2026年版・5-7

教育の施策と幼稚園教育要領の一問一答

保育士 筆記試験「教育原理」から、教育の施策と幼稚園教育要領に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-7

次の文は、日本国憲法第26条の規定である。(A)(B)に入る語句の組み合わせとして正しいものはどれか。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その(A)、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に(B)を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

  • ①A 適性に応じて B 普通教育
  • ②A 能力に応じて B 義務教育
  • ③A 能力に応じて B 普通教育
  • ④A 適性に応じて B 義務教育
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正解 ③A 能力に応じて B 普通教育
解説

正解は「A 能力に応じて B 普通教育」です。日本国憲法第26条第1項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」、第2項は「すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。」と定めています。
第1項は国民一人一人の「教育を受ける権利」を保障し、第2項はその権利を子どもの側で確実に実現するために、保護者に「普通教育を受けさせる義務」を課しています。義務を負うのは子ども本人ではなく保護者である点が大切です。この規定を受けて、教育基本法第5条第1項は「国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。」と定め、同条第4項は、国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については授業料を徴収しないとしています。

他の選択肢が不適切な理由

・A 能力に応じて B 義務教育:Aは正しいものの、Bが誤りです。条文は「普通教育を受けさせる義務」と書き、その後の文で「義務教育は、これを無償とする」と続きます。「義務教育を受けさせる義務」という重ねた言い方にはなっていません。
・A 適性に応じて B 普通教育:Bは正しいものの、Aが誤りです。憲法第26条も教育基本法第4条(「その能力に応じた教育を受ける機会」)も「能力」という語を使っています。
・A 適性に応じて B 義務教育:A・Bとも誤りです。

【覚え方のポイント】
憲法第26条は「第1項=権利(能力に応じて、ひとしく)」「第2項=保護者の義務(普通教育)+義務教育の無償」の2段構成です。教育基本法では、第4条(教育の機会均等)が第1項の「能力に応じて」を、第5条(義務教育)が第2項の「普通教育を受けさせる義務」を受け継いでいる、とセットで覚えましょう。
問25-7

次の文は、幼稚園教育要領「第1章 総則」の「第1 幼稚園教育の基本」の一部である。(A)〜(C)に入る語句の組み合わせとして正しいものはどれか。
幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、幼稚園教育は、学校教育法に規定する目的及び目標を達成するため、幼児期の特性を踏まえ、(A)行うものであることを基本とする。
(中略)
幼児の自発的な活動としての遊びは、心身の調和のとれた発達の基礎を培う重要な(B)であることを考慮して、遊びを通しての指導を中心として第2章に示すねらいが(C)達成されるようにすること。

  • ①A 環境を通して B 学習 C 総合的に
  • ②A 遊びを通して B 学習 C 段階的に
  • ③A 環境を通して B 経験 C 段階的に
  • ④A 遊びを通して B 経験 C 総合的に
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正解 ①A 環境を通して B 学習 C 総合的に
解説

正解は「A 環境を通して B 学習 C 総合的に」です。幼稚園教育要領(平成29年告示)第1章 総則の第1は、幼稚園教育は幼児期の特性を踏まえ「環境を通して行うものであることを基本とする」と述べ、重視する事項の2つ目で、遊びは心身の調和のとれた発達の基礎を培う重要な「学習」であり、遊びを通しての指導を中心として第2章のねらいが「総合的に」達成されるようにするとしています。
幼児は、大人から教え込まれるよりも、身近な環境に自分から関わり、試したり考えたりする中で多くを学びます。そのため教師は、幼児の行動の理解と予想に基づいて計画的に環境を構成し、遊びを通して育ちを支えます。また、5つの領域は教科のように別々に教えるものではなく、1つの遊びの中で健康・人間関係・環境・言葉・表現の各側面が同時に育つため、「総合的に」達成されるとされています。

他の選択肢が不適切な理由

・A 遊びを通して B 学習 C 段階的に:Aで「環境を通して」と「遊びを通しての指導」を取り違え、Cも誤りです。基本は「環境を通して行う」、指導の中心が「遊びを通しての指導」という関係です。
・A 環境を通して B 経験 C 段階的に:Bは「学習」です。遊びを単なる経験ではなく「重要な学習」と位置付けている点がこの文の要です。Cも誤りです。
・A 遊びを通して B 経験 C 総合的に:Cは正しいものの、AとBが誤りです。

