2026年版・7-4

基礎-4 賃貸借契約の基本ルール(民法)の一問一答

賃貸不動産経営管理士試験「最初に覚える土台知識」から、基礎-4 賃貸借契約の基本ルール(民法)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全580問)
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問17-4

民法が定める賃貸借契約の成立について正しいものはどれか。

  • ①当事者の合意だけで成立し書面は要らない
  • ②公正証書で作成しなければ効力を生じない
  • ③目的物を引き渡した時に効力を生じる
  • ④賃料を1か月分前払いした時に成立する
答えと解説を見る
正解 ①当事者の合意だけで成立し書面は要らない
解説
賃貸借は、当事者の一方がある物の使用および収益を相手方にさせることを約し、相手方がその賃料を支払うことおよび引渡しを受けた物を契約が終了したときに返還することを約することによって、その効力を生じます(民法第601条)。合意だけで成立する契約を諾成契約といい、賃貸借はこれに当たります。

実務ではもちろん契約書を作りますが、それは内容をはっきりさせて後の紛争を防ぐためであって、成立の要件ではありません。ここを理解しておくと、「まだ契約書に押印していないから何の義務もない」という言い分が通らない理由が分かります。口頭で条件が固まっていれば、その時点で賃貸借は成立しているのです。
他の選択肢について

・公正証書が必要:公正証書によることが求められるのは事業用定期借地権など限られた場面です。
・引渡しで効力を生じる:引渡しを成立の要件とするのは要物契約で、賃貸借はこれに当たりません。
・前払いで成立する:賃料の支払は契約上の義務であって、成立の要件ではありません。
問27-4

民法が定める建物の賃料の支払時期の原則はどれか。

  • ①特約がなければ毎月初めの前払いである
  • ②特約がなければ毎月末の後払いである
  • ③特約があっても毎月末の後払いとなる
  • ④特約があっても毎月初めの前払いとなる
答えと解説を見る
正解 ②特約がなければ毎月末の後払いである
解説
民法第614条は、賃料は動産、建物および宅地については毎月末に支払わなければならないと定めており、原則は後払いです。土地(宅地以外)については毎年末とされています。

もっともこの規定は任意規定です。任意規定とは、当事者が別の合意をすればそちらが優先する決まりのことをいいます。そのため特約によって前払いとすることができ、実際の建物賃貸借では「翌月分を前月末日までに支払う」という前払いの特約が置かれるのがふつうです。民法の原則は後払い、しかし実務は特約による前払いが一般的、という二段構えで押さえてください。
他の選択肢について

・特約がなければ前払い:民法の原則は後払いで、前払いは特約によって定めるものです。
・特約があっても後払い:任意規定であるため、特約で前払いとすることができます。
・特約があっても前払い:法が前払いを強制する規定は置かれていません。
問37-4

賃貸人の修繕義務について正しいものはどれか。

  • ①使用収益に必要な修繕でも義務を負わない
  • ②原因を問わず賃貸人が修繕の義務を負う
  • ③賃借人に落ち度がある修繕は義務がない
  • ④入居後に生じた修繕はすべて賃借人負担だ
答えと解説を見る
正解 ③賃借人に落ち度がある修繕は義務がない
解説
民法第606条第1項は、賃貸人は賃貸物の使用および収益に必要な修繕をする義務を負うとしたうえで、ただし書で、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでないと定めています。

考え方はごく素直です。使える状態で貸すのが賃貸人の役目なので、老朽化した給湯器やもともとの配管の不具合は賃貸人が直します。他方、入居者が誤った使い方をして壊した部分まで賃貸人に直させるのは筋が通りません。責めに帰すべき事由とは、その人の落ち度と言い換えられます。なお、賃貸人が保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人はこれを拒むことができません。
他の選択肢について

・原因を問わず負う:賃借人に落ち度がある場合は、ただし書により賃貸人は義務を負いません。
・義務を負わない:使用収益に必要な修繕は、賃貸人の義務として条文に明記されています。
・入居後は賃借人負担:入居後でも、通常の使用に伴う設備の故障などは賃貸人の修繕義務の範囲です。
問47-4

賃借人が自ら修繕できるのは、どのような場合か。

  • ①通知せずに好みで内装を変えたいとき
  • ②賃借人が修繕したほうが安く済むとき
  • ③賃貸人が必要を知ってから3年が過ぎたとき
  • ④通知しても相当の期間内に修繕されないとき
答えと解説を見る
正解 ④通知しても相当の期間内に修繕されないとき
解説
民法第607条の2は、賃借物の修繕が必要である場合において、賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、または賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき、および急迫の事情があるときのいずれかに当たれば、賃借人が修繕をすることができると定めています。

