2026年版・5-2

仮設工事と施工体制台帳・関係機関への届出の一問一答

2級土木施工管理技士「施工管理法」から、仮設工事と施工体制台帳・関係機関への届出に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-2

仮設工事に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①任意仮設は発注者が構造や寸法を指定する
  • ②直接仮設には工事用道路や支保工が含まれる
  • ③間接仮設には現場事務所や宿舎が含まれる
  • ④指定仮設は原則として設計変更の対象となる
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正解 ①任意仮設は発注者が構造や寸法を指定する
解説
仮設工事は、工事を進めるために一時的に設ける設備の工事で、完成後は撤去されます。
分類の第一は、直接仮設と間接仮設です。直接仮設は工事目的物をつくるために直接必要な設備で、工事用道路、足場、支保工、仮締切、電力や用水の設備などが含まれます。間接仮設は工事を支える生活・管理のための設備で、現場事務所、宿舎、材料置場、倉庫などが該当します。
分類の第二は、指定仮設と任意仮設です。指定仮設は、発注者が設計図書で構造や工法、寸法などを指定するもので、契約上は本体工事に準じて扱われます。そのため、条件が変わって仮設を変更する必要が生じた場合は、原則として設計変更の対象になります。
任意仮設は、発注者が数量や規格を示さず、受注者が自らの責任で構造や工法を決めるものです。したがって受注者の裁量で変更でき、原則として設計変更の対象にはなりません。
本試験では、指定仮設と任意仮設の説明を入れ替えた形が頻出です。
(根拠:仮設工事の区分(直接仮設・間接仮設/指定仮設・任意仮設)に関する一般的な取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「直接仮設には工事用道路や支保工が含まれる」は、目的物の施工に直接必要な設備であり適当な記述です。
「間接仮設には現場事務所や宿舎が含まれる」も、工事の管理や作業員の生活を支える設備として正しい分類です。
「指定仮設は原則として設計変更の対象となる」は、発注者が構造を指定している以上、変更時に協議の対象となるという扱いを正しく述べています。
問25-2

仮設備の計画に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①仮設構造物でも使用期間に応じた安全性を確保する
  • ②転用や再利用ができる部材の使用を検討する
  • ③仮設物の設計に用いる許容応力度は割り増してよい
  • ④仮設物は本体構造物と同じ設計基準で設計する
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正解 ④仮設物は本体構造物と同じ設計基準で設計する
解説
仮設構造物は、工事の期間だけ使って撤去することが前提です。この点が、何十年も使う本体構造物との大きな違いになります。
使用期間が短いということは、その間に受ける荷重の繰返し回数や、材料の劣化の程度が本体構造物よりずっと小さいということです。そのため仮設構造物の設計では、鋼材の許容応力度を通常より割り増して用いることが認められています。荷重の見込み方も、施工中に実際に作用する荷重を対象とします。
ただし、割り増してよいのは安全を軽んじてよいという意味ではありません。作業員が乗り、機械が載る構造物である以上、使用期間中の安全性は必ず確保しなければならず、労働安全衛生法や同規則の規定も当然に適用されます。
また、仮設材は繰り返し使うことで経済性が高まるため、転用や再利用ができる規格品を使う計画とします。
本試験では「本体構造物と同じ基準で設計する」「割増しは認められない」といった言い回しが誤りとして出されます。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針ほか、仮設構造物の設計に関する一般的な取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「仮設構造物でも使用期間に応じた安全性を確保する」は、期間が短くても安全は必要という正しい考え方です。
「転用や再利用ができる部材の使用を検討する」も、仮設の経済性を高める基本的な方針として適当です。
「仮設物の設計に用いる許容応力度は割り増してよい」は、使用期間が短いことを踏まえた設計上の取扱いであり適当な記述です。
問35-2

指定仮設と任意仮設に関する次の記述のうち、適当なものはどれか。

  • ①指定仮設は発注者が構造や工法を指定する
  • ②指定仮設は施工者が自由に構造を決められる
  • ③任意仮設は契約書に規格が明示されている
  • ④任意仮設は変更しても常に設計変更となる
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正解 ①指定仮設は発注者が構造や工法を指定する
解説
仮設は、発注者がどこまで内容を決めているかによって、指定仮設と任意仮設に分かれます。
指定仮設は、設計図書で構造・工法・材料・寸法などが具体的に示されているものです。たとえば河川の仮締切や、周辺への影響が大きい土留めなど、発注者が方法を特定したい場合に用いられます。発注者が方法を決めている以上、その仮設を変更する必要が生じたときは、受注者の判断だけで変えることはできず、原則として設計変更の手続を経ます。
任意仮設は、目的だけが示され、どのような構造や工法にするかは受注者に任されるものです。受注者は自らの技術と経験で最も合理的な方法を選べる代わりに、その設計と施工の責任を負います。数量や規格は契約に明示されないため、原則として設計変更の対象にはなりません。
本試験では、二つの説明を入れ替える形や、任意仮設について設計変更の可否を逆にする形で問われます。
(根拠:仮設工事における指定仮設・任意仮設の一般的な取扱いによります)

