2026年版・7-5

基礎-5 借地借家法とサブリースの基本の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「最初に覚える土台知識」から、基礎-5 借地借家法とサブリースの基本に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-5

建物の賃貸借の対抗力について正しいものはどれか。

  • ①建物の引渡しを受けていれば対抗できる
  • ②賃借権の登記がなければ対抗できない
  • ③住民票を移していれば引渡しは要らない
  • ④賃料を1年以上払っていれば対抗できる
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正解 ①建物の引渡しを受けていれば対抗できる
解説
借地借家法第31条は、建物の賃貸借はその登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し効力を生ずると定めています。対抗できるとは、建物を買った新しい所有者に対して「自分は賃借人だから住み続けられる」と主張できる、という意味です。

民法の原則では、不動産賃貸借の対抗要件は賃借権の登記です。しかし賃借権の登記には賃貸人の協力が要るため、賃借人が自分だけで備えるのはまず不可能でした。そこで、実際に鍵を受け取って住み始めていれば保護されるようにしたのがこの規定です。売買は賃貸借を破らない、という結果を導く柱になっています。
他の選択肢について

・登記がなければ対抗できない:借地借家法が引渡しを対抗要件としています。
・住民票を移していれば足りる:住民登録は対抗要件とされていません。
・賃料の支払期間で決まる:支払を続けた期間の長さは、対抗要件とまったく関係がありません。
問27-5

建物の賃貸借で期間を6か月と定めた場合、どう扱われるか。

  • ①定めた6か月がそのまま有効に扱われる
  • ②期間の定めがない賃貸借とみなされる
  • ③期間を1年に延ばした賃貸借とみなす
  • ④契約そのものが無効になり拘束しない
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正解 ②期間の定めがない賃貸借とみなされる
解説
借地借家法第29条第1項は、期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなすと定めています。短い期間を繰り返し設定して、賃借人の住まいを不安定な状態に置くことを防ぐ趣旨です。

「みなす」とされた結果がどうなるかまで押さえましょう。期間の定めがない賃貸借になると、賃貸人からの解約の申入れには正当の事由が必要となり、申入れの日から6か月を経過して初めて終了します。短い期間を定めたはずが、かえって終わらせにくい契約になるわけです。なお、定期建物賃貸借ではこの規定は適用されず、6か月といった短い期間もそのまま有効になります。
他の選択肢について

・6か月がそのまま有効:普通建物賃貸借では、1年未満の期間の定めに効力は認められません。
・1年に延ばされる:期間を1年に読み替えるという規定はありません。
・契約が無効になる:契約自体は有効で、期間の定めの部分の扱いが変わるにとどまります。
問37-5

期間の定めのある建物賃貸借で、更新拒絶の通知はいつまでに行うか。

  • ①満了の3か月前まで
  • ②満了の6か月前から3か月前までの間
  • ③満了の1年前から6か月前までの間
  • ④満了の日の翌日から1か月以内
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正解 ③満了の1年前から6か月前までの間
解説
借地借家法第26条第1項は、期間の定めがある建物の賃貸借で、当事者が期間の満了の1年前から6か月前までの間に、更新をしない旨の通知または条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされると定めています。ただし、更新後の期間は定めがないものとなります。

「1年前から6か月前まで」という窓は、賃借人が次の住まいを探す時間を確保するために置かれています。さらに同条第2項により、通知をした場合であっても、期間の満了後に賃借人が使用を継続し、賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときは、同じく更新したものとみなされます。通知して終わりではない点に注意しましょう。
他の選択肢について

・6か月前から3か月前まで:通知の期間の始期も終期も条文と異なります。
・3か月前まで:3か月は、期間の定めのない賃貸借で賃借人が解約を申し入れた場合の民法上の期間です。
・満了後1か月以内:更新拒絶の通知は期間の満了より前に行うものです。
問47-5

賃貸人の更新拒絶に必要な正当の事由は、どのように判断されるか。

  • ①賃貸人が使用を必要とする事情だけで決まる
  • ②立退料を支払えば必ず認められる
  • ③賃料の滞納の有無だけで判断される
  • ④立退料の申出も考慮要素の一つとなる
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正解 ④立退料の申出も考慮要素の一つとなる
解説
借地借家法第28条は、賃貸人による更新拒絶の通知や解約の申入れは、賃貸人および賃借人が建物の使用を必要とする事情のほか、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況および現況、そして賃貸人が明渡しの条件としてまたは明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければすることができないと定めています。