【覚え方のポイント】
幼稚園教育の基本は「環境を通して行う教育」。その中で重視する3つの事項は、(1)幼児期にふさわしい生活の展開、(2)遊びを通しての総合的な指導、(3)一人一人の特性に応じ、発達の課題に即した指導です。「遊び=重要な学習」「ねらい=総合的に達成」と対で覚えましょう。
問35-7

幼稚園教育要領「第1章 総則」の「第5 特別な配慮を必要とする幼児への指導」に関する次のA〜Dの記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 障害のある幼児などへの指導は個別の場で行うことを基本とし、集団での生活は障害の状態が安定してから段階的に取り入れる。
B 障害のある幼児などへの指導に当たっては、特別支援学校などの助言又は援助を活用しつつ、個々の幼児の障害の状態などに応じた指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う。
C 個別の教育支援計画と個別の指導計画は、障害のある幼児全員について作成することが義務付けられている。
D 海外から帰国した幼児や生活に必要な日本語の習得に困難のある幼児については、安心して自己を発揮できるよう配慮するなど個々の幼児の実態に応じ、指導内容や指導方法の工夫を組織的かつ計画的に行う。

  • ①A○ B○ C× D○
  • ②A× B○ C× D○
  • ③A× B○ C○ D×
  • ④A○ B× C○ D×
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正解 ②A× B○ C× D○
解説

正解は「A× B○ C× D○」です(幼稚園教育要領 第1章 総則 第5)。
・A:×。要領は、障害のある幼児などへの指導に当たっては「集団の中で生活することを通して全体的な発達を促していくことに配慮」するとしています。集団生活を後回しにするのではなく、友達と共に生活することそのものを発達の機会ととらえる考え方です。
・B:○。特別支援学校などの助言や援助を活用しながら、指導内容や指導方法の工夫を園として組織的・計画的に行うことが示されています。
・C:×。要領は、個別の教育支援計画を「作成し活用することに努める」、個別の指導計画も「作成し活用することに努める」と書いており、努力義務の表現です。なお、個別の教育支援計画は家庭や医療・福祉・保健等の関係機関と連携して長期的な視点で支援を行うためのもの、個別の指導計画は個々の幼児の実態を把握して日々の指導に生かすためのもの、という違いがあります。
・D:○。海外から帰国した幼児や日本語の習得に困難のある幼児については、まず「安心して自己を発揮できるよう配慮する」ことが示されています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D○:Aの「個別の場を基本とする」を正しいと誤った組み合わせです。
・A× B○ C○ D×:Cの努力義務を義務と誤り、Dを誤りとした組み合わせです。Dは要領の文言どおりです。
・A○ B× C○ D×:A・Cを正しいと誤り、B・Dを誤りとした組み合わせで、要領の考え方とほぼ逆になっています。

【覚え方のポイント】
第5は「1 障害のある幼児など」と「2 海外から帰国した幼児や日本語の習得に困難のある幼児」の2本立てです。1のキーワードは「集団の中で生活することを通して全体的な発達」「特別支援学校などの助言又は援助」「個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成・活用に努める」、2のキーワードは「安心して自己を発揮できるよう配慮」です。
問45-7

「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に関する次のA〜Dの記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 幼稚園教育要領では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を、幼児の幼稚園修了時の具体的な姿であり、教師が指導を行う際に考慮するものとしている。
B 保育所保育指針では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を、子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するものとしている。
C 「思考力の芽生え」は、自然に触れて感動する体験を通して、自然への愛情や畏敬の念をもつようになる姿として示されている。
D 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」は、小学校入学までに全ての幼児が到達しなければならない目標として示されている。

  • ①A○ B× C○ D×
  • ②A○ B○ C○ D×
  • ③A× B○ C× D○
  • ④A○ B○ C× D×
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正解 ④A○ B○ C× D×
解説

