2026年版・8-10

経済指標と金融政策の実務の一問一答

証券外務員二種「関連科目」から、経済指標と金融政策の実務に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-10

ある年の名目GDPが594兆円、実質GDPが550兆円であった。このとき、GDPデフレーターの値はいくらか。なお、小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めるものとし、税金および手数料は考慮しない。

  • ①92.6
  • ②108.0
  • ③8.0
  • ④1.08
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正解 ②108.0
解説
GDPデフレーターは、名目GDPを実質GDPで割って100を掛けた指数で、国内で新たに生み出された財やサービス全体の値段の動きを表します(内閣府「国民経済計算」)。名目GDPはその年の値段でそのまま計った金額、実質GDPは物価の変動を取り除いて計った金額です。両者を比べれば、金額が増えた分のうち「値段が上がったことによる分」がどれだけかが分かります。100を上回れば基準となる年より物価の水準が高いことを示し、この指数が継続して下がっていく状態はデフレーションの目安とされます。名目と実質という二つのGDPの関係を一つの数字で結び付けるものなので、割る順序が決まっていることが重要です。

計算過程
GDPデフレーター=名目GDP÷実質GDP×100
=594兆円÷550兆円×100
=1.08×100
=108.0

他の選択肢が不適切な理由
「92.6」は、実質GDPを名目GDPで割った逆の計算(550兆円÷594兆円×100=92.59…)による値で、割る順序を取り違えると出てくる数値です。
「8.0」は、名目と実質の差である44兆円を実質GDPで割った割合(44÷550×100=8.0)で、これはデフレーター本体ではなく物価の上昇率に相当する数字です。
「1.08」は、割り算までは正しいものの、100を掛けて指数の形にする操作を忘れた値です。デフレーターは基準年を100とする指数なので、必ず100倍して表します。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは割る順序です。正しくは「名目÷実質」で、逆にすると答えが逆数になってしまいます。物価が上がっている局面では名目のほうが大きい数字になりやすいので、「大きい方(名目)を上に置き、小さい方(実質)で割る」と覚えると取り違えを防げます。
問28-10

景気動向指数について、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)の違いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①CIは、景気変動の大きさやテンポを量的に測る指数である
  • ②DIは、景気の山の高さや谷の深さを量的に測る指数である
  • ③CIとDIは、いずれも日本銀行が公表する指数である
  • ④DI一致指数は、景気の後退局面で50%を上回る
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正解 ①CIは、景気変動の大きさやテンポを量的に測る指数である
解説
景気動向指数は、生産や雇用など景気に敏感な複数の統計をまとめて一つの指数にしたもので、内閣府が毎月公表しています。作り方の異なる二つの指数があります。CI(コンポジット・インデックス)は採用した統計の変化の大きさを合成するため、景気がどれだけ強く動いたかという量を測ることができます。一方DI(ディフュージョン・インデックス)は、改善した統計の数が全体に占める割合を計算するため、景気の動きがどれだけ多くの分野に広がっているかという波及の度合いを示します。内閣府は景気変動の量感を把握することがより重要になったとして、2008年4月分以降はCIを中心とした公表形態に移行しています。

他の選択肢が不適切な理由
「DIは、景気の山の高さや谷の深さを量的に測る指数である」は、CIの性質をDIの説明に取り違えたものです。DIは改善した統計の数の割合しか見ないため、大きく伸びても小幅に伸びても同じ値になり、山の高さや谷の深さは測れません。
「CIとDIは、いずれも日本銀行が公表する指数である」は公表機関の誤りで、景気動向指数を作成・公表しているのは内閣府です。日本銀行が公表するのは企業短期経済観測調査(短観)などです。
「DI一致指数は、景気の後退局面で50%を上回る」は上回る局面が逆です。DI一致指数は、月々の振れはあるものの景気の拡張局面で50%を上回り、後退局面では下回る傾向があります。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、CIとDIの役割の入れ替えです。CIのCを「量(Compositeで合成した大きさ)」、DIのDを「広がり(Diffusionで波及)」と結び付け、「大きさはCI、広がりはDI」と覚えます。50%の判断も「拡張なら50%超」と方向をセットで押さえてください。
問38-10

