2026年版・8-7

証券税制(配当所得と利子所得の課税)の一問一答

証券外務員二種「関連科目」から、証券税制(配当所得と利子所得の課税)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問18-7

上場株式等の配当等の課税において軽減された源泉徴収税率の対象から外される「大口株主等」に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①発行済株式の総数等の3%以上を保有する個人が該当する
  • ②発行済株式の総数等の5%超を保有する個人に限られる
  • ③発行済株式の総数等の10%以上を保有する法人をいう
  • ④発行済株式の総数等の1%以上を保有する個人と定義される
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正解 ①発行済株式の総数等の3%以上を保有する個人が該当する
解説
大口株主等とは、配当等の支払を受ける個人が、その配当等の支払に係る基準日において発行済株式の総数等の3%以上に相当する株式等を保有している場合をいいます(国税庁タックスアンサーNo.1330)。上場株式等の配当等であっても大口株主等が受け取るものは、軽減された源泉徴収税率15.315%(所得税および復興特別所得税。ほかに地方税5%)の対象とならず、20.42%(地方税の源泉徴収なし)で源泉徴収され、申告分離課税を選択することもできず総合課税になります。これは、会社に対する影響力が大きい株主が受け取る配当は、広く一般の投資者に開かれた上場株式等への投資を後押しするという優遇の趣旨があてはまりにくいと考えられているためです。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「発行済株式の総数等の5%超を保有する個人に限られる」は割合が誤りです。5%超は大量保有報告書の提出義務が生じる水準(金融商品取引法27条の23)で、税制上の判定とは別の制度です。「発行済株式の総数等の10%以上を保有する法人をいう」は、割合が誤りであるうえ、大口株主等の判定は個人について行うものなので主体も誤りです。「発行済株式の総数等の1%以上を保有する個人と定義される」も割合が誤りで、1%以上は大量保有報告書の変更報告書を要する増減の水準です。

覚え方のポイント
ここで最も多い間違いは、開示制度の「5%」との混同です。5%超は大量保有報告書(情報開示のルール)、3%以上は税制上の大口株主等(課税のルール)と、目的の違う2つの制度であることをセットで押さえてください。
問28-7

上場株式等の配当等(大口株主等に該当しない場合)について申告分離課税を選択する場合の取扱いとして、誤っているものはどれか。

  • ①申告する上場株式等の配当所得の全額について選択する
  • ②銘柄ごとに総合課税と申告分離課税を選び分けられる
  • ③上場株式等の譲渡損失と損益通算することができる
  • ④選択した場合は配当控除の適用を受けることができない
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正解 ②銘柄ごとに総合課税と申告分離課税を選び分けられる
解説
上場株式等の配当等(大口株主等が受け取るものを除く)は、総合課税によらず申告分離課税を選択できますが、その選択は「確定申告する上場株式等の配当所得の全額について」しなければなりません(国税庁タックスアンサーNo.1330)。したがって、有利な銘柄だけを申告分離課税にし、他の銘柄は総合課税にするという選び分けはできません。全額一括としているのは、納税者が銘柄ごとに有利な方法を選べると、同じ性質の所得に異なる課税方法が入り混じり、公平性と事務処理の両面で問題が生じるためです。申告分離課税を選ぶと、上場株式等に係る譲渡損失との損益通算ができる一方で、配当控除は使えません。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「申告する上場株式等の配当所得の全額について選択する」は正しい記述で、これが申告分離課税の選択の大原則です。「上場株式等の譲渡損失と損益通算することができる」も正しく、申告分離課税を選んだ配当所得等は上場株式等に係る譲渡損失と通算できます(同No.1474)。「選択した場合は配当控除の適用を受けることができない」も正しく、配当控除は総合課税を選択した場合に限って適用されます。

覚え方のポイント
間違えやすいのは「有利なものだけ選べる」と思い込むことです。選べるのは課税方法そのもの(総合課税か申告分離課税か)であり、いったん申告分離課税を選んだら申告する配当所得は全部その方法になる、と覚えてください。
問38-7

