2026年版・1-11

乳幼児の発達を表す用語(認知・言語・情動)の一問一答

保育士 筆記試験「保育の心理学」から、乳幼児の発達を表す用語(認知・言語・情動)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-11

次のA〜Dの、新生児期から乳児期にみられる姿を表す用語に関する記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 新生児が、大人の話しかけの声のリズムに合わせるように、手足を動かす現象を共鳴動作という。
B 生まれて間もない乳児が、ほかの乳児の泣き声を聞いて、つられて泣き出す現象を情動伝染という。
C 生後2〜3か月頃から、自分の手を目の前にかざしてじっと見つめるハンドリガードがみられるようになる。
D 生後9か月頃から、大人が見ている物に目を向け、大人と同じ対象に注意を向けられるようになる。これを共同注意という。

  • ①A○ B○ C○ D×
  • ②A× B○ C○ D○
  • ③A○ B× C○ D○
  • ④A× B○ C× D○
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正解 ②A× B○ C○ D○
解説

正解は「A× B○ C○ D○」です。新生児期から乳児期前半の子どもは、生まれてすぐから周りの人と響き合うように反応しています。名前の似た用語が多いので、「何に合わせて、何をしているか」で区別します。
・A:×。大人の話しかけの声のリズムに同期して手足を動かす現象はエントレインメント(同期行動)と呼ばれ、コンドンとサンダーの観察で知られています。共鳴動作は、向かい合った大人が口を開けたり舌を出したりするのを見て、新生児が同じような動きをすることです。
・B:○。ほかの乳児の泣き声につられて泣くのが情動伝染です。他者の感情が自分に移るような反応で、共感の出発点と考えられています。
・C:○。ハンドリガードは生後2〜3か月頃からみられ、自分の手を見たり動かしたりする中で、自分の体に気付いていくきっかけになります。
・D:○。生後9か月頃から、大人の視線や指さしの先にある物を一緒に見るようになります。子ども・大人・物の三者の関係(三項関係)が成り立ち、言葉の獲得の土台になります。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C○ D×:Aの「共鳴動作」を正しいとし、共同注意Dを誤りとした組み合わせです。共同注意は生後9か月頃からみられる、正しい記述です。
・A○ B× C○ D○:Aを正しいとし、情動伝染Bを誤りとした組み合わせです。泣き声につられて泣くのは情動伝染の典型例です。
・A× B○ C× D○:ハンドリガードCを誤りとした組み合わせです。自分の手をじっと見つめる行動は、生後2〜3か月頃からみられる正しい記述です。

【覚え方のポイント】
「声のリズムに体が合う」のがエントレインメント、「顔の動きをまねるように返す」のが共鳴動作、「泣き声(感情)が移る」のが情動伝染です。合わせる相手が「リズム」「動き」「感情」のどれかで見分けましょう。
問21-11

次の文は、ルイス(Lewis, M.)による感情の発達に関する記述である。(A)〜(C)にあてはまる語句の正しい組み合わせはどれか。
喜び・悲しみ・怒り・恐れなどの(A)は、生後(B)頃までにほぼ出そろう。その後、1歳半頃に(C)が成立すると、照れや共感など、自分に意識を向けることで生じる感情が現れてくる。

  • ①A:二次的感情 B:3か月 C:対象の永続性
  • ②A:一次的感情 B:3か月 C:対象の永続性
  • ③A:一次的感情 B:6か月 C:客体的な自己意識
  • ④A:二次的感情 B:6か月 C:客体的な自己意識
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正解 ③A:一次的感情 B:6か月 C:客体的な自己意識
解説

正解は「A:一次的感情 B:6か月 C:客体的な自己意識」です。ルイスは、感情が生まれてから段階的に分かれていくと考えました。
・A:喜び・悲しみ・怒り・恐れ・驚き・嫌悪などの基本的な感情を一次的感情と呼びます。
・B:ルイスによれば、喜び・悲しみ・嫌悪は生後3か月頃までに、怒り・驚き・恐れは生後6か月頃までに現れ、一次的感情はこの頃までにほぼ出そろいます。
・C:1歳半頃には、鏡に映った自分を自分だと分かるなど、自分を外から見る意識(客体的な自己意識)が成り立ちます。これを土台に、照れ・羨望・共感といった自己意識的な感情が生まれます。さらに2歳半〜3歳頃、規則や基準が分かってくると、誇り・恥・罪悪感といった自己を評価する感情が現れます。これらをまとめて二次的感情と呼びます。

