2026年版・5-5

教育課程と教育方法・評価の一問一答

保育士 筆記試験「教育原理」から、教育課程と教育方法・評価に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-5

学習指導要領に関する記述として、誤っているものはどれか。

  • ①教育課程の基準として、文部科学大臣が告示で定めている
  • ②1947年に、初めて試案として示されたものである
  • ③1947年の最初のものから告示の形式で定められた
  • ④おおむね10年ごとに、改訂が繰り返されてきた
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正解 ③1947年の最初のものから告示の形式で定められた
解説

学習指導要領は、昭和22年(1947年)に「試案」として初めて示されました。当初は教師が教育課程を研究する際の手引きという性格でした。昭和33年(1958年)の改訂から文部大臣(現在は文部科学大臣)の告示の形式となり、教育課程の基準としての性格が明確になりました。したがって「最初のものから告示の形式」は誤りです。

他の選択肢が適切な理由

・教育課程の基準として告示で定めている:正しい記述です。学習指導要領は、全国のどの地域でも一定の水準の教育を受けられるよう、学校教育法施行規則の規定に基づき、各学校が編成する教育課程の基準として定められています。各学校は、これに基づき、地域や子どもの実態を踏まえて教育課程を編成します。
・1947年に初めて試案として示された:正しい記述です。
・おおむね10年ごとに改訂:正しい記述です。社会の変化に対応して改訂が重ねられており、現行の小学校学習指導要領は平成29年(2017年)告示です。幼稚園については、同じく教育課程の基準として幼稚園教育要領が定められています。

【覚え方のポイント】
「1947年 試案(手引き)→1958年 告示(基準)→おおむね10年ごとに改訂」。試案と告示の違いは頻出です。
問25-5

平成29年(2017年)告示の学習指導要領において、授業改善の視点として示された「( )学び」に入る語句として正しいものはどれか。

  • ①主体的・対話的で深い
  • ②個性的・創造的で豊かな
  • ③体験的・協働的で広い
  • ④系統的・効率的で確かな
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正解 ①主体的・対話的で深い
解説

平成29年(2017年)告示の学習指導要領は、子どもたちが学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し、これからの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学び続けることができるよう、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善を進めることを示しました。いわゆるアクティブ・ラーニングの視点を、学習指導要領の用語として整理したものです。
同じ改訂では、育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で整理し、各学校が教育課程を編成・実施・評価・改善していく「カリキュラム・マネジメント」や、「社会に開かれた教育課程」の実現も重視されています。

他の選択肢が不適切な理由

・個性的・創造的で豊かな:学習指導要領の用語ではありません。
・体験的・協働的で広い:学習指導要領が示す授業改善の視点の語ではありません。
・系統的・効率的で確かな:学習指導要領の用語ではありません。

【覚え方のポイント】
2017年改訂のキーワードは「主体的・対話的で深い学び」「資質・能力の3つの柱」「カリキュラム・マネジメント」「社会に開かれた教育課程」の4つ。保育所保育指針の「育みたい資質・能力」も、この3つの柱とつながっています。
問35-5

平成29年(2017年)告示の学習指導要領で重視された「社会に開かれた教育課程」の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①企業が求める職業技能の習得を、教育課程の中心に据えて指導すること
  • ②学校の授業をすべて公開し、地域住民が自由に参観できるようにすること
  • ③教育課程の編成を地域社会に委ね、学校は編成に関与しないようにすること
  • ④よりよい社会を創る目標を学校と社会が共有し、連携して子どもを育む
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正解 ④よりよい社会を創る目標を学校と社会が共有し、連携して子どもを育む
解説

「社会に開かれた教育課程」とは、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を学校と社会が共有し、これからの社会を創り出していく子どもたちに必要な資質・能力を明確にしながら、社会との連携・協働によってその実現を図っていく教育課程の考え方です。平成29年告示の学習指導要領の前文で、その実現が重要であると示されています。
学校が社会から切り離された場所で教えるのではなく、地域の人材や資源を生かし、社会と目標を共有しながら子どもを育てるという点がポイントです。これを実現するための学校全体の組織的な取組が「カリキュラム・マネジメント」です。