正解は「A○ B○ C× D×」です。
・A:○。幼稚園教育要領 第1章 第2の3は、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を「幼児の幼稚園修了時の具体的な姿であり、教師が指導を行う際に考慮するもの」としています。
・B:○。保育所保育指針 第1章4(2)は、同じ10の姿を「子どもの小学校就学時の具体的な姿であり、保育士等が指導を行う際に考慮するもの」としています。項目名は要領と指針で共通ですが、保育所には「修了」がないため「就学時」という表現になっています。
・C:×。自然に触れて感動する体験を通して自然への愛情や畏敬の念をもつようになる姿は「自然との関わり・生命尊重」の内容です。「思考力の芽生え」は、物の性質や仕組みを感じ取り、考えたり予想したり工夫したりし、友達の考えに触れて新しい考えを生み出す喜びを味わう姿です。
・D:×。10の姿は「指導を行う際に考慮するもの」であり、到達目標ではありません。中央教育審議会初等中等教育分科会の幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会がまとめた審議まとめ(令和5年2月)も、この姿が到達目標と誤解され、幼保小の連携の手掛かりとして十分機能していないことを課題として挙げています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B× C○ D×:指針の「小学校就学時」を誤りと判断し、Cの項目の取り違えにも気付かなかった組み合わせです。
・A○ B○ C○ D×:A・B・Dは正しく判断できていますが、「自然への愛情や畏敬の念」を「思考力の芽生え」の内容と誤っています。
・A× B○ C× D○:要領の表現(A)を誤りとし、到達目標とする誤解(D)を正しいと判断した組み合わせです。

【覚え方のポイント】
10の姿は「到達目標」ではなく「方向目標として考慮するもの」。要領=幼稚園修了時・教師、指針=小学校就学時・保育士等、と主語と時点を入れ替えて覚えます。「畏敬の念」「生命の不思議さや尊さ」が出てきたら「自然との関わり・生命尊重」です。
問55-7

幼稚園における学校評価に関する次のA〜Dの記述について、学校教育法及び学校教育法施行規則の規定に照らして、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 自己評価の結果は、学校関係者評価を行った場合に限り、設置者に報告すれば足りる。
B 幼稚園は、教育活動その他の学校運営の状況について自ら評価を行い、その結果を公表するものとされている。
C 保護者など幼稚園の関係者による評価は、その実施と結果の公表に努めるものとされている。
D 外部の専門家を中心とした第三者評価は、全ての幼稚園に実施が義務付けられている。

  • ①A× B○ C○ D×
  • ②A○ B○ C× D×
  • ③A× B○ C○ D○
  • ④A× B× C○ D×
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正解 ①A× B○ C○ D×
解説

正解は「A× B○ C○ D×」です。幼稚園の学校評価は、学校教育法第42条(第28条で幼稚園に準用)と、学校教育法施行規則第66条〜第68条(第39条で幼稚園に準用)に定められています。
・A:×。施行規則第68条は、自己評価の結果と、学校関係者評価を行った場合はその結果を、設置者に報告するとしています。自己評価の報告は、学校関係者評価の有無にかかわらず必要です。
・B:○。施行規則第66条第1項は、学校運営の状況について自ら評価を行い、その結果を公表する「ものとする」と定めています。自己評価と公表は義務です。
・C:○。施行規則第67条は、自己評価の結果を踏まえた保護者その他の関係者(職員を除く)による評価(学校関係者評価)を行い、その結果を公表するよう「努めるものとする」としています。努力義務です。
・D:×。第三者評価は法令上の規定がなく、文部科学省の「幼稚園における学校評価ガイドライン〔平成23年改訂〕」も、実施者の責任の下で必要と判断した場合に行うもので、法令上、実施義務や実施の努力義務を課すものではないとしています。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B○ C× D×:設置者への報告の範囲(A)を誤り、学校関係者評価の努力義務(C)も誤りと判断した組み合わせです。
・A× B○ C○ D○:A〜Cは正しく判断できていますが、第三者評価を義務と誤っています。
・A× B× C○ D×:自己評価と公表が義務であること(B)を誤りと判断した組み合わせです。

【覚え方のポイント】
学校評価の3段階は「自己評価=義務(公表も義務)」「学校関係者評価=努力義務」「第三者評価=法令上の義務なし」。そして「設置者への報告=義務(自己評価の結果と、行った場合の学校関係者評価の結果)」です。義務の強さが段階的に弱くなる順に並べて覚えましょう。
問65-7

文部科学省「幼稚園における学校評価ガイドライン〔平成23年改訂〕」の内容として正しいものを、次のA〜Eから2つ選んだ組み合わせとして正しいものはどれか。
A 学校評価の目的の一つは、各学校が目指すべき目標を設定し、その達成状況や取組の適切さ等について評価することにより、組織的・継続的な改善を図ることである。
B 学校関係者評価の評価者には、その学校に在籍する幼児の保護者を加えることを基本とする。
C 保護者を対象とするアンケートを実施すれば、それをもって学校関係者評価とすることができる。
D 自己評価で重点的に取り組む目標は、学校運営の全分野を網羅して設定することを基本とする。
E 学校評価は、財務監査や行政監査と同じく、業務の適正化を主な目的として行う。

