2026年版・6-2

賃貸住宅経営の支援業務(空室対策・企画提案)の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「管理業務の実務・資格者の使命」から、賃貸住宅経営の支援業務(空室対策・企画提案)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-2

空室対策としてのリフォーム・リノベーション提案に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①投じる費用と、家賃上昇や空室短縮による回収見込みとの均衡の検討が必要である。
  • ②工事費用が資本的支出に当たる場合であっても、支出した年に全額を経費に算入できる。
  • ③周辺の競合物件の設備水準は、提案内容を検討する際の考慮要素とはならない。
  • ④施工業者の提示する工事内容を、貸主の投資判断に優先させて決定してよい。
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正解 ①投じる費用と、家賃上昇や空室短縮による回収見込みとの均衡の検討が必要である。
解説
リフォーム・リノベーションの提案は、投資額に見合う家賃上昇や空室期間の短縮といった効果が見込めるかという費用対効果の観点から検討することが重要であり、賃貸人の経営判断を支援する視点が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
建物の価値を高めたり耐久性を増したりする資本的支出に当たる工事費用は、支出した年に全額を経費とするのではなく、減価償却により耐用年数にわたって各年分に配分されるため、全額を経費に算入できるとする記述は誤りである。周辺の競合物件の設備水準は、投資に見合う競争力が得られるかを判断するうえで欠かせない考慮要素であり、考慮要素とはならないとする記述も適切でない。施工業者が提示する工事内容を貸主の投資判断に優先させることは、依頼者である貸主の利益を優先すべき支援業務の趣旨に反する。
問26-2

賃貸住宅の家賃設定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①類似物件の成約事例を参考に、物件の優位性・劣位性を踏まえて設定することが望ましい。
  • ②周辺の家賃相場を考慮せずに、オーナーの希望額のみに基づいて設定することが望ましい。
  • ③供給が過多の地域では、家賃を相場より高く設定して差別化を図ることが望ましい。
  • ④募集賃料は、周辺の募集事例の平均額をそのまま採用することが最も合理的である。
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正解 ①類似物件の成約事例を参考に、物件の優位性・劣位性を踏まえて設定することが望ましい。
解説
家賃設定は、周辺の成約事例を客観的な参考としつつ、対象物件固有の設備・立地の優位性や劣位性を加味して行うことが、市場実勢に見合った適切な水準の設定につながる。

他の選択肢が不適切な理由
周辺相場を無視した希望額のみによる設定は、市場実勢との乖離を招き空室長期化の原因となり得る。供給過多の地域で相場より高く設定することは、競争力を欠き空室対策として逆効果になりやすい。募集事例はあくまで貸主側が希望する条件を示したものにすぎず、実際に契約に至った水準を示す成約事例に比べて実勢との差が生じやすいため、その平均額をそのまま採用することが最も合理的であるとはいえない。
問36-2

賃貸不動産経営管理士が行う賃貸住宅経営の支援業務の位置づけに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①管理受託業務に付随し、空室対策や収益向上に関する助言・提案を行うことも期待される。
  • ②支援業務を行うには宅地建物取引業の免許を有する者でなければならないとされている。
  • ③支援業務は、管理受託契約とは無関係に、独立した契約として締結しなければならない。
  • ④支援業務として税務申告書の作成を代行することも、資格者本来の業務として認められる。
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正解 ①管理受託業務に付随し、空室対策や収益向上に関する助言・提案を行うことも期待される。
解説
賃貸不動産経営管理士には、日常の管理業務にとどまらず、賃貸人の経営課題に対する助言・提案を行うコンサルティング的な役割も期待されており、これは管理受託業務に付随する形で提供されることが多い。

他の選択肢が不適切な理由
支援業務の実施が宅地建物取引業の免許を必須とするものではなく、助言・提案の内容によっては免許を要しない業務も含まれる。管理受託契約と無関係な独立の契約を常に必要とする定めもない。また、税務書類の作成や税務代理は税理士の独占業務とされているため、税務申告書の作成の代行を資格者本来の業務として行うことはできず、税務に関わる事項は税理士等の専門家と連携して対応する必要がある。
問46-2

