2026年版・6-5

基礎-5 委託保証金と計算のきほんの一問一答

証券外務員一種「最初に覚える土台知識」から、基礎-5 委託保証金と計算のきほんに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-5

信用取引の委託保証金について、法令上求められる率として正しいものはどれか。

  • ①約定価額の30%
  • ②約定価額の10%
  • ③約定価額の50%
  • ④約定価額の100%
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正解 ①約定価額の30%
解説
金融商品取引法第161条の2第1項は、信用取引について、有価証券の時価に内閣総理大臣が定める率を乗じた額を下らない額の金銭を、顧客から預託を受けなければならないと定めています。
その率が、同条に基づく内閣府令の第2条第1項第1号で100分の30と定められており、第3条が、保証金の額は約定価額にこの率を乗じた額を下らない額であると定めています。
つまり30%は法令が定める下限です。金融商品取引業者や取引所が、銘柄の値動きの大きさなどに応じてこれより高い率を定めることはできますが、下回る率で取引させることはできません。相場が過熱した場面で率が引き上げられることも実際にあります。
他の選択肢について

・10%:法令上の下限を下回っており、この率では取引できません。
・50%:業者が任意に引き上げた結果としてはあり得ますが、法令が定める率ではありません。
・100%:全額を用意することになり、信用を供与するという仕組みと合いません。
問26-5

信用取引の委託保証金について、法令上定められている最低額として正しいものはどれか。

  • ①10万円
  • ②30万円
  • ③50万円
  • ④100万円
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正解 ②30万円
解説
委託保証金には、約定価額の30%以上という率の基準に加えて、金額の下限もあります。
内閣府令第3条ただし書第1号は、その顧客の受入保証金がない状態で預託を受ける場合において、率で計算した額(通常の最低限度額)が30万円に満たないときは、30万円を下らない額とすると定めています。
したがって、約定金額が小さい取引であっても最低30万円は必要です。たとえば約定金額80万円の買建てなら、30%では24万円ですが、この定めにより30万円を差し入れることになります。
逆に約定金額が100万円を超えれば、30%で計算した額が30万円を上回るので、率の方が基準になります。「小口の取引ほど、率よりも金額の下限が効いてくる」と理解しておきましょう。
他の選択肢について

・10万円:法令上の最低額を下回る金額です。
・50万円:業者が独自に高い基準を設けることはありますが、法令上の額ではありません。
・100万円:同じく、法令が定める最低額ではありません。
問36-5

委託保証金の代用有価証券に関する説明として、正しいものはどれか。

  • ①額面金額に80%を掛けた額
  • ②取得した価格に80%を掛けた額
  • ③前日の時価に80%を掛けた額まで
  • ④前日の時価と同額まで認められている
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正解 ③前日の時価に80%を掛けた額まで
解説
内閣府令第6条は、委託保証金を有価証券で代用する場合の代用価格について、預託する日の前日の時価に、株券については100分の80を乗じた額を超えない額と定めています。この乗じる率を掛目といいます。
時価どおりに評価せず一段低く見積もるのは、預けた後にその株式が値下がりしても、担保としての価値を確保しておくためです。
ここで注意したいのは、代用に使った株式が値下がりすると代用価格も下がるということです。信用取引の建玉自体に損失が出ていなくても、担保の価値が減ったせいで保証金が不足し、追加を求められることがあります。相場が下がる局面では建玉と代用株式の両方から圧力がかかる、という点を覚えておいてください。
他の選択肢について

・掛目を用いない:時価どおりの評価では、その後の値下がりに耐えられません。
・取得したときの価格:基準は取得価格ではなく前日の時価です。
・額面金額:株券の評価に額面を用いることはありません。
問46-5

委託保証金率が30%のとき、約定金額200万円の新規買建てに必要となる委託保証金の額はいくらか。なお、手数料等は考慮しない。

  • ①140万円
  • ②30万円
  • ③66万円
  • ④60万円
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正解 ④60万円
解説
必要な委託保証金は「約定金額×委託保証金率」で求めます。
この問題では、200万円×30%=60万円です。
あわせて確認しておきたいのが、法令上の最低額30万円との関係です。計算した60万円はこれを上回っているので、最低額の定めが働く場面ではありません。最低額が問題になるのは、率で計算した額が30万円に届かないとき、つまり約定金額がおよそ100万円に満たないときです。
また、この取引は60万円の保証金で200万円分の建玉を持っていることになり、およそ3.3倍のレバレッジがかかっています。株価が30%下がれば損失は60万円に達し、預けた保証金がほぼ消えてしまう計算です。
他の選択肢について

