2026年版・4-9

賃貸人の修繕義務・賃借人の修繕権と賃借権の譲渡・転貸の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「賃貸借契約」から、賃貸人の修繕義務・賃借人の修繕権と賃借権の譲渡・転貸に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-9

賃貸人甲から建物を賃借している乙が、これを第三者丙に転貸しようとする場合における甲の承諾に関する次の記述のうち、民法612条1項の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①乙が丙に賃借物を転貸するには甲の承諾を要するが、その方式に法律上の定めはない。
  • ②乙は甲の承諾を得ないままでも、丙に対して適法に賃借物を転貸することができる。
  • ③甲の承諾は、公正証書その他の書面によらなければ、その効力を生ずることはない。
  • ④甲の承諾は、転借人となる丙に対してしたときに限り、その効力を生ずるものとなる。
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正解 ①乙が丙に賃借物を転貸するには甲の承諾を要するが、その方式に法律上の定めはない。
解説
民法612条1項は、賃借人は賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができないと定めている。もっとも、この承諾について書面その他の方式を要求する規定は置かれておらず、口頭によるものでも黙示のものでも差し支えない。承諾の相手方にも限定はなく、賃借人と転借人のいずれに対してしてもよい。

他の選択肢が不適切な理由
「乙は甲の承諾を得ないままでも、丙に対して適法に賃借物を転貸することができる」という記述は、承諾を不要とする点で612条1項の定めに反する。無断転貸の合意が乙丙間で効力を持ちうるとしても、丙が甲に対して転借権を主張することはできない。
「甲の承諾は、公正証書その他の書面によらなければ、その効力を生ずることはない」という記述は、法が要求していない方式を承諾の効力要件として付け加えている点で誤りである。
「甲の承諾は、転借人となる丙に対してしたときに限り、その効力を生ずるものとなる」という記述は、承諾の相手方を転借人に限定している点で誤りであり、賃借人乙に対してした承諾も有効である。
問24-9

賃借人乙が賃貸人甲の承諾を得ないまま第三者丙との間で転貸借契約を締結したが、丙はまだ建物の引渡しを受けておらず使用を始めていない。この場合における甲の解除権に関する次の記述のうち、民法612条2項の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①乙丙間で転貸借の合意がされた時点で、甲は同項による解除をすることができる。
  • ②丙が現実に使用又は収益を始めていない段階では、甲は同項による解除をできない。
  • ③甲は解除に先立ち、乙に対して相当の期間を定めた催告をしなければならない。
  • ④甲は、丙が建物の使用を始めた後であっても、同項による解除をすることはできない。
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正解 ②丙が現実に使用又は収益を始めていない段階では、甲は同項による解除をできない。
解説
民法612条2項は、賃借人が同条1項の規定に違反して「第三者に賃借物の使用又は収益をさせたとき」に、賃貸人が契約の解除をすることができると定めている。解除権が発生する要件は第三者に現実に使用又は収益をさせたことであり、譲渡や転貸の合意がされただけで第三者がまだ賃借物を使用していない段階では、この解除権は生じない。

他の選択肢が不適切な理由
「乙丙間で転貸借の合意がされた時点で、甲は同項による解除をすることができる」という記述は、合意の成立のみで解除権が生ずるとする点で、条文が求める使用又は収益という要件を欠いている。
「甲は解除に先立ち、乙に対して相当の期間を定めた催告をしなければならない」という記述は、612条2項が無断譲渡・転貸それ自体を理由とする無催告の解除を認めている点を見落としている。
「甲は、丙が建物の使用を始めた後であっても、同項による解除をすることはできない」という記述は、まさに解除権が発生する場面で解除を否定するものであり、条文の内容と正面から食い違う。
問34-9

賃貸人甲の承諾を得ずに賃借人乙が第三者に賃借物の使用収益をさせた場合における契約の解除に関する次の記述のうち、判例の立場に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①承諾のない使用収益があった以上、事情のいかんを問わず甲による解除は有効となる。
  • ②乙の行為が背信的行為に当たらないことは、解除を争う甲の側が立証責任を負う。
  • ③甲に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、解除はできない。
  • ④特段の事情の有無は、甲乙間の信頼関係が破壊されたかどうかとは無関係に決まる。
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正解 ③甲に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、解除はできない。
解説
判例は、賃借人が賃貸人の承諾を得ずに第三者に賃借物の使用又は収益をさせた場合であっても、その行為を賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、賃貸人は民法612条2項による解除をすることができないとしている(最高裁昭和28年9月25日判決)。無断譲渡・転貸を理由とする解除は、当事者間の信頼関係が破壊されたことをその実質的な根拠とするからである。特段の事情の主張立証は、解除の効力を争う賃借人の側が行う。

