2026年版・1-12

賃貸住宅管理・不動産業界の現状と総論の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「賃貸住宅管理業法」から、賃貸住宅管理・不動産業界の現状と総論に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-12

賃貸住宅管理業法第1条が定める法律の目的に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸住宅管理業の登録制度等を設け、入居者の居住の安定の確保を図ることを目的とする。
  • ②賃貸住宅の構造耐力や設備に関する技術的な基準を定めることのみを目的に制定された。
  • ③宅地建物取引業者が受領することのできる媒介報酬の上限を定めることを目的としている。
  • ④全国の賃貸住宅の家賃の水準を国が一律に決定し統制することを目的としている。
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正解 ①賃貸住宅管理業の登録制度等を設け、入居者の居住の安定の確保を図ることを目的とする。
解説
第1条は、賃貸住宅の入居者の居住の安定の確保及び賃貸住宅の賃貸に係る事業の公正かつ円滑な実施を図るため、賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度を設けてその業務の適正な運営を確保するとともに、特定賃貸借契約の適正化のための措置等を講ずることにより、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図り、もって国民生活の安定向上及び国民経済の発展に寄与することを目的とすると定めている。管理業務の適正化とサブリース規制という二本柱で構成される法律である。

他の選択肢が不適切な理由
建築物の構造耐力や設備に関する技術的基準は建築基準法等が定める領域であり、本法の目的ではない。媒介報酬の上限は宅地建物取引業法が定める事項である。家賃水準を国が決定し統制することも、本法が予定する制度ではない。
問21-12

賃貸住宅管理業法が制定された社会的背景に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①サブリース契約をめぐる家賃減額や契約解除のトラブルが社会問題化したことが背景となった。
  • ②賃貸住宅の空室が全国的に解消し、深刻な供給不足への対応が必要となったことが背景となった。
  • ③持家世帯の急激な増加により賃貸住宅の需要が急減したことが、法制定の直接の契機となった。
  • ④賃貸住宅の家賃が自治体により一律に定められていたことへの対応として法律が制定された。
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正解 ①サブリース契約をめぐる家賃減額や契約解除のトラブルが社会問題化したことが背景となった。
解説
家賃保証をうたうサブリース契約をめぐり、想定と異なる家賃減額や、事業者側からの契約解除により賃貸人が不利益を被る事例が多発し社会問題化したことが、賃貸住宅管理業法制定の重要な背景の一つとなった。これを受けて特定賃貸借契約の適正化のための措置が同法に盛り込まれた。

他の選択肢が不適切な理由
空室の全国的な解消による供給不足や、持家世帯の急増による賃貸住宅需要の急減は、いずれも実際の住宅事情の傾向と異なる。家賃が自治体により一律に定められていたという前提も、我が国の家賃制度の実態と異なる。
問31-12

賃貸住宅の所有者が管理業務を賃貸住宅管理業者に委託する必要性が高まっている背景として、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸住宅の所有者の高齢化や遠隔地に居住する所有者の増加により、自ら管理を行うことが難しい。
  • ②賃貸住宅の入居者数が全国的に大きく減少し続けており、管理業務そのものの必要性が失われつつある。
  • ③賃貸住宅の建築技術が飛躍的に向上したことにより、建物の維持管理を要しなくなったためである。
  • ④賃貸住宅の所有者の大多数が、不動産に関する専門的な資格を保有するようになったためである。
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正解 ①賃貸住宅の所有者の高齢化や遠隔地に居住する所有者の増加により、自ら管理を行うことが難しい。
解説
賃貸住宅の所有者の高齢化が進む一方、相続等により所有物件から離れた場所に居住する所有者も増えており、自ら日常的な管理業務を行うことが難しい所有者が増加している。こうした背景から、専門的な知識を有する賃貸住宅管理業者への委託の必要性が高まっている。

他の選択肢が不適切な理由
入居者数の減少により管理業務の必要性が失われるという見方、建築技術の向上により維持管理が不要になったとする見方、所有者の大多数が専門資格を保有するようになったとする見方は、いずれも実際の住宅事情や管理需要の高まりとは整合しない。
問41-12

