2026年版・3-8

原状回復ガイドライン(国交省)の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「賃貸住宅の維持保全」から、原状回復ガイドライン(国交省)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全580問) 賃貸住宅の維持保全の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問13-8

国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」における原状回復の基本的な考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸借の終了の時に建物を新築の状態に戻すことをいい、経年変化の分も賃借人が費用を負担する。
  • ②賃借人の故意・過失や善管注意義務違反等、通常の使用を超える使用による損耗を復旧することをいう。
  • ③故意・過失の有無を問わず、終了の時に生じているすべての損耗を賃借人の負担で復旧することをいう。
  • ④契約書に特約を定めた場合に限り生じるもので、特約がなければ賃借人も賃貸人も義務を負わない。
答えと解説を見る
正解 ②賃借人の故意・過失や善管注意義務違反等、通常の使用を超える使用による損耗を復旧することをいう。
解説
ガイドラインは、原状回復を「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と位置付けている。したがって通常の使用によって生じる損耗や経年変化の復旧の費用は、賃借人の負担には含まれない。

他の選択肢が不適切な理由
建物を新築の状態に戻すこととし経年変化の分も賃借人が負担するとの記述は誤りである。経年変化や通常損耗の復旧の費用は賃料に含まれるものとして賃貸人が負担するのが原則である。故意・過失の有無を問わずすべての損耗を賃借人の負担とする記述も、同じ理由で原則に反する。特約を定めた場合に限り生じるとする記述も誤りであり、原状回復の義務は賃貸借契約に伴い当然に問題となるもので、特約はその範囲を修正するにすぎない。
問23-8

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」において、賃借人の負担とならない「通常損耗・経年変化」に分類される事例として、最も適切なものはどれか。

  • ①家具を設置していたことによる床やカーペットのへこみや設置の跡は、通常損耗・経年変化に区分される。
  • ②賃借人が結露を放置したことによって拡大した壁のカビやシミは、通常損耗・経年変化に区分される。
  • ③雨漏りを賃貸人に知らせなかったために拡大した壁や天井のシミは、通常損耗・経年変化に区分される。
  • ④賃借人の喫煙により生じた壁クロスのヤニによる変色や臭いの付着は、通常損耗・経年変化に区分される。
答えと解説を見る
正解 ①家具を設置していたことによる床やカーペットのへこみや設置の跡は、通常損耗・経年変化に区分される。
解説
家具を設置していたことによる床やカーペットのへこみや設置の跡は、家具の設置が通常の生活に伴う使用方法である以上、通常損耗・経年変化として賃貸人の負担に区分される代表的な事例である。

他の選択肢が不適切な理由
結露を放置したことによって拡大したカビやシミは賃借人の負担に区分される。結露の発生自体は建物の構造に起因し得るが、賃貸人へ通知するなどの適切な手入れを怠って拡大させた点が善管注意義務違反と評価されるためである。雨漏りを知らせなかったために拡大したシミも同様に、通知の義務を怠ったことによる拡大分として賃借人の負担に区分される。喫煙によるヤニの変色や臭いの付着も、通常の使用の範囲を超える使用によるものとして賃借人の負担に区分される。
問33-8

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」における賃借人の負担区分に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①日照や建物の構造によって自然に生じた畳の変色やフローリングの色あせは、賃借人の負担に区分される。
  • ②次の入居者を確保するために行う畳の表替えや壁クロスの張替えに要する費用は、賃借人の負担に区分される。
  • ③通常の清掃を怠ったことによる台所の油汚れや、手入れを怠ったことによる設備の毀損は賃借人が負担する。
  • ④地震等の自然災害によって生じた建物や設備の損傷の復旧の費用は、賃借人の負担に区分される。
答えと解説を見る
正解 ③通常の清掃を怠ったことによる台所の油汚れや、手入れを怠ったことによる設備の毀損は賃借人が負担する。
解説
通常の清掃を怠ったことによって蓄積した台所の油汚れや、必要な手入れを怠ったことによる設備の毀損は、賃借人の善管注意義務違反に当たるものとして賃借人の負担に区分される。

他の選択肢が不適切な理由
日照や建物の構造によって自然に生じた畳の変色やフローリングの色あせは、賃借人の使用とは関わりのない経年変化であるため賃貸人の負担に区分される。次の入居者を確保するために行う畳の表替えや壁クロスの張替えも、原状回復を超える価値の向上に当たるものとして賃貸人が負担すべきものとされる。地震等の自然災害による損傷も、賃借人の故意・過失に基づくものではないため賃貸人の負担に区分される。
問43-8