・30万円:法令上の最低額であって、この取引で必要な額ではありません。
・66万円:率を33%として計算した場合の値です。
・140万円:約定金額から30%分を差し引いてしまった場合の値です。
問56-5

金融商品取引業者が委託保証金率を40%と定めている場合において、現金180万円を委託保証金として差し入れたとき、新規に建てられる建玉の最大額はいくらか。なお、手数料等は考慮しない。

  • ①450万円
  • ②540万円
  • ③600万円
  • ④72万円
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正解 ①450万円
解説
建てられる建玉の最大額は「委託保証金÷委託保証金率」で求めます。掛けるのではなく割るのがポイントです。
この問題では、180万円÷0.4=450万円となります。検算すると450万円×40%=180万円で、差し入れた保証金と一致します。
注意したいのは、率が法令上の下限である30%ではなく40%と定められている点です。法令の30%はあくまで下限であり、金融商品取引業者や取引所がこれより高い率を定めることは認められています。値動きの大きい銘柄や相場が過熱した局面では、実際に引き上げられます。
率が高いほど、同じ保証金で建てられる金額は小さくなり、レバレッジは抑えられます。
他の選択肢について

・540万円:保証金に3を乗じただけの値で、率で割る計算になっていません。
・600万円:法令上の下限である30%で計算してしまった場合の値です。
・72万円:保証金に40%を乗じてしまった場合の値です。
問66-5

上場株式(時価450万円)を委託保証金の代用として差し入れたとき、新規に建てられる建玉の最大額はいくらか。代用掛目は80%、委託保証金率は30%とし、手数料等は考慮しない。

  • ①1,500万円
  • ②1,200万円
  • ③1,080万円
  • ④360万円
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正解 ②1,200万円
解説
手順は二段階です。
まず代用価格を求めます。代用有価証券は時価そのままではなく掛目を乗じて評価するので、450万円×80%=360万円です。
次に、この代用価格を委託保証金率で割ります。360万円÷0.3=1,200万円となります。
掛目を先に乗じてから率で割る、という順番が要点です。掛目を忘れて450万円のまま計算すると1,500万円となり、建てられる金額を300万円も過大に見積もってしまいます。
実務上さらに大切なのは、この株式が値下がりすれば代用価格も下がるということです。上の例で株価が1割下がれば代用価格は324万円となり、建玉に必要な保証金が足りなくなります。限度いっぱいまで建てるのは避けるべきだといわれるのは、このためです。
他の選択肢について

・1,500万円:掛目を乗じずに時価のまま計算した値です。
・1,080万円:代用価格に3を乗じただけの値です。
・360万円:代用価格そのもので、建てられる建玉の額ではありません。
問76-5

信用取引の追加保証金(追証)が必要となる仕組みの説明として、正しいものはどれか。

  • ①決済して利益が確定したとき
  • ②保証金の割合が一定の率を上回る
  • ③保証金の割合が一定の率を下回る
  • ④代用有価証券で差し入れたとき
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正解 ③保証金の割合が一定の率を下回る
解説
追証(おいしょう)とは、追加で差し入れなければならない保証金のことです。
内閣府令第8条第1項は、受入保証金の総額を計算するときに、相場の変動に基づく計算上の損失額(=評価損)、反対売買による損失、委託手数料、借入金に対する利子、借入有価証券に対する品借料など、顧客が負担すべきものを差し引くと定めています。
こうして差し引いた後の金額が、約定金額に対して一定の割合(維持率)を下回ると、追加の保証金を差し入れる必要が生じます。これが追証です。期限までに差し入れられなければ、建玉は決済されてしまいます。
気をつけたいのは、原因が建玉の評価損だけではないことです。代用有価証券として預けた株式が値下がりしても保証金の額は減るため、追証につながります。
他の選択肢について