我が国の住宅事情に関する一般的な傾向についての記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①総住宅数に占める賃貸住宅の割合は一定の水準を占め、管理業務を第三者に委託する割合も高い。
  • ②我が国の住宅はそのほとんどが自己所有の持家であり、賃貸住宅はごく例外的な存在にとどまっている。
  • ③賃貸住宅の管理業務の大半は所有者本人が自ら行っており、外部への委託は例外的にとどまる。
  • ④賃貸住宅の戸数は、近年に至るまで一貫して大幅な減少を続けているものと理解されている。
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正解 ①総住宅数に占める賃貸住宅の割合は一定の水準を占め、管理業務を第三者に委託する割合も高い。
解説
我が国の総住宅数に占める賃貸住宅の割合は一定の水準を占め続けており、その多くについて所有者が管理業務を賃貸住宅管理業者等の第三者に委託している実態がある。こうした管理の外部委託の広がりを踏まえ、管理業務の適正化を図る必要性が高まったことが法制定の背景の一つである。

他の選択肢が不適切な理由
賃貸住宅がごく例外的な存在にとどまるとする見方、管理業務の大半を所有者本人が行っているとする見方、賃貸住宅の戸数が近年一貫して大幅に減少しているとする見方は、いずれも我が国の住宅事情の一般的な傾向と異なる。
問51-12

賃貸不動産経営管理士に期待される社会的役割に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①専門的な知識を活かし、賃貸人と入居者双方の利益に配慮した適正な管理業務の実施に寄与する。
  • ②賃貸人から委託を受けた立場として、賃貸人の家賃収入の最大化のみを職務とする専門家である。
  • ③入居者の代理人として、賃貸人に対し入居者の要望の実現を求めることを職務とする専門家である。
  • ④賃貸住宅の建築確認申請を単独で行う権限を、法律上当然に与えられている専門家である。
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正解 ①専門的な知識を活かし、賃貸人と入居者双方の利益に配慮した適正な管理業務の実施に寄与する。
解説
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理に関する専門的な知識と実務経験を有する者として、賃貸人と入居者の双方に配慮しつつ、賃貸住宅の適正な管理業務の実施や良好な賃貸借関係の構築に寄与することが期待されている。

他の選択肢が不適切な理由
賃貸人の家賃収入の最大化のみを職務とする見方や、入居者の代理人として要望の実現を求めることを職務とする見方は、いずれも双方の利益に配慮するという役割の趣旨と異なる。建築確認申請を単独で行う権限を有するという見方も、賃貸不動産経営管理士の職務範囲とは異なる。
問61-12

空き家の増加という社会的課題と賃貸住宅管理業との関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①適切な管理が行われず放置される住宅の増加が課題となり、専門的な担い手の重要性が高まる。
  • ②空き家が増加しているという課題は賃貸住宅管理業とは無関係であり、法制度上の関連付けもない。
  • ③空き家の問題は、賃貸住宅管理業法の制定によってすでに解消されたと考えられている。
  • ④空き家は法律上当然に賃貸住宅として扱われ、管理業法の登録の対象と同一視される。
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正解 ①適切な管理が行われず放置される住宅の増加が課題となり、専門的な担い手の重要性が高まる。
解説
適切な管理が行われないまま放置される住宅の増加は防犯・防災・景観等の観点から社会的課題となっており、賃貸住宅として有効に活用しつつ適切な管理を行う専門的な担い手の重要性が高まっている。この点は賃貸住宅管理業の意義を考える上での背景の一つとなる。

他の選択肢が不適切な理由
空き家の増加が賃貸住宅管理業と無関係であるとする見方は、両者の関連性を否定しており実態と異なる。賃貸住宅管理業法の制定によって空き家問題が解消されたとする見方も過大である。空き家であっても賃貸の用に供されることが明らかでなければ賃貸住宅管理業法上の賃貸住宅にはあたらないため、当然に賃貸住宅として扱われるとする見方も誤りである。
問71-12

賃貸住宅管理業法と賃貸不動産経営管理士に関する制度の経緯についての記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸不動産経営管理士は、同法の業務管理者の要件との関係で位置付けが明確化された。
  • ②賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法の制定と同時に新たに創設された資格である。
  • ③賃貸不動産経営管理士は、宅地建物取引士と同一の資格であり名称のみが異なっている。
  • ④賃貸不動産経営管理士の資格は、特定転貸事業者の登録を受けるために必要な要件の一つである。
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正解 ①賃貸不動産経営管理士は、同法の業務管理者の要件との関係で位置付けが明確化された。
解説
賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理業法の制定より前から業界団体による資格制度として実施されていたが、同法の施行により、賃貸住宅管理業者が営業所又は事務所ごとに選任すべき業務管理者の要件との関係で位置付けが明確化された。業務管理者の要件は、管理業務に関し2年以上の実務経験を有する者等で、国土交通大臣の登録を受けた登録証明事業による証明を受けている者、又は宅地建物取引士で国土交通大臣が指定する講習を修了した者とされている。