他の選択肢が不適切な理由

・A:二次的感情 B:3か月 C:対象の永続性:二次的感情は照れ・恥・誇りなど自己意識を必要とする感情で、喜びや怒りは含みません。対象の永続性は、見えなくなった物も存在し続けると分かる認識で、自己意識とは別の概念です。
・A:一次的感情 B:3か月 C:対象の永続性:3か月頃までにそろうのは喜び・悲しみ・嫌悪で、怒りや恐れは6か月頃までにかけて現れます。Cも自己意識ではありません。
・A:二次的感情 B:6か月 C:客体的な自己意識:BとCは正しいのですが、基本的な感情を「二次的感情」とした点が誤りです。

【覚え方のポイント】
ルイスの流れは「一次的感情(〜6か月)→自己意識の成立(1歳半)→照れ・共感など→基準の理解(2歳半〜3歳)→誇り・恥・罪悪感」です。「自分を意識しないと生まれない感情」が二次的感情、と覚えると区別しやすくなります。
問31-11

次のA〜Dの、幼児期の思考の特徴を表す用語に関する記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 家を外から描いた絵の中に、外からは見えない部屋の家具まで描き込むように、見えたとおりではなく知っているとおりに描く特徴を、知的リアリズムという。
B 夢に出てきたおばけが、朝になっても部屋のどこかにいると思うように、心の中の出来事を実際に存在するものととらえる傾向を人工論という。
C 「雲は人がつくったもの」と考えるように、自然の事物も人間がつくったものととらえる傾向を人工論という。
D ピアジェによれば、アニミズムは年齢が上がるにつれて、生命や意識を認める対象が広がっていく。

  • ①A○ B× C○ D×
  • ②A○ B○ C× D×
  • ③A× B× C○ D○
  • ④A○ B× C○ D○
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正解 ①A○ B× C○ D×
解説

正解は「A○ B× C○ D×」です。前操作期の幼児は、見たものと知っていること、心の中と外の世界を十分に区別できず、独特のとらえ方をします。
・A:○。知的リアリズム(知的写実性)は、リュケ(Luquet, G.-H.)が描画の発達の中で示した段階です。「知っていること」を優先して描くため、見えない物も描き込まれます。その後、見えたとおりに描く視覚的リアリズムへと移っていきます。
・B:×。夢や考えなど心の中の出来事を外に実在するものとみなす傾向は実念論です。人工論ではありません。
・C:○。自然の事物も人間がつくったと考えるのが人工論で、ピアジェが幼児の世界観の特徴として示しました。
・D:×。ピアジェによれば、アニミズムは、はじめは身の回りのあらゆる物に生命や意識を認めますが、年齢とともに「動く物」「自分で動く物」へと、認める範囲が狭まっていきます。広がるのではありません。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D×:Bの実念論を「人工論」と呼ぶ誤りを見落とし、正しいCを誤りとした組み合わせです。
・A× B× C○ D○:知的リアリズムAを誤りとし、アニミズムの範囲が「広がる」とするDを正しいとした組み合わせです。
・A○ B× C○ D○:Dの向きを取り違えた組み合わせです。アニミズムは発達とともに弱まっていきます。

【覚え方のポイント】
ピアジェの3語は「何を」とらえ違えるかで整理します。アニミズムは「物に心がある」、実念論は「心の中のものが実在する」、人工論は「自然も人がつくった」。描画の知的リアリズムはピアジェではなくリュケの用語であることも一緒に押さえましょう。
問41-11

言葉の発達に関する次のA〜Eの記述のうち、正しいものを2つ選んだ組み合わせとして正しいものはどれか。
A 大人が乳児に話しかけるとき、声を高くし、抑揚を大きくつけ、ゆっくり繰り返して話す話し方をマザリーズ(対乳児発話)という。
B 自分の家の犬だけを「ワンワン」と呼び、ほかの家の犬には使わないことを、語の過大般用という。
C 「これなに?」と物の名前をしきりに尋ねる時期を、第二質問期という。
D しりとりや、言葉の最初の音を取り出す遊びは、言葉を音の単位に分けてとらえる音韻意識の育ちと関わっている。
E 岡本夏木は、身近な人と具体的な場面で対面して交わされる言葉を、二次的ことばと呼んだ。

