2026年版・6-6

不動産証券化・プロパティマネジメントと相続・贈与に関する資産承継対策の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「管理業務の実務・資格者の使命」から、不動産証券化・プロパティマネジメントと相続・贈与に関する資産承継対策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

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問16-6

不動産証券化の基本的な仕組みに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①不動産から生じる収益を裏付けに証券を発行し、投資家から資金を集める仕組みである。
  • ②特定の投資家から不動産を買い取り、その不動産を担保として融資を受ける仕組みである。
  • ③不動産の所有権を分割して登記し、共有者どうしで賃料を分け合う仕組みである。
  • ④賃貸住宅の管理業務を専門会社に一括して委託し、管理費を圧縮する仕組みである。
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正解 ①不動産から生じる収益を裏付けに証券を発行し、投資家から資金を集める仕組みである。
解説
不動産証券化は、賃料収入や売却代金といった不動産が生み出す収益を裏付けとして有価証券を発行し、これを取得した投資家から広く資金を調達する手法である。集めた資金で保有した不動産の収益は、証券の保有割合等に応じて投資家へ分配される。投資単位を小口にできるため、単独では多額の資金を要する不動産に多様な投資家が参加しやすくなる点に意義がある。

他の選択肢が不適切な理由
「特定の投資家から不動産を買い取り、その不動産を担保として融資を受ける」という記述は、不動産を担保とする通常の借入れの説明であり、証券を発行して資金を集めるという証券化の中核部分が欠けている。「不動産の所有権を分割して登記し、共有者どうしで賃料を分け合う」という記述は、単なる共有関係の説明にすぎず、有価証券の発行を伴わない点で証券化とは異なる。「賃貸住宅の管理業務を専門会社に一括して委託し、管理費を圧縮する」という記述は、管理業務の外部委託に関する説明であって、資金調達の手法である証券化とは目的も内容も異なる。
問26-6

不動産証券化において行われる倒産隔離に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①投資家が損失を負ったときに、国が元本の一部を確実に補填する制度のことをいう。
  • ②対象不動産を原所有者から切り離し、その倒産の影響が及ばないようにすることをいう。
  • ③対象不動産の借主が賃料を滞納した場合に、保証会社が代わりに立て替える仕組みをいう。
  • ④対象不動産に生じた災害による損害を、損害保険により補填する仕組みのことをいう。
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正解 ②対象不動産を原所有者から切り離し、その倒産の影響が及ばないようにすることをいう。
解説
倒産隔離とは、証券化の対象となる不動産を、もとの資産所有者であるオリジネーターの財産から法的に分離し、その所有者が倒産しても対象不動産やそこから生じる収益が影響を受けないようにする仕組みである。実務では、対象不動産を特別目的会社等の器へ譲渡し、その器が投資家向けの証券を発行する形がとられる。これにより投資家は、対象不動産そのものが生む収益とリスクに着目して投資判断を行うことができる。

他の選択肢が不適切な理由
「国が元本の一部を確実に補填する制度」という記述は、不動産証券化に投資元本を公的に保証する仕組みが設けられておらず、損失は投資家が負担するのが原則である点で誤りである。「保証会社が代わりに立て替える仕組み」は家賃債務保証に関する説明であり、賃料滞納への備えではあっても資産所有者の倒産とは結び付かない。「損害保険により補填する仕組み」という記述も、災害リスクへの備えである保険の説明にとどまり、所有者の信用リスクから資産を切り離すという倒産隔離の意味とは異なる。
問36-6

