2026年版・2-15

海岸・港湾の構造物と浚渫工の一問一答

2級土木施工管理技士「専門土木」から、海岸・港湾の構造物と浚渫工に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-15

海岸堤防の型式に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①傾斜型は、比較的軟弱な地盤にも用いることができる型式だ
  • ②直立型は、堤防の前面を緩やかな斜面として造る型式である
  • ③混成型は、堤防の全体を土だけで盛り上げて造る型式である
  • ④傾斜型は、前面の水深が特に深い場所に限って用いられる
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正解 ①傾斜型は、比較的軟弱な地盤にも用いることができる型式だ
解説
海岸堤防は、前面の形によって傾斜型・直立型・混成型に分けられます。
傾斜型は、前面を緩やかな斜面にした型式で、堤体の底面が広く荷重が分散するため、比較的軟弱な地盤にも用いることができます。
また波の力を斜面で受け流すため、洗掘に対して比較的強く、被災しても部分的な補修で復旧しやすいという利点があります。
直立型は、前面が垂直に近い型式で、堅固な地盤で前面の水深が確保できる場所に適し、用地が狭い場合にも有利です。
混成型は、下部を傾斜型、上部を直立型とした型式で、両者の特徴を併せもち、水深が大きい場所や地盤が中程度の場所に用いられます。
本試験では、型式と適する地盤・水深の組合せが問われます。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準)

他の選択肢が不適切な理由
「直立型は前面を緩やかな斜面として造る」は誤りで、緩やかな斜面とするのは傾斜型です。
「混成型は全体を土だけで盛り上げて造る」も誤りで、混成型は下部の傾斜部と上部の直立部を組み合わせた型式です。
「傾斜型は水深が特に深い場所に限って用いられる」も誤りで、傾斜型は水深が比較的浅い場所に適します。
問22-15

海岸堤防を構成する各部の名称に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①表法被覆工は、堤防の海側の斜面を波から守る部分である
  • ②根固工は、堤防の基礎の前面が洗い掘られるのを防ぐ
  • ③基礎工は、堤防の天端に設けて越波した水を集める部分だ
  • ④波返工は、堤防の天端で波が越えるのを抑える部分である
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正解 ③基礎工は、堤防の天端に設けて越波した水を集める部分だ
解説
基礎工は、堤防の最も下にあって堤体を支える部分で、地盤に荷重を伝え、不同沈下やすべりを防ぐ役割を担います。天端に設けて越波した水を集める部分ではありません。
越波した水を受けて陸側へ導くのは、天端の裏側に設ける裏法被覆工や排水施設の役割です。
海岸堤防の各部は、海側から順に、堤脚を守る根固工、その上の基礎工、斜面を覆う表法被覆工、天端の波返工と天端被覆工、陸側の裏法被覆工という構成になります。
根固工は、波によって基礎の前面の土砂が洗い流される洗掘を防ぐために、捨石や異形ブロックを敷き並べたものです。
本試験では、各部の名称と位置・役割の組合せが問われます。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準)

他の選択肢が不適切な理由
「表法被覆工は海側の斜面を波から守る」は正しく、コンクリートブロックなどで覆います。
「根固工は基礎の前面が洗い掘られるのを防ぐ」も正しく、堤防の足元を守る重要な部分です。
「波返工は天端で波が越えるのを抑える」も正しく、上部を陸側に湾曲させて波を沖へ返します。
問32-15

消波工に用いる異形コンクリートブロックに関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①層積みは、規則正しく整然と据え付けるため施工に手間がいる
  • ②乱積みは、規則正しく並べるため熟練した技術と手間を要する
  • ③層積みは、無造作に投入するだけでよいので施工が容易である
  • ④乱積みは、層積みよりも同じ質量のブロックで安定性が高い
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正解 ①層積みは、規則正しく整然と据え付けるため施工に手間がいる
解説
消波工は、堤防や防波堤の前面に異形コンクリートブロックを積んで、波のエネルギーをブロックのすき間で減らす施設です。
据付けの方法には乱積みと層積みがあります。
層積みは、ブロックを設計どおりの位置に規則正しく整然と並べる方法で、外観がよく、同じ質量のブロックでも安定性が高くなります。一方で、正確な位置に据えるための手間と技術が必要で、海が荒れると作業しにくくなります。
乱積みは、ブロックを比較的自由に投入して積む方法で、施工は容易です。据付け後に波の作用で沈下し、ブロックどうしがかみ合って安定していく性質があります。
本試験では、この2つの方法の施工性と安定性を入れ替えた形で問われます。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準)