  • ①A・C
  • ②B・D
  • ③D・E
  • ④A・D
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正解 ④A・D
解説

正解は「A・D」です。
・A:○。マザリーズは、乳児に向けた大人の独特の話し方です。高い声や大きな抑揚は乳児の注意を引きやすく、やり取りを支えると考えられています。
・B:×。言葉を本来より狭い範囲にしか使わないのは語の過小般用です。過大般用は反対に、犬以外の猫や馬など四つ足の動物にも「ワンワン」を使うように、本来より広い範囲に当てはめることです。
・C:×。物の名前を尋ねる「これなに?」の時期は第一質問期(1歳半〜2歳頃)です。第二質問期は、3歳頃から「なぜ?」「どうして?」と理由を尋ねるようになる時期です。
・D:○。音韻意識は、「りんご」を「り・ん・ご」の3つの音に分けたり、最初の音を取り出したりする力です。しりとりのような言葉遊びで育ち、文字の読み書きを学ぶ土台になります。
・E:×。岡本夏木は、身近な人との具体的な場面での対面のやり取りの言葉を一次的ことば、その場にいない不特定の相手にも通じるよう話したり書いたりする言葉を二次的ことばと呼びました。

他の選択肢が不適切な理由

・A・C:「これなに?」の時期を第二質問期としたCを選んでいます。名前を尋ねるのは第一質問期です。
・B・D:過小般用の例を過大般用としたBを選んでいます。
・D・E:一次的ことばの説明を二次的ことばとしたEを選び、正しいAを落としています。

【覚え方のポイント】
過大般用は「広げすぎ」、過小般用は「狭めすぎ」。質問期は「名前(第一)→理由(第二)」の順です。一次的ことばは「目の前の親しい人と話す言葉」、二次的ことばは「発表や作文のように、場面を共有しない相手に向けた言葉」と、就学前後の変化として押さえましょう。
問51-11

次のA〜Dの、記憶と認知に関する記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 以前に見た他者の行動を、時間がたってからまねて再現することを延滞模倣といい、ピアジェはイメージ(表象)の働きが成り立ったことの表れとした。
B 覚えたい言葉を何度も繰り返して唱える記憶方略をリハーサルといい、幼児期の前半から自発的によく使われる。
C ワーキングメモリとは、一度覚えた知識を長い期間にわたって蓄えておく記憶の貯蔵庫のことをいう。
D 自分が理解できているかを点検するモニタリングと、その結果に基づいてやり方を調整するコントロールを含む、認知についての認知をメタ認知という。

  • ①A○ B○ C× D○
  • ②A× B× C○ D○
  • ③A○ B× C× D○
  • ④A○ B○ C× D×
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正解 ③A○ B× C× D○
解説

正解は「A○ B× C× D○」です。
・A:○。延滞模倣は、目の前にいないモデルの行動を、頭の中のイメージをもとに後から再現するものです。ピアジェは、感覚運動期の終わり(1歳半〜2歳頃)に表象(イメージ)の働きが成り立ったことを示す行動としました。ごっこ遊びの土台にもなります。
・B:×。リハーサルは、覚えたいことを繰り返し唱えて記憶にとどめる方略です。幼児はこの方略をあまり自発的には使わず、児童期に入ってから使えるようになっていくことが知られています。
・C:×。ワーキングメモリは、計算や会話など何かの活動をしながら、それに必要な情報を一時的に保持し処理する働きです。バドリーらが提唱しました。長い期間蓄える記憶は長期記憶です。
・D:○。メタ認知は、フラベルが提唱した「自分の認知についての認知」です。「うまくいっているか」を点検するモニタリングと、その結果に応じてやり方を変えるコントロールが含まれます。自分で検算して間違いに気付くのはその例です。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D○:リハーサルを幼児期前半から自発的に使うとしたBを正しいとしています。
・A× B× C○ D○:延滞模倣Aを誤り、ワーキングメモリを長期の貯蔵庫とするCを正しいとしています。
・A○ B○ C× D×:Bを正しいとし、メタ認知の説明Dを誤りとしています。