  • ①A・C
  • ②B・D
  • ③A・B
  • ④C・E
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正解 ③A・B
解説

正解は「A・B」です。
・A:○。ガイドラインは学校評価の目的を3つ挙げています。(1)目標を設定し達成状況や取組の適切さを評価して組織的・継続的な改善を図ること、(2)自己評価と学校関係者評価の実施・公表により説明責任を果たし、保護者や地域住民の理解と参画を得て学校・家庭・地域の連携協力による学校づくりを進めること、(3)設置者等が評価結果に応じて支援や条件整備を行い、一定水準の教育の質を保証し向上を図ること、です。Aは(1)にあたります。
・B:○。学校関係者評価では、幼児を基点に学校と密接な関わりをもつ保護者の参画が重要であるとして、在籍する幼児の保護者を評価者に加えることを基本とするとしています。
・C:×。アンケートは、学校が自己評価を行う上での資料ととらえるのが適当であり、学校関係者評価とは異なることに留意する、とされています。
・D:×。ガイドラインは、重点的に取り組むことが必要な目標等は、学校運営の全分野を網羅して設定するのではなく、学校が伸ばそうとする特色や解決を目指す課題に応じて精選するとしています。全教職員が意識して取り組める実効性のある目標にするためです。なお、自己評価は1年度に少なくとも1回は実施する必要があるとされています。
・E:×。財務監査や行政監査は財務や業務の適正化の観点から行われるもので、幼児がより良い教育活動を享受できるよう学校運営の改善と発展を目指す学校評価とは、目的・役割が異なると明記されています。

他の選択肢が不適切な理由

・A・C:アンケートと学校関係者評価を同一視しています。学校関係者評価は、保護者や地域住民等で構成された委員会等が、自己評価の結果について評価することを基本とします。
・B・D:重点目標を全分野にわたって網羅するものと考えた組み合わせです。重点目標は特色や課題に応じて絞り込みます。
・C・E:どちらも誤りの記述です。

【覚え方のポイント】
学校関係者評価は「自己評価の結果を評価する」もの、アンケートは「自己評価の材料」。評価者の基本は「在籍幼児の保護者」。自己評価は「年1回以上」、重点目標は「全分野を網羅せず精選」。ガイドラインは、学校評価が学校と保護者・地域を結ぶ「コミュニケーション・ツール」であることも強調しています。
問75-7

令和5年(2023年)3月に文部科学省が取りまとめた「誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策」(COCOLOプラン)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①不登校特例校を早期に全都道府県等に設置し、将来は分教室型を含めて全国300校を目指す
  • ②空き教室等を活用した教育支援センターを各学校に置き、地域の不登校支援の拠点とする
  • ③自宅で1人1台端末を使って学んだ場合でも、指導要録上は出席扱いにしないことを原則とした
  • ④高校段階は義務教育でないため、支援の対象を小学生と中学生の段階に限ることとした
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正解 ①不登校特例校を早期に全都道府県等に設置し、将来は分教室型を含めて全国300校を目指す
解説

正解は「不登校特例校を早期に全都道府県等に設置し、将来は分教室型を含めて全国300校を目指す」です。COCOLOプランは、永岡文部科学大臣の下で令和5年3月31日に取りまとめられた不登校対策です。柱は、(1)不登校の児童生徒全ての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整える、(2)心の小さなSOSを見逃さず、「チーム学校」で支援する、(3)学校の風土の「見える化」を通して、学校を「みんなが安心して学べる」場所にする、の3つです。同日の文部科学省通知は、不登校特例校が令和5年3月時点で全国21校にとどまるとしたうえで、早期に全ての都道府県・政令指定都市に設置し、将来的には分教室型も含め全国300校の設置を目指すとしています。なお、不登校特例校は令和5年8月に「学びの多様化学校」という新しい名称が決まりました。

