2026年版・6-5

賃貸不動産の投資判断・収支計画(利回り・NOI・DCF等)の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「管理業務の実務・資格者の使命」から、賃貸不動産の投資判断・収支計画(利回り・NOI・DCF等)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-5

表面利回りと実質利回りの違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①表面利回りは、空室損失や運営に要する費用を反映させた収益を基礎に算出される。
  • ②実質利回りは、同一の物件における表面利回りを上回る数値となるのが通常である。
  • ③実質利回りは、年間の収入から運営に要する費用を控除した額を基礎に算出される。
  • ④表面利回りは、物件の取得に要した諸費用を投資額に加えたうえで算出される。
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正解 ③実質利回りは、年間の収入から運営に要する費用を控除した額を基礎に算出される。
解説
表面利回りは、満室を想定した年間の賃料収入を物件の取得価格で除して求める簡便な指標であり、運営に要する費用を考慮しない。これに対し実質利回りは、年間の収入から管理費・修繕費・公租公課・損害保険料などの運営費用を控除した額を分子とし、取得価格に取得時の諸費用を加えた額を分母として算出する。そのため実質利回りは、物件が実際に生み出す収益力をより的確に表す指標となる。

他の選択肢が不適切な理由
「表面利回りは、空室損失や運営に要する費用を反映させた収益を基礎に算出される」という記述は、これらを織り込まずに満室想定の収入をそのまま用いるという表面利回りの性質と逆である。「実質利回りは、同一の物件における表面利回りを上回る数値となる」という記述も、分子から費用を控除し分母に諸費用を加える計算方法である以上、実質利回りは表面利回りを下回る数値になるため誤りである。「表面利回りは、物件の取得に要した諸費用を投資額に加えたうえで算出される」という記述は、取得時の諸費用を分母に加えるのが実質利回りの計算であり、両者を取り違えている。
問26-5

賃貸住宅を5,000万円で取得し、これとは別に取得時の諸費用として250万円を支出した。この物件の満室想定の年間賃料収入が420万円、年間の運営費用が105万円であるとき、実質利回りとして最も適切なものはどれか。なお、空室損失は考慮しないものとする。

  • ①6.0%
  • ②6.3%
  • ③8.0%
  • ④8.4%
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正解 ①6.0%
解説
実質利回りは、年間の収入から運営費用を控除した額を分子とし、物件の取得価格に取得時の諸費用を加えた額を分母として求める。本問では、分子が420万円から105万円を控除した315万円、分母が5,000万円に250万円を加えた5,250万円となる。315万円を5,250万円で除すると0.06となり、実質利回りは6.0%である。

他の選択肢が不適切な理由
「6.3%」は、分子から運営費用を控除する処理は正しいものの、分母に取得時の諸費用250万円を加えることを失念し、315万円を5,000万円で除した場合に生じる数値である。「8.0%」は、分母に取得時の諸費用を加える一方で分子から運営費用を控除せず、420万円を5,250万円で除した場合に生じる数値である。「8.4%」は、420万円を5,000万円で除して求めた表面利回りの数値であり、運営費用も取得時の諸費用も考慮していないため実質利回りではない。
問36-5

賃貸不動産の収支分析で用いるNOI(純営業収益)の求め方として、最も適切なものはどれか。

  • ①総収入から運営に要する費用を控除して求め、借入金の返済額は控除しない。
  • ②総収入から運営に要する費用と借入金の元利返済額を控除することで求める。
  • ③総収入から運営に要する費用を控除し、さらに減価償却費を控除して求める。
  • ④総収入から借入金の元利返済額のみを控除することによって求められる。
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正解 ①総収入から運営に要する費用を控除して求め、借入金の返済額は控除しない。
解説
NOIは、賃料収入等から空室損失を差し引いた実際の収入をもとに、管理費・修繕費・公租公課・損害保険料といった運営費用を控除して求める指標である。借入金の元利返済額は、自己資金と借入金の割合や融資条件によって金額が変わるものであり、不動産そのものの収益力を測るというNOIの趣旨から控除しない。また、現金の支出を伴わない減価償却費も控除せず、償却前の収益として把握する。

他の選択肢が不適切な理由
「総収入から運営に要する費用と借入金の元利返済額を控除することで求める」という記述は、元利返済額まで控除している点で誤りであり、この計算により求められる金額は税引前のキャッシュフローに当たる。「総収入から運営に要する費用を控除し、さらに減価償却費を控除して求める」という記述も、NOIが償却前の収益として把握されることに反する。「総収入から借入金の元利返済額のみを控除することによって求められる」という記述は、運営費用を控除していない点と元利返済額を控除している点の双方において誤っている。
問46-5

賃貸住宅の年間の収支が、満室想定の賃料収入600万円、空室損失30万円、運営費用(管理費・修繕費・公租公課・損害保険料の合計)150万円、借入金元利返済額200万円、減価償却費80万円であるとき、この物件の年間のNOI(純営業収益)として最も適切なものはどれか。