上場株式等の配当等と上場株式等以外の配当等について、確定申告不要制度を選択できる範囲を比べた記述として、正しいものはどれか。なお、大口株主等が受け取る配当等は考慮しない。

  • ①上場株式等の配当等は、20万円以下の場合に選択できる
  • ②上場株式等以外の配当等は、金額にかかわらず選択できる
  • ③上場株式等の配当等は、その金額にかかわらず選択できる
  • ④上場株式等以外の配当等は、50万円以下なら選択できる
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正解 ③上場株式等の配当等は、その金額にかかわらず選択できる
解説
確定申告不要制度とは、源泉徴収だけで課税関係を終わらせ、確定申告をしないことを選べる仕組みです。上場株式等の配当等(大口株主等が受け取るものを除く)については、支払を受けるべき配当等の金額の大小を問わず、この制度を選択できます(国税庁タックスアンサーNo.1330)。多数の投資者が少額の配当を何度も受け取る上場株式等について、そのつど申告を求めるのは負担が大きすぎるため、源泉徴収で完結させる道を広く用意しているのです。これに対し上場株式等以外の配当等は、1銘柄1回の支払金額が「10万円×配当計算期間の月数÷12」以下である少額配当に限って申告不要とできます。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「上場株式等の配当等は、20万円以下の場合に選択できる」は誤りで、上場株式等の配当等には金額の上限がありません。20万円は給与所得者の申告義務に関する別の基準と混同したものです。「上場株式等以外の配当等は、金額にかかわらず選択できる」も誤りで、少額配当の範囲に限られます。「上場株式等以外の配当等は、50万円以下なら選択できる」も誤りで、基準額は50万円ではなく10万円に配当計算期間の月数を按分した額です。

覚え方のポイント
落とし穴は「上場株式等以外」にも金額の制限がないと考えてしまうことです。金額を問わず申告不要にできるのは上場株式等の配当等だけ、上場株式等以外は少額配当だけ、と対比で覚えてください。
問48-7

NISA口座(非課税口座)で保有する上場株式の配当金を非課税で受け取るために選択しなければならない配当金の受取方法は、次のうちどれか。

  • ①配当金領収証方式
  • ②株式数比例配分方式
  • ③登録配当金受領口座方式
  • ④個別銘柄指定方式
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正解 ②株式数比例配分方式
解説
NISA口座で保有する上場株式の配当金が非課税になるのは、非課税口座を開設している金融商品取引業者等を経由して交付されるもの、すなわち株式数比例配分方式を選択したものに限られます(国税庁タックスアンサーNo.1535)。株式数比例配分方式とは、保有株数に応じた配当金を、その株式を預けている証券会社の口座で受け取る方法です。配当金がいったん証券口座に入ることで、その株式がNISA口座で保有されているものだと証券会社の側で結び付けられるため、非課税の取扱いが可能になります。逆に発行会社から直接受け取る方法では、証券会社がNISA口座との対応関係を確認できないため、通常どおり源泉徴収されます。この場合の源泉徴収税率は15.315%(所得税および復興特別所得税。ほかに地方税5%)で合計20.315%です。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「配当金領収証方式」は、送られてきた領収証を金融機関の窓口へ持参して現金で受け取る方法で、証券口座を経由しないため非課税になりません。「登録配当金受領口座方式」は、保有するすべての銘柄の配当金を指定した一つの銀行口座へまとめて振り込む方法で、これも証券口座を経由しません。「個別銘柄指定方式」は、銘柄ごとに振込先の銀行口座を指定する方法で、同じく証券口座を経由しないため非課税の対象外です。

覚え方のポイント
間違えやすいのは、銀行口座で受け取る方式でもNISAなら非課税だと考えてしまうことです。非課税の条件は「証券口座を通って配当金が入ること」だと理解すれば、4つの方式のうち株式数比例配分方式だけが該当すると迷わず判断できます。
問58-7