【覚え方のポイント】
「延滞=時間をおいて」まねるのでイメージが必要、「ワーキング=作業中」の一時的なメモ帳、「メタ=一段上から」自分の考えを見張って直す、と語の意味から覚えると混同しません。
問61-11

子どもと環境との関わりを説明する理論・概念と、その提唱者の組み合わせとして、正しいものはどれか。

  • ①アフォーダンス-ギブソン
  • ②正統的周辺参加-ヴィゴツキー
  • ③相互規定的作用モデル-ブロンフェンブレンナー
  • ④生態学的システム理論-サメロフ
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正解 ①アフォーダンス-ギブソン
解説

正解は「アフォーダンス-ギブソン」です。アフォーダンスは、知覚心理学者ギブソン(Gibson, J.J.)がつくった概念で、環境そのものが、動物や人に対して「どう関われるか」という行為の可能性を提供している、という考え方です。例えば、子どもの膝の高さの平らな段は「座る」ことを、手ごろな大きさの枝は「振る」ことを誘います。保育では、子どもが思わず関わりたくなる環境を構成することと結びつけて理解されます。

他の選択肢が不適切な理由

・正統的周辺参加-ヴィゴツキー:正統的周辺参加は、レイヴとウェンガー(Lave, J. & Wenger, E.)が示した学習論です。新参者が共同体の周辺的な仕事から参加し、次第に中心的な役割を担うようになる過程そのものを学習ととらえます。ヴィゴツキーは発達の最近接領域で知られます。
・相互規定的作用モデル-ブロンフェンブレンナー:子どもと環境(養育者など)が時間の流れの中で互いに影響を与え合い、変化し合うとする相互規定的作用モデルは、サメロフ(Sameroff, A.J.)が示したものです。
・生態学的システム理論-サメロフ:子どもを取り巻く環境をマイクロシステムからマクロシステムまでの入れ子構造でとらえる生態学的システム理論は、ブロンフェンブレンナーが提唱しました。

【覚え方のポイント】
「環境が行為を誘う=アフォーダンス(ギブソン)」「共同体の周辺から中心へ=正統的周辺参加(レイヴとウェンガー)」「子どもと環境が互いに変え合う=相互規定的作用(サメロフ)」「環境の入れ子=生態学的システム(ブロンフェンブレンナー)」。サメロフとブロンフェンブレンナーの入れ替えは典型的なひっかけです。
問71-11

遊びを支える力や遊びの姿に関する次のA〜Eの記述のうち、正しいものを3つ選んだ組み合わせとして正しいものはどれか。
A ベイトソンは、「これは遊びだよ」というように、やり取りそのものの枠組みについて伝え合うコミュニケーションを、メタコミュニケーションと呼んだ。
B 目の前にない物事を、イメージや言葉、別の物で表す働きを象徴機能といい、見立て遊びやふり遊びを支えている。
C 文字を正式に習う前の子どもが、絵本の文字に関心を示したり、文字らしい形を書いたりする姿は、プレリテラシーの表れとされる。
D パーテンは、共通の目的に向けて役割を分担し、協力して進める遊びを平行遊びとした。
E パーテンは、ほかの子どもの遊びをそばで見ているが、自分は加わらない行動を一人遊びとした。

  • ①A・B・D
  • ②A・B・C
  • ③B・C・E
  • ④A・C・D
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正解 ②A・B・C
解説

正解は「A・B・C」です。
・A:○。メタコミュニケーションは、文化人類学者のベイトソン(Bateson, G.)が示した考え方で、「今のは本気じゃなくて遊びだよ」のように、やり取りをどう受け取るかを伝え合うことです。ごっこ遊びで「〇〇ちゃんはお客さんね」と設定を確かめ合う姿も、これに当たります。
・B:○。象徴機能は、あるもの(積み木)で別のもの(電話)を表す働きです。1歳半〜2歳頃から見立て遊びやふり遊びとして現れ、言葉の獲得とも深く関わります。
・C:○。プレリテラシーは、読み書きを正式に学ぶ前の、文字への関心や「文字は意味を表すもの」という理解などを指します。手紙ごっこで文字らしい形を並べる姿はその表れです。
・D:×。パーテン(Parten, M.B.)の分類で、共通の目的に向けて役割を分担し協力する遊びは協同遊びです。平行遊びは、同じ場所で同じような遊びをしていても、互いのやり取りがない遊びです。
・E:×。ほかの子の遊びを見ているが加わらないのは傍観者的行動です。一人遊びは、ほかの子と関わらず自分だけで遊ぶ状態です。