他の選択肢が不適切な理由
「乱積みは規則正しく並べるため熟練した技術と手間を要する」は誤りで、規則正しく並べるのは層積みです。
「層積みは無造作に投入するだけでよい」も誤りで、それは乱積みの説明にあたります。
「乱積みは層積みよりも同じ質量で安定性が高い」も誤りで、同じ質量なら整然と並べる層積みのほうが安定します。
問42-15

海岸の侵食対策施設に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①離岸堤は、汀線から沖に離して汀線に平行に設ける施設である
  • ②突堤は、汀線に直角方向に設けて沿岸の漂砂を制御する施設だ
  • ③人工リーフは、天端を水面下に置く潜堤形式の施設である
  • ④養浜は、海浜の砂を沖へ運び出して水深を深くする工法である
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正解 ④養浜は、海浜の砂を沖へ運び出して水深を深くする工法である
解説
養浜は、失われた砂浜を回復させるため、外部から砂を運び入れて海浜に供給する工法です。砂を沖へ運び出すのではなく、逆に補給する対策です。
砂浜そのものが波のエネルギーを減らす自然の防護施設であるため、砂浜を保つことが海岸を守る有効な方法になります。
離岸堤は、汀線(陸と海の境の線)から沖へ離し、汀線と平行に設ける構造物で、その背後に砂がたまって砂浜が回復する効果を狙います。
突堤は、汀線に直角に設け、岸に沿って流れる漂砂をせき止めて分布を調整します。
人工リーフは、天端を水面下に置く潜堤で、景観を損なわずに沖で波を砕かせる施設です。
本試験では、各施設の設置方向と目的の組合せが問われます。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準)

他の選択肢が不適切な理由
「離岸堤は汀線に平行に設ける」は正しく、背後への堆砂を期待する施設です。
「突堤は汀線に直角に設けて漂砂を制御する」も正しい説明です。
「人工リーフは天端を水面下に置く潜堤形式」も正しく、水面上に出さない点が特徴です。
問52-15

ケーソン式混成堤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①ケーソンは、海面に浮かべてえい航し据付け位置まで運ぶ
  • ②据付けは、ケーソン内部に注水して沈めることにより行う
  • ③中詰め後の蓋コンクリートは、打設せず開いたままとする
  • ④据付け後は、速やかに中詰めを行って安定を確保する
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正解 ③中詰め後の蓋コンクリートは、打設せず開いたままとする
解説
ケーソンは、鉄筋コンクリート製の箱形の構造物で、内部が仕切られた空洞になっています。
陸上で製作したケーソンを水に浮かべ、えい航して据付け位置まで運び、内部に注水して静かに沈めて所定の位置に据え付けます。
据え付けた直後のケーソンは、内部が空で軽く、波で動かされる危険があるため、速やかに砂や砂利などを詰める中詰めを行って重量を確保します。
中詰めが終わったら、その上に蓋コンクリートを打設して中詰め材が波で吸い出されるのを防ぎます。開いたままにすると中詰め材が流出し、重量も安定も失われるため、この記述は適当ではありません。
据付け作業は、波が静かな時期・時間帯を選んで行います。
本試験では、製作から据付け、中詰め、蓋コンクリートまでの手順が問われます。
(根拠:港湾の施設の技術上の基準)

他の選択肢が不適切な理由
「海面に浮かべてえい航する」は正しく、ケーソンの一般的な運搬方法です。
「注水して沈めることで据え付ける」も正しく、静かに沈設して位置を合わせます。
「据付け後速やかに中詰めを行う」も正しく、波による移動を防ぐために欠かせません。
問62-15