入居率向上を目的とした設備投資の企画提案に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①入居者層のニーズを踏まえ、投資額に見合う設備を優先して提案することが望ましい。
  • ②設備投資の効果は物件の立地条件に左右されないため、立地の検討は不要である。
  • ③単身者向けと家族向けとで求められる設備は同一であり、間取りごとの検討は要しない。
  • ④設備の導入に要した費用は、その全額を入居者から一時金として徴収できる。
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正解 ①入居者層のニーズを踏まえ、投資額に見合う設備を優先して提案することが望ましい。
解説
設備投資の提案は、想定する入居者層のニーズと投資に見合う効果を踏まえて優先順位を付けることで、限られた資金を効果的に活用することができる。

他の選択肢が不適切な理由
設備投資の効果は、最寄駅からの距離や周辺の生活利便施設といった立地条件によって大きく変わるため、立地の検討は不要であるとする記述は誤りである。求められる設備は入居者層によって異なり、単身者向けでは宅配ボックスやインターネット環境、家族向けでは収納や設備の広さが重視されるなど傾向が分かれるため、間取りごとの検討を要しないとする記述も適切でない。設備の導入費用は本来は所有者である賃貸人が負担すべきものであり、その全額を一時金として入居者から徴収できるとする記述も誤りである。
問56-2

サブリース(特定賃貸借)契約によらない空室対策の手法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①入居者募集の広告を強化したり、清掃の質を高めたりすることも空室対策の一つである。
  • ②空室対策の手法は、賃貸人がサブリース業者に一括して借り上げてもらう方法に限られる。
  • ③特定賃貸借契約を締結すれば、賃貸人が空室のリスクを負うことはなくなる。
  • ④空室対策として有効なのは賃料の引下げのみであり、他の手法は効果を持たない。
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正解 ①入居者募集の広告を強化したり、清掃の質を高めたりすることも空室対策の一つである。
解説
空室対策には、サブリースによる一括借上げのほかにも、募集広告の強化や原状回復・清掃の質の向上など、入居希望者に選ばれるための多様な手法がある。

他の選択肢が不適切な理由
空室対策の手法をサブリースに限定する記述は誤りであり、他にも多くの手法が存在する。特定賃貸借契約を締結しても、借地借家法に基づく賃料減額請求により支払われる賃料が引き下げられることがあり、賃貸人が負担すべきリスクが一切なくなるわけではない。賃料の引下げのみを唯一の有効な手法とする記述も、募集活動や設備の改善といった他の手法の効果を無視しており適切でない。
問66-2

リーシング(客付け)活動における物件の強みの分析に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①物件の立地や設備の特性を整理し、合う入居者層を想定して募集活動を行うことが有効である。
  • ②想定する入居者層を絞らずに募集活動を行うことが、物件の特性にかかわらず最も有効である。
  • ③物件の弱点となる事項は、入居希望者に伝えず契約後に説明することが望ましい。
  • ④リーシング活動の成果は、入居者層の分析よりも広告費の金額のみによって決まる。
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正解 ①物件の立地や設備の特性を整理し、合う入居者層を想定して募集活動を行うことが有効である。
解説
物件の特性を整理し、それに合致する入居者層を想定して募集活動を行うことで、限られた予算の中でも効果的にリーシングを進めることができる。

他の選択肢が不適切な理由
入居者層を絞らずに漠然と募集活動を行うことは、訴求力を欠き効果的とはいえない。物件の弱点となる事項を伝えずに契約後に説明することは、入居後の不満や紛争を招くおそれがあり、かえって早期の退去につながりやすいため望ましくない。広告費の金額のみで成果が決まるとする記述も、入居者層の分析の重要性を無視しており誤りである。
問76-2

賃貸不動産経営管理士がオーナーに対して経営改善の提案を行う際の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①将来の家賃収入や入居率は、根拠のない断定的な判断を示すことは避けるべきである。
  • ②提案の説得力を高めるため、根拠が不確かでも将来の収益を断定的に示すことが望ましい。
  • ③提案はオーナーの意向を十分に確認せずに、管理会社の判断のみで一方的に実行してよい。
  • ④将来の収支見通しは、空室や滞納が生じない前提で作成することが一般的である。
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正解 ①将来の家賃収入や入居率は、根拠のない断定的な判断を示すことは避けるべきである。
解説
将来の家賃収入や入居率は市況等により変動し得るものであり、根拠のない断定的な判断を示すことは賃貸人の誤解を招くおそれがあるため避けるべきである。