居住者であるAさんは、X年中に上場株式であるB社株式の配当として、源泉徴収前の金額で240,000円を受け取った。Aさんは、このB社株式を取得するために借り入れた資金の利子として、X年中の保有期間に対応する部分として35,000円を支払っている。Aさんが総合課税を選択して確定申告する場合の配当所得の金額はいくらか。なお、Aさんは大口株主等に該当せず、手数料その他の費用は考慮しない。

  • ①191,244円
  • ②240,000円
  • ③156,244円
  • ④205,000円
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正解 ④205,000円
解説
配当所得の金額は、収入金額(源泉徴収税額を差し引く前の金額)から、株式などを取得するために要した借入金の利子を差し引いて計算します(国税庁タックスアンサーNo.1330)。負債利子を差し引けるのは、借入れによって得た配当は正味の手取りが借入コストの分だけ小さいため、その実態に合わせて所得を測るという考え方によるものです。ただし控除できるのは、その年に保有していた期間に対応する部分に限られます。

計算過程
配当所得の金額=収入金額-株式等を取得するための負債の利子
=240,000円-35,000円
=205,000円
よって配当所得の金額は205,000円です。

他の選択肢が不適切な理由
「240,000円」は、負債の利子35,000円を差し引き忘れた金額です。「191,244円」は、収入金額から源泉徴収税額を差し引いた金額(240,000円×20.315%=48,756円を控除した金額)で、配当所得の計算では源泉徴収前の金額を用いるため誤りです。「156,244円」は、源泉徴収税額48,756円と負債の利子35,000円の両方を差し引いてしまった金額です。

覚え方のポイント
ここで多い間違いは、手取り額(源泉徴収後の金額)を収入金額として使ってしまうことです。配当所得は必ず「税引き前の金額」から出発し、そこから負債利子だけを引く、と手順を固定して覚えてください。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。
問68-7

居住者であるCさんは、上場株式(大口株主等に該当しない)の配当として、源泉徴収前の金額で500,000円を受け取った。この配当から源泉徴収される所得税および復興特別所得税の額と、特別徴収される住民税の額の組合せとして正しいものはどれか。なお、1円未満の端数は切り捨てるものとし、他の所得や各種控除は考慮しない。

  • ①所得税および復興特別所得税75,000円、住民税25,000円
  • ②所得税および復興特別所得税76,575円、住民税25,000円
  • ③所得税および復興特別所得税101,575円、住民税25,000円
  • ④所得税および復興特別所得税25,000円、住民税76,575円
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正解 ②所得税および復興特別所得税76,575円、住民税25,000円
解説
上場株式等の配当等(大口株主等が受け取るものを除く)は、支払の際に所得税および復興特別所得税として15.315%が源泉徴収され、これとは別に住民税5%が特別徴収されます(国税庁タックスアンサーNo.1330・No.1331)。15.315%という数字は、所得税15%に、その2.1%相当である復興特別所得税0.315%を上乗せしたものです。所得税と住民税は別の税目であり、それぞれの税率を収入金額に掛けて計算します。

計算過程
所得税および復興特別所得税=500,000円×15.315%=76,575円
住民税=500,000円×5%=25,000円
合計の税額=76,575円+25,000円=101,575円(=500,000円×20.315%)
よって組合せは、所得税および復興特別所得税76,575円、住民税25,000円です。

他の選択肢が不適切な理由
「所得税および復興特別所得税75,000円、住民税25,000円」は、所得税15%だけを計算して復興特別所得税0.315%を加えなかった金額です。「所得税および復興特別所得税101,575円、住民税25,000円」は、住民税まで含んだ合計税率20.315%を所得税分として計算したうえで、さらに住民税を上乗せしてしまった二重計算です。「所得税および復興特別所得税25,000円、住民税76,575円」は、所得税分と住民税分を入れ替えてしまったものです。

