2026年版・5-11

セールス業務と職業倫理の一問一答

証券外務員一種「関連科目」から、セールス業務と職業倫理に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-11

適合性の原則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①顧客が希望した商品であれば、常に勧誘を行うことが認められる
  • ②顧客の知識・経験・財産・投資目的等に照らして勧誘を判断する
  • ③適合性の原則は、法人である顧客には適用されないものである
  • ④適合性の原則は、商品の説明を尽くせば問題は生じない
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正解 ②顧客の知識・経験・財産・投資目的等に照らして勧誘を判断する
解説
適合性の原則とは、顧客の知識、経験、財産の状況および投資目的に照らして不適当と認められる勧誘を行ってはならないという規制です。
金融商品は、同じ商品であっても、誰が保有するかによって適切かどうかが変わります。値動きの大きい商品は、資産に余裕があり仕組みを理解している顧客には適切でも、生活資金しか持たない顧客には適切ではありません。
したがって、外務員はまず顧客の属性と意向を十分に把握し、その顧客にとって適切といえる商品だけを勧誘しなければなりません。

他の選択肢が誤りである理由
顧客が希望した商品であれば常に勧誘できるという記述は誤りです。顧客の希望があっても、その顧客に明らかに不適当な商品の勧誘は認められません。
法人である顧客には適用されないという記述も誤りです。法人であっても知識や経験には差があり、原則の適用対象となります。
商品の説明を尽くせば問題が生じないという記述も誤りです。説明義務と適合性の原則は別のものであり、説明を尽くしても勧誘自体が不適当となる場合があります。

覚え方のポイント
「知識・経験・財産の状況・投資目的」の四つが判断要素です。説明を尽くすこととは別の義務である点を必ず押さえます。
問25-11

投資勧誘における禁止行為に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①確実に値上がりすると述べても、根拠があれば問題は生じない
  • ②将来の価格について、断定的な判断を提供することは許される
  • ③値上がりの見込みを述べる限り、断定的判断には当たらない
  • ④不確実な事項について断定的判断を提供することは禁止される
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正解 ④不確実な事項について断定的判断を提供することは禁止される
解説
金融商品取引法は、有価証券の価格など不確実な事項について、断定的判断を提供して勧誘する行為を禁止しています。
相場の先行きは誰にも確実には分かりません。それにもかかわらず断定的な言い方をすれば、顧客は自らの判断を放棄して外務員の言葉に依存することになり、投資者が自己責任で判断するという市場の前提が崩れます。
この規制は、実際にその後に値上がりしたかどうかや、外務員が本当にそう信じていたかどうかとは関係なく適用されます。損失が生じた場合には、金融商品取引業者が損害賠償責任を負うこともあります。

他の選択肢が誤りである理由
根拠があれば問題が生じないという記述は誤りです。どれほど根拠があっても、将来の価格は不確実であり、断定的な表現は許されません。
断定的な判断の提供が許されるという記述も誤りで、明文で禁止されています。
値上がりの見込みを述べる限り断定的判断に当たらないという記述も誤りです。表現の形にかかわらず、顧客が確実だと受け取る言い方であれば規制の対象となります。

覚え方のポイント
「結果が当たったかどうかは関係ない、言い方そのものが禁止される」と押さえます。見通しは必ず不確実であることを添えて述べます。
問35-11

損失補塡等の禁止に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①あらかじめ損失を補塡する旨を約束することは、禁止されている
  • ②事故による損害の賠償であっても、損失の補塡として禁止される
  • ③損失補塡を受け入れた顧客の側は、規制の対象とならない
  • ④損失補塡の禁止は、損失発生後の利益の追加には及ばない
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正解 ①あらかじめ損失を補塡する旨を約束することは、禁止されている
解説
金融商品取引法は、顧客に生じた損失を補塡し、または利益を追加する行為を禁止しています。取引に先立って補塡を約束する行為、損失が生じた後に補塡する行為のいずれも対象です。
損失を補塡すると、その顧客だけが値下がりの危険を負わずに済むことになり、投資者が自己の判断と責任で行動するという市場の前提が失われます。他の投資者との公平も損なわれます。
ただし、金融商品取引業者側の違法または不当な行為によって顧客に損害を与えた場合、いわゆる事故による損害の賠償は補塡には当たりません。この場合は原則として当局の確認を受ける手続が設けられています。