他の選択肢が不適切な理由

・空き教室等を活用した教育支援センターを各学校に置き…:誤りです。各学校の空き教室などに設けるのは「校内教育支援センター(スペシャルサポートルーム等)」で、自分の学級に入りづらい児童生徒が落ち着いて学べる場です。「教育支援センター」は、教育委員会などが設け、不登校の児童生徒や保護者を支える地域の拠点です。名称が似ているので区別が必要です。
・自宅で1人1台端末を使って学んだ場合でも…:誤りです。通知は、一定の要件を満たした自宅等でのICT等を活用した学習活動について、可能な限り指導要録上出席扱いとし、成績評価にも反映することが望ましいとしています。
・高校段階は義務教育でないため…:誤りです。通知は「高等学校等の生徒を含めた支援」を掲げ、中学校卒業後に支援が途切れないよう、切れ目のない不登校対策を行うことが重要だとしています。あわせて、早期発見・早期支援のために福祉部局と教育委員会の連携を強化することも求めています。

【覚え方のポイント】
COCOLOプランの3本柱は「学びの場の確保」「小さなSOSとチーム学校」「学校風土の見える化」。学びの場は「学びの多様化学校(旧・不登校特例校)」「校内教育支援センター(校内)」「教育支援センター(校外の地域の拠点)」の3つを区別しましょう。
問85-7

小学校学習指導要領(平成29年告示)におけるプログラミング教育に関する次のA〜Dの記述について、正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせはどれか。
A 総則において、児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を、各教科等の特質に応じて計画的に実施することとしている。
B 算数では、第5学年の正多角形の作図を行う学習に関連して、プログラミングを体験する例が示されている。
C 総合的な学習の時間では、プログラミングを体験する学習活動を行わないこととしている。
D プログラミング教育を行うため、新たな教科「情報」が小学校に設けられた。

  • ①A○ B× C○ D×
  • ②A× B○ C× D○
  • ③A○ B○ C○ D×
  • ④A○ B○ C× D×
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正解 ④A○ B○ C× D×
解説

正解は「A○ B○ C× D×」です。
・A:○。小学校学習指導要領 第1章 総則は、各教科等の特質に応じて計画的に実施する学習活動として、コンピュータで文字を入力するなどの基本的な操作を習得する学習活動とともに、「児童がプログラミングを体験しながら、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動」を挙げています。
・B:○。算数の「指導計画の作成と内容の取扱い」は、例えば第5学年の「B図形」の正多角形の作図を行う学習に関連して、正確な繰り返し作業を行う必要があり、一部を変えることでいろいろな正多角形を同様に考えることができる場面などを例示しています。理科でも、第6学年の電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習などが例示されています。
・C:×。総合的な学習の時間でも、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には、プログラミングを体験することが探究的な学習の過程に適切に位置付くようにすることとされています。
・D:×。小学校にプログラミングや情報の教科は新設されていません。既存の教科等の中で、それぞれの特質に応じて行う形です。

他の選択肢が不適切な理由

・A○ B× C○ D×:算数の例示(B)を誤りとし、総合的な学習の時間で行わないとする誤り(C)を正しいと判断した組み合わせです。
・A○ B○ C○ D×:A・B・Dは正しく判断できていますが、Cを正しいと誤っています。
・A× B○ C× D○:総則の規定(A)を誤りとし、教科の新設(D)を正しいと誤った組み合わせです。

【覚え方のポイント】
小学校のプログラミング教育は「新しい教科ではなく、各教科等の中で体験する」もので、ねらいは「論理的思考力」。例示は「算数=5年の正多角形の作図」「理科=6年の電気の性質や働きを利用した道具」とセットで覚えましょう。なお、幼稚園教育要領は、幼児期は直接的な体験が重要であることを踏まえ、コンピュータなど情報機器を活用する際には幼稚園生活では得難い体験を補完するなど、幼児の体験との関連を考慮するとしています。
問95-7

幼児教育と小学校教育の接続に関する記述として正しいものを、次のA〜Eから3つ選んだ組み合わせとして正しいものはどれか。
A 幼稚園教育要領では、小学校の教師との意見交換や合同の研究の機会などを設け、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を共有するなど連携を図り、円滑な接続を図るよう努めるとしている。
B 小学校学習指導要領(平成29年告示)では、小学校入学当初において、生活科を中心に、合科的・関連的な指導や弾力的な時間割の設定など、指導の工夫や指導計画の作成を行うこととしている。
C 中央教育審議会の幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会による審議まとめ(令和5年2月)は、5歳児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と称し、この時期の教育の充実を図るとしている。
D 幼稚園教育要領では、小学校以降の学習に備えるため、5歳児には文字の読み書きや計算の練習を計画的に行うこととしている。
E いわゆるスタートカリキュラムとは、幼稚園や保育所が5歳児の後半に編成する、就学に向けたカリキュラムのことである。

