2026年版・5-12

証券税制(特定口座と確定申告の実務)の一問一答

証券外務員一種「関連科目」から、証券税制(特定口座と確定申告の実務)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-12

源泉徴収を選択した特定口座(源泉徴収選択口座)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①源泉徴収選択口座では譲渡のつど所得税等が徴収されるが、住民税は徴収されない。
  • ②源泉徴収を選択する届出書は、その年の12月31日までに提出すれば当年から適用される。
  • ③源泉徴収を行うかどうかの選択は年単位であり、その年の最初の譲渡の後は変更できない。
  • ④源泉徴収選択口座で徴収された税額は、確定申告をしなければ納付したことにならない。
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正解 ③源泉徴収を行うかどうかの選択は年単位であり、その年の最初の譲渡の後は変更できない。
解説
特定口座は、金融商品取引業者等が顧客に代わって譲渡損益を計算する口座で、源泉徴収を行うもの(源泉徴収選択口座)と行わないもの(簡易申告口座)に分かれます。
源泉徴収を選ぶには特定口座源泉徴収選択届出書を提出しますが、その選択は年単位で効力を持ち、その年の最初の譲渡の後は当年分について変更できません。
年の途中で切り替えられると、源泉徴収される取引とされない取引が同じ年に混在し、口座内で損益を通算する仕組みが成り立たなくなるためです。

他の選択肢が誤りである理由
住民税は徴収されないという記述は誤りです。所得税と復興特別所得税が15.315%、住民税が5%徴収され、合計20.315%です。
12月31日までに提出すればよいという記述も誤りで、期限はその年の最初の譲渡等の時です。
納付したことにならないという記述も誤りで、源泉徴収された時点で納税は完了しています。

覚え方のポイント
源泉徴収の選択は「年単位、最初の売却まで」と押さえます。口座で徴収される所得税分は15.315%である点もあわせて確認しましょう。
問25-12

源泉徴収を選択しない特定口座(簡易申告口座)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①譲渡益に源泉徴収は行われず、年間取引報告書を用いて確定申告を行うことになる。
  • ②上場株式の配当等をこの口座に受け入れ、口座内の譲渡損失と通算することができる。
  • ③年間取引報告書は作成されないため、投資者が自ら取得費を計算する必要がある。
  • ④譲渡益が生じても、その金額にかかわらず確定申告を行う必要はないとされている。
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正解 ①譲渡益に源泉徴収は行われず、年間取引報告書を用いて確定申告を行うことになる。
解説
簡易申告口座は、特定口座のうち源泉徴収を選択しなかったものです。譲渡のつど税金が差し引かれることはないため、譲渡益が出た年は原則として確定申告が必要になります。
もっとも、金融商品取引業者等が特定口座年間取引報告書を作成して交付してくれるので、投資者は取得費や譲渡損益を自分で計算する必要がなく、その報告書の数字を用いて簡便に申告できます。

他の選択肢が誤りである理由
配当等を口座に受け入れて譲渡損失と通算できるという記述は誤りです。配当等を受け入れられるのは源泉徴収選択口座に限られます。
年間取引報告書が作成されないという記述も誤りで、これは特定口座に共通する仕組みであり、簡易申告口座でも作成されます。
金額にかかわらず申告が不要という記述も誤りで、源泉徴収がない以上、原則として申告して納税する必要があります。

覚え方のポイント
「源泉徴収なし=報告書はもらえるが、納税は自分で行う」と整理します。配当等の受入れができるのは源泉徴収選択口座だけ、という違いが試験でよく問われます。
問35-12

特定口座と一般口座の違いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①一般口座で保有する上場株式等は、投資者の希望する時期に特定口座へ移すことができる。
  • ②一般口座で生じた譲渡損失は、特定口座の譲渡益と通算することが認められていない。
  • ③一般口座の譲渡益についても、譲渡のつど20.315%の税率で源泉徴収が行われている。
  • ④一般口座では年間取引報告書が作成されず、投資者が自ら譲渡損益を計算して申告する。
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正解 ④一般口座では年間取引報告書が作成されず、投資者が自ら譲渡損益を計算して申告する。
解説
一般口座は、特定口座の仕組みが適用されない通常の取引口座です。業者が譲渡損益を計算して報告書を作る仕組みがないため、投資者自身が取得費と譲渡収入を集計し、明細書を作って確定申告を行うことになります。
取得の時期が古い株式などは一般口座で管理されることがあり、取得費の把握が実務上の負担になります。

