2026年版・4-2

賃貸借契約の性質・期間・更新(借地借家法)の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「賃貸借契約」から、賃貸借契約の性質・期間・更新(借地借家法)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-2

民法上の賃貸借契約の成立に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①使用収益をさせる約束と、賃料を支払う約束が合致すれば足りる諾成契約である。
  • ②目的物の引渡しを受けなければ成立しない要物契約であり、合意だけでは足りない。
  • ③当事者双方が契約書に署名押印しなければ成立しない要式契約である。
  • ④賃料の支払いを要素とせず、無償で使用収益させる合意で成立する契約である。
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正解 ①使用収益をさせる約束と、賃料を支払う約束が合致すれば足りる諾成契約である。
解説
民法601条により、賃貸借は当事者の一方がある物の使用収益を相手方にさせることを約し、相手方がこれに対して賃料を支払うこと等を約することによって成立する諾成契約であり、目的物の引渡しや書面の作成は成立要件ではない。

他の選択肢が不適切な理由
賃貸借は当事者の合意のみで成立する諾成契約であり、目的物の引渡しを要する要物契約ではない。契約書の作成という方式を成立要件とする要式契約でもない。賃料の支払いを要素としない無償契約であるとする記述は、賃料を要素としない使用貸借(民法593条)の説明であって賃貸借とは異なる。
問24-2

建物の賃貸借契約における存続期間の上限に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①借地借家法が適用される建物賃貸借には、民法が定める存続期間の上限規制の適用がない。
  • ②建物賃貸借であっても民法の規定が適用され、存続期間は50年を超えることができない。
  • ③建物賃貸借の存続期間は、当事者の合意があっても20年を超えることができない。
  • ④建物賃貸借の存続期間は、法令上10年を上限として定めなければならない。
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正解 ①借地借家法が適用される建物賃貸借には、民法が定める存続期間の上限規制の適用がない。
解説
民法604条は賃貸借の存続期間を50年以内と定めているが、借地借家法29条2項により、この上限規制は借地借家法が適用される建物賃貸借には適用されない。したがって50年を超える存続期間を定めることも可能である。

他の選択肢が不適切な理由
民法604条の50年の上限は借地借家法29条2項によって適用除外とされているため、建物賃貸借に民法の上限規制がそのまま適用されるとする点は誤りである。存続期間を20年や10年に限定する規律も借地借家法には存在しない。
問34-2

期間の定めのある建物賃貸借契約における法定更新に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知がなければ従前と同一条件で更新したとみなされる。
  • ②当事者が期間満了の3か月前までに更新拒絶の通知をしなかったときに限り、契約は自動的に更新される。
  • ③更新をしない旨の通知の有無にかかわらず、期間満了によって契約は当然に終了し更新されない。
  • ④更新をしない旨の通知をした場合であっても、賃借人が異議を述べれば当然に契約が更新される。
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正解 ①期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶の通知がなければ従前と同一条件で更新したとみなされる。
解説
借地借家法26条1項により、建物の賃貸借について期間の満了の1年前から6か月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知等をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる(法定更新)。

他の選択肢が不適切な理由
通知期間は1年前から6か月前までであり、3か月前という期間は条文の定めと異なる。通知の有無にかかわらず当然に契約が終了するという扱いは法定更新の制度そのものを否定するもので誤りである。更新拒絶の通知後に賃借人が異議を述べただけで当然に更新されるものではなく、通知に正当事由が認められるかどうかが問題となる。
問44-2

建物賃貸借契約における賃貸人からの更新拒絶の通知に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸人による更新拒絶の通知は、建物使用の必要性等の正当事由がなければすることができない。
  • ②賃貸人は、更新拒絶についての理由を特に問われることなく、自由に更新を拒絶することができる。
  • ③賃貸人による更新拒絶の通知には、賃借人の同意さえあれば正当の事由は不要となる。
  • ④賃貸人による更新拒絶の通知は、書面さえ整えていれば正当の事由を欠いても効力を生ずる。
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正解 ①賃貸人による更新拒絶の通知は、建物使用の必要性等の正当事由がなければすることができない。
解説
借地借家法28条により、建物の賃貸人による更新拒絶の通知は、建物の使用を必要とする事情のほか、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び現況並びに立退料の提供等を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければすることができない。

