2026年版・1-13

管理業者・特定転貸事業者の付随的義務(名義貸し・再委託・秘密保持・書類閲覧等)の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「賃貸住宅管理業法」から、管理業者・特定転貸事業者の付随的義務(名義貸し・再委託・秘密保持・書類閲覧等)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-13

賃貸住宅管理業法第32条により特定転貸事業者が営業所又は事務所に備え置くべき書類の内容として、最も適切なものはどれか。

  • ①業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面である
  • ②管理受託契約の締結年月日及び報酬の額を委託者ごとに記載した帳簿である
  • ③特定賃貸借契約の相手方ごとに家賃の収納状況を記載した一覧表である
  • ④特定賃貸借契約重要事項説明書及び契約締結時書面の写しの一式である
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正解 ①業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書又はこれらに代わる書面である
解説
第32条は、特定転貸事業者に対し、その業務及び財産の状況を記載した書類を営業所又は事務所に備え置き、閲覧させることを義務づけている。この書類の具体的な内容は国土交通省令に委ねられており、所定の様式による業務状況調書と、貸借対照表及び損益計算書、又はこれらに代わる書面がこれにあたる。これらに代わる書面としては、貸借対照表や損益計算書を包含する有価証券報告書などが想定されている。

他の選択肢が不適切な理由
「管理受託契約の締結年月日及び報酬の額を委託者ごとに記載した帳簿」は、賃貸住宅管理業者に第18条が備付けを義務づける業務に関する帳簿の記載事項であり、特定転貸事業者の備置書類とは制度が異なる。「特定賃貸借契約の相手方ごとに家賃の収納状況を記載した一覧表」については、そのような書類の備置きを義務づける定めが置かれていない。「特定賃貸借契約重要事項説明書及び契約締結時書面の写しの一式」も、契約の相手方へ交付すべき書面であって、備置きと閲覧の対象として定められた書類ではない。
問21-13

特定転貸事業者が備え置くべき業務状況調書等について、その作成の期限を述べたものとして最も適切なものはどれか。

  • ①事業年度ごとに、その事業年度が経過した後6か月以内に作成するものとされる
  • ②事業年度ごとに、その事業年度が経過した後3か月以内に作成するものとされる
  • ③特定賃貸借契約を締結するごとに、その契約日から1か月以内に作成する
  • ④相手方から閲覧の求めを受けた後、遅滞なく作成すれば足りるものとされる
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正解 ②事業年度ごとに、その事業年度が経過した後3か月以内に作成するものとされる
解説
国土交通省令は、特定転貸事業者に対し、業務状況調書等を事業年度ごとに当該事業年度経過後3か月以内に作成し、遅滞なく営業所又は事務所ごとに備え置くことを求めている。閲覧を求める者が最新の業務及び財産の状況を確認できるようにする趣旨であり、作成の期限と備置きの時期の双方が定められている点に特徴がある。

他の選択肢が不適切な理由
「その事業年度が経過した後6か月以内に作成する」という記述は、期限を実際の定めより長く述べており、省令が定める期間と一致しない。「特定賃貸借契約を締結するごとに、その契約日から1か月以内に作成する」という記述は、契約を単位として作成される書類との混同であり、業務状況調書等は事業年度を単位として作成される。「相手方から閲覧の求めを受けた後、遅滞なく作成すれば足りる」という記述も、あらかじめ作成して備え置いておくことを求める制度の趣旨に反する。
問31-13

