2026年版・5-10

証券税制(債券・投資信託の課税とNISA)の一問一答

証券外務員一種「関連科目」から、証券税制(債券・投資信託の課税とNISA)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-10

特定公社債の利子の課税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①特定公社債の利子は、総合課税の対象とされている所得である
  • ②特定公社債の利子は、20.315%の源泉分離課税で課税が完結する
  • ③特定公社債の利子は、20.315%の申告分離課税の対象となる
  • ④特定公社債の利子は、非課税とされている所得の一つである
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正解 ③特定公社債の利子は、20.315%の申告分離課税の対象となる
解説
特定公社債とは、国債、地方債、公募公社債、上場公社債などをいいます。これらの利子は利子所得に区分され、20.315%の申告分離課税の対象となります。
申告分離課税とされているため、上場株式等の譲渡損失との損益通算が可能です。株式と債券を組み合わせて運用する投資家にとって、損益を通じて税負担を調整できる仕組みになっています。
なお、支払時に源泉徴収が行われるため、確定申告をせずに課税関係を終わらせる確定申告不要制度を選ぶこともできます。

他の選択肢が誤りである理由
総合課税の対象とする記述は誤りです。特定公社債の利子は他の所得と分離して課税されます。
源泉分離課税で課税が完結するという記述も誤りです。源泉分離課税では申告そのものができず損益通算の余地がありませんが、特定公社債の利子は申告分離課税であり、申告して通算することができます。なお、一般公社債の利子は源泉分離課税です。
非課税とする記述も誤りで、課税対象です。

覚え方のポイント
「特定公社債は申告分離で株式と通算できる、一般公社債は源泉分離で通算できない」と対比して覚えます。
問25-10

公社債の譲渡および償還に係る課税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①特定公社債の償還差益は、譲渡所得等として申告分離課税となる
  • ②特定公社債の償還差益は、雑所得として総合課税の対象となる
  • ③特定公社債の譲渡損失は、上場株式等の譲渡益とは通算できない
  • ④特定公社債の償還差損は、翌年以後に繰り越すことができない
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正解 ①特定公社債の償還差益は、譲渡所得等として申告分離課税となる
解説
特定公社債を償還期限まで保有し、取得価額を上回る償還金を受け取った場合の差益を償還差益といいます。
現在の制度では、特定公社債の譲渡益と償還差益はいずれも上場株式等に係る譲渡所得等として扱われ、20.315%の申告分離課税の対象となります。
この扱いにより、特定公社債の損益は上場株式等の譲渡損益や、申告分離課税を選択した配当所得等と通算できます。株式と債券の課税を同じ土俵に載せることで、資産の組合せをゆがめないようにするための整理です。

他の選択肢が誤りである理由
償還差益を雑所得として総合課税とする記述は誤りです。かつては雑所得とされていましたが、現在は譲渡所得等として申告分離課税されます。
特定公社債の譲渡損失を上場株式等の譲渡益と通算できないとする記述も誤りで、同じ区分に属するため通算できます。
償還差損を翌年以後に繰り越せないとする記述も誤りです。上場株式等に係る譲渡損失としてその年に控除しきれない部分は、確定申告を要件に翌年以後3年間繰り越すことができます。

覚え方のポイント
「特定公社債は上場株式等と同じ箱の中」と覚えると、利子・譲渡益・償還差益の扱いを一括して整理できます。
問35-10

公募株式投資信託の収益分配金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①元本払戻金は、配当所得として20.315%の課税対象となる
  • ②普通分配金は、元本の払戻しに当たるため非課税とされている
  • ③元本払戻金を受け取っても、個別元本は変わらないこととなる
  • ④元本払戻金は元本の払戻しに当たるため、課税対象とならない
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正解 ④元本払戻金は元本の払戻しに当たるため、課税対象とならない
解説
公募株式投資信託の収益分配金は、普通分配金と元本払戻金に分けられます。分ける基準は、分配落ち後の基準価額が受益者の個別元本を上回っているかどうかです。
分配落ち後の基準価額が個別元本以上であれば、分配金はすべて運用によって生じた利益であり、普通分配金として配当所得となり20.315%が課税されます。
分配落ち後の基準価額が個別元本を下回る場合、その下回る部分に相当する金額は、自分が出したお金が戻ってきただけであるため元本払戻金とされ、課税されません。あわせて個別元本がその分だけ引き下げられます。

