2026年版・2-5

管理受託契約の終了・解除・再委託の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「管理受託契約」から、管理受託契約の終了・解除・再委託に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-5

管理受託契約の解除に関する民法651条の規律について、最も適切なものはどれか。

  • ①委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができるのが原則である
  • ②委任契約は一度締結すると、契約期間が満了するまで理由を問わず解除できない
  • ③委任の解除は、委託者からのみ可能であり、受任者から解除することはできない
  • ④委任の解除には、必ず裁判所の許可を得ることが民法上要求されている
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正解 ①委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができるのが原則である
解説
民法651条1項は、委任は各当事者がいつでもその解除をすることができると定めている。これは委任契約が当事者間の人的信頼関係を基礎とすることから、信頼関係が失われた場合に契約に拘束され続けることのないよう認められた任意解除権である。

他の選択肢が不適切な理由
651条1項により契約期間中であっても解除は可能であり、期間満了までいかなる理由でも解除できないとする点は誤り。任意解除権は委任者・受任者のいずれからも行使できるものであり、委託者からのみ可能とする点は誤り。委任の解除に裁判所の許可を要するという制度は民法上存在せず誤りである。
問22-5

当事者の一方に不利な時期に管理受託契約を解除した場合の損害賠償に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①不利な時期の解除であっても、損害賠償義務が生じることは民法上ない
  • ②不利な時期に解除した当事者は、やむを得ない事由がなければ賠償を要する
  • ③不利な時期の解除による損害賠償は、委託者が解除した場合にのみ発生する
  • ④不利な時期の解除による損害賠償は、契約書に特約がある場合にのみ発生する
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正解 ②不利な時期に解除した当事者は、やむを得ない事由がなければ賠償を要する
解説
民法651条2項1号は、相手方に不利な時期に委任を解除した当事者は、その相手方に生じた損害を賠償しなければならないと定めている。ただし、やむを得ない事由があったときは、この賠償義務を負わないとされている。

他の選択肢が不適切な理由
651条2項により不利な時期の解除は損害賠償義務を生じさせうるものであり、一切ないとする点は誤り。この規律は解除をした当事者が委任者・受任者のいずれであるかを問わず適用されるものであり、委託者が解除した場合にのみ発生するとする点は誤り。この賠償義務は法律上当然に生じるものであり、特約の存在を発生要件とする点は誤りである。
問32-5

委託者が、受任者の利益をも目的とする委任を解除する場合の民法上の規律について、最も適切なものはどれか。

  • ①受任者の利益を目的とする委任は、そもそも委託者からの解除が認められていない
  • ②受任者の利益を目的とする委任の解除には、受任者の事前同意が必要である
  • ③原則として賠償を要するが、やむを得ない事由や報酬目的にとどまれば例外となる
  • ④受任者の利益を目的とする委任を解除した場合、委託者は常に損害賠償義務を免れる
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正解 ③原則として賠償を要するが、やむを得ない事由や報酬目的にとどまれば例外となる
解説
民法651条2項2号は、委任者が受任者の利益をも目的とする委任を解除したときは、原則として損害賠償を要すると定める。ただし、やむを得ない事由があるとき、及びこの受任者の利益が専ら報酬を得ることによるものにとどまるときは、賠償を要しないとされている。

他の選択肢が不適切な理由
651条1項により委任はいつでも解除できるのが原則であり、受任者の利益を目的とする委任であっても解除自体が認められないとする点は誤り。任意解除権の行使に受任者の事前同意を要件とする規定は民法上存在せず誤り。原則として損害賠償義務が生じるのであり、常に免れるとする点は誤りである。
問42-5

管理受託契約を委任の規定に基づいて解除した場合の効力に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①解除の効力は契約締結時に遡り、既に履行された管理業務も全て無かったものと扱われる
  • ②解除の効力は将来に向かってのみ生じ、それでも既払いの報酬は全額返還しなければならない
  • ③解除の効力は、当事者双方が解除に関する別段の合意をあらかじめしない限り発生しない
  • ④委任の解除の効力は常に将来に向かってのみ生じ、既に行われた履行を遡って無効にはしない
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正解 ④委任の解除の効力は常に将来に向かってのみ生じ、既に行われた履行を遡って無効にはしない
解説
民法652条は、委任の解除の効力について将来に向かってのみ生ずる旨の規定を準用しており、委任の解除は遡及効を持たない。したがって、解除がされても、それまでに管理業者が行った管理業務の履行やこれに対応する報酬関係は覆されない。