  • ①A・B・C
  • ②A・C・D
  • ③B・C・E
  • ④A・B・E
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正解 ①A・B・C
解説

正解は「A・B・C」です。
・A:○。幼稚園教育要領 第1章 第3の5(2)の内容です。保育所保育指針 第2章4(2)にも同じ趣旨の規定があります。
・B:○。小学校学習指導要領 第1章 総則の規定で、いわゆるスタートカリキュラムの編成・実施に関わるものです。幼児期に遊びを通して育まれてきたことが各教科等の学習に円滑につながるよう、入学当初に工夫を行います。
・C:○。中央教育審議会初等中等教育分科会の幼児教育と小学校教育の架け橋特別委員会がまとめた「学びや生活の基盤をつくる幼児教育と小学校教育の接続について〜幼保小の協働による架け橋期の教育の充実〜」(審議まとめ、令和5年2月)は、5歳児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と称して焦点を当てています。
・D:×。要領は、小学校教育の先取りではなく、「幼児期にふさわしい生活を通して、創造的な思考や主体的な生活態度などの基礎を培う」としています(第1章 第3の5(1))。文字や数量については、日常生活の中で幼児自身の必要感に基づく体験を大切にし、興味や関心、感覚が養われるようにするという考え方です。
・E:×。スタートカリキュラムは小学校が入学当初に編成・実施するものです。幼児教育施設の側で就学に向けて工夫する5歳児のカリキュラムは、アプローチカリキュラムと呼ばれることがあります。審議まとめは、両者がばらばらに作られていることも課題として指摘しています。

他の選択肢が不適切な理由

・A・C・D:Dの「読み書きや計算の練習」を要領の内容と誤っています。
・B・C・E:スタートカリキュラムを幼児教育施設側のものと誤っています。
・A・B・E:同じくEを誤って選んでいます。

【覚え方のポイント】
接続の工夫は「幼児教育側=育ってほしい姿の共有・幼児期にふさわしい生活」「小学校側=スタートカリキュラム(生活科中心・合科的関連的な指導・弾力的な時間割)」「両者をつなぐ期間=架け橋期(5歳児〜小1の2年間)」と整理しましょう。
問105-7

生涯学習に関わる人物・機関と、その人物・機関が提唱した概念の組み合わせとして、誤っているものはどれか。

  • ①ラングラン ― 生涯教育
  • ②OECD ― リカレント教育
  • ③ノールズ ― アンドラゴジー
  • ④ハッチンス ― 脱学校の社会
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正解 ④ハッチンス ― 脱学校の社会
解説

誤っているのは「ハッチンス ― 脱学校の社会」です。「脱学校の社会(脱学校論)」を唱えたのはイリッチ(イリイチ)で、学校という制度に依存することで、人々が自ら学ぶ力を失っていると批判しました。アメリカの教育学者ハッチンスは、著書『学習社会』で、人々が生涯にわたって学び続け、社会全体が学ぶことを大切にする社会のあり方を描きました。どちらも「学校だけに頼らない学び」を論じていますが、イリッチは学校制度の批判、ハッチンスは学び続ける社会の構想と、力点が異なります。

他の選択肢が不適切な理由

(いずれも正しい組み合わせです)
・ラングラン ― 生涯教育:フランスのラングランは、1965年にユネスコの成人教育推進国際委員会で「生涯教育」の考え方を示しました。教育を学校時代に限らず、人の一生にわたって統合的にとらえる発想です。
・OECD ― リカレント教育:OECD(経済協力開発機構)は1970年代に、学校教育を終えた後も、仕事と教育の期間を交互に繰り返しながら学び直す「リカレント教育」を提唱しました。
・ノールズ ― アンドラゴジー:アメリカのノールズは、子どもを対象とする教育学(ペダゴジー)と区別して、成人の学習を援助する技術と科学としての「アンドラゴジー」を体系化し、広めました。成人学習者は自己決定的であり、自らの経験を学習の資源とする、といった特徴を重視します。

【覚え方のポイント】
「ラングラン=生涯教育(1965年・ユネスコ)」「OECD=リカレント(学び直しの繰り返し)」「ハッチンス=学習社会」「イリッチ=脱学校」「ノールズ=アンドラゴジー(成人教育学)⇔ペダゴジー(子どもの教育学)」。英語のandr-は「成人(男性)」、ped-は「子ども」を表す語源から来ている、と覚えると区別しやすくなります。
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