他の選択肢が不適切な理由

・授業をすべて公開する:授業公開は連携の手段の一つにはなり得ますが、この考え方の説明ではありません。
・編成を地域社会に委ねる:教育課程を編成するのは各学校です。社会と目標を共有して連携することと、編成を委ねることは異なります。
・企業が求める職業技能の習得を中心に:社会に開かれた教育課程は、特定の職業技能の習得を目的とするものではありません。

【覚え方のポイント】
「社会に開かれた教育課程=よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る目標を、学校と社会が共有し連携・協働する」。「開かれた」は「社会と目標を共有する」という意味だと押さえましょう。
問45-5

単元の学習の途中で、子どもの理解の状況を把握し、その後の指導の改善や子どもの学習の調整に生かすために行う評価として、最も適切なものはどれか。

  • ①診断的評価
  • ②形成的評価
  • ③総括的評価
  • ④相対評価
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正解 ②形成的評価
解説

教育評価は、実施する時期と目的によって、診断的評価・形成的評価・総括的評価に分けて整理されます。この区分は、アメリカの教育心理学者ブルームらによって広められました。
形成的評価は、単元や授業の途中で行う評価で、子どもがどこまで理解しているか、どこでつまずいているかを把握し、その結果を指導の修正や補充、子ども自身の学習の調整に生かすことを目的とします。成績を付けることよりも、学習をよりよく進めることに重点があります。ブルームは、この形成的評価を活用して、ほとんどの子どもが学習内容を確実に習得できるようにする「完全習得学習(マスタリー・ラーニング)」を提唱しました。

他の選択肢が不適切な理由

・診断的評価:学習を始める前に、子どものレディネス(学習の準備状態)や既習事項の定着を確認するために行う評価です。
・総括的評価:単元や学期、学年の終わりに、学習の成果を総合的に確認するために行う評価です。
・相対評価:集団の中での相対的な位置によって評価する方法で、実施の時期による区分ではありません。

【覚え方のポイント】
「前=診断的」「途中=形成的」「終わり=総括的」。時期による区分(診断・形成・総括)と、基準による区分(相対評価・目標に準拠した評価・個人内評価)を混同しないようにしましょう。
問55-5

現在の小学校・中学校の指導要録における観点別学習状況の評価の方法として、最も適切なものはどれか。

  • ①子ども一人一人の過去の成績と比べ、伸びだけを評価する
  • ②学級や学年の集団の中での、子どもの相対的な位置を評価する
  • ③学習指導要領の目標に照らして、その実現状況を評価する
  • ④全国学力調査の平均点と比べ、上回ったかどうかを評価する
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正解 ③学習指導要領の目標に照らして、その実現状況を評価する
解説

現在の指導要録における観点別学習状況の評価や評定は、学習指導要領に示す目標に照らして、その実現状況を見る「目標に準拠した評価」(いわゆる絶対評価)で行われています。平成13年(2001年)の指導要録の改訂で、それまで評定に用いられていた集団に準拠した評価(相対評価)から、目標に準拠した評価へと改められました。
目標に準拠した評価では、ほかの子どもと比べるのではなく、学ぶべき目標をどれだけ達成したかを見るため、全員が目標を達成すれば全員が高い評価を受けることができます。あわせて、子ども一人一人のよい点や可能性、進歩の状況を捉える個人内評価も重視され、所見欄などで生かされています。

他の選択肢が不適切な理由

・集団の中の相対的な位置を評価:これは相対評価(集団に準拠した評価)の説明です。
・過去の成績と比べ伸びだけを評価:個人内評価の一種ですが、観点別学習状況の評価の方法ではありません。
・全国学力調査の平均点と比べる:指導要録の評価方法ではありません。

【覚え方のポイント】
評価の基準は3種類。「相対評価=集団の中の位置」「目標に準拠した評価(絶対評価)=目標の実現状況」「個人内評価=その子自身の過去や他の面との比較」。現在の観点別評価と評定は目標に準拠した評価です。
問65-5

平成31年(2019年)の指導要録の改善通知で整理された、各教科の観点別学習状況の評価の観点として含まれないものはどれか。

  • ①知識・技能
  • ②思考・判断・表現
  • ③主体的に学習に取り組む態度
  • ④関心・意欲・態度
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正解 ④関心・意欲・態度
解説