他の選択肢が不適切な理由
「承諾のない使用収益があった以上、事情のいかんを問わず甲による解除は有効となる」という記述は、条文の文言のみで解除の可否を決するものであり、判例が認める例外を無視している。
「乙の行為が背信的行為に当たらないことは、解除を争う甲の側が立証責任を負う」という記述は、立証責任の所在を取り違えている。解除の効力を争うのは賃借人乙の側であり、特段の事情は乙が主張立証すべき事柄である。
「特段の事情の有無は、甲乙間の信頼関係が破壊されたかどうかとは無関係に決まる」という記述は、信頼関係が破壊されたといえるかどうかこそがこの判断の中核である点を見誤っている。
問44-9

賃貸人甲の承諾を得て賃借人乙が建物を丙に転貸した。甲乙間の賃料が月額10万円、乙丙間の転借料が月額12万円である場合における丙の義務に関する次の記述のうち、民法613条1項の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①丙は、甲に対し月額12万円の全額について、直接に賃料を支払う義務を負う。
  • ②丙は、乙に対してのみ義務を負い、甲に対して直接の義務を負うことはない。
  • ③丙は、甲との間にも賃貸借契約が成立し、甲に対して賃借人の義務を負う。
  • ④丙は、甲に対し月額10万円を限度として、直接に賃料を支払う義務を負う。
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正解 ④丙は、甲に対し月額10万円を限度として、直接に賃料を支払う義務を負う。
解説
民法613条1項前段は、賃借人が適法に賃借物を転貸したときは、転借人は賃貸人と賃借人との間の賃貸借に基づく賃借人の債務の範囲を限度として、賃貸人に対して転貸借に基づく債務を直接履行する義務を負うと定めている。したがって、転借人丙が甲に対して直接負う賃料債務は原賃貸借の賃料である月額10万円が上限となり、転借料との差額である2万円まで甲に支払う義務はない。

他の選択肢が不適切な理由
「丙は、甲に対し月額12万円の全額について、直接に賃料を支払う義務を負う」という記述は、賃借人の債務の範囲を限度とするという613条1項前段の上限を無視している。
「丙は、乙に対してのみ義務を負い、甲に対して直接の義務を負うことはない」という記述は、転借人が賃貸人に対して直接の義務を負うという613条1項の内容そのものを否定しており誤りである。
「丙は、甲との間にも賃貸借契約が成立し、甲に対して賃借人の義務を負う」という記述は、直接の義務を負うことと契約関係が生ずることとを混同している。甲丙間に賃貸借契約が成立するわけではない。
問54-9

賃貸人甲の承諾を得た転貸借において、転借人丙が転貸人乙に対して数か月分の転借料を前払していた場合に関する次の記述のうち、民法613条1項の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①丙は、乙への転借料の前払をもって、甲からの直接の支払請求に対抗できない。
  • ②丙は、乙への転借料の前払を主張して、甲からの直接の支払請求を拒むことができる。
  • ③丙が甲に直接支払う義務は、乙が甲への賃料を滞納した場合に限って生ずる。
  • ④丙は、甲から請求を受けたときは、転借料の額を超える額を支払う義務を負う。
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正解 ①丙は、乙への転借料の前払をもって、甲からの直接の支払請求に対抗できない。
解説
民法613条1項後段は、転借人が賃貸人に対して直接に債務を履行する義務を負う場合において、賃料の前払をもって賃貸人に対抗することができないと定めている。転借人が転貸人に対して先んじて転借料を支払っていたとしても、賃貸人から直接に請求を受けたときは、既に支払済みであることを理由としてこれを拒むことはできない。

他の選択肢が不適切な理由
「丙は、乙への転借料の前払を主張して、甲からの直接の支払請求を拒むことができる」という記述は、前払をもって賃貸人に対抗することを明文で否定した613条1項後段に反する。
「丙が甲に直接支払う義務は、乙が甲への賃料を滞納した場合に限って生ずる」という記述は、直接の義務が生ずる時期を転貸人の滞納にかからせている点で誤りであり、適法な転貸がされれば直接の義務は生ずる。
「丙は、甲から請求を受けたときは、転借料の額を超える額を支払う義務を負う」という記述は、丙が直接履行するのはあくまで転貸借に基づく自らの債務であり、その額を超える負担を負うものではないという点を見誤っている。
問64-9

