2026年版・4-9

利用者の保護と権利擁護の一問一答

保育士 筆記試験「社会福祉」から、利用者の保護と権利擁護に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-9

日常生活自立支援事業に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①対象は、判断能力が不十分で、事業の契約内容は理解できる人である
  • ②福祉サービスの利用援助や日常的な金銭管理などの支援を行う
  • ③実施主体は都道府県・指定都市社会福祉協議会で、窓口業務は委託できる
  • ④利用するには、家庭裁判所による審判を受けることが必要である
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正解 ④利用するには、家庭裁判所による審判を受けることが必要である
解説

日常生活自立支援事業は、社会福祉法に規定する福祉サービス利用援助事業(第2条第3項第12号)にあたる事業で、認知症の高齢者、知的障害者、精神障害者などのうち判断能力が不十分な人が、地域で自立した生活を送れるよう支援するものです。利用は、本人と社会福祉協議会との契約によって始まります。家庭裁判所の審判が必要なのは成年後見制度であり、この事業の利用に審判は必要ありません。したがって、この記述が誤りです。契約によって利用する仕組みのため、対象は、判断能力が不十分であっても、この事業の契約の内容を理解できる程度の能力がある人とされています。

他の選択肢が適切な理由

・対象者:正しい記述です。契約の内容を理解できない程度に判断能力が低下している場合は、成年後見制度の利用が検討されます。
・支援の内容:正しい記述です。福祉サービスの利用に関する相談・助言や手続の援助、利用料の支払いなどの日常的な金銭管理、通帳や証書などの書類の預かりなどを行います。
・実施主体:正しい記述です。実施主体は都道府県・指定都市社会福祉協議会で、利用の窓口となる業務の一部は市町村社会福祉協議会などに委託して実施されています。社会福祉法第81条も、都道府県社会福祉協議会が、市町村社会福祉協議会などと協力して、県内のどこでもこの事業が実施されるよう必要な事業を行うとしています。

【覚え方のポイント】
「日常生活自立支援事業=社協との契約・日常的な金銭管理など」「成年後見制度=家庭裁判所の審判・財産管理や契約などの法律行為の代理など」と、利用の入口と支援の範囲で区別します。どちらも判断能力が不十分な人の権利を守る仕組みで、本人の状態に応じて使い分けたり併用したりします。
問24-9

民法に定める成年後見制度において、精神上の障害により事理を弁識する能力が「著しく不十分」である者について、家庭裁判所が本人や配偶者などの請求によって行う審判はどれか。

  • ①保佐開始の審判
  • ②後見開始の審判
  • ③補助開始の審判
  • ④任意後見監督人の選任
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正解 ①保佐開始の審判
解説

民法の法定後見制度は、本人の判断能力(事理を弁識する能力)の程度に応じて、後見・保佐・補助の3つの類型に分かれています。第11条は、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者について、家庭裁判所は、本人、配偶者、四親等内の親族などの請求により、保佐開始の審判をすることができると定めています。保佐開始の審判を受けた人(被保佐人)が、借金や保証、不動産の売買、相続の承認・放棄など、民法第13条第1項に定める重要な行為をするには、保佐人の同意が必要となり、同意なしに行った行為は取り消すことができます。本人の能力を尊重しつつ、重要な場面で不利益を受けないよう守る仕組みです。

他の選択肢が不適切な理由

・後見開始の審判:事理を弁識する能力を欠く常況にある者について行う審判です(第7条)。成年後見人は、財産に関する法律行為について本人を代理します。
・補助開始の審判:事理を弁識する能力が不十分である者について行う審判です(第15条)。本人以外の者の請求による場合は、本人の同意が必要です。
・任意後見監督人の選任:任意後見契約を結んでいた本人の判断能力が不十分になったときに、家庭裁判所が任意後見人を監督する人を選任するもので、法定後見の類型ではありません。

【覚え方のポイント】
判断能力の程度は「欠く常況=後見」「著しく不十分=保佐」「不十分=補助」と、重い順に3段階で覚えます。「著しく」の一語があるかどうかが保佐と補助の分かれ目です。補助だけは本人以外の請求のときに本人の同意が必要、という点もあわせて押さえましょう。
問34-9