覚え方のポイント
落とし穴は20.315%と15.315%の取り違えです。20.315%は所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた総額の税率であり、源泉徴収される所得税等だけを問われたら15.315%を使う、と区別してください。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。
問78-7

公募株式投資信託から支払われる収益分配金の課税上の取扱いについて、誤っているものはどれか。

  • ①普通分配金は、配当所得として課税の対象とされる
  • ②元本払戻金は、元本の払戻しに当たるため課税されない
  • ③元本払戻金を受け取った後は、個別元本が引き下げられる
  • ④元本払戻金は、その全額が配当控除の対象に含まれる
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正解 ④元本払戻金は、その全額が配当控除の対象に含まれる
解説
公募株式投資信託の収益分配金は、運用によって生じた利益の分配である普通分配金と、投資した元本の払戻しに当たる元本払戻金(特別分配金)に分かれます。配当所得とされるのは投資信託の「収益の分配」であり(国税庁タックスアンサーNo.1330)、元本払戻金は収益の分配ではなく自分が出したお金が戻ってきたにすぎないため、課税されません。課税されない元本払戻金について配当控除を適用する余地はないので、全額が配当控除の対象になるという記述は誤りです。元本払戻金を受け取ると、その分だけ投資家ごとの取得価額である個別元本が引き下げられ、その後の解約時や譲渡時の損益計算に反映されます。

他の選択肢が不適切な理由
「普通分配金は、配当所得として課税の対象とされる」は正しく、上場株式等の配当等として15.315%(ほかに地方税5%)が源泉徴収されます。「元本払戻金は、元本の払戻しに当たるため課税されない」も正しい記述です。「元本払戻金を受け取った後は、個別元本が引き下げられる」も正しく、元本が減ることで将来の譲渡益が相対的に大きく計算される仕組みになっています。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、元本払戻金を「非課税でもらえてお得なお金」と受け取ってしまうことです。実際には自分の元本が戻っただけで、個別元本が下がる結果として後の課税に跳ね返るため、得も損もしていないという理解が大切です。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。
問88-7

上場されているJ-REIT(投資法人)の投資口から受け取る分配金の課税上の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①配当所得となるが、配当控除の適用は認められない
  • ②配当所得となり、配当控除の適用を受けることができる
  • ③利子所得となり、源泉分離課税の対象として扱われる
  • ④不動産所得となり、総合課税の対象として扱われる
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正解 ①配当所得となるが、配当控除の適用は認められない
解説
投資法人から受け取る金銭の分配は配当所得に区分され(国税庁タックスアンサーNo.1330)、上場されているJ-REITの分配金は上場株式等の配当等として15.315%(ほかに地方税5%)が源泉徴収されます。ただし、J-REITの分配金には配当控除が適用されません。配当控除は、法人段階で法人税が課された利益をさらに配当として個人が受け取るときの二重課税を和らげる仕組みですが、投資法人は配当可能利益の額の90%超を分配するなどの導管性要件を満たすことで支払った分配金を損金に算入でき、法人段階で実質的に課税されていないためです。二重課税が生じていないところに配当控除を認める理由がない、という筋道になります。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「配当所得となり、配当控除の適用を受けることができる」は、所得区分は正しいものの配当控除の点が誤りです。「利子所得となり、源泉分離課税の対象として扱われる」は所得区分が誤りで、利子所得となるのは預貯金や公社債の利子です。「不動産所得となり、総合課税の対象として扱われる」も誤りで、不動産そのものを保有して賃料を得れば不動産所得になりますが、投資家が保有しているのは投資法人の投資口なので配当所得になります。

覚え方のポイント
落とし穴は「不動産に投資しているから不動産所得」と考えてしまうことです。判断の基準は投資対象ではなく保有している権利であり、投資口という株式に近い権利から受け取るお金だから配当所得、そして法人段階で課税されていないから配当控除はなし、と二段構えで覚えてください。
問98-7