・評価益で生じる:評価益が出れば保証金の割合は上がるので、追証は生じません。
・利益の確定時に生じる:決済して利益が出た場合に追加の負担は生じません。
・代用有価証券なら必ず必要:代用で差し入れたこと自体が追証の原因になるわけではありません。
問86-5

現金150万円を委託保証金として約定金額500万円の買建てを行ったところ、その後に建株の評価損が60万円となった。維持率が20%と定められているとき、追加で差し入れるべき金額はいくらか。なお、手数料等は考慮しない。

  • ①90万円
  • ②60万円
  • ③100万円
  • ④10万円
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正解 ④10万円
解説
順を追って計算します。
まず、評価損を差し引いた後の受入保証金の額を求めます。150万円-60万円=90万円です。
次に、この時点の保証金の割合を確かめます。90万円÷500万円=18%となり、維持率20%を下回っているので追証が生じます。
そして、維持率を満たすために必要な額は、500万円×20%=100万円です。
したがって、100万円-90万円=10万円を追加で差し入れる必要があります。
「差引後の保証金はいくらか」→「必要な額はいくらか」→「その差はいくらか」という三つの手順を守れば確実に解けます。追加額が比較的小さくなるのは、基準が当初の委託保証金率30%ではなく、維持率20%と定められているためです。
他の選択肢について

・100万円:維持率を満たすために必要な保証金の額そのもので、不足額ではありません。
・60万円:評価損の額であり、基準を維持率ではなく委託保証金率30%と取り違えたときの不足額でもあります。
・90万円:評価損を差し引いた後の受入保証金の額そのものです。
問96-5

信用取引に係る委託保証金の預託の期限に関する説明として、正しいものはどれか。

  • ①取引の日から3日以内に預託する
  • ②取引の日から30日以内で足りる
  • ③取引の前日までに全額を預託する
  • ④期限はなく決済までに受け入れる
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正解 ①取引の日から3日以内に預託する
解説
内閣府令第4条は、金融商品取引業者が顧客のために信用取引または発行日取引を行ったときは、その行った日から起算して3日(休業日があるときはその日数を加算した日数)以内に、顧客から保証金の預託を受けなければならないと定めています。
先に取引を成立させ、そのあと短い期間のうちに担保を受け入れるという順序になっているわけです。取引の履行を確実にするため、この期間は短く区切られています。
「起算して」とあるとおり、取引を行った日を1日目として数えます。また休業日はその日数が加算されるので、連休をはさめばその分だけ実際の期日は後ろにずれます。
なお実務では、金融商品取引業者がこれより短い期限を独自に定めていることもあります。
他の選択肢について

・30日以内:担保としての機能を果たせないほど長く、府令の定めと異なります。
・前日までに全額:取引の前ではなく、取引を行った後の一定期間内に預託を受ける仕組みです。
・期限の定めがない:期限は府令に明確に定められています。
問106-5

約定金額400万円の建玉があり、受入保証金の総額は180万円である。委託保証金率を30%とするとき、引き出すことができる金額はいくらか。なお、手数料等は考慮せず、建玉に損益はないものとする。

  • ①120万円
  • ②60万円
  • ③180万円
  • ④20万円
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正解 ②60万円
解説
引き出せるのは、受入保証金の総額から、建玉のために必要な金額を差し引いた余った部分です(内閣府令第7条第1項)。
必要な金額は、約定価額に100分の30を乗じた額です。この問題では400万円×30%=120万円となります。
受入保証金は180万円ですから、180万円-120万円=60万円を引き出すことができます。
あわせて押さえておきたいのが金額の下限です。同項は、約定価額に30%を乗じた額が30万円に満たないときは30万円を差し引くと定めており、建玉が小さい場合でも最低30万円は残しておかなければなりません。
なお、この計算のもとになる受入保証金の総額は、評価損や手数料などを差し引いた後の金額です。建玉に損失が出ていれば、引き出せる余裕はその分だけ減ります。
他の選択肢について

・120万円:建玉に必要な金額そのもので、引き出せる額ではありません。
・180万円:受入保証金の全額で、これを引き出すと建玉が無担保になってしまいます。
・20万円:必要額を計算する際に、率を40%と取り違えた場合の値です。

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