消費者物価指数の内容と、いわゆるコア指数に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①生鮮食品及びエネルギーを除く総合が、コアと呼ばれている
  • ②所得税や社会保険料の負担も、指数の対象に含まれている
  • ③持家の帰属家賃は、指数の計算対象から除かれている
  • ④生鮮食品を除く総合が、コアと呼ばれる基調的な指数である
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正解 ④生鮮食品を除く総合が、コアと呼ばれる基調的な指数である
解説
消費者物価指数(CPI)は、家計が買う財やサービスの値段の動きを表す指数で、総務省が毎月公表する基幹統計です。全体をまとめた「総合」のほかに、値動きの激しい部分を除いた指数が作られています。天候によって値段が大きく振れる生鮮食品を除いた「生鮮食品を除く総合」がコアと呼ばれ、一時的な要因を取り除いて物価の基調(大きな流れ)をみるために使われます。さらに原油価格に左右されるエネルギーまで除いた「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」はコアコアと呼ばれます。指数の対象は家計の消費支出であり、五年ごとに基準となる年と品目の組合せが見直されます。

他の選択肢が不適切な理由
「生鮮食品及びエネルギーを除く総合が、コアと呼ばれている」は名称の取り違えです。生鮮食品に加えてエネルギーまで除いたものはコアコアと呼ばれ、コアは生鮮食品だけを除いた指数を指します。
「所得税や社会保険料の負担も、指数の対象に含まれている」は誤りで、所得税・住民税などの直接税や社会保険料は消費支出ではない支出(非消費支出)として対象から除かれます。預貯金や有価証券の購入も含まれません。
「持家の帰属家賃は、指数の計算対象から除かれている」も誤りです。自分の持ち家についても借家と同じ住まいのサービスを受けているとみなして家賃相当額を計算する持家の帰属家賃は、「総合」に含めて計算されています。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、コアとコアコアの取り違えです。「コアは生鮮食品だけを除く、コアコアは生鮮食品とエネルギーの二つを除く」と、除く対象の数と呼び名の長さを対応させて覚えると混同しません。消費税は商品の値段に含まれるため指数に反映される点も、直接税との違いとして押さえてください。
問48-10

日本銀行が公表するマネタリーベースに関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①日本銀行券発行高と貨幣流通高、日銀当座預金の合計である
  • ②日本銀行が供給する通貨の量を表す指標として用いられる
  • ③金融機関が保有している現金は、集計の対象から除かれる
  • ④硬貨である貨幣の発行は政府が行い、その流通高を含める
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正解 ③金融機関が保有している現金は、集計の対象から除かれる
解説
マネタリーベースは「日本銀行が供給する通貨」の量を表す統計で、日本銀行券発行高と貨幣流通高(硬貨)を合わせた流通現金に、金融機関が日本銀行に預けている日銀当座預金を加えて計算します(日本銀行「マネタリーベース」)。マネーストックが金融部門全体から経済全体へ供給された通貨をとらえるのに対し、マネタリーベースは中央銀行が世の中へ出した通貨をとらえるという違いがあります。この視点の違いから、マネタリーベースの流通現金には金融機関が手元に持っている現金も含まれます。日本銀行が資金を供給すると日銀当座預金が増えるため、マネタリーベースは金融調節の結果が最も直接に表れる指標といえます。

他の選択肢が不適切な理由
「日本銀行券発行高と貨幣流通高、日銀当座預金の合計である」は正しい計算式です。紙幣・硬貨・日銀当座預金の三つを足し合わせます。
「日本銀行が供給する通貨の量を表す指標として用いられる」も正しく、これがマネーストックとの最大の違いです。
「硬貨である貨幣の発行は政府が行い、その流通高を含める」も正しい記述です。紙幣は日本銀行が発行しますが、硬貨は政府が発行し、その流通高がマネタリーベースに含まれます。
これに対し「金融機関が保有している現金は、集計の対象から除かれる」は誤りで、除かれるのはマネーストック統計の現金通貨の方です。マネタリーベースには金融機関の保有分も含まれます。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、マネタリーベースとマネーストックで「金融機関が持つ現金」の扱いが逆になる点です。マネーストックは「世の中(金融機関以外)が持つお金」なので金融機関の分を除き、マネタリーベースは「日銀が出したお金」なので誰が持っていても数える、と主語で区別してください。
問58-10