個人(居住者)が保有する公社債から支払われる利子の課税方法について、誤っているものはどれか。

  • ①特定公社債の利子は、申告分離課税の対象とされる
  • ②特定公社債の利子は、確定申告不要制度を選択できる
  • ③一般公社債の利子は、源泉分離課税の対象とされる
  • ④一般公社債の利子は、申告分離課税の対象とされる
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正解 ④一般公社債の利子は、申告分離課税の対象とされる
解説
公社債の利子は、その公社債が特定公社債に当たるかどうかで課税方法が分かれます(国税庁タックスアンサーNo.1310)。国債・地方債・外国国債・公募公社債・上場公社債などの特定公社債等の利子は、15.315%(ほかに地方税5%)の申告分離課税とされ、確定申告をしないことを選ぶこともできます。これに対し、それ以外の一般公社債等の利子は源泉分離課税であり、同じ15.315%(ほかに地方税5%)が源泉徴収された時点で課税関係が終わるため、確定申告をすることができません。特定公社債等だけを申告分離課税にしているのは、上場株式等の譲渡損失などとの損益通算を認め、株式と債券を組み合わせた投資について税負担を通算できるようにする趣旨です。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「特定公社債の利子は、申告分離課税の対象とされる」は正しい記述です。「特定公社債の利子は、確定申告不要制度を選択できる」も正しく、申告分離課税と申告不要のどちらかを選べます。「一般公社債の利子は、源泉分離課税の対象とされる」も正しく、源泉徴収だけで完結し確定申告の対象になりません。

覚え方のポイント
ここで間違える人が多いのは、税率が同じだから課税方法も同じだろうと考えてしまうことです。税率は特定公社債等も一般公社債等も15.315%(ほかに地方税5%)で同じですが、申告できるかどうかが決定的に違い、損益通算できるのは申告分離課税を選べる特定公社債等だけだと押さえてください。
問108-7

上場株式等の配当等(大口株主等に該当しない場合)に対して源泉徴収等が行われる税率の内訳に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①所得税15%と復興特別所得税0.315%、住民税3%である
  • ②所得税20%と復興特別所得税0.42%、住民税0%である
  • ③所得税15%と復興特別所得税0.315%、住民税5%である
  • ④所得税15%と復興特別所得税0.15%、住民税5%である
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正解 ③所得税15%と復興特別所得税0.315%、住民税5%である
解説
上場株式等の配当等(大口株主等が受け取るものを除く)は、所得税15%と復興特別所得税0.315%を合わせた15.315%が源泉徴収され、これに住民税5%が加わって合計20.315%になります(国税庁タックスアンサーNo.1330・No.1331)。復興特別所得税は東日本大震災からの復興財源を確保するために設けられたもので、基準となる所得税額の2.1%相当を上乗せする仕組みです。したがって15%×2.1%=0.315%となり、これが所得税率に加算されます。住民税は地方税なので、所得税の側で計算する15.315%とは別に取り扱われる点に注意が必要です。なお令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(1%相当)が新たに加わるため、税率の内訳が変わる予定です。

他の選択肢が不適切な理由
「所得税15%と復興特別所得税0.315%、住民税3%である」は住民税の税率が誤りで、正しくは5%です。「所得税20%と復興特別所得税0.42%、住民税0%である」は、大口株主等や上場株式等以外の配当等に適用される20.42%(地方税の源泉徴収なし)の内訳であり、本問の前提には当てはまりません。「所得税15%と復興特別所得税0.15%、住民税5%である」は復興特別所得税の計算が誤りで、所得税率に一律0.15%を足すのではなく、所得税額の2.1%相当を上乗せするため0.315%になります。

覚え方のポイント
落とし穴は、復興特別所得税を「一律0.1%程度の上乗せ」と丸暗記してしまうことです。復興特別所得税は所得税額に対する2.1%であり、所得税率が15%なら0.315%、20%なら0.42%と連動して変わることを理解しておくと、大口株主等の20.42%も自分で導き出せます。

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