防波堤の型式に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①直立堤は、水深が浅く軟弱な地盤に最も適した型式である
  • ②傾斜堤は、捨石やブロックを台形に積み上げる型式である
  • ③混成堤は、上部を傾斜部、下部を直立部とする型式である
  • ④傾斜堤は、水深が大きい場所ほど材料が少なくて済む
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正解 ②傾斜堤は、捨石やブロックを台形に積み上げる型式である
解説
傾斜堤は、捨石や異形コンクリートブロックを台形の断面に積み上げて造る防波堤です。
底面が広く荷重が分散するため軟弱な地盤にも適応でき、材料の入手が容易で施工も比較的簡単です。ただし水深が大きくなるほど断面が大きくなり、必要な材料が急に増えるという弱点があります。
直立堤は、ケーソンなどの直立した壁で波を反射させる型式で、堅固な地盤と、波が砕けない十分な水深が必要です。
混成堤は、下部に捨石のマウンドを築き、その上に直立部を載せた型式で、水深が大きい場所に広く用いられます。上下の関係を逆に覚えないよう注意が必要です。
本試験では、型式と地盤・水深の条件の組合せが問われます。
(根拠:港湾の施設の技術上の基準)

他の選択肢が不適切な理由
「直立堤は水深が浅く軟弱な地盤に最も適する」は誤りで、直立堤には堅固な地盤と十分な水深が必要です。
「混成堤は上部を傾斜部、下部を直立部とする」も誤りで、下部が傾斜したマウンド、上部が直立部です。
「傾斜堤は水深が大きいほど材料が少なくて済む」も誤りで、水深が増すほど材料は急に増えます。
問72-15

浚渫船の種類と特徴に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①ポンプ浚渫船は、岩盤のような硬い地盤の掘削に最も適する
  • ②グラブ浚渫船は、岸壁の前面など狭い場所の浚渫に適する
  • ③ディッパー浚渫船は、軟らかい泥だけを扱う専用の船である
  • ④バケット浚渫船は、掘った土砂を扱えない構造の船である
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正解 ②グラブ浚渫船は、岸壁の前面など狭い場所の浚渫に適する
解説
浚渫(しゅんせつ)は、船が通れる水深を確保するために水底の土砂を掘り取る工事です。
グラブ浚渫船は、開閉するバケット(グラブ)をつり下げて土砂をつかみ取る船で、岸壁の前面や狭い水域、水深の大きい場所でも作業でき、適用範囲が広いのが特徴です。中小規模の浚渫で最も多く用いられます。
ポンプ浚渫船は、水と一緒に土砂を吸い上げて排砂管で送る船で、軟らかい土砂を大量に処理でき、埋立てと組み合わせやすいのが利点です。硬い地盤には向きません。
ディッパー浚渫船は、パワーショベルのような腕で強い力をかけて掘る船で、硬い土質に適します。
本試験では、船の種類と適する土質・場所の組合せが問われます。
(根拠:港湾工事における浚渫の一般的な施工方法によります)

他の選択肢が不適切な理由
「ポンプ浚渫船は岩盤のような硬い地盤に最も適する」は誤りで、ポンプ浚渫船は軟らかい土砂に適します。
「ディッパー浚渫船は軟らかい泥だけを扱う」も誤りで、硬い土質の掘削に力を発揮します。
「バケット浚渫船は掘った土砂を扱えない構造」も誤りで、多数のバケットを連続して回して土砂を掘り上げます。
問82-15

浚渫工事の施工と出来形の確認に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①出来形の確認測量には、音響測深機を用いるのが一般的である
  • ②浚渫の施工中は、潮位の変化を考えて水深を管理する
  • ③計画水深は、対象船舶の最大喫水と同じ深さに定める
  • ④浚渫の完了後は、所定の水深が確保されたことを確認する
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正解 ③計画水深は、対象船舶の最大喫水と同じ深さに定める
解説
浚渫(しゅんせつ)で確保する計画水深は、対象とする船舶の最大喫水(船が水に沈む深さ)に、余裕水深を加えて定めます。
船は航行中に船体が沈み込んだり、波で上下に揺れたりするため、喫水と同じ深さしかなければ船底が水底に触れる危険があります。港湾の施設の技術上の基準でも、係留施設の水深は最大喫水にそれに応じた余裕水深を加えた値を標準とすると定められています。
したがって「最大喫水と同じ深さに定める」という記述は適当ではありません。
出来形の確認には音響測深機を用いるのが一般的です。船から水中へ音波を発し、水底で反射して戻るまでの時間から水深を測る機器で、広い範囲を連続して測定できます。
測った水深は、潮位(海面の高さ)が時々刻々変わるため、潮位を観測して基準となる水面からの水深に換算してから、計画水深が確保されているかを判断します。
本試験では、計画水深の考え方と、測定に用いる機器・潮位の扱いが問われます。
(根拠:港湾の施設の技術上の基準を定める省令、同細目を定める告示)