立退料の申出は最後の要素に当たります。ここで大切なのは、立退料が単独では決め手にならないという点です。あくまで他の事情を総合したうえで、あと一歩足りない部分を補う位置づけであり、金額さえ積めば必ず明け渡させられるという制度ではありません。
他の選択肢について

・立退料で必ず認められる:立退料は考慮要素の一つにすぎません。
・滞納の有無だけ:滞納は従前の経過として考慮され得ますが、単独の判断基準ではありません。
・賃貸人の事情だけ:条文は賃借人が建物の使用を必要とする事情も並べて挙げています。
問57-5

期間の定めのない建物賃貸借で、賃貸人が解約を申し入れた場合はいつ終了するか。

  • ①申入れの日から6か月
  • ②申入れの日から3か月
  • ③申入れの日から1か月
  • ④申入れが到達した時
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正解 ①申入れの日から6か月
解説
借地借家法第27条第1項は、建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合、建物の賃貸借は解約の申入れの日から6か月を経過することによって終了すると定めています。加えて、その申入れには第28条の正当の事由が必要です。

これに対し、賃借人からの解約の申入れには民法が適用され、建物の賃貸借は申入れの日から3か月の経過によって終了します。正当の事由も要りません。貸主は6か月かつ正当の事由、借主は3か月のみ、と非対称になっているのは、住まいを失う不利益の大きさが両者でまるで違うからです。借地借家法は生活の本拠を守る法律だと理解すると、この差が自然に頭に残ります。
他の選択肢について

・3か月:3か月は賃借人から解約を申し入れた場合の期間です。
・1か月:1か月は、床面積200平方メートル未満の居住用の定期建物賃貸借で、やむを得ない事情により賃借人が解約を申し入れた場合の期間です。
・到達した時:一定の期間の経過が必要とされています。
問67-5

借賃増減請求権について正しいものはどれか。

  • ①契約期間が満了する時期にだけ請求できる
  • ②借賃が不相当となったときに請求できる
  • ③不増額特約があっても増額を請求できる
  • ④請求すれば相手の同意なく賃料が確定する
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正解 ②借賃が不相当となったときに請求できる
解説
借地借家法第32条第1項は、建物の借賃が、租税その他の負担の増減、土地建物の価格の上昇や低下その他の経済事情の変動により、または近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は将来に向かって借賃の額の増減を請求することができると定めています。近傍同種とは、近くにある似た条件の建物という意味です。

長い賃貸借では、契約時に決めた賃料が世の中の相場から離れていきます。そのずれを直せるようにしたのがこの制度です。ただし、一定の期間借賃を増額しない旨の特約がある場合はその定めに従います。また協議が調わないときは、裁判が確定するまで、請求を受けた側は相当と認める額を支払えば足ります。
他の選択肢について

・満了時にだけ請求できる:時期の制限はなく、事情が不相当となったときに請求できます。
・不増額特約があっても:一定期間増額しない旨の特約があるときは、その定めに従います。
・請求で確定する:協議が調わなければ、裁判で確定するまで額は定まりません。
問77-5

定期建物賃貸借の要件として正しいものはどれか。

  • ①契約の締結後に書面を交付すればよい
  • ②口頭で更新がない旨を説明すれば足りる
  • ③書面で契約し更新がない旨を事前に説明
  • ④契約期間を1年以上としなければならない
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正解 ③書面で契約し更新がない旨を事前に説明
解説
借地借家法第38条第1項は、期間の定めがある建物の賃貸借について、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、契約の更新がないこととする旨を定めることができると規定しています。契約の内容を記録した電磁的記録によってされたときも、書面によるものとみなされます。

さらに同条第3項により、賃貸人はあらかじめ賃借人に対し、更新がなく期間の満了により賃貸借が終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければなりません。この事前説明を怠ると、更新がない旨の定めは無効となり、ふつうの建物賃貸借として更新される契約になってしまいます。契約書とは別の書面が必要であり、説明は契約の前でなければならない、という二点が要です。
他の選択肢について