他の選択肢が不適切な理由
委任の解除は将来効であり、契約締結時に遡って既履行部分を無かったものとする点は誤り。解除が将来効であることと、既払いの報酬を全額返還すべきこととは別の問題であり、既払報酬の全額返還を一律に導く点は誤り。651条1項により委任は各当事者が一方的にいつでも解除できるのが原則であり、当事者の合意がなければ解除の効力が生じないとする点は誤りである。
問52-5

民法653条が定める委任の終了事由に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①委任者・受任者の死亡、破産手続開始の決定、受任者の後見開始の審判が終了事由である
  • ②委任は、当事者の死亡によっても当然には終了せず、常に相続人に引き継がれると解される
  • ③委任の終了事由は、当事者間の合意によって定められる事項に限定されている
  • ④委任は、受任者が単に体調を崩して業務ができない場合にも、法律上当然に終了する
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正解 ①委任者・受任者の死亡、破産手続開始の決定、受任者の後見開始の審判が終了事由である
解説
民法653条は、委任は委任者又は受任者の死亡、委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと、受任者が後見開始の審判を受けたことによって終了すると定めている。委任契約が当事者間の人的信頼関係を基礎とすることの現れである。

他の選択肢が不適切な理由
653条は当事者の死亡を終了事由として定めており、死亡によっても当然には終了せず常に相続人に引き継がれるとする点は誤り。委任の終了事由は653条に法定されているものであり、当事者間の合意によって定められる事項に限定されるとする点は誤り。単なる体調不良は653条の終了事由に該当せず、法律上当然に終了するとする点は誤りである。
問62-5

委託者である個人オーナーが死亡した場合の管理受託契約の扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①委任者の死亡は終了事由とされるが、任意規定であり、相続人が地位を承継する特約も可能である
  • ②委任者の死亡があっても、法律上当然に相続人が地位を承継するため、特約を設ける余地はない
  • ③委任者の死亡は管理受託契約の終了事由にはあたらず、契約はそのまま当然に存続する
  • ④委任者の死亡があった場合でも、相続人の意思にかかわらず管理業者が契約を強制承継させられる
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正解 ①委任者の死亡は終了事由とされるが、任意規定であり、相続人が地位を承継する特約も可能である
解説
民法653条1号は委任者の死亡を終了事由として定めているが、この規定は任意規定と解されており、当事者間の特約により、委任者が死亡した場合でも契約上の地位を相続人が承継し契約が存続する旨を定めることができる。継続的な管理業務の実務では、こうした特約が置かれることがある。

他の選択肢が不適切な理由
653条は任意規定と解されており、特約なしに法律上当然に相続人が地位を承継するとする点は誤り。653条は委任者の死亡を終了事由として明文で定めており、一切あたらないとする点は誤り。相続人の意思にかかわらず管理業者が一方的に契約を強制的に承継させることを認める規定は存在せず誤りである。
問72-5

管理受託契約の更新に関する実務上の取扱いについて、最も適切なものはどれか。

  • ①管理受託契約には自動更新の定めを置くことが賃貸住宅管理業法上認められていない
  • ②契約更新の際は、必ず賃貸借契約書の全部を新たに作成し直さなければならない
  • ③契約書に自動更新条項を定め、申出がない限り更新する定めが実務上行われている
  • ④更新の可否は、行政庁が個別に審査して許可した場合にのみ認められる
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正解 ③契約書に自動更新条項を定め、申出がない限り更新する定めが実務上行われている
解説
管理受託契約の契約期間や更新の方法は当事者間の合意によって自由に定めることができ、実務上は、期間満了前の一定期間内に当事者いずれからも解約や更新拒絶の申出がない限り、従前と同一の条件で自動的に更新される旨の条項を設けることが広く行われている。

他の選択肢が不適切な理由
自動更新条項を置くこと自体を禁止する法律上の規定はなく誤り。管理受託契約の更新と、入居者との賃貸借契約書の作成とは別個の手続であり、管理受託契約の更新の都度、賃貸借契約書の全部を作成し直す必要はなく誤り。管理受託契約の更新に行政庁の審査・許可を要する制度は存在せず誤りである。
問82-5