他の選択肢が誤りである理由
元本払戻金が課税対象となるという記述は誤りです。利益ではないため課税されません。
普通分配金を非課税とする記述も誤りで、普通分配金は運用益であるため課税されます。
元本払戻金を受け取っても個別元本が変わらないという記述も誤りです。払い戻された分だけ個別元本は減額され、その後の普通分配金の判定に反映されます。

覚え方のポイント
「もうけの分配は課税、元手の払戻しは非課税」と性質で区別し、元本払戻金を受けたら個別元本が下がる点まで押さえます。
問45-10

公募株式投資信託の換金に係る課税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①解約による収入は配当所得、買取りによる収入は譲渡所得となる
  • ②解約と買取りのいずれの場合も、譲渡所得等として課税される
  • ③買取請求による収入は、配当所得として課税されることとなる
  • ④解約による収入は、雑所得として総合課税の対象とされている
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正解 ②解約と買取りのいずれの場合も、譲渡所得等として課税される
解説
公募株式投資信託を換金する方法には、信託財産から直接払い戻す解約請求と、販売会社に買い取ってもらう買取請求があります。
かつては解約による収益が配当所得、買取りによる収益が譲渡所得とされ、税務上の扱いが分かれていました。同じ換金であるのに方法によって課税が異なると、投資家の選択がゆがめられます。
そこで現在は、解約と買取りのいずれについても上場株式等に係る譲渡所得等として扱われ、20.315%の申告分離課税の対象に統一されています。譲渡損失が生じた場合は、上場株式等の譲渡益や申告分離課税を選択した配当所得等と通算できます。

他の選択肢が誤りである理由
解約が配当所得、買取りが譲渡所得となるという記述は誤りです。これは以前の扱いであり、現在は統一されています。
買取請求による収入を配当所得とする記述も誤りで、譲渡所得等です。
解約による収入を雑所得として総合課税とする記述も誤りです。申告分離課税の対象となります。

覚え方のポイント
「解約でも買取りでも同じ扱い」と結論を先に覚え、換金方法で税額が変わらないことを押さえます。
問55-10

公社債投資信託の収益分配金の課税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①公社債投資信託の収益分配金は、配当所得として課税されている
  • ②公社債投資信託の収益分配金は、非課税とされている所得である
  • ③公社債投資信託の収益分配金は、利子所得として課税されている
  • ④公社債投資信託の収益分配金は、総合課税の対象とされている
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正解 ③公社債投資信託の収益分配金は、利子所得として課税されている
解説
投資信託は、株式を組み入れることができる株式投資信託と、公社債などで運用し株式を組み入れない公社債投資信託に分かれます。
公社債投資信託は実質的に債券で運用する商品であるため、その収益分配金は利子所得に区分され、20.315%の申告分離課税の対象となります。確定申告不要制度を選ぶこともできます。
これに対して株式投資信託の収益分配金のうち普通分配金は配当所得となります。どちらも税率は20.315%ですが、所得の区分が異なるため、配当控除の可否などの取扱いに違いが生じます。

他の選択肢が誤りである理由
配当所得として課税されるという記述は誤りです。配当所得となるのは株式投資信託の普通分配金です。
非課税とする記述も誤りで、課税対象です。
総合課税の対象とする記述も誤りです。公社債投資信託の分配金は申告分離課税の対象であり、他の所得と合算して累進税率で課税されるわけではありません。

