2026年版・6-1

基礎-1 デリバティブ取引の基本用語の一問一答

証券外務員一種「最初に覚える土台知識」から、基礎-1 デリバティブ取引の基本用語に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-1

デリバティブ(金融派生商品)という言葉が指す取引の説明として、正しいものはどれか。

  • ①もとになる資産から価値が決まる
  • ②株式そのものを受け渡す取引
  • ③発行会社から直接に取得する取引
  • ④元本と利息が保証される商品
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正解 ①もとになる資産から価値が決まる
解説
デリバティブ取引(金融派生商品)とは、株式・債券・株価指数・金利・通貨などの価格や数値の動きから、その価値が派生して決まる取引の総称です。
もとになる資産や指標を原資産といい、原資産そのものを受け渡すのではなく、将来売買する約束や、売買できる権利、金利などを交換する契約そのものを取引の対象にします。
取引金額の全額ではなく、その一部にあたる証拠金(=取引の履行を担保するために預ける金銭)で始められるため、少ない資金でリスクを移したり調整したりできます。その反面、相場が予想と反対に動けば、損失が預けた証拠金を上回ることもあります。
他の選択肢について

・現物を受け渡す取引:株式そのものを受け渡して代金を決済する現物取引の説明で、派生商品ではありません。
・発行会社から直接取得する取引:新たに発行される有価証券を取得する発行市場の話であり、デリバティブとは別の場面です。
・元本と利息が保証される商品:預貯金の説明です。デリバティブに元本保証はありません。
問26-1

金融商品取引法上、デリバティブ取引は三つに分けられている。その分類として正しいものはどれか。

  • ①先物デリバティブ取引・オプション取引・スワップ取引の三つの区分
  • ②市場デリバティブ取引・店頭デリバティブ取引・外国市場デリバティブ取引
  • ③株式デリバティブ取引・債券デリバティブ取引・外国通貨デリバティブ取引
  • ④短期デリバティブ取引・中期デリバティブ取引・長期デリバティブ取引
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正解 ②市場デリバティブ取引・店頭デリバティブ取引・外国市場デリバティブ取引
解説
金融商品取引法第2条第20項は、デリバティブ取引を「市場デリバティブ取引、店頭デリバティブ取引又は外国市場デリバティブ取引」と定義しています。
これはどこで取引するかという場所による分類です。国内の金融商品市場で、その市場を開設する者の定める基準と方法に従って行うものが市場デリバティブ取引、当事者どうしが相対で条件を決めて行うものが店頭デリバティブ取引、外国の市場で行うものが外国市場デリバティブ取引です。
場所が変われば、取引条件が標準化されているか、清算機関が決済を担うか、どの規制がかかるかが変わります。この区分を最初に押さえておくと、後で学ぶ規制の違いが整理しやすくなります。
他の選択肢について

・先物・オプション・スワップ:契約の形による分け方で実務ではよく使いますが、条文上の三分類ではありません。
・原資産の種類による分類:原資産は株式・通貨・金利など多岐にわたりますが、法律はこの切り口で三つに分けていません。
・期間による分類:デリバティブ取引を期間の長短で分類する規定は置かれていません。
問36-1

デリバティブ取引における「原資産」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①利益に対して課される税金
  • ②取引の開始時に預け入れる証拠金
  • ③価値のもとになる資産や指標
  • ④清算機関の資本金のこと
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正解 ③価値のもとになる資産や指標
解説
原資産とは、デリバティブ取引の価値のもとになる資産や指標のことです。
個別の株式や債券のような形のある資産だけでなく、日経平均株価のような株価指数、金利、為替レート、商品価格といった数値そのものも原資産になります。
デリバティブの価格は原資産の動きに連動して変わるので、「この取引は何の値動きによって損益が決まるのか」を確かめることが理解の第一歩です。
なお、株価指数のように現物として受け渡せない指標が原資産のときは、差額の金銭だけをやり取りする差金決済が使われます。原資産が何かによって、決済の方法まで決まってくるわけです。
他の選択肢について

・預け入れる証拠金:証拠金は取引の履行を担保するために差し入れる金銭で、価値の基礎そのものではありません。
・利益に課される税金:課税の問題であり、価格がどう決まるかとは関係がありません。
・清算機関の資本金:清算機関(=決済の履行を引き受ける機関)の財務基盤の話で、原資産の意味とは無関係です。
問46-1