特定転貸事業者Aが、ある事業年度に係る業務状況調書等を作成し、営業所に備え置いた。この書類を備え置くべき期間として、最も適切なものはどれか。

  • ①備え置かれた日から起算して5年を経過する日までの間、備え置くものとされる
  • ②各事業年度の末日をもって閉鎖した上で、閉鎖後5年間保存するものとされる
  • ③備え置かれた日から起算して3年を経過する日までの間、備え置くものとされる
  • ④特定賃貸借契約が終了する日までの間、継続して備え置くものとされている
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正解 ③備え置かれた日から起算して3年を経過する日までの間、備え置くものとされる
解説
業務状況調書等は、営業所又は事務所に備え置かれた日から起算して3年を経過する日までの間、当該営業所又は事務所に備え置くものとされ、その営業時間中に相手方等の求めに応じて閲覧させなければならない。備置きの起算点が作成日ではなく備え置かれた日である点、及び閲覧に応じるべき時間帯が営業時間中とされている点が押さえどころとなる。

他の選択肢が不適切な理由
「備え置かれた日から起算して5年を経過する日までの間」という記述は、期間を実際の定めより長く述べたものである。「各事業年度の末日をもって閉鎖した上で、閉鎖後5年間保存する」という記述は、賃貸住宅管理業者が備え付ける業務に関する帳簿の保存方法であり、備置きの日を起算点とする業務状況調書等の取扱いとは異なる。「特定賃貸借契約が終了する日までの間、継続して備え置く」という記述も、契約の存続期間を基準とするものであって、省令が定める期間の定め方と一致しない。
問41-13

特定転貸事業者に対し、業務状況調書等の閲覧を求めることができる者の範囲として、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸住宅の転借人又はその転借人となろうとする入居希望者
  • ②特定転貸事業者に融資を行う金融機関その他の債権者一般
  • ③勧誘者として選任された者及びその使用人その他の従業者
  • ④特定賃貸借契約の相手方又はその相手方となろうとする者
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正解 ④特定賃貸借契約の相手方又はその相手方となろうとする者
解説
第32条は、特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者の求めに応じて閲覧させなければならないと定めている。特定賃貸借契約の相手方とは賃貸住宅を特定転貸事業者に貸す賃貸人、すなわちオーナーであり、これから契約を締結しようとする者も含まれる。契約を締結するかどうかを判断する材料として、事業者の業務及び財産の状況を確認できるようにする趣旨である。

他の選択肢が不適切な理由
「賃貸住宅の転借人又はその転借人となろうとする入居希望者」は、特定転貸事業者から住戸を借りる入居者であって、第32条が閲覧を求めることができる者として定める範囲には含まれない。「特定転貸事業者に融資を行う金融機関その他の債権者一般」も、条文が対象とする者にあたらない。「勧誘者として選任された者及びその使用人その他の従業者」は、特定賃貸借契約の締結を勧誘する側に立つ者であり、閲覧を求める立場として規定されているものではない。
問51-13

業務状況調書等を書面ではなく電子計算機に備えられたファイル等に記録して取り扱う場合の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①電磁的記録による作成は認められておらず、紙面の書類として備え置くものとされる
  • ②必要に応じ明確に紙面へ表示できるときは、記録をもって書類への記載に代えられる
  • ③電磁的記録により作成する場合には、あらかじめ国土交通大臣の承認を要するとされる
  • ④電磁的記録により作成した場合、閲覧は紙面へ印刷して交付する方法に限られている
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正解 ②必要に応じ明確に紙面へ表示できるときは、記録をもって書類への記載に代えられる
解説
業務状況調書等が電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体に記録され、必要に応じて営業所又は事務所ごとに機器を用いて明確に紙面へ表示されるときは、その記録をもって書類への記載に代えることができる。この場合の閲覧は、紙面に表示する方法のほか、営業所又は事務所に設置された入出力装置の映像面に表示する方法によって行うこととされている。

他の選択肢が不適切な理由
「電磁的記録による作成は認められておらず、紙面の書類として備え置く」という記述は、記録による代替を明文で認めている省令の定めと相容れない。「あらかじめ国土交通大臣の承認を要する」という記述についても、そのような承認の手続は定められていない。「閲覧は紙面へ印刷して交付する方法に限られている」という記述は、映像面への表示による閲覧が認められている点を見落としたものであり、また閲覧は書面の交付とは異なる。
問61-13