他の選択肢が不適切な理由
「指定仮設は施工者が自由に構造を決められる」は誤りで、構造を自由に決められるのは任意仮設のほうです。
「任意仮設は契約書に規格が明示されている」も誤りで、規格が明示されるのは指定仮設です。
「任意仮設は変更しても常に設計変更となる」は誤りで、任意仮設の変更は受注者の裁量に属し、原則として設計変更にはなりません。
問45-2

施工体制台帳に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①公共工事では下請契約の金額にかかわらず作成する
  • ②作成義務があるのは下請負人であって元請ではない
  • ③下請負人の商号と工事内容を記載する
  • ④公共工事では台帳の写しを発注者に提出する
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正解 ②作成義務があるのは下請負人であって元請ではない
解説
施工体制台帳は、工事にどの業者が入り、誰が何を担当しているかを一覧にした書類です。手抜き工事や不良施工、無許可業者の参入を防ぐために、建設業法で作成が義務づけられています。
作成の義務を負うのは、発注者から直接工事を請け負った元請負人(特定建設業者)です。下請負人は、自分がさらに下請に出した場合に再下請負通知を元請へ行う立場であり、台帳そのものを作るのは元請の役割です。
民間工事では、下請契約の請負代金の総額が5,000万円以上(建築一式工事は8,000万円以上)になる場合に作成義務が生じますが、公共工事では、入札契約適正化法により、下請契約を結んだ金額の多少にかかわらず作成しなければなりません。
記載事項には、下請負人の商号または名称、請け負った工事の内容と工期、建設業の許可番号、主任技術者の氏名などが含まれます。
公共工事では、作成した施工体制台帳の写しを発注者へ提出します。
本試験では、作成義務者を下請に入れ替える形や、公共工事でも金額要件があるとする形で誤りが作られます。
(根拠:建設業法第24条の8第1項・第2項、建設業法施行令第7条の4、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条第1項・第2項)

他の選択肢が不適切な理由
「公共工事では下請契約の金額にかかわらず作成する」は、公共工事に適用される特則を正しく述べています。
「下請負人の商号と工事内容を記載する」は、施工体制台帳の基本的な記載事項であり適当です。
「公共工事では台帳の写しを発注者に提出する」は、入札契約適正化法が公共工事について定める取扱いであり正しい記述です。
問55-2

施工体系図に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①施工体制台帳を作成する工事で作成する
  • ②各下請負人の施工の分担関係を示す
  • ③下請が変わっても当初の内容で掲示する
  • ④公共工事では工事現場の見やすい場所に掲げる
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正解 ③下請が変わっても当初の内容で掲示する
解説
施工体系図は、施工体制台帳の内容をもとに、元請から一次下請、二次下請へと続く工事の分担関係を樹形図の形で表したものです。
目的は、その現場に入っている業者の系統と、それぞれが担当する工事の内容を、関係者が一目で分かるようにすることにあります。誰がどの作業に責任を負うかがはっきりすれば、安全指示の伝達も確実になります。
作成が必要になるのは、施工体制台帳の作成義務がある工事です。台帳と体系図は一組の書類として扱われます。
掲示の取扱いは重要です。公共工事では、工事関係者が見やすい場所に加えて、公衆が見やすい場所にも掲げなければなりません。民間工事でも、工事関係者が見やすい場所への掲示が求められます。
また、下請の追加や変更があったときは、その都度、台帳と体系図を修正して最新の状態に保ちます。
したがって、下請が変わっても当初の内容のまま掲示しておくことはできません。
本試験では、掲示場所や更新の要否を変えた形で誤りの選択肢が作られます。
(根拠:建設業法第24条の8第4項、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第15条第1項)

他の選択肢が不適切な理由
「施工体制台帳を作成する工事で作成する」は、台帳と体系図が一体で求められることを正しく述べています。
「各下請負人の施工の分担関係を示す」は施工体系図の目的そのもので、適当な記述です。
「公共工事では工事現場の見やすい場所に掲げる」も、掲示義務を正しく述べたもので適当です。
問65-2