デリバティブ取引の代表的な三つの形態の説明として、正しいものはどれか。

  • ①スワップは株式そのものを交換する
  • ②先物は権利、オプションは売買の約束
  • ③先物もオプションも買い手が選べる
  • ④先物は売買の約束、オプションは権利
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正解 ④先物は売買の約束、オプションは権利
解説
先物取引は、将来の決められた期日に、あらかじめ定めた価格で売買することを売り手と買い手の双方が約束する取引です。どちらにも履行の義務があり、途中でやめるという選択はできません。
これに対してオプション取引は、あらかじめ定めた価格で売買できる権利そのものを売買します。権利を買った側はプレミアム(=権利の対価)を支払い、有利なときだけ行使すればよく、不利なら行使しない自由があります。
スワップ取引は、固定金利と変動金利のように、将来受け払いするキャッシュ・フロー(=お金の流れ)を当事者間で交換する取引です。
一種の学習はこの三つの型の上に組み立てられているので、最初にここを固めておくと後が楽になります。
他の選択肢について

・先物とオプションの説明が逆:権利を売買するのはオプションの側です。
・先物でも買い手が選べる:先物は双方が履行義務を負い、選択の余地はありません。
・スワップは株式の交換:交換するのは主にキャッシュ・フローで、株式そのものではありません。
問56-1

デリバティブ取引で用いられる「差金決済」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①差額の金銭のみを授受して決済する
  • ②全額を支払って現物の受渡しを行う
  • ③預けた証拠金を没収する扱い
  • ④期日を延ばし翌限月へ持ち越す
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正解 ①差額の金銭のみを授受して決済する
解説
差金決済とは、原資産そのものを受け渡さず、約定価格と決済時の価格との差額に相当する金銭だけをやり取りして決済する方法です。
株価指数のように、そもそも現物として受け渡せない指標を原資産とする取引では、この方法でなければ決済ができません。金融商品取引法が市場デリバティブ取引を定義する条文でも、転売や買戻しをしたときは差金の授受によって決済することができる取引として書かれています。
買い建てた建玉を転売したときも、売り建てた建玉を買い戻したときも、生じる損益は同じ考え方で計算されます。
少ない資金で大きな金額の取引ができる理由の一つも、代金全額の受渡しが不要なこの仕組みにあります。
他の選択肢について

・全額を支払って現物を受け渡す:現物取引や受渡決済の説明です。
・証拠金を没収する:証拠金は決済が終われば返還されるもので、没収する仕組みではありません。
・期日を先に延ばす:限月をまたぐ乗換えは、いったん決済したうえで別の建玉を新たに建てる行為であり、差金決済とは別の話です。
問66-1

デリバティブ取引で使われる「建玉」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①決済済みの取引を建玉という
  • ②未決済の持高を建玉という
  • ③証拠金の残高を建玉という
  • ④建玉を増やすのが反対売買である
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正解 ②未決済の持高を建玉という
解説
建玉(たてぎょく)とは、新規の売買を行った後、まだ決済されずに残っている持高のことです。
買い建てた建玉は転売(売る)、売り建てた建玉は買戻し(買う)によって解消されます。この最初と反対方向の売買で決済することを反対売買といいます。買いと売りが同じ数量そろえば持高がゼロになる、と考えると分かりやすいでしょう。
反対売買をしないまま取引最終日を過ぎると、あらかじめ決められた方法で最終決済に回されます。株価指数先物なら特別清算数値による差金決済です。
建玉を持っている間は日々値洗いされ、証拠金が不足すれば追加を求められます。「いま何枚の建玉が残っているか」は常に把握しておく必要があります。
他の選択肢について

・反対売買は建玉を増やす:反対売買は建玉を減らして決済する行為で、増やすものではありません。
・建玉は決済済みの取引:決済が済んだものは建玉として残りません。
・建玉は証拠金の残高:証拠金は取引を担保する金銭で、持高そのものではありません。
問76-1

デリバティブ取引を用いた「ヘッジ取引」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①手数料の安い市場へ乗り換える
  • ②割安を買い割高を売って差をねらう
  • ③反対の損益が出る取引で和らげる
  • ④値幅の利益だけを大きくねらう
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正解 ③反対の損益が出る取引で和らげる
解説
ヘッジ取引とは、いま持っている資産や将来の取引にともなう価格変動リスクを、反対方向の損益が出るデリバティブ取引で打ち消し、値動きの影響を小さくする取引です。
たとえば株式を保有している投資家が株価指数先物を売り建てておけば、相場が下がったときに現物で生じる評価損を、先物で生じる利益がある程度埋めてくれます。
ねらいはもうけを大きくすることではなく、損益の振れ幅を抑えて計画を立てやすくすることにあります。そのため相場が上がった局面では現物の利益が先物の損失で削られますが、それはヘッジの費用と考えます。
なお、保有銘柄と指数の値動きは完全には一致しないため、ずれが残る点にも注意が必要です。
他の選択肢について