他の選択肢が不適切な理由

・A・B・D:協同遊びの説明を平行遊びとしたDを選び、正しいCを落としています。
・B・C・E:傍観者的行動を一人遊びとしたEを選び、正しいAを落としています。
・A・C・D:Dを選び、正しい象徴機能Bを落としています。

【覚え方のポイント】
ごっこ遊びは複数の力で成り立ちます。「見立てる力(象徴機能)」「設定を伝え合う力(メタコミュニケーション)」「相手の立場に立つ力(役割取得)」。パーテンの分類は、関わりの少ない順に「何もしない行動→一人遊び→傍観者的行動→平行遊び→連合遊び→協同遊び」と並べて覚えましょう。
問81-11

次のA〜Dの、発達の基礎となる概念に関する記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A ローレンツは、丸い頭、広い額、大きな目、ふっくらした頬など、見る者の養育行動を引き出す乳幼児特有の特徴を、幼児図式と呼んだ。
B 社会の一員として必要な知識や価値観、生活習慣などを身に付けていく過程を、社会化という。
C 発達加速現象のうち、同じ時代であっても、地域や社会階層によって発達の速さに差がみられることを、年間加速現象という。
D 発達加速現象のうち、身長や体重などの量的な発育が、前の世代よりも大きくなる現象を、成熟前傾現象という。

  • ①A○ B× C× D○
  • ②A× B○ C× D×
  • ③A○ B○ C○ D×
  • ④A○ B○ C× D×
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正解 ④A○ B○ C× D×
解説

正解は「A○ B○ C× D×」です。
・A:○。幼児図式(ベビースキーマ)は、動物行動学者ローレンツ(Lorenz, K.)が示した概念です。大人がその特徴を「かわいい」と感じて世話をしたくなることは、未熟な状態で生まれる子どもの生存を支えると考えられています。
・B:○。社会化は、周りの人との関わりを通して、その社会で求められる行動様式や価値観を身に付けていく過程です。これに対し、自分らしさを確立していく過程は個性化と呼ばれます。
・C:×。同じ時代でも地域・社会階層・民族などによって発達の速さが異なることは発達勾配現象です。年間加速現象は、世代が新しくなるほど発達が早まる、世代間の違いを指します。
・D:×。身長や体重などの量的な発育が前の世代より大きくなるのは成長加速現象です。成熟前傾現象は、初潮や精通など性的な成熟の時期が早まる、質的な面の変化を指します。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B× C× D○:正しい社会化Bを誤りとし、成長加速と成熟前傾を取り違えたDを正しいとしています。
・A× B○ C× D×:幼児図式Aを誤りとしています。幼児図式はローレンツの概念で、正しい記述です。
・A○ B○ C○ D×:年間加速現象と発達勾配現象を取り違えたCを正しいとしています。

【覚え方のポイント】
発達加速現象は2つの切り口で整理します。「何が早まるか」では、量(身長・体重)が成長加速現象、質(性的成熟)が成熟前傾現象。「何と比べるか」では、世代どうしが年間加速現象、同じ時代の地域・階層どうしが発達勾配現象です。「勾配=坂=場所による差」と覚えましょう。
問91-11

発達に関する概念の説明として、誤っているものはどれか。

  • ①レディネスは学習に必要な心身の準備状態で、ゲゼルは訓練で早く整えられるとした
  • ②発達の可塑性は、初期の環境による遅れが、後の環境の改善で回復しうる性質をいう
  • ③臨界期は、ある経験がその時期に限って大きな影響をもつ期間で、刻印づけで知られる
  • ④生理的早産は、人間が他の高等哺乳類より約1年早く未熟な状態で生まれるとする考えだ
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正解 ①レディネスは学習に必要な心身の準備状態で、ゲゼルは訓練で早く整えられるとした
解説