他の選択肢が不適切な理由
賃貸住宅管理業法の制定と同時に創設された資格であるとする点は、同法制定前から資格制度が存在していた経緯と異なる。宅地建物取引士と同一の資格であるとする点も、両資格を混同している。特定転貸事業者の登録要件とする点も、特定転貸事業者に登録制度自体が存在しない点と整合しない。
問81-12

賃貸住宅管理業法が制定される以前に存在した賃貸住宅管理業者登録制度と、同法による登録制度との違いに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①従前は任意の登録制度であったが、現行法では一定規模以上の管理業を営む者に登録が義務付けられた。
  • ②従前の制度も賃貸住宅管理業法による制度もいずれも任意の登録制度であり、義務化は行われていない。
  • ③従前の制度では登録が義務であったが、賃貸住宅管理業法により任意の制度へと改められた。
  • ④従前の制度と賃貸住宅管理業法による制度は、規制の対象や登録の要否について同一である。
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正解 ①従前は任意の登録制度であったが、現行法では一定規模以上の管理業を営む者に登録が義務付けられた。
解説
賃貸住宅管理業法の制定前には任意の登録制度が設けられていたが、実効性に限界があった。賃貸住宅管理業法では、賃貸住宅管理業を営もうとする者に国土交通大臣の登録を受けることを義務付け、管理戸数が国土交通省令で定める規模(200戸)未満である場合のみを登録義務の対象外としており、より実効性のある規制の仕組みへと改められた点が大きな違いである。

他の選択肢が不適切な理由
両制度とも任意であるとする見方や、従前の制度が義務でありその後任意に改められたとする見方は、法制定による義務化の方向性と逆である。両制度が同一であるとする見方も、義務化という重要な変更点を無視している。
問91-12

賃貸住宅管理業者、特定転貸事業者及び勧誘者の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①管理業者は管理業務を受託し、特定転貸事業者は借り上げて転貸し、勧誘者は勧誘を行う。
  • ②賃貸住宅管理業者、特定転貸事業者及び勧誘者の三者は、法律上同一の規律に服する者である。
  • ③特定転貸事業者は、あらかじめ賃貸住宅管理業者としての登録を受けた者に限られている。
  • ④勧誘者とは、賃貸住宅の入居者として特定転貸事業者から住戸を借り受ける者をいう。
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正解 ①管理業者は管理業務を受託し、特定転貸事業者は借り上げて転貸し、勧誘者は勧誘を行う。
解説
賃貸住宅管理業者は所有者から管理業務の委託を受けて業務を行う者であるのに対し、特定転貸事業者は所有者から賃貸住宅を借り上げて入居者に転貸する者であり、勧誘者は特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結について勧誘を行わせる者である。それぞれ法律上異なる立場に置かれ、適用される規律も異なる。

他の選択肢が不適切な理由
三者が同一の規律に服するとする点は、それぞれに異なる規律が及ぶ実態と異なる。特定転貸事業者が賃貸住宅管理業の登録を受けた者に限られるとする点も、特定転貸事業者に登録制度自体が存在しない点と整合しない。勧誘者を入居者と同視する点も誤りである。
問101-12

賃貸住宅管理業法が目指す当事者間の関係のあり方に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①管理業務や特定賃貸借契約に関する情報を開示させ、当事者間の透明性を確保しようとしている。
  • ②当事者間の情報の非対称性をあえて維持することにより、事業者の裁量を広く確保しようとしている。
  • ③賃貸人と入居者との間の契約関係のみを規律し、管理業者や特定転貸事業者は対象外とする。
  • ④契約内容の開示や説明を最小限にとどめ、迅速な契約の締結を優先する制度設計としている。
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正解 ①管理業務や特定賃貸借契約に関する情報を開示させ、当事者間の透明性を確保しようとしている。
解説
賃貸住宅管理業法は、重要事項説明や締結時書面の交付等を通じて管理業務や特定賃貸借契約に関する情報を適切に開示させることで、専門的な知識を持つ事業者側とオーナーとの間の情報格差を是正し、当事者間の透明性を高め、良好な賃貸借関係の構築を図ろうとする法律である。

他の選択肢が不適切な理由
情報の非対称性を維持し事業者の裁量を確保しようとする見方は、情報開示を求める同法の趣旨と正反対である。賃貸人と入居者の契約関係のみを規律するとする見方も、管理業者や特定転貸事業者を規律の中心に据える法律の構造と異なる。開示や説明を最小限にとどめるとする見方も、丁寧な説明義務を求める趣旨に反する。

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