2026年版・8-8

証券税制(譲渡益課税・特定口座・NISA)の一問一答

証券外務員二種「関連科目」から、証券税制(譲渡益課税・特定口座・NISA)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全480問) 関連科目の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-8

特定口座について源泉徴収を選択する場合、その届出書をいつまでに提出する必要があるかを述べた記述として、正しいものはどれか。

  • ①その年の最初の譲渡の日の属する月の末日までに届出書を出す
  • ②その年の確定申告の期限までに届出書を提出すれば足りる
  • ③その年の最初の譲渡の時までに届出書を提出する必要がある
  • ④譲渡のたびに源泉徴収するかどうかを選び直すことができる
答えと解説を見る
正解 ③その年の最初の譲渡の時までに届出書を提出する必要がある
解説
特定口座のうち源泉徴収選択口座を利用するには、その年の最初の譲渡の時までに、金融商品取引業者等へ「特定口座源泉徴収選択届出書」を提出しなければなりません(国税庁タックスアンサーNo.1476)。源泉徴収するかどうかは、その年に生じた譲渡損益の集計方法そのものを左右するため、年の途中で切り替えられると税額の計算が成り立たなくなります。そのため、その年に1回でも譲渡をしてしまうと、その年についてはもう源泉徴収の選択を変えられない仕組みになっています。源泉徴収選択口座を選ぶと、譲渡益に対して所得税および復興特別所得税15.315%(ほかに住民税5%)が源泉徴収され、その口座の所得については確定申告をしないことも選べます。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「その年の最初の譲渡の日の属する月の末日までに届出書を出す」は、期限が実際より遅く、譲渡が済んだ後でも選択できることになってしまうため誤りです。「その年の確定申告の期限までに届出書を提出すれば足りる」も誤りで、源泉徴収は取引のたびに行う手続なので、翌年の申告期限まで待つことはできません。「譲渡のたびに源泉徴収するかどうかを選び直すことができる」も誤りで、選択はその年単位で固定され、途中で変更することはできません。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、確定申告の期限と混同することです。源泉徴収の選択は「税金を取られる前に決めておく」ものなので、その年の最初の譲渡より前が期限になる、という時間の順番で押さえてください。
問28-8

特定口座年間取引報告書を誰が作成して誰に交付するかについて述べた記述として、正しいものはどれか。

  • ①金融商品取引業者等が作成し、顧客に対して交付する
  • ②顧客が自ら作成し、金融商品取引業者等へ提出する
  • ③税務署が作成し、確定申告の前に顧客へ送付する
  • ④発行会社が作成し、株主名簿管理人が顧客へ交付する
答えと解説を見る
正解 ①金融商品取引業者等が作成し、顧客に対して交付する
解説
特定口座では、金融商品取引業者等がその口座内の上場株式等の譲渡損益を計算し、1年分をまとめた「特定口座年間取引報告書」を作成して顧客に交付します(国税庁タックスアンサーNo.1476)。この仕組みは、投資者が自分で取得価額や譲渡損益を積み上げて計算する手間を省き、申告のしやすさを高めるために設けられたものです。簡易申告口座では、この報告書に記載された金額を用いて簡便に確定申告ができます。源泉徴収選択口座では、あらかじめ所得税および復興特別所得税15.315%(ほかに住民税5%)が源泉徴収されるため、その口座の所得について確定申告をしないことも選べますが、他の口座の譲渡損益と相殺する場合や譲渡損失の繰越控除を受ける場合には確定申告が必要です。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「顧客が自ら作成し、金融商品取引業者等へ提出する」は作成者と流れが逆で、投資者の計算の負担を軽くするという制度の目的にも反します。「税務署が作成し、確定申告の前に顧客へ送付する」も誤りで、取引の内容を把握しているのは口座を管理する金融商品取引業者等です。「発行会社が作成し、株主名簿管理人が顧客へ交付する」も誤りで、発行会社は誰がいくらで売買したかを把握していないため、譲渡損益を計算することができません。

