2026年版・5-5

滞納家賃の回収・保証会社の活用の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「金銭の管理」から、滞納家賃の回収・保証会社の活用に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-5

家賃滞納が発生した際の管理業者の初期対応に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①家賃滞納が発生した場合、まず入居者へ電話や書面で速やかに連絡し、滞納の事実確認と支払いの督促を行うのが基本である。
  • ②家賃滞納が発生した場合、入居者本人への連絡はせず、まず連帯保証人に対して支払いを請求するのが基本的な初期対応である。
  • ③家賃滞納が発生した場合、電話や口頭による督促は認められず、内容証明郵便による催告から始めなければならない。
  • ④家賃滞納が発生した場合、管理業者は督促を行うことなく、直ちに賃貸借契約の解除通知を送付するのが基本的な対応である。
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正解 ①家賃滞納が発生した場合、まず入居者へ電話や書面で速やかに連絡し、滞納の事実確認と支払いの督促を行うのが基本である。
解説
家賃滞納が発生した場合、管理業者はまず電話や書面によって速やかに入居者へ連絡を取り、滞納の事実や理由を確認したうえで、任意の支払いを促す督促を行うのが基本的な初期対応である。

他の選択肢が不適切な理由
「入居者本人への連絡はせず、まず連帯保証人に対して支払いを請求する」という記述は、まず債務者である入居者本人に事実を確認して督促するという初期対応の基本に反する。「電話や口頭による督促は認められず、内容証明郵便による催告から始めなければならない」という記述は誤りで、内容証明郵便は任意の督促で解決しない場合に証拠を残す手段として用いられるものであり、初期対応で必須とされるものではない。「督促を行うことなく、直ちに賃貸借契約の解除通知を送付する」という記述も、催告を経ることを原則とする債務不履行解除の考え方に反し、初期対応として不適切である。
問25-5

内容証明郵便による督促の実務上の意義に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①内容証明郵便は、いつ、いかなる文書を誰から誰宛に送付したかを郵便局が証明し、督促の事実を証拠として残せる。
  • ②内容証明郵便は、送付するだけで強制執行の効力を持つ制度であり、裁判所を介さず滞納家賃を差し押さえることができる。
  • ③内容証明郵便は、送付した時点で賃貸借契約が無条件かつ自動的に解除される効力を持つ制度であると解されている。
  • ④内容証明郵便は、差し出した文書が相手方へ配達された日時まで当然に証明する制度であり、配達証明を要しない。
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正解 ①内容証明郵便は、いつ、いかなる文書を誰から誰宛に送付したかを郵便局が証明し、督促の事実を証拠として残せる。
解説
内容証明郵便は、差出人・受取人・差出日・文書の内容を郵便局が証明する制度であり、督促を行った事実や時期を客観的な証拠として残すことができる点に実務上の意義がある。

他の選択肢が不適切な理由
「送付するだけで強制執行の効力を持つ制度であり、裁判所を介さず滞納家賃を差し押さえることができる」という記述は誤りで、内容証明郵便自体に強制執行力はなく、差押えには債務名義の取得が必要である。「送付した時点で賃貸借契約が無条件かつ自動的に解除される効力を持つ」という記述も、そのような効力が制度上認められていない点で誤りである。「配達された日時まで当然に証明する制度であり、配達証明を要しない」という記述は誤りで、内容証明が証明するのは文書の内容と差し出した事実であり、相手方へ配達された事実や日時を証明するには配達証明を併用する必要がある。
問35-5

滞納家賃を理由とする賃貸借契約の解除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸借契約の解除には、判例上、賃貸人と賃借人の信頼関係が破壊されたと認められる程度の債務不履行が必要である。
  • ②賃貸借契約は、家賃の支払いが1日でも遅れた時点で、賃貸人が催告をすることなく直ちに解除できると解されている。
  • ③賃貸借契約の解除は、滞納家賃を保証会社が立て替えて支払った場合であっても、賃貸人が自由に選択できる。
  • ④賃貸借契約の解除は、賃借人の同意がある場合を除き、いかなる程度の滞納があっても決して認められない。
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正解 ①賃貸借契約の解除には、判例上、賃貸人と賃借人の信頼関係が破壊されたと認められる程度の債務不履行が必要である。
解説
賃貸借契約のような継続的な契約関係の解除については、判例上、単なる債務不履行のみでは足りず、当事者間の信頼関係が破壊されたと認められる程度に至っていることが必要であるとする、いわゆる信頼関係破壊の法理が確立している。