民法に定める成年後見制度に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①成年被後見人の法律行為は取り消せるが、日用品の購入などは除かれる
  • ②本人以外の請求で補助開始の審判をするには、本人の同意が必要である
  • ③社会福祉法人などの法人は、成年後見人として選任されることができない
  • ④成年後見人は、家庭裁判所が後見開始の審判をするときに職権で選任する
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正解 ③社会福祉法人などの法人は、成年後見人として選任されることができない
解説

民法第843条第4項は、成年後見人を選任するときに考慮すべき事情として、「成年後見人となる者が法人であるとき」の事業の種類や内容などを挙げており、法人も成年後見人になることができることを前提としています。実際に、社会福祉協議会や社会福祉法人、弁護士法人などが法人として成年後見人に選任されています。法人が後見人になると、担当者が交代しても継続して支援でき、長期にわたる支援が必要な若い障害者などの場合に利点があります。したがって、法人は選任されることができないとする記述が誤りです。また、成年後見人は1人に限られず、必要があれば複数選任することもできます。

他の選択肢が適切な理由

・取消しと日用品:正しい記述です。民法第9条は、成年被後見人の法律行為は取り消すことができるとしつつ、ただし日用品の購入その他日常生活に関する行為は取り消せないとしています。本人の自己決定を尊重し、日常生活を送れるようにするためです。
・補助と本人の同意:正しい記述です。民法第15条第2項により、本人以外の者の請求で補助開始の審判をするには本人の同意が必要です。判断能力の低下が軽い段階では、本人の意思をできるだけ尊重するためです。
・職権による選任:正しい記述です。民法第843条第1項により、家庭裁判所は、後見開始の審判をするときは、職権で成年後見人を選任します。本人の状況などを総合的に考慮して、ふさわしい人を裁判所が選びます。

【覚え方のポイント】
成年後見人は「家庭裁判所が選ぶ」「法人もなれる」「複数でもよい」の3点を押さえます。また、成年後見人は、本人の意思を尊重し、心身の状態や生活の状況に配慮しなければならない(身上配慮義務、民法第858条)とされ、財産管理だけでなく、本人の生活を守る役割を担っています。
問44-9

次のA〜Dのうち、任意後見制度に関する記述として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 任意後見契約は、公正証書によってしなければならない。
B 任意後見契約は、契約を結んだ時点ですぐに効力を生ずる。
C 任意後見制度は、判断能力が十分なうちに、将来に備えて、後見人となる人と任せる事務の内容を自ら決めておく制度である。
D 任意後見監督人は、本人が契約の中で自由に指名して定める。

  • ①A○ B○ C○ D×
  • ②A○ B× C○ D×
  • ③A× B○ C× D○
  • ④A× B× C○ D○
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正解 ②A○ B× C○ D×
解説

A:○。任意後見契約に関する法律第3条は、任意後見契約は、法務省令で定める様式の公正証書によってしなければならないと定めています。本人の真意にもとづく契約であることを確かなものにするためです。
B:×。任意後見契約は、本人の判断能力が不十分な状況になり、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時から効力を生ずる旨の定めのある委任契約です(同法第2条第1号)。契約を結んだだけでは効力は生じず、それまでの間、契約の相手方は「任意後見受任者」と呼ばれます。
C:○。任意後見制度は、本人の判断能力が十分なうちに、将来判断能力が不十分になったときに備えて、誰に(任意後見人)、どのような事務(生活、療養看護、財産の管理など)を任せるかを、本人が自分で決めて契約しておく制度です。自己決定の尊重という理念をもっともよく表した仕組みといえます。
D:×。任意後見監督人は、本人、配偶者、四親等内の親族又は任意後見受任者の請求により、家庭裁判所が選任します(同法第4条)。任意後見人が適切に事務を行っているかを、公的な立場から監督するためです。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C○ D×:Bを○としている点が誤りです。
・A× B○ C× D○:A・Cを×、B・Dを○としている点が誤りです。
・A× B× C○ D○:Aを×、Dを○としている点が誤りです。