工事に伴う手続と提出先の組合せとして、適当でないものはどれか。

  • ①道路使用許可申請書 ─ 所轄警察署長
  • ②道路占用許可申請書 ─ 道路管理者
  • ③特定建設作業実施届出書 ─ 市町村長
  • ④クレーン設置届出書 ─ 所轄消防署長
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正解 ④クレーン設置届出書 ─ 所轄消防署長
解説
工事に必要な手続は、根拠となる法律ごとに提出先が変わります。混同しやすいので、法律と相手方を組にして覚えます。
道路使用許可は道路交通法に基づくもので、道路上で工事や作業を行い交通に影響を与える場合に、その場所を管轄する警察署長へ申請します。
道路占用許可は道路法に基づくもので、道路に工作物や施設を継続して設ける場合に、その道路の道路管理者へ申請します。占用と使用の両方に当たる場合は、両方の手続が必要です。
特定建設作業実施届出書は、騒音規制法および振動規制法に基づき、指定地域内で著しい騒音や振動を発生する作業を行うときに、市町村長へ提出します。
クレーンの設置届は労働安全衛生法に基づく機械等設置届で、提出先は所轄の労働基準監督署長です。消防署長ではありません。
本試験では、この提出先を一つだけ入れ替えた組合せ問題が繰り返し出されます。
(根拠:道路交通法第77条、道路法第32条、騒音規制法第14条、労働安全衛生法第88条)

他の選択肢が不適切な理由
「道路使用許可申請書 ─ 所轄警察署長」は道路交通法に基づく正しい組合せです。
「道路占用許可申請書 ─ 道路管理者」は道路法に基づく組合せで、国道・都道府県道・市町村道それぞれの管理者が相手方になります。
「特定建設作業実施届出書 ─ 市町村長」も騒音規制法・振動規制法に基づく正しい提出先です。
問75-2

労働安全衛生法に基づき、工事開始の日の14日前までに労働基準監督署長へ届け出なければならない仕事として、適当でないものはどれか。

  • ①高さが31mを超える建築物の建設の仕事
  • ②支柱の高さ3.5m以上の型枠支保工設置の仕事
  • ③最大支間が50m以上の橋梁の建設の仕事
  • ④掘削の深さが10m以上となる地山の掘削の仕事
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正解 ②支柱の高さ3.5m以上の型枠支保工設置の仕事
解説
労働安全衛生法の届出は、対象と期限が三通りあり、これを区別することが要点です。
第一は、建設業の仕事のうち省令で定めるものについて、工事開始の日の14日前までに労働基準監督署長へ届け出るものです。高さ31mを超える建築物や工作物の建設、最大支間50m以上の橋梁の建設、ずい道等の建設、掘削の深さが10m以上となる地山の掘削、圧気工法による作業などが該当します。
第二は、特に大規模な仕事について、工事開始の日の30日前までに厚生労働大臣へ届け出るものです。高さ300m以上の塔、堤高150m以上のダム、最大支間500m以上の橋梁などが対象です。
第三は、機械等の設置・移転・変更の届出で、こちらは設置の30日前までに労働基準監督署長へ提出します。支柱の高さが3.5m以上の型枠支保工、高さ10m以上で組立てから解体までが60日以上の足場、一定規模以上のクレーンなどが対象です。
型枠支保工は仕事の届出ではなく機械等設置届の側にあたるため、期限も14日前ではなく30日前です。
(根拠:労働安全衛生法第88条第1項・第2項・第3項、労働安全衛生規則第86条・第90条)

他の選択肢が不適切な理由
「高さが31mを超える建築物の建設の仕事」は14日前までの届出対象であり、設問の要件を満たします。
「最大支間が50m以上の橋梁の建設の仕事」も同じく14日前までの届出対象です。
「掘削の深さが10m以上となる地山の掘削の仕事」も対象で、深い掘削は崩壊の危険が高いため事前審査の対象とされています。
問85-2

工事現場に労働者の宿舎を設ける場合の手続に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①寄宿舎規則を作成して、所轄労働基準監督署長に届け出る。
  • ②寄宿舎規則の作成や変更には、寄宿する労働者の同意を要しない。
  • ③寄宿舎の設置の計画は、工事に着手する日の14日前までに届け出る。
  • ④常時10人以上が就業する事業の寄宿舎は、計画の届出の対象となる。
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正解 ②寄宿舎規則の作成や変更には、寄宿する労働者の同意を要しない。
解説
工事現場に労働者を寄宿させる宿舎は、現場事務所や倉庫と同じく間接仮設に区分されますが、労働基準法では附属寄宿舎として独立した規定が置かれています。
労働基準法第95条第1項は、寄宿舎に労働者を寄宿させる使用者に対し、起床や就寝、外出及び外泊、行事、食事、安全及び衛生、建設物や設備の管理に関する事項を定めた寄宿舎規則を作成し、行政官庁へ届け出ることを義務づけています。届出先は所轄の労働基準監督署長です。
同条第2項は、寄宿舎規則を作成し、又は変更するときは、寄宿する労働者の過半数を代表する者の同意を得なければならないと定めています。共同生活の決まりを使用者が一方的に決められないようにするための規定であり、同意を得ずに作成することはできません。就業規則が過半数を代表する者の意見を聴けば足りるのに対し、寄宿舎規則は同意まで必要である点が異なります。
また同法第96条の2第1項は、常時10人以上の労働者を就業させる事業などの附属寄宿舎を設置し、移転し、又は変更しようとする場合に、その計画を工事に着手する日の14日前までに届け出ることを求めています。
本試験では、届出の期限と提出先、同意の要否を入れ替えた形で問われます。