他の選択肢が不適切な理由
賃貸人が自由な裁量で理由なく更新を拒絶できるとする点は正当事由を要求する28条に反する。賃借人の同意があれば正当事由が不要になるという規律も条文上存在しない。書面の有無は正当事由の有無とは別の問題であり、書面さえ整えば正当事由を欠いても足りるとする点も誤りである。
問54-2

借地借家法26条1項の規定により建物賃貸借契約が法定更新された場合の契約の期間に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①更新後の契約は、借地借家法の規定により期間の定めのないものとなるとされる。
  • ②更新後の契約は、更新前と全く同じ期間の定めのある契約として存続する。
  • ③更新後の契約は、法律上更新前の期間の2倍の期間を有するものとなる。
  • ④更新後の契約は、更新の時点から新たに10年間の期間の定めがあるものとなる。
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正解 ①更新後の契約は、借地借家法の規定により期間の定めのないものとなるとされる。
解説
借地借家法26条1項ただし書により、法定更新がなされた場合、その期間を除き従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。すなわち期間についてだけは従前の定めが引き継がれず、更新後の契約は期間の定めのないものとなる。

他の選択肢が不適切な理由
更新前と同じ期間の定めがそのまま存続するとする点は26条1項ただし書に反する。更新前の期間の2倍になる、あるいは新たに10年の期間が生じるといった規律は借地借家法に存在しない。
問64-2

一時使用のために建物を賃借することが明らかな場合の建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①借地借家法の建物賃貸借に関する規定は適用されず、契約は主に民法の規律に従うこととなる。
  • ②一時使用目的であっても、借地借家法の建物賃貸借に関する規定がそのまま全面的に適用される。
  • ③一時使用目的であるかどうかは、契約期間が1年未満であるか否かのみによって判断される。
  • ④一時使用目的の賃貸借であっても、期間を1年未満と定めたときは期間の定めがないものとみなされる。
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正解 ①借地借家法の建物賃貸借に関する規定は適用されず、契約は主に民法の規律に従うこととなる。
解説
借地借家法40条は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には「この章の規定」を適用しないと定めており、建物賃貸借(借家)について定めた第3章の規定が適用されない。存続期間の制限や法定更新等の借家人保護の規定が及ばず、契約関係は主に民法の一般規定に委ねられることになる。

他の選択肢が不適切な理由
一時使用目的であることが明らかな場合こそ適用除外の対象となるのであり、規定がそのまま全面的に適用されるとする点は40条に反する。一時使用目的かどうかは、賃貸借の目的や動機その他諸般の事情から客観的に判断されるものであり、契約期間が1年未満であるか否かのみによって決まるものではない。期間を1年未満とする建物賃貸借を期間の定めがないものとみなす規定(借地借家法29条1項)も第3章に置かれているため一時使用の場合には適用されず、1年未満の期間の定めもそのまま効力を有する。
問74-2

建物の賃貸借における対抗力に関する次の記述のうち、借地借家法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①建物の賃貸借は、登記がなくても引渡しがあれば、その後物権を取得した者に対抗することができる。
  • ②建物の賃貸借は、賃借権の設定登記を備えなければ、新たな所有者に対抗することができない。
  • ③建物の賃貸借は、賃借人が住民票の住所をその建物に移していれば、登記がなくても対抗力を有する。
  • ④建物の賃貸借は、賃貸借契約書に確定日付を得ていれば、引渡しの有無を問わず対抗力を有する。
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正解 ①建物の賃貸借は、登記がなくても引渡しがあれば、その後物権を取得した者に対抗することができる。
解説
借地借家法31条により、建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対してもその効力を生ずる。賃借人にとって煩雑な登記手続を要求せず、実際の引渡しという事実で足りるとしたものである。

他の選択肢が不適切な理由
登記を備えなければいかなる場合も対抗できないとする点は31条が定める引渡しによる対抗力の制度を無視している。住民票の移転は建物の引渡しとは別の事実であり、それ自体が対抗要件となる規定はない。確定日付の取得も借地借家法31条の対抗要件とは異なる。
問84-2

