2026年版・5-9

証券税制(株式・配当の課税)の一問一答

証券外務員一種「関連科目」から、証券税制(株式・配当の課税)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-9

上場株式等の譲渡益に対する申告分離課税の税率20.315%の内訳として、正しいものはどれか。

  • ①所得税10%、復興特別所得税0.315%、住民税10%
  • ②所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%
  • ③所得税5%、復興特別所得税0.315%、住民税15%
  • ④所得税18%、復興特別所得税0.315%、住民税2%
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正解 ②所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%
解説
上場株式等を譲渡して得た所得は、他の所得と分けて税額を計算する申告分離課税の対象となり、税率は20.315%です。
内訳は、所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%です。復興特別所得税は、基準となる所得税額に2.1%を乗じて計算されるため、15%×2.1%=0.315%となります。
復興特別所得税は復興財源確保のための時限措置ですが、2037年分まで課されることとされています。同じ税率は、上場株式等の配当所得について申告分離課税を選択した場合や、特定公社債等の利子にも適用されます。

他の選択肢が誤りである理由
所得税10%・住民税10%とする内訳は誤りです。合計は20.315%になりますが、上場株式等の軽減税率が適用されていた時期の割合とも異なり、現行の内訳ではありません。
所得税5%・住民税15%とする内訳も誤りで、所得税と住民税の割合が逆になっています。
所得税18%・住民税2%とする内訳も誤りです。住民税の税率は一律5%です。

覚え方のポイント
「15+0.315+5」と分けて覚え、0.315%は所得税15%の2.1%から生まれる、という導き方まで押さえておくと確実です。
問25-9

上場株式を1,000,000円で取得し(購入手数料5,000円)、その後1,520,000円で売却した(売却手数料7,000円)場合、この譲渡益に対する税額はいくらか。

  • ①105,638円
  • ②104,622円
  • ③76,200円
  • ④103,200円
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正解 ④103,200円
解説
上場株式等の譲渡益に対する税額を求める問題です。取得費には購入手数料を含め、譲渡費用として売却手数料を差し引きます。
(1) 取得費=1,000,000円+5,000円=1,005,000円
(2) 譲渡所得=1,520,000円-1,005,000円-7,000円=508,000円
(3) 税額=508,000円×20.315%=103,200円
(4) したがって答えは103,200円となります。
手数料を取得費と譲渡費用に正しく振り分けることが要点です。手数料を含めないと課税所得が過大になります。

他の選択肢が誤りである理由
105,638円は、手数料を一切考慮せず、譲渡益を520,000円として計算した値です。
104,622円は、売却手数料7,000円を譲渡費用として差し引き忘れ、譲渡所得を515,000円として計算した値です。
76,200円は、譲渡所得508,000円に所得税15%のみを乗じた値で、復興特別所得税と住民税が抜けています。

覚え方のポイント
「買うときの手数料は取得費に足す、売るときの手数料は収入から引く」と手数料の行き先を整理してから税率を掛けます。
問35-9

上場株式等に係る譲渡損失の取扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①上場株式等の譲渡損失は、翌年以後3年間繰り越すことができる
  • ②譲渡損失の繰越控除は、確定申告をしなくても適用を受けられる
  • ③上場株式等の譲渡損失は、給与所得と損益通算することができる
  • ④譲渡損失は、翌年以後5年間にわたって繰り越すことができる
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正解 ①上場株式等の譲渡損失は、翌年以後3年間繰り越すことができる
解説
上場株式等を譲渡して損失が生じ、その年の上場株式等に係る所得から控除しきれない場合、その損失は翌年以後3年間にわたって繰り越し、各年の上場株式等の譲渡益や申告分離課税を選択した配当所得等から控除できます。
株式投資の損益は年ごとの振れが大きいため、単年で区切ると実態に合わない課税となります。複数年で通算を認めることで、担税力に応じた課税を実現する趣旨です。
この繰越控除の適用を受けるには、損失が生じた年に確定申告を行い、その後も損失を引き継ぐために連続して確定申告を続ける必要があります。

他の選択肢が誤りである理由
確定申告をしなくても適用を受けられるという記述は誤りです。繰越控除は申告を要件としており、申告を怠った年があると引き継げなくなります。
給与所得と損益通算できるという記述も誤りです。上場株式等の譲渡損失は申告分離課税の枠の中でのみ通算され、給与所得や事業所得とは通算できません。
翌年以後5年間繰り越せるという記述も誤りで、繰越期間は3年間です。

覚え方のポイント
「3年間・申告が要件・連続申告」の三点を必ずセットで押さえます。数字と手続要件の両方が問われます。
問45-9

上場株式等に係る損益通算の範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①上場株式等の譲渡損失は、不動産所得と損益通算することができる
  • ②上場株式等の譲渡損失は、一般株式等の譲渡益と通算できる
  • ③上場株式等の譲渡損失は、申告分離を選んだ配当と通算できる
  • ④上場株式等の譲渡損失は、総合課税を選んだ配当と通算できる
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正解 ③上場株式等の譲渡損失は、申告分離を選んだ配当と通算できる
解説
上場株式等に係る譲渡損失は、同じ申告分離課税の枠内にある所得とのみ通算できます。
具体的には、上場株式等の配当所得等について申告分離課税を選択した場合、その配当所得と譲渡損失を通算できます。特定公社債等の利子で申告分離課税を選択したものも同様です。
この通算を行うには確定申告が必要です。なお、源泉徴収ありの特定口座に上場株式等の配当を受け入れている場合には、口座内で自動的に通算が行われる仕組みも用意されています。