他の選択肢が不適切な理由
「家賃の支払いが1日でも遅れた時点で、催告をすることなく直ちに解除できる」という記述は、軽微な遅延のみでは信頼関係が破壊されたとは認められにくい点で誤りである。「滞納家賃を保証会社が立て替えて支払った場合であっても、賃貸人が自由に選択できる」という記述は誤りで、保証会社の代位弁済によって賃貸人に対する賃料債務は消滅するため、その事情は信頼関係が破壊されたといえるかどうかの判断において当然に考慮される。「賃借人の同意がある場合を除き、いかなる程度の滞納があっても決して認められない」という記述も、信頼関係が破壊される程度に至れば解除が認められる点に反する。
問45-5

いわゆる自力救済の禁止に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①家賃滞納を理由に賃貸人が裁判手続によらず無断で鍵を交換し入居者の立入りを妨げる行為は、自力救済に当たり違法と評価され得る。
  • ②家賃滞納を理由に賃貸人が裁判手続によらず無断で鍵を交換し入居者の立入りを妨げる行為は、滞納額が家賃3か月分を超えれば適法となる。
  • ③家賃滞納を理由に賃貸人が裁判手続によらず無断で鍵を交換し入居者の立入りを妨げる行為は、管理業者が代わりに行えば適法となる。
  • ④家賃滞納を理由に賃貸人が裁判手続によらず無断で鍵を交換し入居者の立入りを妨げる行為は、事前に契約書へ明記しておけば適法となる。
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正解 ①家賃滞納を理由に賃貸人が裁判手続によらず無断で鍵を交換し入居者の立入りを妨げる行為は、自力救済に当たり違法と評価され得る。
解説
我が国の法制度は、権利の実現を私人が実力で行うことを原則として認めず、裁判所等の公的な手続によることを原則としている。家賃滞納があっても、裁判手続によらず無断で鍵を交換して入居者の立入りを妨げる行為は、自力救済として違法と評価され、損害賠償責任等を負うおそれがある。

他の選択肢が不適切な理由
「滞納額が家賃3か月分を超えれば適法となる」という記述は、滞納額の大小によって自力救済が正当化されるものではない点で誤りである。「管理業者が代わりに行えば適法となる」という記述は、行為の主体を変えても違法性の評価は変わらない点で誤りである。「事前に契約書へ明記しておけば適法となる」という記述も、そのような特約は公序良俗に反し無効と解される可能性が高い点で誤りである。
問55-5

入居者が長期不在の状態で残置物を賃貸人が無断で処分する行為に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸人が裁判手続によらず入居者に無断で残置物を処分する行為は、滞納が続いても自力救済として違法とされるおそれが高い。
  • ②賃貸人が裁判手続によらず、入居者に無断で残置物を処分する行為は、滞納が2か月を超えた時点で当然に適法となる。
  • ③賃貸人が裁判手続によらず、入居者に無断で残置物を処分する行為は、管理業者を通じて行えば当然に適法となる。
  • ④賃貸人が裁判手続によらず、入居者に無断で残置物を処分する行為は、残置物の価値が家賃滞納額を下回れば当然に適法となる。
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正解 ①賃貸人が裁判手続によらず入居者に無断で残置物を処分する行為は、滞納が続いても自力救済として違法とされるおそれが高い。
解説
入居者の残置物には所有権が存続しているため、賃貸人が裁判手続を経ずに無断で処分する行為は、滞納が続いている場合であっても自力救済として違法と評価されるおそれが高く、明渡しの強制執行等の適法な手続を経る必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
「滞納が2か月を超えた時点で当然に適法となる」という記述は、期間の経過のみによって無断処分が正当化されるものではない点で誤りである。「管理業者を通じて行えば当然に適法となる」という記述は、実施主体を変えても違法性の評価が変わらない点で誤りである。「残置物の価値が家賃滞納額を下回れば当然に適法となる」という記述も、そのような価値の大小による適法化が認められない点で誤りである。
問65-5