覚え方のポイント
落とし穴は、確定申告に使う書類だから税務署が用意してくれると思い込むことです。売買を実際に取り次いだ金融商品取引業者等でなければ譲渡損益は計算できない、という当たり前の事実から作成者を導けるようにしておきましょう。
問38-8

上場株式等と一般株式等の譲渡による所得の取扱いについて、誤っているものはどれか。

  • ①いずれの譲渡による所得も申告分離課税の対象となる
  • ②上場株式等の譲渡損失は一般株式等の譲渡益から引けない
  • ③一般株式等の譲渡損失は上場株式等の譲渡益から引けない
  • ④一般株式等の譲渡損失は申告分離課税の配当等から引ける
答えと解説を見る
正解 ④一般株式等の譲渡損失は申告分離課税の配当等から引ける
解説
株式等の譲渡による所得は「上場株式等に係る譲渡所得等」と「一般株式等に係る譲渡所得等」の2つに区分され、それぞれ他の所得と切り離して申告分離課税で計算します(国税庁タックスアンサーNo.1463)。この2つは別のグループとして扱われるため、上場株式等の譲渡損失を一般株式等の譲渡益から控除することはできず、その逆もできません。さらに、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得等から控除できるのは上場株式等に係る譲渡損失に限られており(同No.1474)、一般株式等の譲渡損失をそこから控除することはできません。上場株式等について損益通算の道を広く用意しているのは、市場を通じた投資を後押しするという政策的な判断によるもので、その優遇は上場株式等のグループの中だけで完結させる建て付けになっています。

他の選択肢が不適切な理由
「いずれの譲渡による所得も申告分離課税の対象となる」は正しく、どちらの区分も給与所得などとは合算しません。「上場株式等の譲渡損失は一般株式等の譲渡益から引けない」も正しい記述です。「一般株式等の譲渡損失は上場株式等の譲渡益から引けない」も正しく、2つの区分の間で損益を行き来させることはできません。なお税率はいずれの区分も20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)です。令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、税率が同じだから通算もできるはずだと考えてしまうことです。税率が同じでも所得のグループが違えば通算できません。「上場は上場の中だけ」と一言で覚えておけば、配当との通算が上場株式等に限られることも同じ理屈で説明できます。
問48-8

居住者であるDさんは、源泉徴収選択口座で保有する上場株式であるE社株式1,000株を、1株当たり3,000円で売却した。この株式の取得価額は1株当たり2,400円であり、売却時の委託手数料は8,000円であった。この譲渡について源泉徴収される所得税および復興特別所得税と住民税の合計額はいくらか。なお、1円未満の端数は切り捨てるものとし、取得時の委託手数料および他の取引は考慮しない。

  • ①121,890円
  • ②120,264円
  • ③90,664円
  • ④609,450円
答えと解説を見る
正解 ②120,264円
解説
上場株式等に係る譲渡所得等の金額は、譲渡による総収入金額から、取得費と委託手数料などの必要経費を差し引いて計算します(国税庁タックスアンサーNo.1463)。源泉徴収選択口座では、こうして求めた譲渡益に対して所得税および復興特別所得税15.315%と住民税5%、合計20.315%が源泉徴収されます。売却したときにかかった委託手数料は必要経費として差し引ける点を落とさないようにしてください。

計算過程
譲渡による総収入金額=3,000円×1,000株=3,000,000円
取得費=2,400円×1,000株=2,400,000円
譲渡所得等の金額=3,000,000円-2,400,000円-8,000円=592,000円
源泉徴収される税額=592,000円×20.315%=120,264.8円
1円未満を切り捨てて120,264円

他の選択肢が不適切な理由
「121,890円」は、売却時の委託手数料8,000円を差し引かずに譲渡益を600,000円として計算した金額です。「90,664円」は、住民税5%を足し忘れて所得税および復興特別所得税15.315%だけで計算した金額です。「609,450円」は、取得費と委託手数料を差し引かずに、売却代金3,000,000円そのものに20.315%を掛けてしまった金額です。

覚え方のポイント
落とし穴は「20.315%」と「15.315%」の取り違えです。源泉徴収選択口座から実際に引かれる金額を問われたら住民税まで含んだ20.315%、所得税等だけを問われたら15.315%と、聞かれている範囲を必ず確認してください。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。
問58-8