  • ①220万円
  • ②340万円
  • ③420万円
  • ④450万円
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正解 ③420万円
解説
NOIは、満室想定の賃料収入から空室損失を差し引いた実際の収入について、そこから運営費用を控除して求める。本問では、600万円から空室損失30万円を差し引いた570万円が実際の収入となり、ここから運営費用150万円を控除した420万円が年間のNOIである。借入金の元利返済額と減価償却費は、いずれもNOIの計算では控除しない。

他の選択肢が不適切な理由
「220万円」は、正しく求めたNOIからさらに借入金元利返済額200万円を控除した金額であり、この金額は税引前のキャッシュフローに当たるものであってNOIではない。「340万円」は、NOIからさらに減価償却費80万円を控除した金額であるが、NOIは償却前の収益として把握されるため誤りである。「450万円」は、満室想定の賃料収入600万円から運営費用150万円のみを控除した金額であり、空室損失30万円を差し引いていない点で誤っている。
問56-5

借入金の返済余裕度を示すDSCR(借入金償還余裕率)の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①純営業収益を年間の元利返済額で除して求め、値が小さいほど返済に余裕がある。
  • ②純営業収益を年間の元利返済額で除して求め、1を下回ると返済が困難になる。
  • ③年間の元利返済額を純営業収益で除して求め、1を上回ると返済に余裕がある。
  • ④純営業収益を物件の取得価格で除して求め、値が大きいほど返済に余裕がある。
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正解 ②純営業収益を年間の元利返済額で除して求め、1を下回ると返済が困難になる。
解説
DSCRは、その不動産が生み出す純営業収益を年間の借入金元利返済額で除して求める指標であり、返済の原資が返済額の何倍あるかを示す。値が1であれば純営業収益と返済額がちょうど等しく、1を下回れば純営業収益だけでは返済を賄えないことになるため、返済が困難な状態と評価される。融資審査においては、1を相応に上回る水準が確保されているかが重視される。

他の選択肢が不適切な理由
「純営業収益を年間の元利返済額で除して求め、値が小さいほど返済に余裕がある」という記述は、計算方法自体は正しいものの、値が大きいほど返済の原資に余裕があることを示すというこの指標の意味と逆の評価をしている。「年間の元利返済額を純営業収益で除して求め、1を上回ると返済に余裕がある」という記述は、分子と分母が入れ替わっており、この計算による数値は小さいほど返済に余裕があることになるため、後半の判断もあわせて誤りである。「純営業収益を物件の取得価格で除して求め、値が大きいほど返済に余裕がある」という記述は、投資額に対する収益率を示す純利回り(NOI利回り)の計算方法であって、借入金の返済余裕度を測るものではない。
問66-5

借入金を活用した賃貸不動産投資におけるレバレッジ効果について、最も適切なものはどれか。なお、投資利回りとは、総投下資本に対する純収益の割合をいう。

  • ①借入金の金利が投資利回りを上回る場合でも、自己資金の収益率は高まる。
  • ②借入金の割合が高いほど、金利の水準にかかわらず自己資金の収益率は高まる。
  • ③借入金の金利が投資利回りと等しい場合でも、自己資金の収益率は高まる。
  • ④借入金の金利が投資利回りを下回る場合、自己資金に対する収益率は高まる。
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正解 ④借入金の金利が投資利回りを下回る場合、自己資金に対する収益率は高まる。
解説
レバレッジ効果とは、借入金を組み合わせることにより、自己資金に対する収益率を高める効果をいう。借入金の金利が物件の投資利回りを下回っていれば、借り入れた資金が生み出す純収益が支払利息を上回るため、その差額が自己資金の取り分に上乗せされ、自己資金に対する収益率は借入れを行わない場合よりも高くなる。

他の選択肢が不適切な理由
「借入金の金利が投資利回りを上回る場合でも、自己資金の収益率は高まる」という記述は、支払利息が借入部分の生む純収益を超える結果として自己資金の収益率がかえって低下する、いわゆる逆レバレッジの状態を見落としている。「借入金の割合が高いほど、金利の水準にかかわらず自己資金の収益率は高まる」という記述も、金利が投資利回りを上回る局面では借入割合を高めるほど収益率の低下が大きくなるため誤りである。「借入金の金利が投資利回りと等しい場合でも、自己資金の収益率は高まる」という記述については、両者が等しいときは借入部分から差額が生じないため、自己資金に対する収益率は借入れを行わない場合と変わらない。
問76-5

ある賃貸住宅について、満室想定の年間賃料収入が1,000万円、年間の運営費用が250万円、年間の借入金元利返済額が350万円である場合、損益分岐入居率として最も適切なものはどれか。

  • ①25.0%
  • ②35.0%
  • ③40.0%
  • ④60.0%
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正解 ④60.0%
解説
損益分岐入居率は、年間の運営費用と借入金の元利返済額との合計額を、満室を想定した年間賃料収入で除して求める。本問では、250万円と350万円を合計した600万円を1,000万円で除して0.6となり、損益分岐入居率は60.0%である。これは入居率が60.0%を確保できれば収支が均衡することを意味し、この数値が低い物件ほど空室の発生に対する耐性が高いと評価される。

