賃貸不動産経営管理士試験とは?
合格に必要な全知識
賃貸不動産経営管理士は、一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会が実施する試験に合格し、登録を受けた者に与えられる資格です。令和3年6月15日に全面施行された「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(賃貸住宅管理業法)により、一定規模以上の賃貸住宅管理業者には事業所ごとに「業務管理者」の選任が義務付けられており、賃貸不動産経営管理士はその要件を満たす代表的な資格として、実務上の重要性が大きく高まっています。
賃貸住宅のオーナー(貸主)と入居者の間に立ち、管理業務を適正に行う専門家としての知識・実務能力が問われる試験です。
ここでは、試験の全貌と最短合格の秘訣を詳細に解説します。
1. 試験形式と受験方法
本試験は年に1回、例年11月に全国一斉のマークシート方式で実施されます。受験資格に学歴・実務経験等の制限はなく、誰でも受験できます。
試験時間は120分、受験料は12,000円(税込)です。なお、実施年度内に登録講習(賃貸不動産経営管理士講習)を修了した方は5問が免除され、45問・試験時間105分で受験できます。
2. 出題形式と合格ライン
試験は全50問・すべて四肢択一形式で出題されます(登録講習修了者は45問)。記述式や計算問題を書かせる形式はなく、選択肢の中から最も適切な(または不適切な)ものを1つ選ぶ方式です。近年は「正しいものはいくつあるか」を問う個数問題や、複数の記述の組み合わせを問う出題も見られますが、これらも4つの選択肢の中から答えを選ぶ形式であることに変わりはありません。
合格基準点は、その年度の受験者の得点分布に応じて毎年見直される相対評価方式が採用されており、満点の一定割合を固定的に超えれば必ず合格できるわけではない点に注意が必要です。年度によって変動するため、目安の得点率を過度に意識するより、幅広い分野で確実に得点できる実力を養うことが合格への近道です。
法定の出題範囲(6区分)
- 管理受託契約に関する事項: 管理受託契約の法的性質、賃貸住宅標準管理受託契約書、契約の終了・再委託など
- 維持保全に関する事項: 建物・設備の構造や仕組み、原状回復ガイドライン、点検・修繕の実務など(出題数の多い最重要分野の一つ)
- 金銭の管理に関する事項: 家賃・敷金・共益費の取扱い、分別管理義務、滞納家賃への対応など
- 賃貸住宅の賃貸借に関する事項: 民法・借地借家法の基礎、保証、契約不適合責任、サブリース契約など
- 法に関する事項: 賃貸住宅管理業法(登録制度・業務管理者・重要事項説明・サブリース規制等)が中心で、出題数が最も多い分野
- それ以外の管理業務その他の実務に関する事項: 入居者募集、賃貸経営支援、税務・保険の基礎、資格者の職業倫理など
3. 必要な学習時間と合格への3つのポイント
初学者が合格に必要な学習時間は、一般的に約100時間〜150時間程度と言われています。宅地建物取引士試験の学習経験がある方は、民法・借地借家法の知識をそのまま活かせるため、これより短い時間でも合格を狙えます。
合格を確実にするための最重要ポイントは以下の3点です。
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出題数最大の「賃貸住宅管理業法」を最優先で固める:
登録制度、業務管理者、管理受託契約重要事項説明、サブリース(特定賃貸借契約)の規制など、この法律に関する出題が最も多くを占めます。制度趣旨だけでなく、手続の場面(勧誘段階か、契約締結前か、締結時か)を正確に区別できるようにすることが得点源になります。 -
「維持保全」と「原状回復ガイドライン」を得点源にする:
建物・設備の技術知識や原状回復の考え方は、宅建士試験にはあまり出てこない本試験特有の頻出分野です。通常損耗・経年変化と善管注意義務違反の区別など、具体的な事例に当てはめる練習を重ねることが有効です。 -
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