賃貸人甲の承諾を得て賃借人乙が建物を丙に転貸した場合における甲の権利行使に関する次の記述のうち、民法613条2項の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①甲は丙に直接請求できるようになる結果、乙に対する賃料請求権を失うことになる。
  • ②甲が丙に直接請求できることは、甲が乙に対して権利を行使することを妨げない。
  • ③甲は、まず丙に対して請求し、その不足分に限って乙に請求することができる。
  • ④甲は、乙と丙のいずれに請求するかを、丙の同意を得たうえで決める必要がある。
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正解 ②甲が丙に直接請求できることは、甲が乙に対して権利を行使することを妨げない。
解説
民法613条2項は、転借人が賃貸人に対して直接に義務を負うという同条1項の規定は、賃貸人が賃借人に対してその権利を行使することを妨げないと定めている。賃貸人は、転借人に対して直接に請求することができるようになっても賃借人に対する賃料請求権を失うわけではなく、賃借人と転借人のいずれに対しても請求することができる。

他の選択肢が不適切な理由
「甲は丙に直接請求できるようになる結果、乙に対する賃料請求権を失うことになる」という記述は、賃借人に対する権利行使が妨げられないとする613条2項が明文で否定した結論を述べている。
「甲は、まず丙に対して請求し、その不足分に限って乙に請求することができる」という記述は、法が定めていない請求の順序を持ち込んでいる点で誤りである。
「甲は、乙と丙のいずれに請求するかを、丙の同意を得たうえで決める必要がある」という記述は、転借人の同意を権利行使の要件としているが、条文上そのような制約は置かれていない。
問74-9

賃貸人甲が、賃料を滞納した賃借人乙の債務不履行を理由として甲乙間の賃貸借契約を解除した。甲の承諾を得た転借人丙の地位に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①甲は、乙の債務不履行による解除を、丙に対して対抗することができないことになる。
  • ②甲が解除するには、あらかじめ丙に対して賃料の代払の機会を与える必要がある。
  • ③甲は解除を丙に対抗することができ、丙は甲に転借権を主張できないことになる。
  • ④甲乙間の賃貸借の解除により、甲丙間に新たな賃貸借契約が当然に成立する。
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正解 ③甲は解除を丙に対抗することができ、丙は甲に転借権を主張できないことになる。
解説
民法613条3項本文が転借人を保護しているのは、賃貸人と賃借人が賃貸借を合意により解除した場合であり、賃借人の債務不履行を理由とする解除にはこの保護は及ばない。同項ただし書が、合意解除の当時に賃貸人が債務不履行による解除権を有していたときは転借人に対抗することができるとしているのも、債務不履行による解除であれば転借人に対抗できることを前提とするものである。したがって甲は解除を丙に対抗することができ、丙は甲に対して転借権を主張することができない。

他の選択肢が不適切な理由
「甲は、乙の債務不履行による解除を、丙に対して対抗することができないことになる」という記述は、合意解除の場合に限られる転借人の保護を、債務不履行を理由とする解除の場面にまで広げてしまっている。
「甲が解除するには、あらかじめ丙に対して賃料の代払の機会を与える必要がある」という記述は、判例が、特段の事情がない限り転借人に賃料の代払の機会を与えることを要しないとしている点に反する。
「甲乙間の賃貸借の解除により、甲丙間に新たな賃貸借契約が当然に成立する」という記述は、原賃貸借の終了によって転借人が賃貸人との間の契約関係を取得するという、根拠のない結論を導いている。
問84-9

賃借人乙が使用する建物に雨漏りが生じ、修繕を要する状態となった場合における乙の対応に関する次の記述のうち、民法615条の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①乙は、甲が既にその事実を知っているときであっても、改めて通知する義務を負う。
  • ②乙の通知義務は、賃借物について権利を主張する者が現れた場合に限り生ずる。
  • ③乙は、修繕を要する状態を知った日から一箇月以内に通知をすれば足りる。
  • ④乙は遅滞なく甲に通知する義務を負うが、甲が既に知るときはその必要はない。
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正解 ④乙は遅滞なく甲に通知する義務を負うが、甲が既に知るときはその必要はない。
解説
民法615条は、賃借物が修繕を要し、又は賃借物について権利を主張する者があるときは、賃借人は遅滞なくその旨を賃貸人に通知しなければならないと定め、そのただし書で、賃貸人が既にこれを知っているときは通知を要しないとしている。雨漏りは賃借物が修繕を要する場合に当たるため、乙は遅滞なく甲に通知する義務を負う。