・口頭の説明で足りる:契約書とは別に、書面を交付しての事前の説明が必要です。
・締結後に交付すればよい:説明はあらかじめ行わなければなりません。
・1年以上でなければならない:1年未満の期間を定めることもできます。
問87-5

期間を3年とする定期建物賃貸借の終了について正しいものはどれか。

  • ①通知がなければ同一の条件で更新される
  • ②更新がない契約なので終了の通知は不要だ
  • ③満了の3か月前までに通知すれば足りる
  • ④満了の1年前から6か月前までに通知する
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正解 ④満了の1年前から6か月前までに通知する
解説
借地借家法第38条第6項は、定期建物賃貸借において期間が1年以上である場合、賃貸人は、期間の満了の1年前から6か月前までの通知期間に、期間の満了により賃貸借が終了する旨を賃借人に通知しなければ、その終了を賃借人に対抗することができないと定めています。

更新がない契約であっても、賃借人が満了の日を忘れていれば突然住まいを失いかねません。そこで、あらためて知らせる手続が求められています。通知期間を過ぎてから通知した場合でも、その通知の日から6か月を経過した後は終了を対抗できます。つまり遅れた分だけ明渡しの時期が後ろへずれるだけで、契約が更新されてしまうわけではありません。なお期間が1年未満の定期建物賃貸借では、この通知は不要です。
他の選択肢について

・通知は不要:期間が1年以上の場合、終了を対抗するには通知が必要です。
・3か月前までで足りる:通知期間は満了の1年前から6か月前までです。
・更新される:更新されるのではなく、終了を賃借人に対抗できなくなるにとどまります。
問97-5

特定賃貸借契約に関する誇大広告等の禁止について正しいものはどれか。

  • ①登録を受けていない事業者にも適用される
  • ②登録を受けた事業者にだけ適用される
  • ③新聞広告だけに適用され他は対象外である
  • ④家賃の額の表示についてだけ適用される
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正解 ①登録を受けていない事業者にも適用される
解説
誇大広告等の禁止(法第28条)は、特定転貸事業者または勧誘者、すなわち特定転貸事業者等に適用されます。特定転貸事業者は転貸事業を営む者として定義されており、賃貸住宅管理業の登録の有無とは関係がありません。登録していないから規制を免れる、ということは起こらない作りです。

禁止されるのは、家賃の額・支払期日・支払方法等の賃貸の条件とその変更に関する事項、賃貸住宅の維持保全の実施方法、維持保全に要する費用の分担に関する事項、契約の解除に関する事項について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものより著しく優良もしくは有利であると人を誤認させる表示をすることです。「30年家賃保証」とだけ大きく掲げ、減額があり得ることを小さくしか書かない広告が例です。
他の選択肢について

・登録業者にだけ適用:規制の対象は特定転貸事業者等で、登録の有無で分かれません。
・新聞広告だけ:媒体による限定はなく、インターネット広告も対象です。
・家賃の表示だけ:維持保全の実施方法や費用の分担、解除に関する事項も対象です。
問107-5

特定賃貸借契約に関する不当な勧誘等の禁止に当たる行為はどれか。

  • ①将来の減額の可能性を書面に明記して伝える
  • ②判断に影響する重要な事項を故意に告げない
  • ③違約金の定めを相手に正確に伝えて説明する
  • ④相手が希望した日時に訪問して説明する
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正解 ②判断に影響する重要な事項を故意に告げない
解説
法第29条第1号は、特定転貸事業者等は、特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際し、またはその解除を妨げるため、相手方等に対し、判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項について、故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為をしてはならないと定めています。将来の家賃の減額があり得ることを知りながら黙っている、といった行為がこれに当たります。違反は6か月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です。

このほか省令は、威迫する行為、迷惑を覚えさせるような時間の電話や訪問による勧誘、私生活や業務の平穏を害する方法で困惑させる行為、契約しない旨の意思を示した相手方への執ような勧誘を禁じています。
他の選択肢について

・減額の可能性を明記する:不利な事実をきちんと伝えており、むしろ法が求めている対応です。
・違約金を正確に伝える:解除を妨げる行為ではなく、正確な情報の提供に当たります。
・希望した日時に訪問する:相手方が望んだ日時であり、迷惑を覚えさせるような時間の勧誘には当たりません。

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