誤っているのは「レディネスは学習に必要な心身の準備状態で、ゲゼルは訓練で早く整えられるとした」です。レディネスが学習の成立に必要な心身の準備状態を指す、という前半は正しい説明です。しかしゲゼル(Gesell, A.L.)は、一卵性双生児の一方に階段のぼりの訓練を早くから行い、もう一方には後から短期間だけ訓練した実験から、神経系などの成熟が整う前に訓練しても効果は小さいと考えました。つまりゲゼルは「訓練で早く整えられる」のではなく、「成熟を待つことが大切」とする成熟優位説の立場です。

他の選択肢が適切な理由

(「誤っているもの」を選ぶ問題なので、残りの3つが正しい理由を示します)
・発達の可塑性:劣悪な環境で育ち発達の遅れがみられた子どもでも、その後の養育環境が改善されると、一定の水準まで回復することがあります。発達が変化しうる柔軟さを表す概念です。
・臨界期:ローレンツは、ハイイロガンのひなが生まれて間もない時期に見た動くものを親として追いかける刻印づけ(インプリンティング)を観察し、ある経験が特定の時期にしか成立しにくいことを示しました。人間では、影響を受けやすい時期という意味で「敏感期」という言葉も使われます。
・生理的早産:ポルトマン(Portmann, A.)の考えです。人間の新生児は感覚器官が発達している一方で、歩行などの面では未熟な状態で生まれるため、周りの大人の世話と関わりが欠かせません。

【覚え方のポイント】
ゲゼル=成熟(待つ)、ワトソン=環境・学習(育てる)、シュテルン=輻輳説(両方の足し算)、ジェンセン=環境閾値説(特性ごとに環境の必要量が違う)。レディネスは「成熟を待つ」ゲゼルの考えと結びつけて覚えましょう。
問101-11

向社会性・道徳性・対人理解の発達を研究した人物と、その研究内容の組み合わせとして、正しいものはどれか。

  • ①ホフマン-役割取得(社会的視点取得)の発達段階
  • ②セルマン-共感の発達における4つの段階
  • ③アイゼンバーグ-向社会的な道徳判断の発達段階
  • ④コールバーグ-他律的道徳から自律的道徳への移行
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正解 ③アイゼンバーグ-向社会的な道徳判断の発達段階
解説

正解は「アイゼンバーグ-向社会的な道徳判断の発達段階」です。アイゼンバーグ(Eisenberg, N.)は、困っている人を助けるかどうかを判断する場面での理由づけを調べ、向社会的な道徳判断が発達とともに変わることを示しました。自分に得かどうかを重視する段階(快楽主義的)から、相手の必要に目を向ける段階、他者からの承認を意識する段階、共感や役割取得に基づく段階、さらに内面化された価値に基づく段階へと進むとされます。

他の選択肢が不適切な理由

・ホフマン-役割取得(社会的視点取得)の発達段階:役割取得の段階を示したのはセルマンです。ホフマン(Hoffman, M.L.)は共感の発達を研究しました。
・セルマン-共感の発達における4つの段階:セルマン(Selman, R.L.)は、自分と他者の視点の違いに気付き、それを調整していく役割取得(社会的視点取得)の発達段階を示しました。共感の発達の段階はホフマンです。ホフマンは、自他の区別が未分化な全体的共感から、相手の置かれた状況全体への共感へと進むと考えました。
・コールバーグ-他律的道徳から自律的道徳への移行:大人の決めた規則や結果で善悪を判断する他律的道徳から、動機や相互の合意を重視する自律的道徳へ移ると考えたのはピアジェです。コールバーグは、モラルジレンマ課題を用いて3水準6段階の道徳性の発達段階を示しました。

【覚え方のポイント】
「セルマン=視点(役割取得)」「ホフマン=共感」「アイゼンバーグ=向社会的判断(助けるかどうか)」「ピアジェ=他律から自律」「コールバーグ=3水準6段階」。人物と一言のキーワードを1対1で結び、入れ替えのひっかけに備えましょう。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 保育の心理学の一問一答

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