滞納家賃の回収に関する法的手続の流れについての次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①任意の督促で解決しない場合、支払督促や少額訴訟、通常訴訟等を経て、強制執行によって回収を図ることになる。
  • ②任意の督促で解決しない場合、賃貸人は裁判手続を経ることなく、直ちに入居者の給与を差し押さえることができる。
  • ③任意の督促で解決しない場合、賃貸人はいつでも警察に依頼すれば入居者を強制的に退去させることができる。
  • ④任意の督促で解決しない場合、賃貸人は入居者の同意なく室内へ立ち入り、家財を売却して滞納額に充当できる。
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正解 ①任意の督促で解決しない場合、支払督促や少額訴訟、通常訴訟等を経て、強制執行によって回収を図ることになる。
解説
任意の督促によっても滞納が解消しない場合、賃貸人は支払督促の申立てや少額訴訟・通常訴訟の提起といった法的手続を経て債務名義を取得し、それでもなお履行がない場合には強制執行によって回収を図ることになる。

他の選択肢が不適切な理由
「裁判手続を経ることなく、直ちに入居者の給与を差し押さえることができる」という記述は、差押えに債務名義の取得が必要である点で誤りである。「いつでも警察に依頼すれば入居者を強制的に退去させることができる」という記述は、家賃滞納が原則として民事上の問題であり、警察が強制的に退去させる権限を持つものではない点で誤りである。「入居者の同意なく室内へ立ち入り、家財を売却して滞納額に充当できる」という記述も、自力救済に当たり違法と評価されるおそれがある点で誤りである。
問75-5

家賃債務保証会社の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①家賃債務保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に、保証委託契約に基づき賃貸人へ立替払いを行い、その後入居者本人へ求償する。
  • ②家賃債務保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に、賃貸人に代わって強制的に入居者を退去させる権限を法律上付与されている。
  • ③家賃債務保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に、賃貸人へ滞納額を立て替える代わりに賃貸借契約を自動的に無効とする役割を担う。
  • ④家賃債務保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に限り契約が成立し、滞納がない期間は契約自体が存在しないものとして扱われる。
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正解 ①家賃債務保証会社は、入居者が家賃を滞納した場合に、保証委託契約に基づき賃貸人へ立替払いを行い、その後入居者本人へ求償する。
解説
家賃債務保証会社は、入居者との保証委託契約に基づき、入居者が家賃を滞納した場合に賃貸人へ滞納家賃相当額を立て替えて支払い(代位弁済)、その後入居者に対して立て替えた金額を請求する求償権を行使する役割を担う。

他の選択肢が不適切な理由
「賃貸人に代わって強制的に入居者を退去させる権限を法律上付与されている」という記述は、保証会社にそのような権限が認められていない点で誤りである。「滞納額を立て替える代わりに賃貸借契約を自動的に無効とする役割を担う」という記述は、立替払いによって賃貸借契約が無効になる効果はなく、契約は存続する点で誤りである。「滞納した場合に限り契約が成立し、滞納がない期間は契約自体が存在しない」という記述も、保証委託契約が入居時から継続的に効力を持つ契約である点に反する。
問85-5

家賃債務保証業者に関する法令上の登録制度についての次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①家賃債務保証業を営む者について、一定要件を満たす事業者を国土交通大臣が登録する任意の登録制度が設けられている。
  • ②家賃債務保証業を営むためには、宅地建物取引士の資格を有する者が代表者となることが法律上の必須要件である。
  • ③家賃債務保証業を営むには国土交通大臣の登録を受けることが必須であり、無登録で営業した者には罰則が科される。
  • ④家賃債務保証業を営む者は、賃貸住宅管理業の登録を受けた者に限られ、それ以外の者が営むことは法律上禁止されている。
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正解 ①家賃債務保証業を営む者について、一定要件を満たす事業者を国土交通大臣が登録する任意の登録制度が設けられている。
解説
家賃債務保証業については、国土交通省の告示である家賃債務保証業者登録規程に基づき、一定の財産的基礎等の要件を満たす事業者を国土交通大臣が登録する制度が設けられている。これは任意の登録制度であり、登録を受けた事業者の情報を公表することで利用者の選択に役立てることを狙いとしている。