覚え方のポイント
「株式が入れば配当所得、入らなければ利子所得」と、組入れ資産の性質から所得区分を導くと覚えやすくなります。
問65-10

NISA制度における年間投資枠の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円
  • ②つみたて投資枠40万円、成長投資枠120万円
  • ③つみたて投資枠120万円、成長投資枠120万円
  • ④つみたて投資枠240万円、成長投資枠120万円
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正解 ①つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円
解説
NISAは、一定の投資額までの配当や譲渡益を非課税とする制度で、つみたて投資枠と成長投資枠の二つの枠から成ります。
年間投資枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円であり、両者は併用できるため合計で年間360万円まで投資できます。
つみたて投資枠の対象は、長期の積立と分散投資に適した一定の投資信託などに限られます。成長投資枠では、上場株式や幅広い投資信託を対象とすることができますが、毎月分配型の投資信託など一部の商品は除かれます。

他の選択肢が誤りである理由
つみたて投資枠40万円、成長投資枠120万円という組合せは、2023年以前の旧制度における年間の非課税投資枠に近い数字であり、現行の枠ではありません。
両枠とも120万円とする組合せも誤りで、成長投資枠は240万円です。
つみたて投資枠240万円、成長投資枠120万円とする組合せも誤りで、二つの枠の金額が逆になっています。

覚え方のポイント
「つみたて120、成長240、合計360」と三つの数字を並べて覚えます。つみたて側が少なく、成長側がその倍という関係です。
問75-10

NISAの非課税保有限度額(総枠)と、そのうち成長投資枠の上限額の組合せとして、正しいものはどれか。

  • ①総枠1,800万円、うち成長投資枠は600万円まで
  • ②総枠1,200万円、うち成長投資枠は600万円まで
  • ③総枠2,400万円、うち成長投資枠は1,200万円まで
  • ④総枠1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円まで
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正解 ④総枠1,800万円、うち成長投資枠は1,200万円まで
解説
NISAには、年間の投資枠とは別に、生涯にわたって非課税で保有できる金額の上限として非課税保有限度額が定められています。
非課税保有限度額は1,800万円であり、このうち成長投資枠として使えるのは1,200万円までとされています。したがって、成長投資枠だけで1,800万円を使い切ることはできず、残りの600万円分はつみたて投資枠で投資する必要があります。
この限度額は取得価額、すなわち簿価で管理されます。値上がりによって時価が1,800万円を超えても、そのまま非課税で保有し続けることができます。

他の選択肢が誤りである理由
総枠1,800万円で成長投資枠が600万円までとする組合せは誤りで、成長投資枠の上限は1,200万円です。
総枠1,200万円とする組合せも誤りです。1,200万円は成長投資枠の上限額であり、総枠ではありません。
総枠2,400万円とする組合せも誤りで、年間投資枠の数字と混同したものです。

覚え方のポイント
「1,800万円のうち成長は1,200万円まで、つみたては単独で1,800万円まで使える」と非対称な関係を押さえます。
問85-10

NISAの非課税保有期間および投資枠の再利用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①非課税保有期間は、つみたて投資枠が20年、成長投資枠が5年である
  • ②商品を売却した場合、その簿価分の枠は翌年以降に再利用できる
  • ③商品を売却しても、非課税保有限度額の枠は復活しないとされる
  • ④NISA口座は、同一年に複数の金融機関で開設することができる
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正解 ②商品を売却した場合、その簿価分の枠は翌年以降に再利用できる
解説
現行のNISAでは、非課税で保有できる期間に期限がなく、無期限とされています。制度自体も恒久化されており、いつ始めても同じ条件で利用できます。
また、非課税保有限度額は簿価で管理されるため、保有している商品を売却すると、その商品の取得価額に相当する枠が空きます。空いた枠は、売却した年ではなく翌年以降に再び使うことができます。
これにより、住宅購入や教育資金などで一度資金を引き出しても、その後に改めて非課税での投資を再開できます。ただし年間投資枠の上限は変わらない点に注意が必要です。