業務状況調書等の備置き又は閲覧に関する義務に違反した特定転貸事業者に科される罰則として、最も適切なものはどれか。

  • ①30万円以下の罰金に処せられ、拘禁刑を科する定めは置かれていない
  • ②50万円以下の罰金に処せられ、拘禁刑を科する定めは置かれていない
  • ③6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金に処せられることがある
  • ④1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金に処せられることがある
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正解 ①30万円以下の罰金に処せられ、拘禁刑を科する定めは置かれていない
解説
書類を備え置かず、相手方等の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置いて閲覧させた場合は、30万円以下の罰金に処せられる。この違反類型については罰金刑のみが定められており、自由刑を併せて科する定めは置かれていない。廃業等の届出義務違反や帳簿の備付義務違反などと同じ水準の罰則が用意されている。

他の選択肢が不適切な理由
「50万円以下の罰金に処せられ、拘禁刑を科する定めは置かれていない」という記述は、罰金の上限額を実際の定めより高く述べている。「6月以下の拘禁刑若しくは50万円以下の罰金」は、業務停止命令への違反などに定められた法定刑であり、書類の備置き及び閲覧の義務違反に対するものではない。「1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金」も、無登録で賃貸住宅管理業を営んだ場合などに定められた重い法定刑であって、この違反類型にあたるものではない。
問71-13

賃貸住宅管理業法第11条の名義貸しの禁止に違反して他人に賃貸住宅管理業を営ませた者の法定刑について、他の義務違反との比較として最も適切なものはどれか。

  • ①営業所又は事務所ごとの帳簿の備付義務に違反した場合と同じ水準の法定刑となる
  • ②業務上知り得た秘密を漏らして秘密保持義務に違反した場合と同じ水準の刑となる
  • ③登録を受けずに賃貸住宅管理業を営んだ場合と同じ水準の法定刑が定められている
  • ④従業者に証明書を携帯させる義務に違反した場合と同じ水準の法定刑が科される
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正解 ③登録を受けずに賃貸住宅管理業を営んだ場合と同じ水準の法定刑が定められている
解説
名義貸しの禁止に違反して他人に賃貸住宅管理業を営ませた場合は、無登録で賃貸住宅管理業を営んだ場合や不正の手段により登録を受けた場合と同じ条文に規定されており、1年以下の拘禁刑若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するという最も重い水準の法定刑が定められている。名義貸しが登録制度そのものを実質的に無意味にする行為であることが、この重さの理由である。

他の選択肢が不適切な理由
「営業所又は事務所ごとの帳簿の備付義務に違反した場合」「業務上知り得た秘密を漏らして秘密保持義務に違反した場合」「従業者に証明書を携帯させる義務に違反した場合」は、いずれも30万円以下の罰金が定められた違反類型であり、拘禁刑と罰金の併科まで予定された名義貸しの法定刑とは水準が異なる。名義貸しは、これらの業務上の義務違反よりも重く位置づけられている。
問81-13

賃貸住宅管理業法第21条第2項により秘密保持義務が課される「従業者」の範囲に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①管理業者と直接の雇用関係にある者に限られ、派遣された労働者は含まれないとされる
  • ②管理業者の役員及び業務管理者に選任された者に限られ、一般の従業員は含まれない
  • ③管理業務の一部の再委託を受けて業務を行う者は、その範囲に含まれないとされている
  • ④管理業者の指揮命令に服して業務に従事する者は、直接の雇用関係になくても含まれる
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正解 ④管理業者の指揮命令に服して業務に従事する者は、直接の雇用関係になくても含まれる
解説
秘密保持義務が課される従業者とは、賃貸住宅管理業者の指揮命令に服してその業務に従事する者をいい、再委託契約に基づき管理業務の一部の再委託を受ける者のように、管理業者と直接の雇用関係にない者であっても含まれるものとされている。この義務は、その者が従業者でなくなった後においても同様に及ぶ。