不動産投資におけるアセットマネジメント(AM)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①借主から預かった敷金を金融機関の口座で保管することを内容とする業務である。
  • ②建物の清掃や設備の保守点検を現場で日々実施することを内容とする業務である。
  • ③投資家等から委託を受け、資産の取得や売却を含む総合的な運用を担う業務である。
  • ④投資家の代わりに証券取引所で投資証券の売買注文を出すことを内容とする業務である。
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正解 ③投資家等から委託を受け、資産の取得や売却を含む総合的な運用を担う業務である。
解説
アセットマネジメントは、投資家や資産の所有者から委託を受けて、不動産等の資産を総合的に運用・管理する業務である。運用計画の策定、資産の取得や売却の判断と実行、管理方針の決定に加え、実際に物件を運営するプロパティマネジメント会社の選定や指示までを担う。投資家に対して運用の状況を報告し、最終的には売却によって投下資金を回収するところまでが役割の範囲となる。

他の選択肢が不適切な理由
「建物の清掃や設備の保守点検を現場で日々実施する」という記述は、物件の現場管理の内容であって、資産の運用方針そのものを決める立場にあるアセットマネジメントの説明ではない。「借主から預かった敷金を金融機関の口座で保管する」という記述は、賃貸管理における金銭の分別管理の一場面を述べたものにすぎない。「投資家の代わりに証券取引所で投資証券の売買注文を出す」という記述は、証券の売買の取次ぎに関する説明であり、不動産という資産そのものを運用する業務とは異なる。
問46-6

不動産証券化におけるプロパティマネジメント(PM)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①監督官庁から委託を受け、証券化スキーム全体の適法性の審査を専門に担う業務である。
  • ②投資家から直接委託を受け、投資対象の選定と売却時期の決定を担う業務である。
  • ③金融機関から委託を受け、証券化商品の販売と投資家への勧誘を担う業務である。
  • ④アセットマネージャー等から委託を受け、物件の運営・管理の実務を担う業務である。
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正解 ④アセットマネージャー等から委託を受け、物件の運営・管理の実務を担う業務である。
解説
プロパティマネジメントは、不動産の所有者やアセットマネージャーから委託を受け、投資対象不動産の収益の向上を目的として、物件レベルの運営・管理の実務を行う業務である。入居者の募集や賃貸条件の交渉、賃料の収受、日常の窓口対応といったテナントに関する管理と、建物・設備の保守管理や管理予算の策定といった物件に関する管理が中心となる。証券化された不動産では、アセットマネージャーの指示のもとでこれらの実務を遂行し、その結果を報告する立場に置かれる。

他の選択肢が不適切な理由
「投資対象の選定と売却時期の決定を担う」という記述は、投資判断そのものに関わる内容であり、これを担うのはアセットマネジメントの側である。「証券化商品の販売と投資家への勧誘を担う」という記述は証券の販売に関する業務の説明であって、不動産の運営・管理とは別の役割である。「証券化スキーム全体の適法性の審査を専門に担う」という記述も、監督官庁から委託を受けた審査業務を述べたものにすぎず、プロパティマネジメントの内容とは結び付かない。
問56-6

証券化対象不動産におけるプロパティマネジメント業務の位置づけに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①投資家の資金が投じられているため、業務内容を的確に報告する責任が求められる。
  • ②所有者が投資家であるため、賃料の徴収よりも建物の保守管理のほうが主たる対象となる。
  • ③収益性よりも安全性が優先されるため、入居者の募集活動は原則として行われない。
  • ④管理の対象が投資商品であるため、賃貸借契約の締結業務は対象から除かれている。
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正解 ①投資家の資金が投じられているため、業務内容を的確に報告する責任が求められる。
解説
証券化された不動産の管理では、その原資が多数の投資家から集められた資金であることから、プロパティマネジメント会社には、自らの業務が合理的に行われていることを客観的な資料に基づいて示し、アセットマネージャーを通じて投資家に説明できる状態を保つことが求められる。日常の運営実務に加え、収支の状況や物件の状態を定期的に報告する業務が重要な位置を占める。収益を大きくし費用を抑えるという視点も、投資の成果に直結するため強く意識される。