まず知らせて待つのが原則、待っていられない事情があるときは例外、という二本立てです。急迫の事情とは、真冬に暖房が壊れた、水があふれ続けているといった、待てば被害が広がる状況をいいます。なお、賃貸人が負担すべき必要費を賃借人が立て替えたときは、直ちにその償還を請求できます。
他の選択肢について

・安く済むとき:費用の多寡は要件とされていません。
・3年が過ぎたとき:条文が求めるのは「相当の期間内」であり、このような年数の定めはありません。
・好みで内装を変えたいとき:修繕が必要な場合の規定であり、賃借人の希望による模様替えには及びません。
問57-4

賃借人が支出した費用の償還請求について正しいものはどれか。

  • ①必要費は直ちにその償還を請求できる
  • ②必要費は契約の終了時にだけ請求できる
  • ③有益費は支出した時に直ちに請求できる
  • ④必要費も有益費も償還を請求できない
答えと解説を見る
正解 ①必要費は直ちにその償還を請求できる
解説
民法第608条第1項は、賃借人が賃借物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し直ちにその償還を請求することができると定めています。必要費とは、雨漏りの応急修理のように、物を通常の状態に保つために欠かせない費用のことです。

これに対して有益費は、物の価値を高めるための費用をいいます。畳を上質なものに替える、設備を新しくするといった支出が例です。有益費の償還は賃貸借の終了の時に、価格の増加が現存する場合に限って認められます(同条第2項)。すぐ返してもらえるのが必要費、終わってから、しかも価値が残っていれば返してもらえるのが有益費、という違いを押さえてください。
他の選択肢について

・必要費は終了時にだけ:必要費は直ちに請求できる点が、有益費との大きな違いです。
・有益費を支出時に請求:有益費の償還を請求できるのは賃貸借の終了の時です。
・いずれも請求できない:民法は双方について償還請求の規定を置いています。
問67-4

賃借権の譲渡や転貸について正しいものはどれか。

  • ①賃貸人へ通知すれば承諾は要らない
  • ②賃貸人の承諾を得なければできない
  • ③譲渡には承諾が要るが転貸には要らない
  • ④親族への転貸なら承諾がなくてもできる
答えと解説を見る
正解 ②賃貸人の承諾を得なければできない
解説
民法第612条第1項は、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、または賃借物を転貸することができないと定めています。賃貸借は、誰が使うのかが貸主にとって大きな意味を持つ契約だからです。使い方の丁寧さも、賃料を払える力も、人によって違います。

これに違反して第三者に使用収益させたときは、賃貸人は契約を解除することができます(同条第2項)。ただし判例は、賃貸人に対する背信的行為(=信頼を裏切る行為)と認めるに足りない特段の事情があるときは解除できないとしています。同居の家族が引き続き住んでいるだけ、といった実質的な害のない場合まで解除を認めるのは行き過ぎだ、という考え方です。
他の選択肢について

・通知すればよい:条文が求めているのは承諾であり、一方的な通知では足りません。
・転貸には要らない:譲渡と転貸のいずれについても承諾が必要です。
・親族なら要らない:相手方が親族であっても、承諾が不要になるわけではありません。
問77-4

民法が定める敷金の返還について正しいものはどれか。

  • ①賃借人が充当を請求することもできる
  • ②賃貸借が終了した時に全額を返還する
  • ③建物の返還を受けた時に残額を返還する
  • ④敷金という名称の金銭だけが敷金になる
答えと解説を見る
正解 ③建物の返還を受けた時に残額を返還する
解説
民法第622条の2第1項は、賃貸人は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたときに、受け取った敷金の額から賃借人の債務の額を控除した残額を返還しなければならないと定めています。返還の時期が明渡しの後である点が重要で、明渡しと敷金の返還が同時履行の関係に立つわけではありません。「敷金を返してくれるまで出ていかない」という主張は通らないということです。

敷金とは、名目がどうであれ、賃料債務その他賃貸借から生じる賃借人の債務を担保する目的で賃借人が交付する金銭をいいます。保証金などの名称でも、この目的で預けられていれば敷金として扱われます。
他の選択肢について

・終了時に全額を返還:返還義務が生じるのは賃貸物の返還を受けた時で、しかも控除後の残額の返還です。
・賃借人が充当を請求:敷金を債務の弁済に充てられるのは賃貸人の側です。
・名称が敷金のものだけ:名目を問わず、債務を担保する目的で交付された金銭が敷金に当たります。
問87-4