他の選択肢が不適切な理由
「宅地建物取引士の資格を有する者が代表者となることが法律上の必須要件である」という記述は、そのような要件が登録制度上定められていないため誤りである。「国土交通大臣の登録を受けることが必須であり、無登録で営業した者には罰則が科される」という記述は誤りで、これは任意の登録制度であって、登録を受けずに家賃債務保証業を営むこと自体が禁止されているわけではない。「賃貸住宅管理業の登録を受けた者に限られ、それ以外の者が営むことは法律上禁止されている」という記述も、家賃債務保証業と賃貸住宅管理業が別個の制度である点で誤りである。
問95-5

家賃債務保証を利用する場合の連帯保証人との関係に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①保証会社の保証と個人の連帯保証人による保証は、契約内容によって併用される場合もあれば一方のみの場合もある。
  • ②家賃債務保証会社を利用した場合であっても、個人の連帯保証人を立てることは法律上一切明確に禁止されている。
  • ③家賃債務保証会社を利用した場合、賃借人本人の家賃支払義務そのものが消滅し、保証会社のみが支払義務を負うことになる。
  • ④家賃債務保証会社を利用した場合、賃貸人は連帯保証人の有無にかかわらず、敷金の預託を受けることが法律上禁止される。
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正解 ①保証会社の保証と個人の連帯保証人による保証は、契約内容によって併用される場合もあれば一方のみの場合もある。
解説
家賃債務保証会社による保証と個人の連帯保証人による保証は、いずれか一方のみを賃貸人が求める場合もあれば、両者を併用して回収可能性を高める運用がなされる場合もあり、その取扱いは契約内容によって異なる。なお、個人を連帯保証人とする場合は、民法465条の2により極度額を定めなければ保証契約の効力が生じない点に注意を要する。

他の選択肢が不適切な理由
「個人の連帯保証人を立てることは法律上一切明確に禁止されている」という記述は、そのような一律の禁止規定が存在しないため誤りである。「賃借人本人の家賃支払義務そのものが消滅し、保証会社のみが支払義務を負う」という記述は、保証があくまで賃借人の債務を担保するものであり、賃借人本人の債務は消滅しない点で誤りである。「賃貸人は敷金の預託を受けることが法律上禁止される」という記述も、家賃債務保証の利用と敷金の預託は別個の事項であり、そのような禁止規定が存在しない点で誤りである。
問105-5

保証会社による代位弁済後の求償に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①保証会社が滞納家賃を代位弁済した場合、保証会社は入居者に対し立て替えた金額を請求する求償権を取得する。
  • ②保証会社が賃貸人へ滞納家賃を代位弁済した場合、入居者の家賃支払債務は全額消滅し、その後求償を受けることはない。
  • ③保証会社が賃貸人へ滞納家賃を代位弁済した場合、求償権を取得するのは賃貸人であり、保証会社は入居者に請求できない。
  • ④保証会社が賃貸人へ滞納家賃を代位弁済した場合、求償権を行使するには賃貸人の個別の同意を得る必要がある。
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正解 ①保証会社が滞納家賃を代位弁済した場合、保証会社は入居者に対し立て替えた金額を請求する求償権を取得する。
解説
保証会社が保証委託契約に基づき賃貸人へ滞納家賃を代位弁済すると、保証会社は入居者に対して立て替えた金額の求償権を取得し、これに基づいて入居者へ請求を行うことになる。

他の選択肢が不適切な理由
「入居者の家賃支払債務は全額消滅し、その後求償を受けることはない」という記述は誤りで、賃貸人に対する債務は消滅しても、入居者は保証会社から立替金の求償を受けることになる。「求償権を取得するのは賃貸人であり、保証会社は入居者に請求できない」という記述は、代位弁済を行った保証会社自身が求償権を取得する点に反する。「求償権を行使するには賃貸人の個別の同意を得る必要がある」という記述も、求償権が保証会社自身の権利として発生するものであり、その行使に賃貸人の同意を要しない点で誤りである。

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