・値幅の利益を狙う:相場の方向に賭ける投機(スペキュレーション)の説明です。
・価格差に着目する:割高と割安の開きをねらう裁定取引の説明です。
・費用を抑える乗換え:コスト管理の話であり、リスクを相殺する取引ではありません。
問86-1

デリバティブ取引の利用目的のうち、「裁定取引」に当たるものはどれか。

  • ①金利を固定にするため相手方を探す
  • ②保有株の下落に備え先物を売る
  • ③資金の何倍もの建玉を買い建てる
  • ④割高を売り割安を買って差益を得る
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正解 ④割高を売り割安を買って差益を得る
解説
裁定取引(アービトラージ)とは、本来は連動するはずの二つの価格に開きが生じたときに、割高な方を売り、割安な方を買って、その差が縮まることで利益を得ようとする取引です。
代表例が先物と現物の間で行う裁定取引です。先物価格は、現物価格に満期までの金利相当分を加え、配当相当分を差し引いた水準が目安になりますが、需給の偏りによってこれより高くなったり安くなったりします。そこへ裁定取引が入ることで価格が理論的な水準へ引き戻され、市場の価格形成が効率的になります。
相場の方向に賭けるのではなく、二つの価格の差に着目する点が、投機ともヘッジとも違うところです。
他の選択肢について

・先物を売り建てて備える:保有株の値下がりに備えるヘッジ取引の例です。
・資金の何倍もの建玉を買う:値上がりを見込んで方向に賭ける投機の例です。
・金利を固定にする:金利が変動するリスクを避ける目的なので、ヘッジに近い利用です。
問96-1

デリバティブ取引における「レバレッジ効果」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①少額の証拠金で大きな取引ができる
  • ②取引金額と同額の資金を預ける
  • ③証拠金が多いほど利息が増える
  • ④取引所が損失を一定の範囲に抑える
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正解 ①少額の証拠金で大きな取引ができる
解説
デリバティブ取引では、取引金額の全額ではなく、その一部にあたる証拠金を預けることで取引ができます。
そのため、投じた資金に対する損益の割合が現物取引よりも大きくなります。これがレバレッジ(てこ)効果です。たとえば取引金額の10分の1の証拠金で始めれば、原資産が1%動くだけで、預けた資金に対しては10%分の損益が生じる計算になります。
大きな利益が出る可能性がある一方、相場が予想と反対に動けば、損失が預けた証拠金を上回るおそれもあります。
この元本超過損失のおそれがある場合には、その旨を顧客に伝えることが金融商品取引法第37条の3第1項第6号で求められており、勧誘の場面で特に重要な事項とされています。
他の選択肢について

・同額の資金を預ける:全額を用意するのは現物取引の考え方で、証拠金取引の説明ではありません。
・証拠金に利息が付く:証拠金は担保として預けるもので、利息を得るための預金ではありません。
・損失が保証される:取引所が損失を一定の範囲に抑えて保証する制度はありません。
問106-1

デリバティブ取引で使われる「想定元本」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①実際に払い込む取引開始時の金額
  • ②計算の基礎とする名目上の金額
  • ③破綻時に戻る金額の上限を示す
  • ④預けるべき証拠金の最低額を示す
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正解 ②計算の基礎とする名目上の金額
解説
想定元本とは、スワップ取引などで受け払いする金額を計算するために当事者が取り決める、名目上の元本のことです。
たとえば想定元本10億円の金利スワップでは、10億円そのものを交換するのではありません。10億円に固定金利と変動金利をそれぞれ掛けて金額を出し、その差額だけを受け払いします。元本は動かないので、取引の規模と実際に必要な資金は一致しません。
この点を知らないと、想定元本の大きさをそのまま損失の上限だと誤解してしまいます。実際に問題になるのは、相手方が破綻したときに失われる金額(信用リスク)であり、それは想定元本ではなく、その時点の契約の評価額をもとに考えます。
他の選択肢について

・現実に払い込む金額:想定元本は計算のための名目額で、通常は授受されません。
・破綻時に戻る金額の上限:信用リスクの大きさは想定元本とは一致しません。
・証拠金の最低額:証拠金は取引の内容に応じて別の基準で計算されます。

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