居住者であるFさんは、X1年に上場株式等の譲渡損失1,200,000円を生じ、X2年にも上場株式等の譲渡損失300,000円を生じた。X3年には上場株式等の譲渡益2,000,000円が生じている。FさんはX1年からX3年まで連続して確定申告を行い、繰越控除の適用を受けている。X3年分の上場株式等に係る譲渡所得等の金額(繰越控除後)はいくらか。なお、配当等はなく、他の取引および手数料は考慮しない。

  • ①500,000円
  • ②2,000,000円
  • ③800,000円
  • ④1,700,000円
答えと解説を見る
正解 ①500,000円
解説
上場株式等に係る譲渡損失のうち、その年に控除しきれなかった金額は、翌年以後3年間にわたって繰り越し、上場株式等に係る譲渡所得等の金額などから控除できます(国税庁タックスアンサーNo.1474)。この特例を受けるには、損失が生じた年に確定申告をしたうえで、その後の各年について連続して確定申告をしていることが必要です。本問ではX1年とX2年の損失がいずれも3年以内であり、どちらもX3年の譲渡益から控除できます。

計算過程
繰り越されている譲渡損失の合計=1,200,000円+300,000円=1,500,000円
X3年の上場株式等に係る譲渡益=2,000,000円
繰越控除後の譲渡所得等の金額=2,000,000円-1,500,000円=500,000円
よって500,000円となります。

他の選択肢が不適切な理由
「800,000円」は、X1年の損失1,200,000円だけを控除し、X2年の損失300,000円を使い忘れた金額です。「1,700,000円」は、X2年の損失300,000円だけを控除し、X1年の損失1,200,000円を使い忘れた金額です。「2,000,000円」は、繰越控除をまったく適用しなかった場合の金額で、連続して確定申告をしている本問では繰越控除が使えます。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、繰越控除を「1年分だけ」と思い込むことです。3年以内に生じた損失は複数年分をまとめて控除でき、控除しきれなかった残りはさらに次の年へ繰り越せます。ただし1年でも申告を飛ばすと打ち切られる点にも注意してください。なお税率は20.315%で、令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。
問68-8

現行のNISAにおいて、非課税保有限度額1,800万円がどのように管理されるかを述べた記述として、正しいものはどれか。

  • ①時価残高で管理され、値上がりすると枠が減っていく
  • ②簿価残高で管理され、売却した分の枠は復活しない
  • ③簿価残高で管理され、売却分の枠は翌年以降使える
  • ④簿価残高で管理され、売却した分の枠が当年中に戻る
答えと解説を見る
正解 ③簿価残高で管理され、売却分の枠は翌年以降使える
解説
2024年から適用されているNISAの非課税保有限度額1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円)は、時価ではなく買付代金である簿価の残高で管理されます(金融庁「NISAを知る」、国税庁タックスアンサーNo.1535)。簿価で管理するため、保有している商品が値上がりしても枠を圧迫することはありません。また、NISA口座内の商品を売却した場合には、その商品の簿価に相当する分の枠を翌年以降に再利用できます。値上がりで枠が減るとすれば長期保有した人が不利になってしまうため、腰を据えた資産形成を後押しするという制度の狙いに沿って、簿価残高方式が採られているのです。ただし、再利用できる枠がその年の年間投資枠(つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円、合計360万円)に上乗せされるわけではありません。

他の選択肢が不適切な理由
「時価残高で管理され、値上がりすると枠が減っていく」は管理の方法が誤りで、時価ではなく簿価で管理します。「簿価残高で管理され、売却した分の枠は復活しない」は、管理方法は正しいものの、売却した分の枠は翌年以降に再利用できるため後半が誤りです。「簿価残高で管理され、売却した分の枠が当年中に戻る」は復活する時期が誤りで、枠が使えるようになるのは売却した年ではなく翌年以降です。