他の選択肢が不適切な理由
「出来形の確認測量に音響測深機を用いる」は正しく、浚渫工事の標準的な方法です。
「施工中は潮位の変化を考えて水深を管理する」も正しく、水面の高さが常に変わるためです。
「完了後に所定の水深が確保されたことを確認する」も正しく、航行の安全に直結する確認です。
問92-15

港湾工事の施工計画に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①海上の作業は、波浪や風の予報を確かめてから着手を判断する
  • ②作業船の配置は、航行する船舶の通航に支障がないようにする
  • ③潮位の変化を踏まえ、作業できる時間帯を見込んで計画する
  • ④工程は不稼働日を見込まず、実働できる日数のみで組み立てる
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正解 ④工程は不稼働日を見込まず、実働できる日数のみで組み立てる
解説
海上での工事は、波浪・風・潮位・視界といった自然条件に強く左右され、陸上の工事よりも作業できない日が多くなります。
そのため工程計画では、季節ごとの波浪や風の傾向を踏まえ、作業できない日数(不稼働日)をあらかじめ見込んで余裕をもたせるのが原則です。実働できる日数だけで工程を組み立てると、荒天が続いた時点で工期を守れなくなります。
ケーソンの据付けやブロックの層積みなど、精度を要する作業は、特に波が静かな時期と時間帯を選んで計画します。
また作業船を配置する際は、航路を通る船舶の妨げにならないよう、関係機関との調整と標識・見張りによる安全確保が必要です。
本試験では、自然条件を踏まえた工程計画の考え方が問われます。
(根拠:港湾工事の施工計画に関する一般的な考え方によります)

他の選択肢が不適切な理由
「波浪や風の予報を確かめてから着手を判断する」は正しく、海上作業の安全の基本です。
「作業船の配置は船舶の通航に支障がないようにする」も正しく、航行の安全確保のため必要です。
「潮位の変化を踏まえて作業時間帯を見込む」も正しく、干満により作業可能な時間が限られます。
問102-15

海岸堤防と消波工の組合せに関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①消波工は、堤防の前面に設けて波の力を弱める役割を果たす
  • ②消波工を設けると、堤防を越える波の量を減らす効果がある
  • ③消波工のブロックの質量は、想定する波の大きさから定める
  • ④消波工の乱積みは、据付けの直後が最も安定した状態である
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正解 ④消波工の乱積みは、据付けの直後が最も安定した状態である
解説
消波工の異形コンクリートブロックを乱積みで据え付けた場合、据付け直後はブロックどうしのかみ合わせがまだ浅く、安定はむしろ低い状態です。
その後、波を受けるたびにブロックが少しずつ沈下して互いにかみ合い、時間の経過とともに安定していきます。したがって「据付けの直後が最も安定した状態」という記述は逆であり、適当ではありません。
これに対し層積みは、設計どおりの位置に規則正しく据え付けるため、据付けの時点で所定の安定が得られます。
消波工そのものは、波が堤防に達する前にエネルギーを減らす施設なので、堤防の海側の前面に設けます。ブロックのすき間を波が出入りする際に流れが乱れ、エネルギーが失われることで、堤防に作用する波の力と、堤防を越える水の量(越波量)が小さくなります。
ブロックの質量は、その場所で想定する波の高さなどから、波で動かされない大きさとなるように定めます。
本試験では、乱積みと層積みの安定の違い、消波工の設置位置とブロックの質量の考え方が問われます。
(根拠:海岸保全施設の技術上の基準)

他の選択肢が不適切な理由
「堤防の前面に設けて波の力を弱める」は正しく、消波工の本来の設置位置です。
「堤防を越える波の量を減らす効果がある」も正しく、越波量の低減は消波工の主な効果です。
「ブロックの質量は想定する波の大きさから定める」も正しく、波で動かされない質量を安定計算で求めます。

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