平成29年告示の学習指導要領が資質・能力を3つの柱で整理したことを受けて、平成31年(2019年)の指導要録の改善通知では、各教科の観点別学習状況の評価の観点が「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理されました。
それ以前は「関心・意欲・態度」「思考・判断・表現」「技能」「知識・理解」の4観点で評価していました。「関心・意欲・態度」は旧4観点の一つで、現行の観点には含まれていません。新しい「主体的に学習に取り組む態度」は、単に挙手の回数やノートの取り方といった形式的な態度ではなく、知識や技能を獲得したり思考力等を身に付けたりすることに向けた粘り強い取組や、自らの学習を調整しようとする側面を評価するものとされています。

他の選択肢が適切な理由

・知識・技能:現行の3観点の一つです。
・思考・判断・表現:現行の3観点の一つです。
・主体的に学習に取り組む態度:現行の3観点の一つです。資質・能力の「学びに向かう力、人間性等」のうち、観点別評価になじむ部分を評価します。

【覚え方のポイント】
「資質・能力の3つの柱」と「評価の3観点」は対応しています。知識及び技能→知識・技能、思考力・判断力・表現力等→思考・判断・表現、学びに向かう力・人間性等→主体的に学習に取り組む態度(+個人内評価)。
問75-5

教育の方法とその説明の組み合わせとして、誤っているものはどれか。

  • ①系統学習―子どもの興味に応じて順序を決める
  • ②問題解決学習―生活上の問題を自ら解決する
  • ③完全習得学習―形成的評価と補充指導の活用
  • ④プログラム学習―スモールステップと即時確認
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正解 ①系統学習―子どもの興味に応じて順序を決める
解説

系統学習は、学問や文化の体系に沿って、基礎から応用へと順序立てて知識や技能を教えていく学習方法です。教える内容と順序は、教科の論理や系統によって決められます。子どもの興味に応じて順序を決めるのは、むしろ経験主義に立つ問題解決学習などの特徴であり、この組み合わせは誤りです。
日本の戦後の教育では、デューイの経験主義の影響を受けた問題解決学習が広まりましたが、学力低下への批判を受けて、1958年の学習指導要領改訂以降、系統学習が重視されるようになりました。

他の選択肢が不適切な理由

・プログラム学習―スモールステップと即時確認:正しい組み合わせです。スキナーが提唱し、学習内容を細かな段階に分け、答えの正誤をすぐに知らせながら一人一人のペースで進めます。
・問題解決学習―生活上の問題を自ら解決する:正しい組み合わせです。デューイの考え方に基づき、子どもが生活の中で出会う問題を自ら解決する過程を通して学ぶ方法です。
・完全習得学習―形成的評価と補充指導の活用:正しい組み合わせです。ブルームが提唱し、形成的評価でつまずきを見つけ、補充指導や深化指導を行うことで、ほとんどの子どもが目標を達成できるようにする方法です。

【覚え方のポイント】
「系統学習=教科の体系・順序立てて」「問題解決学習=子どもの生活・経験(デューイ)」の対比が基本です。そこに「プログラム学習(スキナー)」「完全習得学習(ブルーム)」「発見学習(ブルーナー)」を加えて整理しましょう。
問85-5

教師が子どもに対して「この子は伸びる」と期待をもって接すると、実際にその子の成績が向上しやすくなるという現象を何というか。

  • ①ハロー効果
  • ②ピグマリオン効果
  • ③エンハンシング効果
  • ④プラシーボ効果
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正解 ②ピグマリオン効果
解説

ピグマリオン効果は、教師が子どもに対してもつ期待が、教師の関わり方の違いなどを通して子どもに伝わり、実際に子どもの成績や行動がその期待に沿って変化していく現象です。アメリカの心理学者ローゼンタールらが研究し、教師期待効果とも呼ばれます。ギリシャ神話で、彫刻家ピグマリオンが自ら彫った像を愛し続けた結果、像が人間になったという話が名前の由来です。
保育や教育の場面では、大人の思い込みや期待が子どもの育ちに影響しうることを示しており、一人一人の子どもの可能性を信じて関わることの大切さとともに、否定的な先入観をもつことの危険性も教えてくれます。