他の選択肢が不適切な理由
「管理業者と直接の雇用関係にある者に限られ、派遣された労働者は含まれない」という記述は、指揮命令に服して業務に従事しているかどうかを基準とする考え方と相容れない。「管理業者の役員及び業務管理者に選任された者に限られ、一般の従業員は含まれない」という記述も、範囲を不当に狭く述べている。「管理業務の一部の再委託を受けて業務を行う者は、その範囲に含まれない」という記述は、まさに含まれる例として挙げられている者を除外している点で誤りである。
問91-13

一時的に賃貸住宅管理業の業務に従事する者へ携帯させる従業者証明書の有効期間の取扱いとして、最も適切なものはどれか。

  • ①他の者と同様に、賃貸住宅管理業の登録の有効期間に合わせて発行するとされる
  • ②他の者とは異なり、その業務に従事する期間に限って発行することとされている
  • ③一時的に従事するにとどまる者については、証明書の発行自体が不要とされている
  • ④発行の日から1年を経過する日までを有効期間として発行することとされている
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正解 ②他の者とは異なり、その業務に従事する期間に限って発行することとされている
解説
従業者証明書を携帯させるべき者の範囲は、賃貸住宅管理業者の責任の下でその営む賃貸住宅管理業に従事する者とされており、単に一時的に業務に従事する者についても携帯させる必要がある。もっとも、その証明書の有効期間については他の者と異なる取扱いがされ、業務に従事する期間に限って発行することとされている。

他の選択肢が不適切な理由
「賃貸住宅管理業の登録の有効期間に合わせて発行する」という記述は、一時的な従事者について期間を限って発行するという取扱いと一致しない。「一時的に従事するにとどまる者については、証明書の発行自体が不要」という記述は、業務に従事する以上は携帯させる必要があるという原則を誤ったものである。なお、直接の雇用関係にある者であっても内部管理事務に限って従事する者には携帯の義務がないが、これは従事する業務の内容による区別であり、一時的かどうかによる区別ではない。「発行の日から1年を経過する日までを有効期間とする」という記述についても、そのような一律の期間は定められていない。
問101-13

賃貸住宅管理業者が、契約を締結することなく自己の名義で他者に管理業務を行わせた場合の評価として、最も適切なものはどれか。

  • ①業務の一部にとどまる限り、適法な一部の再委託として取り扱うことができるとされる
  • ②委託者へ事後に報告をしていれば、契約によらない場合でも適法な再委託と扱われる
  • ③名義貸しに該当する場合があり、再委託は契約を締結した上で行う必要があるとされる
  • ④行わせた相手方が登録を受けた業者であれば、名義貸しに該当する余地はないとされる
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正解 ③名義貸しに該当する場合があり、再委託は契約を締結した上で行う必要があるとされる
解説
管理業務の一部を他者に行わせること自体は再委託として認められる余地があるが、契約によらずに管理業務を自らの名義で他者に行わせる場合には名義貸しに該当する場合があるとされており、再委託は契約を締結して行うことが必要である。名義貸しの禁止は、実質的な業務の担い手と名義上の担い手が食い違う状態を防ぐ趣旨であるから、再委託の形式を整えているかどうかが重要な意味を持つ。

他の選択肢が不適切な理由
「業務の一部にとどまる限り、適法な一部の再委託として取り扱うことができる」という記述は、量の多寡だけで判断できるとする点で誤りであり、契約に基づかない名義の使用である点が問題となる。「委託者へ事後に報告をしていれば、契約によらない場合でも適法な再委託と扱われる」という記述も、事後の報告によって名義貸しの評価が左右されるものではない。「行わせた相手方が登録を受けた業者であれば、名義貸しに該当する余地はない」という記述は、相手方の登録の有無にかかわらず、自己の名義で他人に業を営ませる点が禁止の対象となることを見落としている。

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