他の選択肢が不適切な理由
「乙は、甲が既にその事実を知っているときであっても、改めて通知する義務を負う」という記述は、賃貸人が既に知っている場合には通知を要しないとする615条ただし書の内容を無視している。
「乙の通知義務は、賃借物について権利を主張する者が現れた場合に限り生ずる」という記述は、通知義務が生ずる場合を限定しすぎており、賃借物が修繕を要する場合も通知義務の対象である。
「乙は、修繕を要する状態を知った日から一箇月以内に通知をすれば足りる」という記述は、条文が求める「遅滞なく」という基準を、法に定めのない期間の制限に置き換えている点で誤りである。
問94-9

賃借建物の設備が故障して修繕が必要となったが、賃借人乙は賃貸人甲に通知をしておらず、甲は別の経路からその事実を知っていた。この場合における乙の修繕に関する次の記述のうち、民法607条の2の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①乙から甲への通知がされていない以上、乙は自ら賃借物を修繕することができない。
  • ②甲がその旨を知りながら相当の期間内に修繕しないときは、乙は自ら修繕できる。
  • ③乙が自ら修繕をするには、甲の書面による事前の承諾を得ることが必要となる。
  • ④乙が自ら修繕をすることができるのは、急迫の事情がある場合に限られる。
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正解 ②甲がその旨を知りながら相当の期間内に修繕しないときは、乙は自ら修繕できる。
解説
民法607条の2第1号は、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知した場合だけでなく、賃貸人がその旨を知った場合も要件として並列に掲げている。したがって、賃借人からの通知がなくても、賃貸人が修繕の必要を知っていながら相当の期間内に必要な修繕をしないときは、賃借人は自ら賃借物を修繕することができる。

他の選択肢が不適切な理由
「乙から甲への通知がされていない以上、乙は自ら賃借物を修繕することができない」という記述は、通知を唯一の要件と読み違えており、賃貸人が知った場合を並列の要件とする条文の定めに反する。
「乙が自ら修繕をするには、甲の書面による事前の承諾を得ることが必要となる」という記述は、賃借人に自ら修繕をする権限を認めた607条の2の趣旨に反し、法に定めのない要件を加えている。
「乙が自ら修繕をすることができるのは、急迫の事情がある場合に限られる」という記述は、急迫の事情を掲げる同条2号のみを取り上げ、1号が定める場合を除外している点で誤りである。
問104-9

賃借人乙の過失によって賃借建物の設備が損傷し、乙が自らの費用でこれを修繕した場合における費用の負担に関する次の記述のうち、民法の規定に照らして最も適切なものはどれか。

  • ①乙が支出した費用は必要費に当たるため、乙は直ちに甲に償還を請求できる。
  • ②乙が支出した費用は有益費に当たるため、賃貸借の終了時に償還を請求できる。
  • ③甲は修繕義務を負わないため、乙はその修繕費用の償還を甲に請求できない。
  • ④乙が支出した費用は、甲乙が等しい割合で分担して負担すべきものとなる。
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正解 ③甲は修繕義務を負わないため、乙はその修繕費用の償還を甲に請求できない。
解説
民法606条1項ただし書は、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、賃貸人は修繕義務を負わないとしている。また、民法608条1項が賃借人に直ちの償還請求を認めるのは「賃貸人の負担に属する必要費」を支出した場合であるから、賃借人自身の過失によって必要となった修繕の費用はこれに当たらない。したがって乙は甲に対して費用の償還を請求することができない。

他の選択肢が不適切な理由
「乙が支出した費用は必要費に当たるため、乙は直ちに甲に償還を請求できる」という記述は、608条1項の対象が賃貸人の負担に属する必要費に限られる点を見落としている。
「乙が支出した費用は有益費に当たるため、賃貸借の終了時に償還を請求できる」という記述は、損傷を元に戻すために要した費用を、目的物の改良のために支出した費用と取り違えている。
「乙が支出した費用は、甲乙が等しい割合で分担して負担すべきものとなる」という記述は、法に根拠のない折半という処理を持ち込んでいる点で誤りである。

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