他の選択肢が不適切な理由
根拠が不確かなまま断定的に収益を示すことは、誤解を招く提案であり望ましくない。賃貸人の意向を確認せず一方的に実行することは、経営判断の主体である賃貸人の意思を軽視するものである。収支見通しの作成に当たっては、現実に生じ得る空室損や滞納損、修繕費の発生を織り込んでおくことが必要であり、これらが生じない前提で作成することは、実際の収支と大きく乖離した見通しを示すことになるため適切でない。
問86-2

賃貸住宅の長期修繕計画に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①計画的に修繕時期と費用を見込んでおくことで、突発的な出費を抑えることにつながる。
  • ②修繕は不具合が発生してから対応すれば足り、計画をあらかじめ立てる必要はない。
  • ③長期修繕計画は、いったん作成すれば見直す必要はなく、同じ内容を維持すべきである。
  • ④修繕のための資金を積み立てておくことは、区分所有建物にのみ認められた仕組みである。
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正解 ①計画的に修繕時期と費用を見込んでおくことで、突発的な出費を抑えることにつながる。
解説
長期修繕計画によりあらかじめ修繕時期と費用を見込んでおくことで、突発的な出費を抑え、資金計画を立てやすくなるとともに、建物の資産価値の維持にも資する。

他の選択肢が不適切な理由
修繕は不具合が発生してから対応すれば足りるとして計画をあらかじめ立てないことは、突発的な出費や大規模な劣化を招きやすく適切でない。長期修繕計画は建物の状態や工事費の水準の変化に応じて定期的に見直すことが望ましく、同一内容を維持すべきとする記述は誤りである。修繕に備えて資金を積み立てておくことは、一棟の賃貸住宅を所有する賃貸人が自らの経営判断として行うこともでき、区分所有建物にのみ認められた仕組みであるとする記述も誤りである。
問96-2

空室対策として賃貸住宅をシェアハウスへ用途転換する提案を行う場合の留意点に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①建築基準法や消防法上の基準など、関係法令への適合を確認した上で提案する必要がある。
  • ②用途転換に当たっては、関係法令への適合よりも入居率の向上を優先して判断すればよい。
  • ③シェアハウスの居室については、採光や換気に関する基準の適用が除外される。
  • ④用途転換の提案は、オーナーの承諾を得ずに管理会社の判断のみで実行してよい。
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正解 ①建築基準法や消防法上の基準など、関係法令への適合を確認した上で提案する必要がある。
解説
シェアハウスへの用途転換は、建築基準法上の用途の区分や、消防用設備の設置基準などに影響し得るため、関係法令への適合を確認した上で提案することが不可欠である。

他の選択肢が不適切な理由
関係法令への適合よりも入居率の向上を優先すると、違法な状態での運用を招くおそれがあり適切でない。シェアハウスであっても人が継続的に居住する居室であることに変わりはなく、採光や換気に関する建築基準法上の基準の適用が除外されるわけではない。用途転換は賃貸人の資産に関わる重要な意思決定であり、承諾を得ずに実行してよいとする記述も誤りである。
問106-2

賃貸住宅経営における家賃滞納対策としての入居審査に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①保証会社の利用など、支払能力を確認する仕組みづくりは経営支援として有効である。
  • ②入居審査は支払能力にかかわらず、申込みを受けた順に受け付けることが最も公平である。
  • ③個人が連帯保証人となる場合、極度額を定めていなくても保証契約は有効である。
  • ④入居審査を強化すると空室が増えてしまうため、審査は形式的に行うべきである。
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正解 ①保証会社の利用など、支払能力を確認する仕組みづくりは経営支援として有効である。
解説
家賃債務保証会社の利用等により入居希望者の支払能力を確認する仕組みを整えることは、家賃滞納のリスクを抑えるための経営支援業務の一環として有効である。

他の選択肢が不適切な理由
支払能力を考慮せず申込みの順のみで受け付けることは、滞納リスクを高め、かえって賃貸人の利益を損なうおそれがある。個人が賃貸借契約上の債務について連帯保証人となる契約は個人根保証契約に当たり、民法上、極度額を定めなければその効力を生じないため、極度額を定めていなくても有効であるとする記述は誤りである。入居審査は募集活動の工夫と組み合わせることで空室対策と両立させることができ、形式的に行えばよいというものではない。

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