他の選択肢が誤りである理由
事故による損害の賠償も損失の補塡として禁止されるという記述は誤りです。正当な賠償は禁止の対象外とされています。
損失補塡を受け入れた顧客の側は規制の対象とならないという記述も誤りです。補塡を要求し、または受け入れた顧客も規制の対象となります。
損失発生後の利益の追加には及ばないという記述も誤りで、事後の利益追加も明確に禁止されています。

覚え方のポイント
「事前の約束も事後の補塡も禁止、受け取った顧客も対象。例外は事故による賠償だけ」と整理します。
問45-11

投資勧誘の方法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①すべての金融商品取引について、電話による勧誘は禁止されている
  • ②顧客が契約締結を拒んだ後も、直ちに再度の勧誘を行ってよい
  • ③店頭デリバティブ取引等では、要請のない訪問や電話は禁じられる
  • ④契約締結前の情報の提供は、顧客から請求があった場合にのみ行う
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正解 ③店頭デリバティブ取引等では、要請のない訪問や電話は禁じられる
解説
金融商品取引法は、店頭デリバティブ取引など損失が大きくなりやすい一定の取引について、顧客から勧誘の要請を受けていないにもかかわらず訪問や電話で勧誘する行為を禁止しています。これを不招請勧誘の禁止といいます。
こうした取引は仕組みが複雑で、想定を超える損失が生じることもあります。突然の勧誘を受けた顧客が、十分に検討しないまま契約してしまう事態を防ぐ趣旨です。
あわせて、勧誘に先立って勧誘を受ける意思があるかを確認する義務や、契約しない旨の意思を示した顧客への再勧誘の禁止も定められています。

他の選択肢が誤りである理由
すべての取引について電話勧誘が禁止されるという記述は誤りです。不招請勧誘の禁止は対象取引が限定されています。
拒んだ後も直ちに再度の勧誘を行ってよいという記述も誤りです。契約しない旨の意思を示した顧客への再勧誘は禁止されています。
契約締結前の情報の提供を、顧客から請求があった場合にのみ行うとする記述も誤りです。金融商品取引業者は、契約を締結しようとするときは、あらかじめ手数料やリスクなどの重要な事項を顧客に提供しなければなりません。かつては書面の交付が義務づけられていましたが、法改正により、書面によるか電磁的方法によるかを顧客の状況に応じて選べる情報提供義務に改められています。

覚え方のポイント
「勧誘の入口の三点セットは、不招請勧誘の禁止・勧誘受諾意思の確認・再勧誘の禁止」とまとめて覚えます。契約の前に重要事項を伝える義務は、提供の方法が柔軟になっただけで、なくなったわけではありません。
問55-11

高齢顧客に対する投資勧誘に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①高齢顧客への勧誘は、家族の同意があれば社内規則の手続を要しない
  • ②高齢顧客への勧誘は、社内規則を定めて慎重に行う必要がある
  • ③高齢顧客の区分は、年齢のみによって一律に定めれば足りる
  • ④高齢顧客への勧誘には、適合性の原則は適用されないとされる
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正解 ②高齢顧客への勧誘は、社内規則を定めて慎重に行う必要がある
解説
高齢の顧客は、加齢に伴って理解力や記憶力が変化することがあり、複雑な商品や値動きの大きい商品について、内容を十分に理解しないまま契約に至る危険があります。
そこで、業界の自主規制において、高齢顧客に勧誘を行う場合の社内規則を定めることが求められています。役席者による事前の承認、勧誘した当日には受注しない、家族の同席を求めるなど、各社が実情に応じた手続を整えています。
これは高齢顧客の取引を妨げるためではなく、理解と納得を確かめたうえで取引してもらうための仕組みです。