他の選択肢が誤りである理由
非課税保有期間を20年および5年とする記述は誤りです。これは旧制度の期間であり、現行制度では無期限です。
売却しても枠が復活しないという記述も誤りで、簿価分の枠は翌年以降に再利用できます。
同一年に複数の金融機関で口座を開設できるという記述も誤りです。NISA口座は一人一口座であり、金融機関の変更は年単位で行います。

覚え方のポイント
「期間は無期限、枠は簿価で復活、ただし復活は翌年から」の三点をまとめて覚えます。
問95-10

NISA口座における損益の取扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①NISA口座内で生じた損失は、特定口座の譲渡益と通算できる
  • ②NISA口座内で生じた損失は、翌年以後3年間繰り越せる
  • ③NISA口座内で生じた損失は、ないものとして取り扱われる
  • ④NISA口座の配当を非課税とするために、特に手続は要しない
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正解 ③NISA口座内で生じた損失は、ないものとして取り扱われる
解説
NISA口座は、利益に課税しない代わりに、損失についても税務上は存在しないものとして扱われます。
そのため、NISA口座で売却損が生じても、特定口座や一般口座の譲渡益や配当所得と損益通算することはできず、翌年以後への繰越控除もできません。
利益に課税されない以上、損失だけを他の課税される所得から差し引けるとすると、制度の趣旨に反して有利になりすぎるためです。値下がりした商品を課税口座へ移す場合には、移管時の時価が新たな取得価額となる点にも注意が必要です。

他の選択肢が誤りである理由
特定口座の譲渡益と通算できるという記述は誤りです。損益通算はできません。
翌年以後3年間繰り越せるという記述も誤りで、繰越控除の対象外です。
配当を非課税とするために手続を要しないという記述も誤りです。上場株式の配当を非課税で受け取るには、受取方法として証券口座で受け取る株式数比例配分方式を選択しておく必要があります。

覚え方のポイント
「もうけに課税しない代わりに、損も見てもらえない」と対の関係で覚えます。配当の受取方法の選択も頻出です。
問105-10

追加型公募株式投資信託を1万口あたり12,000円で取得し(個別元本12,000円)、決算時に1万口あたり700円の収益分配金が支払われ、分配落ち後の基準価額が1万口あたり11,800円となった。このときの普通分配金と元本払戻金の金額として、正しいものはどれか。

  • ①普通分配金500円、元本払戻金200円
  • ②普通分配金700円、元本払戻金0円
  • ③普通分配金200円、元本払戻金500円
  • ④普通分配金300円、元本払戻金400円
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正解 ①普通分配金500円、元本払戻金200円
解説
収益分配金を普通分配金と元本払戻金に区分する問題です。区分の基準は、分配落ち後の基準価額と個別元本との大小関係です。
(1) 分配落ち前の基準価額=11,800円+700円=12,500円
(2) 分配落ち後の基準価額11,800円と個別元本12,000円を比べると、11,800円<12,000円であり、200円だけ個別元本を下回っています。
(3) 個別元本を下回った200円が元本払戻金となり、非課税です。
(4) 普通分配金=700円-200円=500円となり、これが課税対象です。
(5) したがって答えは、普通分配金500円、元本払戻金200円となります。あわせて個別元本は200円引き下げられ、11,800円となります。

他の選択肢が誤りである理由
普通分配金700円、元本払戻金0円とするのは、分配落ち後の基準価額が個別元本以上である場合の答えであり、本問には当てはまりません。
普通分配金200円、元本払戻金500円とするのは、二つの金額を入れ替えたものです。
普通分配金300円、元本払戻金400円は、いずれの計算過程からも導かれません。

覚え方のポイント
「個別元本を割り込んだ分が元本払戻金、残りが普通分配金」と手順化し、最後に個別元本を同額だけ下げることまでを一連で覚えます。

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