無担保コールレート(オーバーナイト物)と金融市場調節に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①日本銀行は、コール市場で成立する金利を直接に決める権限を持つ
  • ②政策金利は、無担保コールレート(オーバーナイト物)である
  • ③金融市場調節方針は、財務省が閣議決定によって定めるものである
  • ④政策金利は、10年物国債の流通利回りに当たるものである
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正解 ②政策金利は、無担保コールレート(オーバーナイト物)である
解説
無担保コールレート(オーバーナイト物)は、金融機関同士が担保を差し入れずに、その日借りて翌営業日に返す形で資金をやりとりするときの金利です。金融機関の資金の余り具合を最も敏感に反映するため、日本銀行はこれを政策金利として位置づけ、金融政策決定会合で決めた金融市場調節方針に沿って、目標とする水準へ誘導しています(日本銀行「金融市場調節」)。誘導の手段は、資金を供給したり吸収したりする公開市場操作と、日銀当座預金のうち法定準備を超える部分に金利を付ける仕組みなどです。短期の金利がまず動き、それが順に長めの金利や貸出金利へ波及していくため、出発点となる金利をどこに置くかが金融政策の要になります。

他の選択肢が不適切な理由
「日本銀行は、コール市場で成立する金利を直接に決める権限を持つ」は誤りです。コール市場の金利は市場で取引する当事者の間で決まるもので、日本銀行は資金量の調節を通じて目標水準へ「誘導」します。
「金融市場調節方針は、財務省が閣議決定によって定めるものである」も誤りで、方針を決めるのは日本銀行の政策委員会が開く金融政策決定会合です。日本銀行の自主性は法律で尊重されています。
「政策金利は、10年物国債の流通利回りに当たるものである」も誤りです。10年物国債の利回りは長期金利の代表的な指標ですが、政策金利そのものではありません。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、政策金利と長期金利の混同です。政策金利は「翌日返す一番短い金利」、10年物国債の利回りは「長期金利の代表」と、期間の長短で区別してください。また「決める」ではなく「誘導する」という言い方が使われる理由まで押さえると、選択肢のわずかな言い換えに惑わされません。
問68-10

日本銀行の金融調節を支える準備預金制度および補完貸付制度に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①準備預金制度により、対象金融機関は日銀当座預金に一定額を積む
  • ②補完貸付制度は、金融機関の求めに応じて日銀が貸付けを行う制度である
  • ③法定準備率の引下げは、金融を緩和する方向に働くものである
  • ④準備預金を積む義務は、すべての金融商品取引業者が負っている
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正解 ④準備預金を積む義務は、すべての金融商品取引業者が負っている
解説
日本銀行の金融調節は、準備預金制度・公開市場操作・補完貸付制度を組み合わせて行われています(日本銀行「金融市場調節」)。準備預金制度は、準備預金制度に関する法律に基づき、銀行など預金を受け入れる金融機関に対して、受け入れた預金の一定割合以上を日銀当座預金として積むことを義務づける制度です。この義務があるおかげで日銀当座預金の需要がある程度読めるようになり、日本銀行は資金の供給や吸収によって短期金利を狙った水準へ誘導しやすくなります。補完貸付制度は、金融機関から申し出があれば担保の範囲内で日本銀行が貸し付ける仕組みで、短期金利が上がりすぎるのを抑える役割を担っています。

他の選択肢が不適切な理由
「準備預金制度により、対象金融機関は日銀当座預金に一定額を積む」は正しい説明です。積む額は受け入れた預金額に準備率を掛けて計算します。
「補完貸付制度は、金融機関の求めに応じて日銀が貸付けを行う制度である」も正しく、金融機関側の申込みを起点とする点が特徴です。
「法定準備率の引下げは、金融を緩和する方向に働くものである」も正しい記述です。積む義務が軽くなると金融機関が貸出などに回せる資金が増えるため、緩和の方向に働きます。
これに対し「準備預金を積む義務は、すべての金融商品取引業者が負っている」は誤りです。義務を負うのは預金を受け入れる金融機関などであり、預金を扱わない証券会社は対象になりません。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、準備預金制度の対象を「金融機関すべて」と広げてしまうことです。制度の目的は預金という決済手段を扱う機関の資金繰りを通じて金利を動かすことなので、対象は預金を受け入れる金融機関だと押さえてください。準備率の上げ下げと緩和・引締めの向きも、上げれば引締めと逆向きで覚えます。
問78-10