他の選択肢が不適切な理由
「賃料の徴収よりも建物の保守管理のほうが主たる対象となる」という記述は、賃料の収受が収益の源泉に直接関わる中心的な業務であり、所有者が投資家であることによってその重要性が下がるわけではない点で誤りである。「入居者の募集活動は原則として行われない」という記述も、空室は収益の減少に直結するため、募集活動はむしろ積極的に行われる。「賃貸借契約の締結業務は対象から除かれている」という記述についても、契約の締結や条件の交渉はテナントに関する管理の中核であり、管理の対象から外れるものではない。
問66-6

相続税の計算における貸家建付地の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①貸家の敷地であっても、自用地としての価額がそのまま評価額となるのが原則である。
  • ②借家人の利用による制約があるため、自用地としての価額から一定額が減額される。
  • ③借家人がいることを理由に、自用地としての価額に一定額を加算して評価される。
  • ④建物の敷地であるかどうかを問わず、路線価の半額が評価額となる取扱いである。
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正解 ②借家人の利用による制約があるため、自用地としての価額から一定額が減額される。
解説
貸家建付地とは、自ら所有する土地に建てたアパートなどを他人に貸している場合の、その建物の敷地となっている宅地をいう。この宅地は借家人が建物を使用していることによって所有者の自由な利用が妨げられるため、自用地として評価した価額から、借地権割合・借家権割合・賃貸割合に応じた一定額を差し引いて評価される。なお、借地借家法の適用がないとされる社宅の敷地は、この評価の対象とならず自用地として評価される。

他の選択肢が不適切な理由
「自用地としての価額がそのまま評価額となるのが原則である」という記述は、利用上の制約を評価に反映させるために貸家建付地という区分が設けられている趣旨に反する。「自用地としての価額に一定額を加算して評価される」という記述は、増減の方向が逆であり、制約がある分だけ評価は下がる。「路線価の半額が評価額となる」という記述も、一律の割合で機械的に半額とする取扱いは定められておらず、地域ごとに定められた割合と賃貸の状況に応じて減額の程度が決まる。
問76-6

相続税の計算における貸家(賃貸されている家屋)の評価に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸されている家屋は、自用の家屋と全く同額で評価されるのが原則である。
  • ②賃貸されている家屋は、実際に受け取っている年間賃料の総額により評価される。
  • ③自用の家屋としての評価額から、借家権に相当する部分を控除して評価される。
  • ④賃貸されている家屋は、建築時に要した費用の総額を基礎として評価される。
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正解 ③自用の家屋としての評価額から、借家権に相当する部分を控除して評価される。
解説
家屋の相続税評価額は、原則としてその家屋の固定資産税評価額と同額とされる。もっとも、借家人に貸している家屋については、借家人の権利による利用上の制約があることから、自用の場合の評価額から借家権に相当する部分を控除した金額で評価される。控除される部分は、財産評価基準書に定められた借家権割合と、実際に賃貸されている部分の割合に応じて決まる。

他の選択肢が不適切な理由
「実際に受け取っている年間賃料の総額により評価される」という記述は、家屋の評価が収受した賃料の額ではなく固定資産税評価額を出発点とするものである点で誤りである。「自用の家屋と全く同額で評価されるのが原則である」という記述も、貸家については借家人の権利に応じた控除が行われるため妥当でない。「建築時に要した費用の総額を基礎として評価される」という記述についても、建築費そのものを評価の基礎とする取扱いは採られていない。
問86-6

小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①賃貸事業に使われていた宅地は、相続税額そのものから一定額を控除して計算する。
  • ②賃貸事業に使われていた宅地は、その面積の広さを問わず全体の評価額が減額される。
  • ③賃貸事業に使われていた宅地は、居住用の宅地と同じ割合による減額が適用される。
  • ④賃貸事業に使われていた宅地は、一定の面積までの部分について評価額が減額される。
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正解 ④賃貸事業に使われていた宅地は、一定の面積までの部分について評価額が減額される。
解説
この特例は、被相続人等が事業や居住のために使っていた宅地について、相続税の課税価格に算入すべき価額を一定の限度面積まで減額するものである。賃貸アパートの敷地のように貸付事業に使われていた宅地は貸付事業用宅地等として扱われ、200平方メートルまでの部分の評価額が50パーセント減額される。適用を受けるには、相続税の申告期限までその貸付事業を続け、かつその宅地を保有していることなどの要件を満たす必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
「その面積の広さを問わず全体の評価額が減額される」という記述は、減額の対象が区分ごとに定められた限度面積までの部分に限られる点で誤りである。「居住用の宅地と同じ割合による減額が適用される」という記述も、被相続人の居住用として要件を満たす宅地の減額割合とは異なり、貸付事業用の宅地の減額割合は小さく定められている。「相続税額そのものから一定額を控除して計算する」という記述については、この特例が税額からの控除ではなく、課税価格に算入する評価額の減額である点を取り違えている。
問96-6