他の選択肢が誤りである理由
家族の同意があれば社内規則の手続を要しないという記述は誤りです。家族の同席や同意は慎重を期すための手段の一つであり、役席者の事前承認など社内規則で定めた手続を免れる理由にはなりません。
年齢のみによって一律に定めれば足りるという記述も誤りです。理解力や取引の経験、家族の状況なども踏まえて慎重に判断する必要があります。
適合性の原則が適用されないという記述も誤りです。高齢顧客にこそ、適合性の原則を丁寧に当てはめる必要があります。

覚え方のポイント
「禁止ではなく、手続を重ねて慎重に」が高齢顧客対応の基本姿勢です。適合性の原則の具体化として位置づけられます。
問65-11

顧客に対するアフターフォローに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①購入後の値動きの報告は、顧客から求められた場合に限り行う
  • ②損失が生じている顧客への連絡は、控えることが望ましいとされる
  • ③アフターフォローは、次の売買の推奨を目的として行うものである
  • ④購入後も状況を伝え、顧客の判断を助けることが求められている
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正解 ④購入後も状況を伝え、顧客の判断を助けることが求められている
解説
投資は購入して終わりではなく、その後の値動きや発行体の状況によって、保有を続けるか見直すかという判断が繰り返し必要になります。
外務員には、購入後も市場環境や保有商品の状況を適時に伝え、顧客が自ら判断できる材料を提供することが求められます。これがアフターフォローです。
特に損失が生じている局面こそ、顧客は不安を抱えています。事実を正確に伝え、今後の選択肢を説明することが信頼の維持につながります。長期の取引関係は、この積み重ねによって築かれます。

他の選択肢が誤りである理由
顧客から求められた場合に限り報告するという記述は誤りです。求められる前に伝えることに、アフターフォローの意義があります。
損失が生じている顧客への連絡を控えるべきとする記述も誤りです。都合の悪いときにこそ連絡すべきであり、放置は信頼を大きく損ないます。
次の売買の推奨を目的とするという記述も誤りです。手数料を得ることを目的とした頻繁な売買の推奨は、顧客本位の業務運営に反します。

覚え方のポイント
「良いときも悪いときも、同じ姿勢で伝える」がアフターフォローの要点です。目的は次の注文ではなく顧客の判断を助けることです。
問75-11

外務員の登録制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①外務員の登録を受けていない者は、外務員の職務を行うことができない
  • ②外務員は、複数の金融商品取引業者に重ねて登録することができる
  • ③外務員の職務に関する行為の責任は、外務員個人のみが負うこととなる
  • ④外務員の登録を受ければ、所属先を離れても職務を行うことができる
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正解 ①外務員の登録を受けていない者は、外務員の職務を行うことができない
解説
金融商品取引業者は、有価証券の売買の勧誘などの外務行為を行わせる者について、あらかじめ登録を受けなければなりません。登録を受けていない者に外務員の職務を行わせることはできません。
外務員は顧客と直接向き合い、投資判断に大きな影響を与える立場にあります。そこで、一定の資質を備えた者に限って職務を認め、問題があった場合には登録を取り消すなどの措置を可能にする仕組みが設けられています。
登録は所属する金融商品取引業者を通じて行われ、二以上の業者に重ねて登録することはできません。

他の選択肢が誤りである理由
複数の業者に重ねて登録できるという記述は誤りです。二重登録は認められていません。
責任を外務員個人のみが負うという記述も誤りです。外務員が職務に関して顧客に与えた損害については、所属する金融商品取引業者が原則として責任を負います。
所属先を離れても職務を行えるという記述も誤りです。登録は所属業者と結びついており、退職すれば当該業者の外務員としての職務は行えません。

覚え方のポイント
「登録は業者を通じて一つだけ、責任は業者が負う」と、登録の単位と責任の所在をセットで覚えます。
問85-11

顧客本位の業務運営に関する原則についての次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①この原則は、法令としてすべての業者に一律に義務づけられている
  • ②この原則は、日本証券業協会が定めた自主規制規則の一つである
  • ③採択した業者は、取組方針を策定して公表することが求められる
  • ④原則を実施しない場合、その理由を説明する必要はないとされる
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正解 ③採択した業者は、取組方針を策定して公表することが求められる
解説
顧客本位の業務運営に関する原則は、金融庁が公表したもので、金融事業者が顧客の最善の利益を図るために取るべき行動を原則として示したものです。
細かな行為を一律に定める規制ではなく、各社が自らの創意工夫によって望ましい姿を追求することを促す方式が採られています。原則を採択した金融事業者は、取組方針を策定して公表し、その実施状況を定期的に公表することが求められます。
また、原則の一部を実施しない場合には、その理由や代替する取組みを説明することとされています。実施するか、しないなら説明するという考え方に基づく仕組みです。