覚え方のポイント
落とし穴は、枠が復活する時期を「売ったらすぐ」と覚えてしまうことです。年末時点の簿価残高を金融機関が国税庁へ報告し、その情報をもとに翌年の買付可能額が決まるという流れを知っておくと、翌年以降になる理由まで納得して覚えられます。
問78-8

現行のNISAの成長投資枠で買い付けることができる商品の範囲について、誤っているものはどれか。

  • ①整理銘柄や監理銘柄に指定された上場株式は対象外である
  • ②信託期間が20年未満である公募投資信託は除外される
  • ③毎月分配型として運用される公募投資信託は含まれない
  • ④上場されている不動産投資法人の投資口は対象から外れる
答えと解説を見る
正解 ④上場されている不動産投資法人の投資口は対象から外れる
解説
成長投資枠の対象商品は、上場株式や公募投資信託などのうち、安定的な資産形成という制度の目的にそぐわないものを除いて定められています。除かれるのは、整理銘柄・監理銘柄に指定されている上場株式等、信託期間が20年未満の投資信託、毎月分配型の投資信託、およびデリバティブ取引を用いた一定の投資信託(高レバレッジ型を含む)です(金融庁「NISAを知る」)。上場されている不動産投資法人の投資口、いわゆるJ-REITはこれらのいずれにも当たらないため、成長投資枠の対象になります。除外の基準が「短期で終わる」「分配で元本を削りやすい」「価格変動が過大」といった性質に向けられており、資産の種類そのものを理由に外しているわけではない、という考え方を押さえてください。

他の選択肢が不適切な理由
「整理銘柄や監理銘柄に指定された上場株式は対象外である」は正しく、上場廃止のおそれがある銘柄は長期保有に適さないため除かれます。「信託期間が20年未満である公募投資信託は除外される」も正しい記述です。「毎月分配型として運用される公募投資信託は含まれない」も正しく、分配を繰り返すと複利の効果が働きにくいことが理由とされています。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、J-REITを「不動産だから対象外」と決めつけることです。除外されるのは商品の性質に問題があるものだけで、上場されている投資口は上場株式と同じように扱われる、と整理しておきましょう。なおNISA口座で受け取る分配金を非課税にするには、株式数比例配分方式を選んでおく必要があります。
問88-8

相続によって取得した上場株式を譲渡したが、取得した時期が古く取得費が分からない場合の取扱いとして、正しいものはどれか。なお、相続税額の取得費加算の特例は考慮しない。

  • ①収入金額の5%相当額を取得費とすることができる
  • ②収入金額の10%相当額を取得費とすることができる
  • ③収入金額の20%相当額を取得費とすることができる
  • ④取得費を0円として譲渡所得等の金額を計算する
答えと解説を見る
正解 ①収入金額の5%相当額を取得費とすることができる
解説
譲渡した株式等が相続したものであるとか、購入した時期が古いなどの理由で取得費が分からない場合には、同一銘柄ごとに、譲渡による収入金額の5%相当額を取得費とすることができます(国税庁タックスアンサーNo.1464)。たとえば300万円で譲渡した場合は、その5%である15万円を取得費として計算できます。実際の取得費が収入金額の5%相当額を下回る場合でも、この5%を用いることが認められています。取得費が分からないからといって課税できないとすると課税の公平が保てず、逆に取得費を一切認めないと実態より重い税負担になってしまうため、割り切った一定割合を認める仕組みが用意されているのです。

他の選択肢が不適切な理由
「収入金額の10%相当額を取得費とすることができる」と「収入金額の20%相当額を取得費とすることができる」は、いずれも割合が誤りで、認められているのは5%相当額です。「取得費を0円として譲渡所得等の金額を計算する」は誤りで、この方法だと収入金額の全額が譲渡益となり実態から離れた課税になるため、5%相当額を取得費とする取扱いが認められています。

覚え方のポイント
落とし穴は、土地・建物の概算取得費と混同して割合を取り違えることです。実は土地・建物でも売った金額の5%相当額であり、割合は同じ5%だと押さえておけば迷いません。なお、証券会社の取引報告書や預金通帳の記録などから取得価額が分かる場合は、まずその金額を用いる点にも注意してください。
問98-8