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が示す、経過年数を考慮した賃借人の費用負担の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①壁クロス等の経年により価値が減少する建材は、入居の期間が長いほど賃借人の負担の割合が小さくなる。
  • ②賃借人が毀損した箇所の張替えに要する費用は、経過年数にかかわらず常に実費の全額を負担する。
  • ③経過年数を考慮する考え方は経年変化にのみ用いられるものであり、故意・過失による毀損には用いられない。
  • ④経過年数を考慮する考え方では、入居の期間が長くなるほど賃借人の負担の割合はかえって大きくなる。
答えと解説を見る
正解 ①壁クロス等の経年により価値が減少する建材は、入居の期間が長いほど賃借人の負担の割合が小さくなる。
解説
ガイドラインは、壁クロスのように経年により価値が減少する建材について、その価値を耐用年数にわたって逓減するものとして扱い、入居の期間が長いほど賃借人が負担すべき費用の割合が小さくなるよう調整する考え方を示している。

他の選択肢が不適切な理由
経過年数にかかわらず常に実費の全額を負担するとの記述は、経過年数に応じて負担を軽減するというこの考え方の趣旨に反する。経過年数を考慮する考え方は賃借人の負担となる部分について適用されるものであるから、故意・過失による毀損には用いられないとする記述も誤りである。入居の期間が長くなるほど負担の割合が大きくなるとの記述は、価値の逓減という前提からみて結論が逆である。
問53-8

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の法的な位置づけに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①法律の委任に基づいて制定された政令であるから、これに反する特約を定めることは認められていない。
  • ②訴訟における費用の負担の割合を機械的に決める唯一の基準として、裁判所の判断を拘束する。
  • ③宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が定める法定の書式であり、契約書の様式を定めている。
  • ④紛争の未然の防止と円滑な解決のための考え方の目安を示す指針であり、当事者を法的に拘束しない。
答えと解説を見る
正解 ④紛争の未然の防止と円滑な解決のための考え方の目安を示す指針であり、当事者を法的に拘束しない。
解説
このガイドラインは、原状回復をめぐる賃貸人と賃借人の間の紛争を未然に防止し、円滑に解決するための考え方の目安を示す指針である。法令ではないため、それ自体が当事者を直接に法的に拘束するものではない。

他の選択肢が不適切な理由
法律の委任に基づく政令とする記述は誤りである。ガイドラインは法規範ではなく、これと異なる特約も要件を満たせば有効となる余地がある。裁判所の判断を拘束するとの記述も誤りである。実務上は紛争の解決の参考として尊重されるが、個別の事情を離れて機械的に負担の割合を決めるものではない。宅地建物取引業法に基づく法定の書式とする記述も誤りであり、契約書の様式を定めるものではない。
問63-8

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」が示す原状回復の施工単位に関する考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①費用の負担は毀損の箇所を含む最小限度の施工の単位を基本とし、割高な工法の費用は負担させない。
  • ②施工の単位は居室の全体を一体として扱うのが原則で、壁一面の毀損でも室内の全体を張り替える。
  • ③毀損した箇所がごく一部でも、施工上の制約の有無を問わず建物の全体の改装の費用を負担させる。
  • ④最小限度の施工の単位という考え方は賃貸人の負担分にのみ用いられ、賃借人の負担分には及ばない。
答えと解説を見る
正解 ①費用の負担は毀損の箇所を含む最小限度の施工の単位を基本とし、割高な工法の費用は負担させない。
解説
ガイドラインは、原状回復の費用の負担について、毀損の箇所を含む補修が可能な最小限度の範囲を施工の単位とすることを基本としている。賃借人に対し、必要以上に広い範囲や割高な工法による費用を負担させるべきではないという考え方である。

他の選択肢が不適切な理由
居室の全体を一体として扱い壁一面の毀損でも室内の全体を張り替えるとする記述は、最小限度の施工の単位を基本とする趣旨に反する。施工上の制約の有無を問わず建物の全体の改装の費用を負担させるとの記述も、同じ理由で妥当しない。施工の単位の考え方は費用の負担の公平を図るためのものであり、賃借人の負担分についても当然に及ぶため、賃貸人の負担分にのみ用いられるとする記述も誤りである。
問73-8

賃貸借契約における原状回復に関する特約の有効性について、最も適切なものはどれか。

  • ①原状回復に関する特約は当事者の合意があれば内容を問わず有効であり、法律による制限を受けない。
  • ②通常損耗の復旧の費用を賃借人に負担させる特約は、内容が明確に合意される等の要件を満たせば有効となる。
  • ③通常損耗の復旧の費用を賃借人に負担させる特約は、要件のいかんを問わず無効であり定めること自体できない。
  • ④原状回復に関する特約の有効性は、定期建物賃貸借か普通建物賃貸借かによって判断の枠組みが異なる。
答えと解説を見る
正解 ②通常損耗の復旧の費用を賃借人に負担させる特約は、内容が明確に合意される等の要件を満たせば有効となる。
解説
通常損耗の復旧の費用を賃借人に負担させる特約は、本来賃貸人が負うべき負担を賃借人に移すものである。判例は、そのような特約が有効となるには、負担の範囲が契約書等に具体的に明記されるなどして賃借人がその内容を明確に認識し、これを合意したと認められることが必要であるとしている。