他の選択肢が不適切な理由
「25.0%」は、運営費用250万円のみを満室想定の年間賃料収入で除した数値であり、借入金の元利返済額を計算に含めていない。「35.0%」は、借入金の元利返済額350万円のみを満室想定の年間賃料収入で除した数値であり、運営費用を計算に含めていない。「40.0%」は、満室想定の年間賃料収入から運営費用と元利返済額の合計額を差し引いた残額400万円を賃料収入で除した数値であって、収支が均衡する入居率を示すものではない。
問86-5

収益還元法の一手法であるDCF法の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①DCF法は、一期間の純収益を還元利回りによって還元して収益価格を求める。
  • ②DCF法は、複数期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合計する。
  • ③DCF法における復帰価格とは、投資の開始時点における取得価格をいう。
  • ④DCF法は、各期の純収益を割り引かずにそのまま合計する手法をいう。
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正解 ②DCF法は、複数期間の純収益と復帰価格を現在価値に割り引いて合計する。
解説
DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益と、保有期間の満了時点における不動産の売却価格である復帰価格とを、それぞれの発生時期に応じて現在価値に割り引き、これらを合計して収益価格を求める手法である。各期の収支の変動を個別に見込むことができ、収益の見通しや前提とした条件が明示される点に特徴がある。

他の選択肢が不適切な理由
「DCF法は、一期間の純収益を還元利回りによって還元して収益価格を求める」という記述は、一期間の安定した純収益を還元利回りで還元する直接還元法の説明であって、DCF法のものではない。「DCF法における復帰価格とは、投資の開始時点における取得価格をいう」という記述も、復帰価格は保有期間の満了時点における売却価格を指すものであるため誤りである。「DCF法は、各期の純収益を割り引かずにそのまま合計する手法をいう」という記述は、将来の収益を発生時期に応じて現在価値に割り引くというDCF法の本質的な特徴を欠いている。
問96-5

IRR(内部収益率)の意義に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  • ①投資額に対する年間のキャッシュフローの割合を単純に示した数値をいう。
  • ②投資額を年間のキャッシュフローで除して算出した回収に要する年数をいう。
  • ③将来のキャッシュフローの現在価値の合計が投資額と一致する割引率をいう。
  • ④将来のキャッシュフローを現在価値に割り引かずに合計した金額をいう。
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正解 ③将来のキャッシュフローの現在価値の合計が投資額と一致する割引率をいう。
解説
IRRは、投資によって将来得られるキャッシュフローを現在価値に割り引いた合計額が、投じた資金の額と一致することとなる割引率をいう。時間の経過に伴う価値の差を織り込んだ収益率であるため、算出されたIRRが投資家の求める収益率を上回っていれば、その投資は有利であると判断される。

他の選択肢が不適切な理由
「投資額に対する年間のキャッシュフローの割合を単純に示した数値をいう」という記述は、時間の経過に伴う価値の差を考慮しない単年度の利回りの説明であり、IRRの内容ではない。「投資額を年間のキャッシュフローで除して算出した回収に要する年数をいう」という記述は、投資額の回収に要する期間を測る考え方を述べたものであって、収益率を示すIRRとは異なる。「将来のキャッシュフローを現在価値に割り引かずに合計した金額をいう」という記述は、発生時期に応じて割り引くことに意義があるIRRの性質と相容れない。
問106-5

投資の可否を判断する手法である正味現在価値法(NPV法)の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①収益の現在価値の合計額と投資額とが等しくなる割引率を算出する手法である。
  • ②将来の収益を現在価値に割り引かずに合計した額と投資額とを比較する。
  • ③算出された値が大きいほど、投資額の回収期間は短いと判断できる。
  • ④収益の現在価値の合計額が投資額を上回る場合に、その投資は有利と判断する。
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正解 ④収益の現在価値の合計額が投資額を上回る場合に、その投資は有利と判断する。
解説
正味現在価値法は、投資によって将来得られる収益を一定の割引率で現在価値に割り引き、その合計額から投じる資金の額を差し引いて評価する手法である。差し引いた後の金額が正の値となる場合、すなわち収益の現在価値の合計額が投資額を上回る場合に、その投資は求める収益率を満たすものとして有利であると判断される。

他の選択肢が不適切な理由
「収益の現在価値の合計額と投資額とが等しくなる割引率を算出する手法である」という記述は、内部収益率を求める考え方を述べたものであり、金額の差額によって評価する正味現在価値法とは異なる。「将来の収益を現在価値に割り引かずに合計した額と投資額とを比較する」という記述は、将来の収益を発生時期に応じて割り引く点に意義がある正味現在価値法の性質に反する。「算出された値が大きいほど、投資額の回収期間は短いと判断できる」という記述も、正味現在価値法が示すのは差額としての金額の大小であって回収に要する期間ではないため誤りである。

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