他の選択肢が誤りである理由
希望する時期に特定口座へ移せるという記述は誤りです。一般口座から特定口座への移管は原則として認められず、相続や贈与による取得、従業員持株会からの振替など限られた場合に限定されています。
特定口座の譲渡益と通算できないという記述も誤りで、確定申告を行えば一般口座の損益も合わせて通算できます。
譲渡のつど源泉徴収が行われるという記述も誤りで、源泉徴収は源泉徴収選択口座に固有の仕組みです。

覚え方のポイント
「計算してくれるのが特定口座、自分で計算するのが一般口座」と覚えます。口座の種類が違っても、確定申告をすれば損益通算そのものは可能である点に注意しましょう。
問45-12

上場株式の配当等を特定口座へ受け入れる場合の取扱いに関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①配当等を受け入れた口座に譲渡損失があっても、その口座の中で通算されることはない。
  • ②配当等を受け入れられるのは源泉徴収選択口座に限られ、そのための届出書を要する。
  • ③配当等を受け入れるかどうかは、口座を開設した金融商品取引業者が決定している。
  • ④源泉徴収選択口座に受け入れた配当等は、確定申告に含めることが一切できない。
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正解 ②配当等を受け入れられるのは源泉徴収選択口座に限られ、そのための届出書を要する。
解説
上場株式の配当等や公募株式投資信託の収益分配金は、源泉徴収選択口座に受け入れることができます。そのためには源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書を提出する必要があり、顧客が自ら選択して申し出る仕組みになっています。
受け入れる利点は、その口座の譲渡損失と配当等とが口座の中で通算され、源泉徴収される税額が減る点にあります。確定申告をしなくても損益通算の効果が得られます。

他の選択肢が誤りである理由
口座内で通算されることはないという記述は誤りで、譲渡損失を控除した後の金額に対して源泉徴収が行われます。
金融商品取引業者が決定するという記述も誤りで、受け入れるかどうかは顧客が届出書によって選びます。
確定申告に含めることが一切できないという記述も誤りです。申告不要とすることができるだけで、配当控除や損益通算のために申告することもできます。

覚え方のポイント
「配当を入れられるのは源泉徴収ありの口座だけ、しかも届出が必要」と押さえます。申告不要にできることと、申告できないことは別物です。
問55-12

甲証券会社と乙証券会社にそれぞれ源泉徴収選択口座を持つ個人が、甲の口座の譲渡損失と乙の口座の譲渡益とを通算しようとする場合の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①確定申告を行うことによって、両方の口座の譲渡損益を通算することができる。
  • ②年末に金融商品取引業者の間で情報が交換され、自動的に通算が行われている。
  • ③譲渡損失が生じた甲の口座の分だけを申告すれば、通算の適用を受けられる。
  • ④源泉徴収選択口座の損益は、他の口座の損益と通算することができないとされる。
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正解 ①確定申告を行うことによって、両方の口座の譲渡損益を通算することができる。
解説
特定口座の中で自動的に計算されるのは、あくまでその口座ひとつの中の損益です。証券会社をまたいだ損益は、業者どうしが情報をやり取りしているわけではないため、口座の中だけでは通算されません。
そこで全体を通算するには、確定申告を行って各口座の損益を合算する必要があります。甲の損失により乙の口座で源泉徴収されていた税額が納め過ぎとなるため、申告により還付を受けられます。

他の選択肢が誤りである理由
業者の間で情報が交換され自動的に通算されるという記述は誤りで、そのような仕組みは設けられていません。
損失が生じた口座の分だけを申告すればよいという記述も誤りです。通算する以上、利益が出ている乙の口座も申告に含める必要があります。
他の口座の損益と通算できないという記述も誤りで、申告さえすれば通算できます。