【覚え方のポイント】
任意後見は「元気なうちに自分で選ぶ(契約)」「公正証書で結ぶ」「判断能力が低下したら家庭裁判所が監督人を選ぶ→その時から効力」の流れで覚えます。法定後見は家庭裁判所が後見人を選ぶのに対し、任意後見は本人が後見人を選ぶ、という対比が基本です。
問54-9

社会福祉法において、福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保するとともに、福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決するため、都道府県社会福祉協議会に置かれるものはどれか。

  • ①運営適正化委員会
  • ②地方社会福祉審議会
  • ③民生委員推薦会
  • ④配分委員会
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正解 ①運営適正化委員会
解説

社会福祉法第83条は、都道府県の区域内において、福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保するとともに、福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決するため、都道府県社会福祉協議会に運営適正化委員会を置くと定めています。委員会は、人格が高潔で、社会福祉に関する識見を有し、社会福祉、法律又は医療に関し学識経験を有する者で構成されます。苦情の解決の申出があったときは、相談に応じて助言をし、事情を調査し、申出人と事業者の同意を得て、苦情解決のためのあっせんを行うことができます(第85条)。事業者との間で直接解決しにくい苦情を、中立的な第三者の立場から解決に導くための仕組みです。

他の選択肢が不適切な理由

・地方社会福祉審議会:都道府県・指定都市・中核市に置かれ、社会福祉に関する事項を調査審議する機関です(第7条)。苦情解決を担う機関ではありません。
・民生委員推薦会:市町村に置かれ、民生委員の候補者を都道府県知事に推薦する機関です(民生委員法)。
・配分委員会:共同募金会に置かれ、共同募金の寄附金の配分について承認を行う機関です。共同募金会は、寄附金の配分に当たってこの委員会の承認を得なければなりません。

【覚え方のポイント】
苦情解決の仕組みは2段構えです。まず、事業者自身が苦情の解決に努める(第82条)。事業者との間で解決が難しいときは、都道府県社協の運営適正化委員会に申し出る(第83条・第85条)。「都道府県社協=運営適正化委員会(苦情解決・福祉サービス利用援助事業の監視)」とセットで覚えましょう。
問64-9

福祉サービスに関する苦情解決の仕組みに関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①社会福祉事業の経営者は、利用者等からの苦情の適切な解決に努める
  • ②運営適正化委員会は、市町村ごとに、各市町村社会福祉協議会に置かれている
  • ③運営適正化委員会は、当事者の同意を得て苦情解決のあっせんを行うことができる
  • ④国の指針では、事業者に苦情受付担当者や第三者委員を置くことが示されている
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正解 ②運営適正化委員会は、市町村ごとに、各市町村社会福祉協議会に置かれている
解説

社会福祉法第83条は、運営適正化委員会を都道府県社会福祉協議会に置くと定めています。市町村ごとに市町村社会福祉協議会に置かれているのではないので、この記述が誤りです。運営適正化委員会は、都道府県の区域を単位として、中立・公正な立場から苦情の解決にあたるとともに、福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)が適正に運営されているかを見守る役割も担っています。

他の選択肢が適切な理由

・事業者の苦情解決の努力義務:正しい記述です。社会福祉法第82条は、社会福祉事業の経営者は、常に、その提供する福祉サービスについて、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならないと定めています。
・あっせん:正しい記述です。社会福祉法第85条第2項により、運営適正化委員会は、苦情の申出人と、その福祉サービスを提供した者の同意を得て、苦情の解決のあっせんを行うことができます。
・国の指針:正しい記述です。国は、社会福祉事業の経営者による苦情解決の仕組みについての指針を示しており、事業者に苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員を置くことなどが示されています。第三者委員は、事業者の外部の立場から苦情解決に関わることで、客観性と利用者の立場への配慮を確保する役割を担います。保育所でも、苦情受付の担当者や第三者委員の連絡先を掲示するなどの取組が行われています。

【覚え方のポイント】
苦情解決は「事業者内(苦情解決責任者・苦情受付担当者・第三者委員)→都道府県社協の運営適正化委員会」の2段階です。運営適正化委員会が置かれるのは「都道府県」社協であって、市町村社協ではない、という点が引っかけの定番です。
問74-9