日本銀行の政策委員会と、日本銀行法が定める独立性に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①政策委員会は、総裁と副総裁2人、審議委員6人で構成される
  • ②政策委員会の議長は、財務大臣が兼務する仕組みになっている
  • ③金融政策の決定は、内閣の認可を受けて初めて効力を生ずる
  • ④金融政策決定会合の議事要旨は、対外的に公表されない
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正解 ①政策委員会は、総裁と副総裁2人、審議委員6人で構成される
解説
政策委員会は日本銀行の最高意思決定機関で、総裁1人、副総裁2人、審議委員6人の合計9人で構成されます(日本銀行「組織図・役員」)。このうち金融政策を議題とする会合が金融政策決定会合で、次の会合までの金融市場調節方針などがここで決まります。1998年4月に施行された現在の日本銀行法は、独立性と透明性を大きな柱としました。独立性とは、通貨および金融の調節における自主性が尊重されるということで、政府の認可を受けなければ決定が有効にならないという仕組みは採られていません。他方で、決定した内容やそこに至る議論を国民に説明する責任も課され、議事要旨や議事録が公表されます。独立性は説明責任と一体で成り立っている点が重要です。

他の選択肢が不適切な理由
「政策委員会の議長は、財務大臣が兼務する仕組みになっている」は誤りです。議長は政策委員会が委員の中から選任し、実際には総裁が務めています。政府は会合に出席して意見を述べることはできますが、議決には加わりません。
「金融政策の決定は、内閣の認可を受けて初めて効力を生ずる」も誤りで、これでは独立性が失われます。金融調節に関する決定に内閣の認可は必要ありません。
「金融政策決定会合の議事要旨は、対外的に公表されない」も誤りです。透明性の確保のため議事要旨は次回以降の会合の承認を経て公表され、議事録も一定期間の経過後に公表されます。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、独立性を「何も説明しなくてよい」と読み違えることです。現行法の柱は独立性と透明性の二つで、決定に口出しはされないかわりに公表による説明が求められます。「9人の委員が決め、決めた理由は必ず公表する」と組み合わせて覚えてください。
問88-10

外国為替平衡操作(為替介入)を行う主体と手続に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①為替介入は、財務大臣の権限に基づいて実施されるものである
  • ②日本銀行は、財務大臣の指示を受けて介入の実務を担っている
  • ③円買い介入は、円安をさらに進めることを目的に実施される
  • ④介入に必要な資金は、外国為替資金特別会計で経理される
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正解 ③円買い介入は、円安をさらに進めることを目的に実施される
解説
為替介入の正式な名称は外国為替平衡操作で、為替相場の急な変動をならして安定させることを目的に、通貨当局が外国為替市場で通貨を売買する行為です。わが国では、外国為替及び外国貿易法により財務大臣が本邦通貨の為替相場の安定に努めるものとされており、介入を行うかどうかは財務大臣の権限で決まります。日本銀行は財務大臣の代理人として、その指示に基づいて売買の実務を行います(日本銀行「外国為替市場介入事務の概要」)。必要な資金は外国為替資金特別会計で経理され、円安を止めたいときは同会計の外貨を売って円を買う「円買い介入」、円高を止めたいときは政府短期証券で調達した円を売って外貨を買う「円売り介入」を行います。

他の選択肢が不適切な理由
「為替介入は、財務大臣の権限に基づいて実施されるものである」は正しい記述です。判断の主体は日本銀行ではなく財務大臣です。
「日本銀行は、財務大臣の指示を受けて介入の実務を担っている」も正しく、決めるのは財務大臣、実際に売買するのは日本銀行という役割分担になっています。
「介入に必要な資金は、外国為替資金特別会計で経理される」も正しい記述です。日本銀行が自らの資金で行うものではありません。
これに対し「円買い介入は、円安をさらに進めることを目的に実施される」は目的が逆です。円を買えば円の需要が増えるため、円買い介入は行きすぎた円安を抑えて円高の方向へ働かせるために行われます。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、介入の名前と向きの取り違えです。介入は「買った通貨が高くなる方向に働く」と考えれば迷いません。円買い介入なら円が高くなる方向、円売り介入なら円が安くなる方向です。加えて「決めるのは財務大臣、動くのは日本銀行」という役割分担も必ずセットで覚えてください。
問98-10

