ビネー=子どもに直接課題を行って発達や知能を調べる、と対にして押さえておきましょう。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 保育の心理学の一問一答

同じ章の他のテーマもどうぞ。

【PR】