他の選択肢が誤りである理由
法令として一律に義務づけられているという記述は誤りです。この原則は法令ではなく、採択も任意とされています。
日本証券業協会が定めた自主規制規則とする記述も誤りで、策定したのは金融庁です。
実施しない場合に理由を説明する必要がないという記述も誤りです。実施しない部分については理由の説明が求められます。

覚え方のポイント
「金融庁が示した原則、採択は任意、方針を公表、やらないなら理由を説明」という流れで覚えます。
問95-11

金融ADR制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①苦情の解決やあっせんは、裁判所の手続によらなければ利用できない
  • ②金融ADRは、訴訟によらずに紛争の解決を図るための仕組みである
  • ③あっせんの申立ては、金融商品取引業者の側のみが行うことができる
  • ④指定紛争解決機関は、金融庁の内部組織として設置されている
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正解 ②金融ADRは、訴訟によらずに紛争の解決を図るための仕組みである
解説
金融ADR制度は、金融機関と顧客との間の紛争について、訴訟によらずに解決を図るための裁判外紛争解決手続の仕組みです。
訴訟は時間と費用の負担が大きく、金額の小さい紛争では顧客が泣き寝入りしがちです。そこで、内閣総理大臣の指定を受けた指定紛争解決機関が、中立の立場で苦情の処理やあっせんを行い、迅速かつ簡易な解決を目指します。
金融商品取引業者は、指定紛争解決機関との間で手続実施基本契約を締結する義務を負い、顧客から申立てがあった場合には手続に応じることが求められます。

他の選択肢が誤りである理由
裁判所の手続によらなければ利用できないという記述は誤りです。訴訟によらない解決を図る点にこの制度の意義があります。
申立てを業者の側のみが行えるという記述も誤りです。顧客が申し立てることを主に想定した制度です。
指定紛争解決機関が金融庁の内部組織であるという記述も誤りです。指定を受けた民間の機関であり、中立性を確保するために行政から独立して運営されています。

覚え方のポイント
「訴訟によらない、中立の第三者、業者には手続に応じる義務」の三点で制度の骨格を押さえます。
問105-11

外務員に禁止されている行為に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  • ①外務員が顧客に対して自己の名義を貸すことは、禁止されていない
  • ②顧客との間で金銭または有価証券の貸借を行うことができるとされる
  • ③顧客の求めがあれば、他人の名義による取引を行うことができる
  • ④顧客の意思を確認せずに売買を行う無断売買は、禁止されている
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正解 ④顧客の意思を確認せずに売買を行う無断売買は、禁止されている
解説
投資は、顧客が自らの判断と責任で行うものです。したがって、顧客の意思を確認しないまま外務員が売買を行ういわゆる無断売買は、顧客の判断の機会を奪う行為として禁止されています。
注文を受ける際には、銘柄、売買の別、数量、価格、期限などを顧客の意思として確認し、記録に残すことが求められます。
あわせて、顧客に自己の名義を貸す行為、顧客との間で金銭や有価証券の貸借を行う行為、仮名や借名による取引を受け付ける行為も禁止されています。いずれも、取引の当事者や責任の所在を曖昧にし、不公正な取引の温床となるためです。

他の選択肢が誤りである理由
名義貸しが禁止されていないという記述は誤りです。名義貸しは明確に禁止されています。
顧客との金銭や有価証券の貸借ができるという記述も誤りです。金額の多寡にかかわらず認められていません。
顧客の求めがあれば他人名義の取引を行えるという記述も誤りです。実質的な取引主体を隠す取引は、顧客の求めがあっても受け付けられません。

覚え方のポイント
個別の禁止行為を丸暗記するのではなく、「顧客の意思と取引の名義をあいまいにする行為はすべて禁止される」という一つの考え方でまとめて覚えます。

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