上場株式等に係る譲渡損失を翌年以後へ繰り越して控除するための手続と、その効果について、誤っているものはどれか。

  • ①損失が生じた年分について確定申告をしておく
  • ②その後の各年について連続して確定申告を行う
  • ③繰り越した損失は一般株式等の譲渡益から引けない
  • ④繰越控除ができる期間は損失の年の翌年から5年間
答えと解説を見る
正解 ④繰越控除ができる期間は損失の年の翌年から5年間
解説
上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除ができる期間は、損失が生じた年分の翌年以後3年間です(国税庁タックスアンサーNo.1474)。5年間ではありません。適用を受けるには、損失が生じた年分について確定申告書に必要な明細を付けて提出し、その後の各年についても連続して確定申告をしていることが必要です。取引がなかった年でも申告を飛ばすと繰越しが打ち切られてしまいます。連続申告を求めているのは、損失の残額を税務署と納税者の双方が毎年確認できる状態にしておくためです。また、繰り越した損失を控除できるのは上場株式等に係る譲渡所得等と、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得等に限られ、一般株式等に係る譲渡所得等から控除することはできません。

他の選択肢が不適切な理由
「損失が生じた年分について確定申告をしておく」は正しく、これが繰越控除の出発点になる手続です。「その後の各年について連続して確定申告を行う」も正しく、1年でも欠けると以後の繰越控除が使えなくなります。「繰り越した損失は一般株式等の譲渡益から引けない」も正しい記述で、上場株式等と一般株式等は別の区分として扱われます。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、繰越控除の期間を法人税の欠損金の繰越しなどと混同して長く覚えてしまうことです。上場株式等の譲渡損失は「翌年から3年」と数字を固定し、あわせて「毎年の申告が必要」という条件をセットで覚えてください。なお税率は20.315%で、令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。
問108-8

居住者であるGさんは、上場株式であるH社株式を、最初に4,000株を1株当たり600円で購入し、その後2,000株を1株当たり900円で購入した。その後、このH社株式のうち3,000株を1株当たり1,000円で売却した。総平均法に準ずる方法により計算した場合、この売却による上場株式等に係る譲渡所得等の金額はいくらか。なお、1株当たりの取得価額に1円未満の端数は生じないものとし、委託手数料および税金は考慮しない。

  • ①1,200,000円
  • ②900,000円
  • ③300,000円
  • ④750,000円
答えと解説を見る
正解 ②900,000円
解説
同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入し、その一部を譲渡した場合の取得費は、総平均法に準ずる方法で求めた1単位当たりの金額を基に計算します(国税庁タックスアンサーNo.1466)。1単位当たりの金額は、購入価額の総額を購入株数の総数で割って求めます。買った時期ごとに単価が違っても、譲渡した株がどちらの購入分かを区別せず、平均した単価を用いるのがこの方法の考え方です。

計算過程
購入価額の総額=600円×4,000株+900円×2,000株=2,400,000円+1,800,000円=4,200,000円
購入株数の総数=4,000株+2,000株=6,000株
1株当たりの取得価額=4,200,000円÷6,000株=700円
売却分の取得費=700円×3,000株=2,100,000円
譲渡による総収入金額=1,000円×3,000株=3,000,000円
譲渡所得等の金額=3,000,000円-2,100,000円=900,000円

他の選択肢が不適切な理由
「1,200,000円」は、先に買った600円をそのまま取得価額として使った金額(3,000,000円-1,800,000円)です。「300,000円」は、後に買った900円を取得価額として使った金額(3,000,000円-2,700,000円)です。「750,000円」は、株数を考えずに600円と900円を単純に平均して750円としてしまった金額(3,000,000円-2,250,000円)です。

覚え方のポイント
落とし穴は、単価を単純平均してしまうことです。総平均法に準ずる方法では株数で重みを付けるため、多く買った600円の側へ平均が引き寄せられて700円になります。単純平均の750円との差がそのまま誤答になっているので、必ず「金額の合計÷株数の合計」の順で計算してください。

証券外務員二種の対策問題(全480問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。