建設国債と特例国債の区別および特別会計に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①建設国債は、財政法のただし書きを根拠として発行される国債である
  • ②特例国債は、いわゆる特例公債法に基づいて発行される国債である
  • ③特別会計は、特定の歳入を特定の歳出に充てるために設けられる
  • ④特例国債は、公共事業費の財源に充てるために発行される国債である
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正解 ④特例国債は、公共事業費の財源に充てるために発行される国債である
解説
財政法は、国の歳出は原則として国債や借入金以外の収入で賄うと定めた上で、ただし書きで公共事業費・出資金・貸付金の財源に限って国債の発行を認めています。これを根拠に発行されるのが建設国債で、条文の番号から4条債とも呼ばれます(財務省「赤字国債と建設国債の違い」)。建設国債を出してもなお財源が足りない場合に、公共事業費以外の歳出に充てる資金を調達するため、その都度制定される特例公債法に基づいて発行されるのが特例国債で、性質から赤字国債とも呼ばれます。将来の世代も使う施設の費用は借入れで賄う余地を認め、その年に消えてしまう経費は原則として税収で賄うという考え方が、この区別の背景にあります。

他の選択肢が不適切な理由
「建設国債は、財政法のただし書きを根拠として発行される国債である」は正しい記述です。本文で原則を禁じ、ただし書きで例外を認める構造になっています。
「特例国債は、いわゆる特例公債法に基づいて発行される国債である」も正しく、財政法だけでは発行できないため特別の法律が必要になります。
「特別会計は、特定の歳入を特定の歳出に充てるために設けられる」も正しい記述です。国の会計は一般会計に一本化するのが原則ですが、事業や資金の実績を明らかにする必要がある場合に法律で特別会計が設けられます。
これに対し「特例国債は、公共事業費の財源に充てるために発行される国債である」は誤りで、公共事業費の財源に充てられるのは建設国債です。特例国債はそれ以外の歳出のために発行されます。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、建設国債と特例国債の使い道の入れ替えです。「建物などが残る公共事業は建設国債、後に残らない経費は特例国債(赤字国債)」と、資産が残るかどうかで区別してください。根拠となる法律も、建設国債は財政法そのもの、特例国債は別に作る法律という違いで押さえます。
問108-10

ある年のわが国の国際収支の内訳が次のとおりであったとする。貿易収支5兆円、サービス収支△3兆円、第一次所得収支35兆円、第二次所得収支△4兆円。このとき、経常収支はいくらか。なお、△は赤字を表すものとし、税金および手数料は考慮しない。

  • ①33兆円
  • ②37兆円
  • ③43兆円
  • ④△2兆円
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正解 ①33兆円
解説
経常収支は、貿易・サービス収支、第一次所得収支、第二次所得収支の三つを合計したものです。貿易・サービス収支は財貨の輸出入の差額である貿易収支と、輸送・旅行・知的財産権等の使用料などのやりとりであるサービス収支を合わせたものです。第一次所得収支は、対外的な投資から生じる利子や配当などの受払いを表し、第二次所得収支は対価を伴わない資金のやりとり(無償の資金援助や国際機関への拠出など)を表します。なお、金融収支は投資による資産・負債の増減を記録する別の項目であり、経常収支には含まれません。赤字の項目はマイナスとして足し合わせます。

計算過程
経常収支=貿易・サービス収支+第一次所得収支+第二次所得収支
貿易・サービス収支=5兆円+(△3兆円)=2兆円
経常収支=2兆円+35兆円+(△4兆円)
=37兆円-4兆円
=33兆円

他の選択肢が不適切な理由
「37兆円」は、第二次所得収支の△4兆円を足し忘れた場合の数値です(5-3+35=37)。赤字の項目こそ落としやすいので注意が必要です。
「43兆円」は、サービス収支の△3兆円をプラスとして扱い、さらに第二次所得収支を無視した場合の数値です(5+3+35=43)。符号の取り違えが二重に起きた形です。
「△2兆円」は、第一次所得収支の35兆円を含めずに計算した場合の数値です(5-3-4=△2)。第一次所得収支はわが国では大きな黒字項目であり、外してしまうと結論が正反対になります。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、金融収支を経常収支の一部だと思い込むことです。経常収支に入るのは貿易・サービス、第一次所得、第二次所得の三つだけです。また第一次所得収支(投資から得る利子や配当)と第二次所得収支(見返りのない援助など)は名前が似ているので、「一次はもうけ、二次は贈り物」と区別して覚えてください。

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