贈与税の暦年課税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①財産をあげた人ごとに、その人が生涯に贈与した合計額から基礎控除額を差し引く。
  • ②財産をもらった人ごとに、その年に受けた贈与の合計額から基礎控除額を差し引く。
  • ③財産をもらった人ごとに、贈与を受けた一回ごとに基礎控除額を差し引いて計算する。
  • ④相続開始前に行われた贈与は、期間を問わず相続税の計算には影響しない扱いになる。
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正解 ②財産をもらった人ごとに、その年に受けた贈与の合計額から基礎控除額を差し引く。
解説
暦年課税による贈与税は、財産をもらった人である受贈者を単位として、その年の1月1日から12月31日までに受けた贈与財産の価額を合計し、そこから基礎控除額を差し引いた残額に税率を適用して計算する。複数の人から贈与を受けた場合であっても、受贈者ごとに1年分をまとめて計算する点が特徴である。なお、相続や遺贈により財産を取得した人が、相続開始前の一定期間内に被相続人から受けていた贈与財産は相続税の課税価格に加算されることとされており、その対象期間は近年の改正により段階的に延長されている。

他の選択肢が不適切な理由
「財産をあげた人ごとに、その人が生涯に贈与した合計額から」という記述は、課税の単位を贈与者の側に置き、期間も生涯としている点で誤りである。「贈与を受けた一回ごとに基礎控除額を差し引いて計算する」という記述も、基礎控除は年を単位として適用されるものであり、贈与のたびに重ねて控除できるわけではない。「期間を問わず相続税の計算には影響しない」という記述については、相続開始前の一定期間内の贈与が相続税の課税価格に加算される仕組みが設けられているため妥当でない。
問106-6

相続時精算課税制度に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①贈与時に納めた贈与税は、その後の相続税額から控除することは認められていない。
  • ②この制度を選択した後でも、同じ贈与者からの贈与を暦年課税に戻すことができる。
  • ③贈与を受けた財産は、贈与者の相続の際に相続税の課税価格に加算して精算される。
  • ④贈与者と受贈者の年齢や続柄にかかわらず、誰でも自由に選択することができる。
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正解 ③贈与を受けた財産は、贈与者の相続の際に相続税の課税価格に加算して精算される。
解説
相続時精算課税は、原則として60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子や孫への贈与について、贈与者ごとに選択することができる制度である。選択後の贈与には基礎控除や特別控除を適用して贈与税額を計算するが、その贈与財産は贈与者が亡くなったときに相続財産と合算して相続税額を計算するため、贈与税と相続税を通じた課税の精算が行われる。すでに納めた贈与税相当額は相続税額から控除され、控除しきれない場合には申告により還付を受けることができる。

他の選択肢が不適切な理由
「同じ贈与者からの贈与を暦年課税に戻すことができる」という記述は、いったん選択するとその贈与者からの贈与にはその後もこの制度が適用され、暦年課税へ変更することはできない点で誤りである。「その後の相続税額から控除することは認められていない」という記述も、納付済みの贈与税相当額は相続税額から控除されるため妥当でない。「年齢や続柄にかかわらず、誰でも自由に選択することができる」という記述については、贈与者と受贈者の年齢および一定の親族関係が要件とされている点を見落としている。

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