管理業者が管理業務を第三者に再委託する場合に関する賃貸住宅管理業法上の規律について、最も適切なものはどれか。

  • ①管理業務の再委託は、その全部・一部を問わず、賃貸住宅管理業法上禁止されている
  • ②再委託は委託者への事前の通知なく自由に行うことができ、契約書への記載も不要である
  • ③再委託先は、必ず賃貸住宅管理業の登録を受けた業者の中から選ばなければならない
  • ④管理業務の全部を再委託することは禁止されているが、一部の再委託は禁止されていない
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正解 ④管理業務の全部を再委託することは禁止されているが、一部の再委託は禁止されていない
解説
賃貸住宅管理業法は、管理業者が委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に再委託することを禁止している。他方、管理業務の一部を再委託することは、この規定によって直ちに禁止されるものではない。

他の選択肢が不適切な理由
禁止されているのは管理業務の全部の再委託であり、一部の再委託まで一律に禁止されているとする点は誤り。一部再委託に関する定めがあるときはその内容を契約締結時の書面に記載すべき事項とされており、通知や記載が一切不要とする点は誤り。再委託先が賃貸住宅管理業の登録業者であることを一律に要求する規定はなく誤りである。
問92-5

管理業者が管理業務の一部を再委託した場合の責任の所在に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①委託者との関係では、再委託先の業務の実施についても元の管理業者が責任を負う
  • ②再委託が行われた範囲については、元の管理業者は委託者に対して責任を負わなくなる
  • ③再委託先が起こした事故については、委託者が再委託先に直接責任を追及するほかない
  • ④再委託を行った場合、元の管理受託契約はその時点で当然に終了することになる
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正解 ①委託者との関係では、再委託先の業務の実施についても元の管理業者が責任を負う
解説
管理業務の一部を再委託した場合であっても、委託者との間で管理受託契約を締結しているのは元の管理業者であるから、再委託先の業務の実施についても委託者との関係では元の管理業者が責任を負う。元の管理業者は、再委託期間中も責任をもって再委託先を指導監督することが求められる。

他の選択肢が不適切な理由
再委託を行っても元の管理業者と委託者との管理受託契約関係は存続しており、一切の責任を負わなくなるとする点は誤り。委託者は元の管理業者との契約関係に基づき元の管理業者に責任を追及できるのであり、再委託先に直接責任追及するほかないとする点は誤り。一部再委託は管理受託契約に基づく履行方法の一つにすぎず、これにより元の契約が当然に終了するとする点は誤りである。
問102-5

管理業者が受託した管理業務を複数の業者に分割し、そのすべてを再委託して自らは業務を行わなかった場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①分割した個々の再委託は一部の再委託にあたるため、いずれも適法である
  • ②分割であっても結果として全部を再委託する行為にあたり、法に違反する
  • ③再委託先がいずれも登録業者であれば、分割して全部を委託しても問題はない
  • ④委託者から書面による承諾を得ていれば、全部の再委託も適法に行うことができる
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正解 ②分割であっても結果として全部を再委託する行為にあたり、法に違反する
解説
賃貸住宅管理業法は、委託者から委託を受けた管理業務の全部を他の者に再委託することを禁止している。この禁止は、いったん業務を複数の業者に分割したうえでそのすべてを再委託し、管理業者自身が管理業務を一切行わない場合にも及ぶ。国土交通省の賃貸住宅標準管理受託契約書も、管理業務を一括して他の者に委託することを禁じたうえで、業務を複数の者に分割して全て委託することも禁止される旨を明らかにしている。

他の選択肢が不適切な理由
分割された個々の委託だけを取り出せば一部の再委託に見えても、全体として管理業務のすべてが他者に委ねられている以上、いずれも適法とする点は誤り。再委託先が賃貸住宅管理業の登録を受けた業者であるかどうかは全部再委託の禁止の適用を左右しないため、登録業者であれば問題ないとする点は誤り。全部再委託の禁止は管理業者に対する業者規制であり、委託者の書面による承諾があっても適法とはならないため誤りである。

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