他の選択肢が誤りである理由
不動産所得と通算できるという記述は誤りです。総合課税の所得とは通算できません。
一般株式等の譲渡益と通算できるという記述も誤りです。上場株式等と非上場である一般株式等は別々の区分で計算され、相互に通算できません。
総合課税を選んだ配当と通算できるという記述も誤りです。総合課税を選択した配当は他の所得と合算して累進税率で課税されるため、申告分離課税の譲渡損失とは通算できません。

覚え方のポイント
「通算できるのは申告分離課税どうし」を原則に置き、上場株式等と一般株式等の区分をまたげない点も押さえます。
問55-9

上場株式等の配当所得の課税方式に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①上場株式等の配当については、総合課税を選ぶことができない
  • ②上場株式等の配当は、確定申告不要制度を選ぶことができる
  • ③申告分離課税を選択した場合でも、配当控除の適用を受けられる
  • ④配当所得の課税方式は、銘柄ごとに異なる方式を選択できる
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正解 ②上場株式等の配当は、確定申告不要制度を選ぶことができる
解説
上場株式等の配当所得については、総合課税、申告分離課税、確定申告不要制度の三つから課税方式を選択できます。
確定申告不要制度は、支払われる際に20.315%が源泉徴収されることで課税関係を終わらせる方法です。手続の負担がなく、他の所得に影響を与えない点が利点です。
総合課税を選べば配当控除を受けられ、申告分離課税を選べば譲渡損失との通算ができます。どの方式が有利かは、他の所得の水準や譲渡損失の有無によって変わります。

他の選択肢が誤りである理由
総合課税を選べないという記述は誤りです。上場株式等の配当についても総合課税を選択できます。
申告分離課税を選択しても配当控除を受けられるという記述も誤りです。配当控除は総合課税を選択した場合に限って適用されます。
銘柄ごとに異なる方式を選択できるという記述も誤りです。その年分の上場株式等の配当所得については、原則としてすべてについて同一の方式を選ぶ必要があります。

覚え方のポイント
「総合課税なら配当控除、申告分離なら譲渡損失と通算、申告不要なら手続なし」と、方式ごとの見返りで整理します。
問65-9

配当控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①配当控除は、申告分離課税を選択した場合にも適用を受けられる
  • ②配当控除は、確定申告不要制度を選択した場合にも適用される
  • ③配当控除の率は、課税総所得金額の多寡にかかわらず一定である
  • ④配当控除は、総合課税を選択した場合に限り適用を受けられる
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正解 ④配当控除は、総合課税を選択した場合に限り適用を受けられる
解説
配当は、法人が法人税を負担した後の利益から支払われます。これに個人段階で所得税を課すと、同じ利益に二重に課税されることになります。この負担を調整するために設けられているのが配当控除です。
配当控除は税額控除であり、総合課税を選択して確定申告した場合に限り適用を受けられます。
控除率は、課税総所得金額等が1,000万円以下の部分に対応する配当所得については所得税で10%、1,000万円を超える部分に対応する配当所得については5%となり、所得水準によって異なります。

他の選択肢が誤りである理由
申告分離課税を選択した場合にも適用されるという記述は誤りです。申告分離課税を選ぶと配当控除は使えません。
確定申告不要制度を選択した場合にも適用されるという記述も誤りです。申告をしないため、税額控除である配当控除を受ける機会がありません。
控除率が一定であるという記述も誤りで、課税総所得金額1,000万円を境に率が変わります。

覚え方のポイント
「配当控除は総合課税のときだけ」「1,000万円を境に10%と5%」の二点を押さえます。二重課税の調整という趣旨から理解すると忘れません。
問75-9

特定口座に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①源泉徴収ありの特定口座では、確定申告を行わないことができる
  • ②特定口座は、一つの金融商品取引業者に複数開設することができる
  • ③源泉徴収なしの特定口座では、譲渡益に対する課税は生じない
  • ④特定口座では、年間取引報告書が作成されないこととなっている
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正解 ①源泉徴収ありの特定口座では、確定申告を行わないことができる
解説
特定口座は、投資家の申告の手間を軽くするために設けられた制度です。金融商品取引業者が譲渡損益を計算し、年間取引報告書を作成します。
源泉徴収ありを選ぶと、譲渡益が生じるたびに業者が税額を源泉徴収して納付するため、その口座の取引については確定申告をしないことができます。
源泉徴収なしを選んだ場合は源泉徴収が行われないため確定申告が必要ですが、年間取引報告書を用いることで計算の負担は大きく軽減されます。なお、譲渡損失の繰越控除を受けたい場合や複数口座を通算したい場合は、源泉徴収ありであっても確定申告を行います。