賃貸中の建物が売られた場合の賃貸人たる地位について正しいものはどれか。

  • ①敷金の返還債務だけは売主に残り続ける
  • ②賃借人の承諾がなければ買主へ移らない
  • ③移転の主張に所有権の移転登記は要らない
  • ④対抗要件を備えていれば買主へ移転する
答えと解説を見る
正解 ④対抗要件を備えていれば買主へ移転する
解説
民法第605条の2第1項は、賃借人が建物の引渡しなどの対抗要件を備えている場合において、その不動産が譲渡されたときは、賃貸人たる地位は譲受人(買主)に移転すると定めています。賃借人の承諾は必要ありません。賃貸人が代わっても、賃借人は同じ条件で住み続けられるため、不利益がほとんどないからです。

ただし、この地位の移転を賃借人に対抗するには、賃貸物である不動産について所有権の移転の登記が必要です(同条第3項)。登記を備えないうちは、買主は「自分が新しい大家だから賃料を払え」とは言えません。二重に請求される危険から賃借人を守る仕組みです。地位が移転したときは、費用の償還に係る債務と敷金の返還に係る債務も譲受人が承継します。
他の選択肢について

・賃借人の承諾が必要:賃借人が不利益を受けにくいため、承諾は不要とされています。
・登記は要らない:賃借人に対抗するには所有権の移転の登記が必要です。
・敷金債務が売主に残る:敷金の返還に係る債務は譲受人が承継します。
問97-4

賃借人の原状回復義務について正しいものはどれか。

  • ①通常損耗と経年変化は対象から除かれる
  • ②通常損耗と経年変化も対象に含まれる
  • ③落ち度がない損傷も回復する義務を負う
  • ④入居時からあった傷も回復の対象となる
答えと解説を見る
正解 ①通常損耗と経年変化は対象から除かれる
解説
民法第621条は、賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷がある場合、賃貸借が終了したときにその損傷を原状に復する義務を負うとしつつ、通常の使用および収益によって生じた損耗(通常損耗)と経年変化を、この損傷から明文で除いています。さらに、損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときも義務を負いません。

家具を置いたことによる床のへこみや、日光による壁紙の色あせは、ふつうに暮らしていれば避けられません。こうした分の費用はあらかじめ賃料に織り込まれていると考えられており、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」も同じ立場から、通常損耗や経年変化の回復費用は賃貸人の負担としています。
他の選択肢について

・通常損耗も含まれる:条文で明文的に除かれています。
・落ち度がなくても負う:ただし書により、落ち度がなければ義務を負いません。
・入居時からの傷も:対象は受け取った後に生じた損傷で、入居前からの傷は含まれません。
問107-4

個人が賃借人の債務を保証する根保証契約について正しいものはどれか。

  • ①極度額を定めるかどうかは任意である
  • ②極度額を定めなければ効力を生じない
  • ③極度額がなくても賃料3か月分は有効だ
  • ④保証契約は口頭の合意でも効力を生じる
答えと解説を見る
正解 ②極度額を定めなければ効力を生じない
解説
賃貸借契約の連帯保証のように、一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証を根保証といいます。民法第465条の2第2項は、保証人が法人でないもの、すなわち個人根保証契約では、極度額を定めなければその効力を生じないと定めています。

極度額とは、保証人が負う責任の上限額のことです。賃貸借の保証は、滞納賃料だけでなく原状回復費用や損害賠償にも及び、しかも更新のたびに続きます。上限が分からないまま親族が署名し、後から数百万円を請求される事態が実際に起きていたため、契約の時点で上限をはっきり示すことが求められるようになりました。なお保証契約そのものも、書面(または内容を記録した電磁的記録)でしなければ効力を生じません。
他の選択肢について

・定めるかどうかは任意:個人根保証では極度額の定めが効力の要件です。
・3か月分は有効:このような金額による救済の定めは置かれていません。
・口頭でも効力を生じる:保証契約は書面によらなければ効力を生じません。

賃貸不動産経営管理士試験の対策問題(全580問)に戻る

※本ページは非公式の資格試験対策ページであり、一般社団法人 賃貸不動産経営管理士協議会およびその他の主催団体とは一切関係ありません。

※本ページでは、アクセス解析(Googleアナリティクス)と、広告の配信・成果の計測(A8.net)のためにCookie等を利用し、閲覧に関する情報をGoogle LLC・株式会社ファンコミュニケーションズへ送信しています。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

【PR】