他の選択肢が不適切な理由
合意があれば内容を問わず有効とする記述は誤りである。賃借人が消費者である場合には消費者契約法により効力が制限されることがある。要件を問わず無効で定めること自体できないとする記述も誤りであり、要件を満たせば有効となる余地がある。特約の有効性の判断の枠組みは契約の類型によって定まるものではないため、定期建物賃貸借か普通建物賃貸借かで異なるとする記述も誤りである。
問83-8

敷金からの原状回復費用の精算に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①敷金は契約が終了して明渡しがされた時に、賃借人の債務の額を控除した残額を返還すべきものである。
  • ②敷金は契約の締結に際して賃借人が支払う礼金の一種であり、契約の終了の時に返還を予定しない。
  • ③賃貸人は通常損耗の復旧の費用を含め、終了の時に生じた原状回復の費用を当然に敷金から控除できる。
  • ④敷金の返還の義務は契約の締結と同時に生じるため、賃借人は入居している間でも返還を請求できる。
答えと解説を見る
正解 ①敷金は契約が終了して明渡しがされた時に、賃借人の債務の額を控除した残額を返還すべきものである。
解説
民法上、敷金は賃貸借に基づく賃借人の金銭の債務を担保する目的で交付される金銭であり、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けた時に、賃料の未払等の債務の額を控除した残額を返還すべきものとされている。

他の選択肢が不適切な理由
礼金の一種で返還を予定しないとする記述は誤りである。返還を予定しない礼金と、債務を担保し残額の返還を予定する敷金とは性質が異なる。通常損耗の復旧の費用まで当然に控除できるとする記述も誤りであり、これは原則として賃貸人が負担すべきものである。返還の義務が契約の締結と同時に生じるとする記述も誤りで、返還の義務は明渡しがされて初めて生じる。
問93-8

賃借人が入居中、室内で日常的に喫煙をしており、退去時に壁クロスにヤニによる黄ばみと臭いの付着が認められた。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方に照らした場合、最も適切なものはどれか。

  • ①ヤニによる変色は日照による自然な変色と同じものであるから、賃貸人の負担に区分されることになる。
  • ②ヤニによる変色や臭いの付着は通常の使用を超える使用によるもので、原則として賃借人が負担する。
  • ③喫煙は法令で禁じられていないため、喫煙による壁クロスへの影響は賃借人の負担とはならない。
  • ④ヤニによる変色や臭いが認められる場合、賃借人は経過年数を考慮されず費用の全額を負担する。
答えと解説を見る
正解 ②ヤニによる変色や臭いの付着は通常の使用を超える使用によるもので、原則として賃借人が負担する。
解説
喫煙によるヤニの付着や臭いは、通常の生活において通常想定される使用方法とは異なる使用に起因する損耗と考えられる。そのためガイドライン上、クロスの張替え等の費用は原則として賃借人の負担に区分される。

他の選択肢が不適切な理由
日照による自然な変色と同じものとする記述は誤りである。日照による変色は賃借人の行為とは無関係な経年変化であるのに対し、ヤニによる変色は喫煙という賃借人の行為に起因する点で性質が異なる。喫煙が法令で禁じられていないことを理由に負担を否定する記述も誤りである。負担の区分は法令違反の有無ではなく通常の使用の範囲を超えるかどうかで判断される。賃借人の負担となる場合でも経過年数を考慮する考え方は及ぶため、全額を負担するとの記述も誤りである。
問103-8

ペット飼育が可能な賃貸住宅において、賃借人が飼育していた犬により、フローリングに多数の引っかき傷とシミが生じた状態で退去した。「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」の考え方に照らした場合、最も適切なものはどれか。

  • ①ペットの飼育が認められている物件である以上、飼育に起因する傷やシミは通常損耗として賃貸人が負担する。
  • ②ペットの飼育に伴い生じた引っかき傷やシミは通常の使用による損耗を超え、原則として賃借人が負担する。
  • ③ペットによる引っかき傷やシミの費用は、特約を定めない限り賃借人に負担させることができない。
  • ④飼育が契約上許された場合のペットによる損耗は経年変化と同様に扱われ、賃貸人が全額を負担する。
答えと解説を見る
正解 ②ペットの飼育に伴い生じた引っかき傷やシミは通常の使用による損耗を超え、原則として賃借人が負担する。
解説
ペットの飼育が契約上認められている場合であっても、飼育に伴って生じる引っかき傷やシミは、通常の使用による損耗の範囲を超えるものと考えられる。そのためガイドライン上、原則として賃借人の負担に区分される。

他の選択肢が不適切な理由
飼育が認められた物件であることを理由に通常損耗として賃貸人が負担するとの記述は誤りである。飼育の許諾は飼育すること自体を認めるものにとどまり、飼育に伴う損傷の費用まで賃貸人が引き受ける趣旨とは解されない。特約を定めない限り負担させられないとする記述も誤りであり、通常の使用を超える損耗は特約がなくても賃借人の負担となり得る。経年変化と同様に扱われるとする記述も、損耗の性質が異なる点で誤りである。

賃貸不動産経営管理士試験の対策問題(全580問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。