社会福祉法に定める福祉サービスの利用契約や質の向上に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①契約の申込みがあったときは、説明を必ず書面で行わなければならない
  • ②福祉サービス第三者評価の受審は、すべての事業者に義務づけられている
  • ③契約成立時には、利用者に遅滞なく所定の事項を記載した書面を交付する
  • ④契約成立時の書面の交付は、利用者から求めがあった場合に限られる
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正解 ③契約成立時には、利用者に遅滞なく所定の事項を記載した書面を交付する
解説

社会福祉法第77条は、社会福祉事業の経営者は、福祉サービスを利用するための契約が成立したときは、利用者に対し、遅滞なく、経営者の名称と主たる事務所の所在地、提供する福祉サービスの内容、利用者が支払うべき額に関する事項などを記載した書面を交付しなければならないと定めています(利用者の承諾を得て電磁的方法で提供することもできます)。利用者が事業者と対等な立場で契約するためには、契約の内容を後から確かめられる形で手元に残すことが欠かせません。2000年の社会福祉基礎構造改革で「措置から契約へ」と転換したことに伴い、利用者を守るために設けられた仕組みの一つです。

他の選択肢が不適切な理由

・説明を必ず書面で:誤りです。第76条は、利用の申込みがあったときに、契約の内容とその履行に関する事項について説明するよう努めなければならないと定めていますが、説明を必ず書面で行うことまでは求めていません。申込み時の説明は努力義務、契約成立時の書面交付は義務、という違いがあります。
・第三者評価の受審:誤りです。第78条は、社会福祉事業の経営者が自ら福祉サービスの質の評価を行うなどして質の向上に努めることを定めており、第三者評価の受審は、すべての事業者に義務づけられているわけではありません(社会的養護関係施設のように、通知で定期的な受審が求められている施設はあります)。
・求めがあった場合に限る:誤りです。第77条は、契約が成立したときは、利用者からの求めの有無にかかわらず、遅滞なく書面を交付しなければならないとしています。書面には、利用者が支払うべき額に関する事項なども記載します。

【覚え方のポイント】
社会福祉法の利用者保護は、時間の順に「情報提供(第75条・努力義務)→申込み時の説明(第76条・努力義務)→契約成立時の書面交付(第77条・義務)→誇大広告の禁止(第79条)→苦情解決(第82条以下)」と並べて覚えます。「義務」なのは書面交付であることを押さえましょう。
問84-9

障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①行政機関等は、障害を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない
  • ②事業者は、障害を理由とする不当な差別的取扱いをしてはならない
  • ③事業者による合理的配慮の提供は、法改正で2024年4月から義務になった
  • ④合理的配慮は、実施に伴う負担が過重であっても提供しなければならない
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正解 ④合理的配慮は、実施に伴う負担が過重であっても提供しなければならない
解説

障害者差別解消法第7条第2項・第8条第2項は、行政機関等や事業者は、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をしなければならないと定めています。負担が過重かどうかは、事業への影響の程度、実現の可能性、費用などを考慮して個別に判断され、過重な場合でも、その理由を説明し、代わりの方法を話し合うことが求められます。したがって、負担が過重であっても必ず提供しなければならないとする記述が誤りです。

他の選択肢が適切な理由

・行政機関等の不当な差別的取扱いの禁止:正しい記述です(第7条第1項)。障害を理由に、正当な理由なくサービスの提供を拒否したり、条件をつけたりすることは禁止されています。
・事業者の不当な差別的取扱いの禁止:正しい記述です(第8条第1項)。事業者にも法的義務として課されています。保育所や社会福祉法人も、ここでいう行政機関等又は事業者として対象になります。
・事業者の合理的配慮の義務化:正しい記述です。制定当初、事業者の合理的配慮の提供は努力義務でしたが、2021年の法改正により法的義務とされ、2024年4月1日から施行されています。

【覚え方のポイント】
障害者差別解消法の2本柱は「不当な差別的取扱いの禁止」と「合理的配慮の提供」です。現在は、行政機関等も事業者も、どちらも義務です。合理的配慮の条件は「本人から意思の表明があること」「負担が過重でないこと」の2つ、と覚えておくと、条件を外した引っかけに気づけます。
問94-9

