国土交通省が公表する賃貸住宅標準管理受託契約書は、管理業務のうち一定のものについて管理業者が委託者を代理する旨を定めている。この代理権の授与に関する条項が掲げる業務について、最も適切なものはどれか。
- ①入居者の募集活動と入居審査における可否の決定だけが業務として掲げられている
- ②建物や設備の点検、清掃といった維持保全に関する作業のみが掲げられている
- ③家賃や敷金等の徴収、未収金の督促、入居者からの通知の受領が掲げられている
- ④委託者の資産全般を対象とする包括的な財産管理の権限が広く掲げられている
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標準管理受託契約書の代理権の授与に関する条項は、管理業者が委託者を代理して行う業務として、敷金その他の一時金・家賃・共益費・附属施設使用料の徴収、未収金の督促、賃貸借契約に基づいて入居者から委託者へ向けてなされる通知の受領、賃貸借契約の更新、修繕の費用負担についての入居者との協議、賃貸借契約の終了に伴う原状回復についての入居者との協議の六つを掲げている。金銭の徴収から契約の更新、原状回復の協議まで、賃貸経営の日常的な場面が幅広く含まれている点が特徴である。
他の選択肢が不適切な理由
「入居者の募集活動と入居審査における可否の決定だけが業務として掲げられている」という記述は、掲げられた六つの業務に募集や入居審査が含まれていないうえ、対象を募集関連に限定している点でも条項の内容と食い違う。「建物や設備の点検、清掃といった維持保全に関する作業のみが掲げられている」は、点検や清掃が代理を要しない事実行為であって代理権の授与の条項が扱う対象ではなく、これらに限定する点も誤りである。「委託者の資産全般を対象とする包括的な財産管理の権限が広く掲げられている」は、条項が管理業務のうち各号に列挙されたものに限って代理権を与える構成を採っていることと相容れない。