問18-9
金融サービスを提供する事業者に横断的に課された、顧客等の最善の利益を勘案しつつ顧客等に対して誠実かつ公正に業務を遂行する義務について、正しいものはどれか。
- ①金融サービス提供法に横断的な義務として定められている
- ②金融商品取引法の禁止行為の一つとして定められている
- ③日本証券業協会の自主規制規則にのみ定められている
- ④金融庁の原則として示されているだけで法令上の義務はない
答えと解説を見る
正解
①金融サービス提供法に横断的な義務として定められている
解説
顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に業務を遂行しなければならないという義務は、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)2条1項に置かれています。令和5年に成立した金融商品取引法等の一部を改正する法律により、金融商品取引業者だけでなく銀行・保険会社・企業年金の実施者などを含めて横断的に課される義務として新設され、令和6年11月から施行されました。これに伴い、従来この趣旨の誠実公正義務を置いていた金融商品取引法36条などから同趣旨の規定が削除されています。業態ごとに別々の法律で定めていたものを一本化したのは、同じような金融サービスを受ける利用者が、どの業態を通じて買ったかによって保護の程度が変わることをなくす狙いによるものです。
他の選択肢が不適切な理由
「金融商品取引法の禁止行為の一つとして定められている」は誤りです。誠実公正義務は「してはならない行為」を列挙した禁止規定ではなく、業務全体に向けられた行為規範であり、しかも規定の場所が金融サービス提供法へ移されています。「日本証券業協会の自主規制規則にのみ定められている」も誤りで、自主規制規則にも関連する定めはありますが、根拠は法律にあります。「金融庁の原則として示されているだけで法令上の義務はない」も誤りで、顧客本位の業務運営に関する原則とは別に、法律上の義務として定められています。
覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、誠実公正義務を金融商品取引法の条文として覚えたままにしていることです。「原則から法律へ、そして業態をまたぐ一本の義務へ」という移り方を押さえておくと、根拠法を問われても迷いません。
顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に業務を遂行しなければならないという義務は、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律(金融サービス提供法)2条1項に置かれています。令和5年に成立した金融商品取引法等の一部を改正する法律により、金融商品取引業者だけでなく銀行・保険会社・企業年金の実施者などを含めて横断的に課される義務として新設され、令和6年11月から施行されました。これに伴い、従来この趣旨の誠実公正義務を置いていた金融商品取引法36条などから同趣旨の規定が削除されています。業態ごとに別々の法律で定めていたものを一本化したのは、同じような金融サービスを受ける利用者が、どの業態を通じて買ったかによって保護の程度が変わることをなくす狙いによるものです。
他の選択肢が不適切な理由
「金融商品取引法の禁止行為の一つとして定められている」は誤りです。誠実公正義務は「してはならない行為」を列挙した禁止規定ではなく、業務全体に向けられた行為規範であり、しかも規定の場所が金融サービス提供法へ移されています。「日本証券業協会の自主規制規則にのみ定められている」も誤りで、自主規制規則にも関連する定めはありますが、根拠は法律にあります。「金融庁の原則として示されているだけで法令上の義務はない」も誤りで、顧客本位の業務運営に関する原則とは別に、法律上の義務として定められています。
覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、誠実公正義務を金融商品取引法の条文として覚えたままにしていることです。「原則から法律へ、そして業態をまたぐ一本の義務へ」という移り方を押さえておくと、根拠法を問われても迷いません。