他の選択肢が不適切な理由
「寄宿舎規則を作成して、所轄労働基準監督署長に届け出る」は第95条第1項のとおりで、正しい手続です。
「寄宿舎の設置の計画は、工事に着手する日の14日前までに届け出る」は第96条の2第1項の期限のとおりです。
「常時10人以上が就業する事業の寄宿舎は、計画の届出の対象となる」も同項のとおりで、届出が必要となる規模の要件を正しく述べています。
問95-2

工事の着手にあたり必要となる手続に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①道路を継続して使用するには道路管理者の占用許可がいる
  • ②河川区域内に工作物を新築するには河川管理者の許可がいる
  • ③道路上で交通に影響する工事は警察署長への届出でよい
  • ④特定建設作業を行うには市町村長への事前の届出がいる
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正解 ③道路上で交通に影響する工事は警察署長への届出でよい
解説
着手前の手続では、許可が必要なのか届出で足りるのかを区別することが要点です。許可は行政の判断を経て初めて行為ができるもの、届出は行政へ知らせることで足りるものです。
道路上で工事や作業を行い、交通に影響を及ぼす場合は、道路交通法により所轄警察署長の道路使用許可を受けなければなりません。届出ではなく許可である点が要点です。
道路に工作物や施設を設けて継続して道路を使用する場合は、道路法により道路管理者の道路占用許可を受けます。工事用の足場や仮囲い、地下埋設物などが対象です。
河川区域内で工作物を新築・改築・除却する場合は、河川法により河川管理者の許可を受けます。土地の掘削や盛土などの形状変更も同様です。
騒音規制法・振動規制法の特定建設作業は、市町村長への届出で足ります。
本試験では、許可を要する行為を届出で足りるとする言い換えが誤りの目印になります。
(根拠:道路法第32条、道路交通法第77条、河川法第26条、騒音規制法第14条)

他の選択肢が不適切な理由
「道路を継続して使用するには道路管理者の占用許可がいる」は道路法の規定どおりで適当です。
「河川区域内に工作物を新築するには河川管理者の許可がいる」も河川法の規定に沿った正しい記述です。
「特定建設作業を行うには市町村長への事前の届出がいる」は、騒音規制法・振動規制法の届出制を正しく述べています。
問105-2

仮設構造物の設計に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  • ①使用期間が短いため許容応力度を割り増して設計する
  • ②施工時の荷重や外力を考慮して安全性を確保する
  • ③重要な仮設構造物は本体に準じた設計とする
  • ④労働安全衛生法の規定は仮設物には適用されない
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正解 ④労働安全衛生法の規定は仮設物には適用されない
解説
仮設構造物の設計では、本体構造物との性格の違いを踏まえた取扱いがされます。
まず、使用期間が短く、荷重の繰返し回数や材料の劣化が小さいことから、鋼材の許容応力度を通常より割り増して用いることが認められています。これにより部材を経済的な断面にできます。
次に、考える荷重は施工中に実際に作用するものです。土圧・水圧・上載荷重・建設機械の走行荷重・風荷重などを、その現場の条件に合わせて見込みます。
また、仮設であっても、崩れたときの影響が大きいものや、長期にわたって使うもの、周辺に住宅や道路が近接するものは、重要度に応じて本体構造物に準じた設計とします。土留め支保工や仮桟橋などが典型です。
そして重要なのは、仮設構造物であっても労働安全衛生法とその規則が全面的に適用されるという点です。足場、型枠支保工、土止め支保工には、いずれも構造や点検について具体的な規定が置かれています。
本試験では、この適用の有無を裏返した選択肢が誤りとして使われます。
(根拠:道路土工-仮設構造物工指針、労働安全衛生規則第237条(型枠支保工の材料)・第563条(足場の作業床)ほか)

他の選択肢が不適切な理由
「使用期間が短いため許容応力度を割り増して設計する」は、仮設構造物に認められた設計上の取扱いであり適当です。
「施工時の荷重や外力を考慮して安全性を確保する」も、実際に作用する荷重で検討するという原則どおりです。
「重要な仮設構造物は本体に準じた設計とする」は、影響が大きい仮設に求められる考え方であり適当な記述です。

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