覚え方のポイント
「口座の中は自動、口座をまたぐなら申告」と整理します。申告するかは口座ごとに選べますが、通算したい口座は両方とも申告に含める必要があります。
問65-12

源泉徴収選択口座の譲渡益について申告不要を選択した場合の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①申告不要を選択した場合であっても、その譲渡益は合計所得金額に算入される。
  • ②申告不要を選択できるのは、その年の譲渡益が20万円以下の場合に限られる。
  • ③その譲渡益は合計所得金額に算入されず、扶養控除等の判定に影響を与えない。
  • ④確定申告をして譲渡益を申告した場合でも、合計所得金額には算入されない。
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正解 ③その譲渡益は合計所得金額に算入されず、扶養控除等の判定に影響を与えない。
解説
源泉徴収選択口座の譲渡益は、源泉徴収によって課税関係が完結するため、確定申告をしないという選択ができます。申告しなければその所得は合計所得金額に含まれないので、配偶者控除や扶養控除の判定、国民健康保険料などの算定に影響しません。
逆に、損益通算や繰越控除のために申告すると、その譲渡益は合計所得金額に算入されます。税額だけを見れば申告が有利でも、家族の扶養から外れたり保険料が上がったりして、全体では不利になることがあります。

他の選択肢が誤りである理由
申告不要でも合計所得金額に算入されるという記述は誤りで、算入されません。
20万円以下に限られるという記述も誤りです。20万円の基準は給与所得者の申告不要の話で、源泉徴収選択口座は金額にかかわらず申告不要とできます。
申告しても算入されないという記述も誤りで、申告すれば算入されます。

覚え方のポイント
「申告しなければ見えない所得、申告すれば見える所得」と覚えます。申告の有利不利は税額だけで決まらない、という視点が実務では重要です。
問75-12

上場株式等の配当所得等に係る課税方式の選択について、現行の取扱いとして正しいものはどれか。

  • ①所得税について総合課税を選択し、住民税については申告不要を選択できる。
  • ②住民税についてのみ申告不要とするには、市区町村へ申出書を提出すればよい。
  • ③所得税について申告分離課税を選択した場合、住民税では総合課税が適用される。
  • ④所得税と住民税とで異なる課税方式を選択することは、現在は認められていない。
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正解 ④所得税と住民税とで異なる課税方式を選択することは、現在は認められていない。
解説
上場株式等の配当所得等については、かつて所得税と住民税とで別々の課税方式を選ぶことができ、所得税は総合課税で配当控除を受け、住民税は申告不要とする組合せが可能でした。
しかし、金融所得への課税は所得税と住民税が一体として設計されてきたことなどを踏まえ、令和4年度の税制改正により、令和6年度分の個人住民税から課税方式を所得税と一致させることとされました。
現在は、所得税で申告不要を選べば住民税も申告不要となり、総合課税や申告分離課税を選べば住民税も同じ扱いになります。

他の選択肢が誤りである理由
所得税は総合課税、住民税は申告不要という組合せは、現在は選べなくなった方式です。
市区町村へ申出書を提出すればよいという記述も誤りで、そのような別途の選択はできません。
申告分離課税を選ぶと住民税では総合課税になるという記述も誤りで、住民税も申告分離課税となります。

覚え方のポイント
古い教材には異なる方式を選べる旨の記述が残っています。「課税方式は所得税に一致させる」が現行の取扱いです。
問85-12

上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の手続に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①繰り越した譲渡損失は、一般株式等に係る譲渡益から控除することもできる。
  • ②上場株式等の譲渡がなかった年についても、確定申告を続ける必要がある。
  • ③損失が生じた年に申告していれば、控除を受ける年まで申告は要しない。
  • ④繰越控除は、源泉徴収選択口座の中で自動的に適用される仕組みである。
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正解 ②上場株式等の譲渡がなかった年についても、確定申告を続ける必要がある。
解説
その年に控除しきれなかった上場株式等の譲渡損失は、翌年以後3年間にわたって繰り越し、将来の譲渡益や申告分離課税を選んだ配当所得等から控除できます。
この特例を受けるには、損失が生じた年分について申告書に明細書等を添えて提出したうえで、その後も連続して確定申告書を提出しなければなりません。途中の年に上場株式等の譲渡がまったくなかった場合であっても、繰り越すためには申告が必要です。