賃貸借の目的である不動産が譲渡された場合の賃貸人たる地位の移転に関する次の記述のうち、民法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①対抗要件を備えた賃借人がいる場合、不動産の譲渡により賃貸人たる地位は原則として譲受人に移転する。
  • ②不動産が譲渡されても、賃貸人たる地位は当然には移転せず、賃借人の個別の承諾がなければ移転しない。
  • ③不動産が譲渡された場合、賃貸人たる地位は旧所有者と新所有者の双方に重複して帰属し続ける。
  • ④不動産が譲渡された場合、賃貸人たる地位は新所有者への所有権移転登記の有無を問わず移転しない。
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正解 ①対抗要件を備えた賃借人がいる場合、不動産の譲渡により賃貸人たる地位は原則として譲受人に移転する。
解説
民法605条の2第1項により、対抗要件を備えた不動産の賃借人がある場合において、その不動産が譲渡されたときは、その不動産の賃貸人たる地位は、譲渡人と譲受人との間の合意で留保する等の場合を除き、譲受人に移転する。

他の選択肢が不適切な理由
賃貸人たる地位の移転には賃借人の個別の承諾は不要であり、承諾がなければ移転しないとする点は誤りである。地位が新旧所有者に重複して帰属するという規律や、所有権移転登記の有無にかかわらず一切移転しないという規律も民法605条の2の内容と異なる。
問94-2

賃貸借契約と使用貸借契約の異同に関する次の記述のうち、民法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸借は賃料の支払いを要素とするが、使用貸借は賃料の支払いを要素としない無償契約である。
  • ②賃貸借と使用貸借はいずれも有償契約であり、賃料の支払いの有無によって区別されることはない。
  • ③使用貸借は当事者双方に対価的な債務が発生する双務契約である点で、賃貸借と共通する。
  • ④使用貸借は書面によらなければ成立しないのに対し、賃貸借は口頭の合意のみで成立する。
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正解 ①賃貸借は賃料の支払いを要素とするが、使用貸借は賃料の支払いを要素としない無償契約である。
解説
民法601条の賃貸借は賃料の支払いを要素とする有償契約であるのに対し、民法593条の使用貸借は無償で物を使用収益させる契約であり、賃料の支払いを要素としない。この賃料の有無が両者を区別する基本的な指標である。

他の選択肢が不適切な理由
使用貸借は無償契約であり、賃貸借と同様に有償契約であるとする点は誤りである。使用貸借は借主のみが目的物の返還義務等を負う片務契約であって、対価的な債務が双方に生じる双務契約であるとする点も誤りである。使用貸借・賃貸借とも諾成契約であり口頭の合意のみで成立しうる点は共通しているため、使用貸借が書面によらなければ成立しないとする点も誤りである。
問104-2

賃借物の一部が、賃借人の責めに帰することができない事由により滅失するなどして使用及び収益をすることができなくなった場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば最も適切なものはどれか。

  • ①賃料は、使用収益をすることができなくなった部分の割合に応じ、請求を要せず当然に減額される。
  • ②賃料の減額を受けるためには、賃借人が賃貸人に対して減額請求の意思表示をすることが必要である。
  • ③賃借物の一部が使用収益できなくなっても、賃貸人が修繕義務を履行するまで賃料の減額は生じない。
  • ④賃借物の一部が使用収益できなくなった場合、賃借人は当然に契約全部を解除しなければならない。
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正解 ①賃料は、使用収益をすることができなくなった部分の割合に応じ、請求を要せず当然に減額される。
解説
民法611条1項により、賃借物の一部が賃借人の責めに帰することができない事由により滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなったときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額請求を要することなく当然に減額される。平成29年改正で当然減額へと明確化された規定である。

他の選択肢が不適切な理由
改正後の611条1項は減額請求という意思表示を不要としており、常に請求が必要であるとする点は誤りである。賃料の減額は修繕義務の履行とは別に法律上当然に生じるものであり、修繕がなされるまで減額が生じないとする点も誤りである。使用収益できない部分の割合に応じた減額にとどまり、残存部分で契約目的を達成できる限り契約全部の解除が当然に必要となるわけではない。

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