他の選択肢が誤りである理由
一つの業者に複数の特定口座を開設できるという記述は誤りです。特定口座は一つの金融商品取引業者につき一口座に限られます。
源泉徴収なしでは課税が生じないという記述も誤りです。源泉徴収が行われないだけで、申告により納税する必要があります。
年間取引報告書が作成されないという記述も誤りで、特定口座では必ず作成されます。

覚え方のポイント
「源泉徴収ありは申告しなくてよい、なしは申告する」が基本形で、繰越控除を使うときは申告が必要になる例外も押さえます。
問85-9

上場株式等の配当に係る大口株主の取扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①上場株式等の配当は、保有割合にかかわらず申告不要を選択できる
  • ②大口株主に該当するのは、発行済株式の10%以上を有する者である
  • ③大口株主が受ける上場株式等の配当は、総合課税の対象となる
  • ④大口株主が受ける配当については、源泉徴収が行われていない
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正解 ③大口株主が受ける上場株式等の配当は、総合課税の対象となる
解説
上場株式等の配当は、通常であれば申告分離課税や確定申告不要制度を選択できますが、大口株主等が受ける配当は例外とされ、総合課税の対象となります。
これは、発行会社に強い影響力を持つ株主が、配当の額や時期を自ら左右できる立場にあることを踏まえた措置です。少額の投資家と同じ扱いにすると、税負担を意図的に軽くする余地が生じてしまいます。
大口株主等に該当するのは、発行済株式の総数等の3%以上を保有する個人です。さらに令和5年10月1日以後に支払を受けるべき配当からは、本人が直接保有する分だけでなく、本人が同族会社の判定の基礎となる株主である法人の保有分を合算して3%以上となる場合も大口株主等に含まれることとなりました。この場合の配当所得は、他の所得と合算して累進税率で課税されます。

他の選択肢が誤りである理由
保有割合にかかわらず申告不要を選択できるという記述は誤りです。大口株主等にはこの制度を適用できません。
大口株主の基準を10%以上とする記述も誤りで、正しくは3%以上です。
源泉徴収が行われないという記述も誤りです。大口株主等が受ける配当についても支払時に源泉徴収が行われ、確定申告により精算します。

覚え方のポイント
「3%以上は大口株主で総合課税」と数字と結論をセットで覚えます。自分名義の株式だけでなく、同族会社の保有分と合わせて3%以上になる場合も含まれる点が、近年の改正点です。
問95-9

甲社株式を1,000株につき1株800円で取得し、その後2,000株を1株950円で追加取得した場合、総平均法に準ずる方法による1株当たりの取得価額はいくらか。

  • ①800円
  • ②900円
  • ③875円
  • ④950円
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正解 ②900円
解説
同一銘柄を複数回にわたって取得した場合の1株当たり取得価額を求める問題です。株式の取得費は、総平均法に準ずる方法により、取得の都度、平均単価を計算します。
(1) 取得価額の合計=800円×1,000株+950円×2,000株=800,000円+1,900,000円=2,700,000円
(2) 取得株数の合計=1,000株+2,000株=3,000株
(3) 1株当たり取得価額=2,700,000円÷3,000株=900円
(4) したがって答えは900円となります。
株数による加重平均である点が要点です。単価をそのまま平均してはいけません。

他の選択肢が誤りである理由
875円は、800円と950円を単純に平均した値であり、株数の違いが反映されていません。
800円は最初に取得したときの単価、950円は追加取得したときの単価であり、いずれも平均取得価額ではありません。

覚え方のポイント
「金額の合計÷株数の合計」で求める加重平均です。株数が多いほうの単価に平均が引き寄せられる、という感覚を持っておくと検算になります。
問105-9

前年から繰り越した上場株式等の譲渡損失が800,000円あり、本年の上場株式等の譲渡益が1,000,000円であるとき、本年の譲渡益に対する税額はいくらか。

  • ①203,150円
  • ②40,000円
  • ③40,630円
  • ④162,520円
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正解 ③40,630円
解説
繰越控除を適用したうえで税額を求める問題です。前年から繰り越した譲渡損失は、本年の上場株式等の譲渡益から控除できます。
(1) 課税される譲渡所得=1,000,000円-800,000円=200,000円
(2) 税額=200,000円×20.315%=40,630円
(3) したがって答えは40,630円となります。
繰越控除は自動的には適用されず、損失が生じた年から連続して確定申告を行っていることが前提となります。

他の選択肢が誤りである理由
203,150円は、繰越損失を控除せずに譲渡益1,000,000円にそのまま税率を掛けた値です。
40,000円は、課税される譲渡所得200,000円に20%を乗じた値で、復興特別所得税0.315%分が抜けています。
162,520円は、繰越損失800,000円のほうに税率を掛けた値であり、控除後の所得に課税するという考え方に反します。

覚え方のポイント
「先に繰越損失を引いてから税率を掛ける」という順序を守ります。税率は20%ではなく20.315%である点も、選択肢で必ず狙われます。

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