他の選択肢が不適切な理由

・ハロー効果:ある人の目立つ特徴(よい面または悪い面)に引きずられて、他の面の評価までゆがんでしまう現象です。光背効果とも呼ばれ、評価をする際に注意すべき誤りの一つです。
・エンハンシング効果:ほめ言葉などの外からの働きかけによって、学習への意欲(内発的動機づけ)が高まる現象です。反対に、報酬などによって内発的動機づけが低下する現象はアンダーマイニング効果と呼ばれます。
・プラシーボ効果:有効成分を含まない偽の薬でも、効くと信じることで症状が改善することがある現象です。

【覚え方のポイント】
「ピグマリオン効果=期待で伸びる(ローゼンタール)」「ハロー効果=目立つ特徴で全体の評価がゆがむ」。評価のゆがみにはほかに、評価が甘くなる寛大化傾向や、評価が中央に集まる中心化傾向もあります。
問95-5

子どもの学習の達成状況を評価するために、成功の度合いを示す数段階の尺度と、それぞれの段階に見られる特徴を記述した評価基準表を何というか。

  • ①ポートフォリオ
  • ②チェックリスト
  • ③ルーブリック
  • ④シラバス
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正解 ③ルーブリック
解説

ルーブリックは、学習の達成状況を評価するための評価基準表で、成功の度合いを示す数段階の尺度(例えば3段階や4段階)と、それぞれの段階でどのような姿が見られるかを文章で記述したものから構成されます。レポートや発表、作品など、正解が一つに決まらない課題(パフォーマンス課題)を評価する際に用いられることが多く、評価者による評価のぶれを小さくするとともに、あらかじめ子どもに示すことで学習の目標を共有することにも役立ちます。

他の選択肢が不適切な理由

・ポートフォリオ:子どもの作品や学習の記録、振り返りなどを継続的にファイル等に蓄積したもので、これを用いて学習の過程や成長を評価する方法をポートフォリオ評価といいます。評価基準表そのものではありません。
・チェックリスト:できた・できないなど、観点ごとに該当の有無を確認する一覧表で、段階ごとの特徴を記述するルーブリックとは異なります。
・シラバス:授業の目標や内容、計画、評価方法などを示した授業計画書です。

【覚え方のポイント】
「ルーブリック=段階(尺度)×記述語の評価基準表」「ポートフォリオ=作品や記録の蓄積」。どちらもペーパーテストでは測りにくい力を評価するための方法として、パフォーマンス評価とセットで出題されます。
問105-5

学校で公式に計画された教育課程とは別に、学校生活の慣習や教師の態度、集団の雰囲気などを通して、子どもが意図されないうちに学び取っていく価値観や行動様式を指す用語はどれか。

  • ①コア・カリキュラム
  • ②スパイラル・カリキュラム
  • ③経験カリキュラム
  • ④隠れたカリキュラム
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正解 ④隠れたカリキュラム
解説

隠れたカリキュラム(潜在的カリキュラム、ヒドゥン・カリキュラム)は、学校が意図的・公式に計画して示す教育課程(顕在的カリキュラム)とは別に、学校生活の慣習や規則、教師の言葉づかいや態度、集団の雰囲気などを通して、子どもが意図されないうちに学び取っていく価値観や行動様式のことです。アメリカの教育学者ジャクソンが『教室の生活』の中で用いたことで知られています。
例えば、名簿の並びや役割分担が常に性別で分けられていると、子どもは「男女で役割が違う」という意識を知らず知らずのうちに身に付けてしまうかもしれません。保育所保育指針が「性別などによる固定的な意識を植え付けることがないようにすること」と述べているのも、こうした隠れたカリキュラムへの注意と共通する考え方です。

他の選択肢が不適切な理由

・コア・カリキュラム:中心となる課程(コア)を設け、その周辺に関連する学習を配置する教育課程の類型です。
・経験カリキュラム:子どもの興味や生活経験を中心に組み立てる教育課程の類型で、教科カリキュラムと対比されます。
・スパイラル・カリキュラム:同じ内容を発達段階に応じて繰り返し、らせん状に高めながら学ぶよう組み立てる教育課程で、ブルーナーの考え方と結び付けられます。

【覚え方のポイント】
「隠れたカリキュラム=意図されない学び(ジャクソン)」。教育課程の類型(教科・経験・コア・スパイラル)は「何を中心に組むか」、隠れたカリキュラムは「意図されているかどうか」という別の軸の用語です。
保育士 筆記試験の問題を続けて解く(全1000問) 教育原理の一問一答

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