他の選択肢が誤りである理由
一般株式等の譲渡益から控除できるという記述は誤りで、繰り越した損失は上場株式等の譲渡所得等からしか控除できません。
控除を受ける年まで申告は要しないという記述も誤りで、連続した申告が要件です。
源泉徴収選択口座の中で自動的に適用されるという記述も誤りです。口座内で自動的に行われるのはその年の中の通算までで、翌年への繰越しには申告が必要です。

覚え方のポイント
「3年間、取引がなくても申告を切らさない」と覚えます。繰越控除は口座任せにできない、数少ない手続の一つです。
問95-12

相続により取得した上場株式を譲渡した場合の課税上の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①取得費は、相続の開始があった日の終値をもとに計算することとされている。
  • ②取得費が分からない場合でも、譲渡収入の一定割合によることは認められない。
  • ③取得費は、原則として被相続人がその株式を取得したときの価額を引き継ぐ。
  • ④相続税額を取得費に加算する特例は、譲渡の時期を問わず適用を受けられる。
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正解 ③取得費は、原則として被相続人がその株式を取得したときの価額を引き継ぐ。
解説
相続や贈与によって取得した資産は、所得税法上、取得した人が引き続き所有していたものとして扱われます。したがって上場株式を相続した場合も、取得費と取得の時期は被相続人のものをそのまま引き継ぎます。
相続税の評価額に置き換わるわけではないため、被相続人が長期間保有して値上がりしていた株式を売却すると、大きな譲渡益が生じることがあります。

他の選択肢が誤りである理由
相続開始日の終値をもとに計算するという記述は誤りで、譲渡所得の計算では被相続人の取得費を引き継ぎます。
譲渡収入の一定割合によることは認められないという記述も誤りで、取得費が不明な場合には譲渡収入の5%を取得費とすることが認められています。
譲渡の時期を問わず適用できるという記述も誤りです。相続税額の取得費加算の特例は、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までの譲渡に限られます。

覚え方のポイント
「取得費も取得の時期も引き継ぐ」が原則です。取得費が不明なときの5%、取得費加算の特例の期限とあわせて整理しておきましょう。
問105-12

特定管理口座で管理されている株式(特定管理株式等)が価値を失った場合の特例に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①発行会社の清算が結了した場合、その取得価額を譲渡損失とみなすことができる。
  • ②発行会社が破産手続開始の決定を受けても、この特例の対象とはならないとされる。
  • ③この特例により生じた損失は、他の上場株式等の譲渡益と通算することができない。
  • ④上場廃止となった時点で、その株式について譲渡があったものとみなされている。
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正解 ①発行会社の清算が結了した場合、その取得価額を譲渡損失とみなすことができる。
解説
株式は、発行会社が破綻して価値を失っても、売却していない以上、原則として譲渡損失になりません。そこで、特定口座に保管していた上場株式が上場廃止となり、その後も特定管理口座で管理されていた場合について特例が設けられています。
発行会社の清算が結了したなど一定の事実が生じたときは、その株式の譲渡があったものとみなし、取得価額に相当する金額を上場株式等の譲渡損失とみなします。これにより他の上場株式等の譲渡益から控除でき、控除しきれない部分は繰越控除の対象にもなります。

他の選択肢が誤りである理由
破産手続開始の決定は対象とならないという記述は誤りで、清算結了と並ぶ一定の事実に含まれます。
他の上場株式等の譲渡益と通算できないという記述も誤りで、通算することができます。
上場廃止の時点で譲渡があったものとみなされるという記述も誤りで、清算結了などの事実が必要です。

覚え方のポイント
「上場廃止のあと特定管理口座へ、会社が消えたときに損失とみなす」と覚えます。適用を受けるには確定申告が必要です。

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