次のA〜Dのうち、虐待の防止に関する法律の規定として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 児童虐待の防止等に関する法律では、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに市町村や児童相談所などに通告しなければならない。
B 高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律でいう「高齢者」とは、65歳以上の者をいう。
C 高齢者虐待防止法では、養護者による虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、生命又は身体に重大な危険が生じているか否かにかかわらず、市町村に通報しなければならない。
D 障害者虐待防止法では、養護者による虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに市町村に通報しなければならない。

  • ①A○ B○ C○ D×
  • ②A× B○ C× D○
  • ③A○ B○ C× D○
  • ④A○ B× C○ D×
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正解 ③A○ B○ C× D○
解説

A:○。児童虐待の防止等に関する法律第6条は、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所などに通告しなければならないと定めています。虐待の確証がなくても「思われる」段階で通告する義務があります。
B:○。高齢者虐待防止法第2条第1項は、「高齢者」を65歳以上の者と定義しています。
C:×。高齢者虐待防止法第7条は、養護者による高齢者虐待を受けたと思われる高齢者を発見した者は、その高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じている場合は、速やかに市町村に通報しなければならないとし(第1項)、それ以外の場合は、通報するよう努めなければならないとしています(第2項)。危険の程度によって義務と努力義務に分かれているのです。
D:○。障害者虐待防止法第7条は、養護者による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに市町村に通報しなければならないと定めています(18歳未満の障害者は児童虐待防止法の対象となるため除かれています)。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C○ D×:Cを○、Dを×としている点が誤りです。
・A× B○ C× D○:Aを×としている点が誤りです。
・A○ B× C○ D×:B・Dを×、Cを○としている点が誤りです。

【覚え方のポイント】
3つの虐待防止法は、いずれも「思われる」段階での通告・通報を求めています。高齢者虐待(養護者による)だけは「重大な危険があれば義務、それ以外は努力義務」と2段階になっている点が違いです。また、どの法律でも、守秘義務の規定は通告・通報を妨げるものと解釈してはならないとされており、保育士の守秘義務があっても通告はためらわない、という点が保育の現場では特に重要です。
問104-9

障害者の権利に関する条約に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①2006年に国連総会で採択され、日本は2014年に批准した
  • ②合理的配慮を行わないことは、差別には含まれないものとされている
  • ③日本は、この条約を批准した後に障害者基本法を制定した
  • ④障害を、もっぱら本人の心身の機能の問題としてとらえる
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正解 ①2006年に国連総会で採択され、日本は2014年に批准した
解説

障害者の権利に関する条約は、障害者の人権と基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、2006年に国連総会で採択されました。日本は2007年に署名した後、すぐには批准せず、条約の水準に合わせて国内の法制度を整えることを優先しました。2011年の障害者基本法の改正、2012年の障害者総合支援法の成立、2013年の障害者差別解消法の制定などを経て、2014年に批准しています。「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」という言葉に象徴されるように、条約の作成過程には障害のある当事者が参加しました。

他の選択肢が不適切な理由

・合理的配慮と差別:誤りです。条約は、障害にもとづく差別には、合理的配慮の否定を含むあらゆる形態の差別が含まれるとしています。必要な配慮をしないことも差別にあたる、という考え方を明確にした点が、この条約の大きな特徴です。
・批准後に障害者基本法を制定:誤りです。障害者基本法は1970年に心身障害者対策基本法として制定され、1993年に現在の名称に改められた法律で、条約の批准前から存在しています。批准に向けて2011年に改正され、社会的障壁や合理的配慮の考え方が取り入れられました。
・本人の心身の機能の問題:誤りです。条約は、障害を、心身の機能の障害と、態度や環境による障壁との相互作用によって生じるものとしてとらえています。いわゆる社会モデルの考え方です。

【覚え方のポイント】
「2006年採択・2014年日本批准」と数字を押さえ、その間に国内法を整えた(2011 基本法改正→2012 総合支援法→2013 差別解消法)という流れで覚えます。「合理的配慮の否定も差別」「障害は社会との相互作用で生じる」の2点が、条約の考え方の核心です。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 社会福祉の一問一答

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