2026年版・6-6

事業承継対策の一問一答

FP2級試験「相続・事業承継」から、事業承継対策に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問16-6

非上場株式等についての贈与税・相続税の納税猶予制度(事業承継税制)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①一定の要件を満たす後継者が非上場会社の株式等を承継する場合、その株式等に係る税額の納税が猶予される制度である。
  • ②原則として、この事業承継税制という制度は、実際には株式を承継した時点で税額がそのまま全額免除される制度である。
  • ③原則として、この事業承継税制の適用に、法律上、都道府県知事による認定等の一連の手続きは一切不要である。
  • ④原則として、この事業承継税制という制度は、実際には上場企業の株式の承継についてのみ適用される制度である。
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正解 ①一定の要件を満たす後継者が非上場会社の株式等を承継する場合、その株式等に係る税額の納税が猶予される制度である。
解説
事業承継税制は、後継者が非上場会社(中小企業者等)の株式等を先代経営者から贈与・相続により承継する場合、一定の要件を満たすことで、その株式等に対応する贈与税・相続税額の納税が猶予される制度です。

他の選択肢が不適切な理由
直ちに全額免除されるのではなく、要件を満たし続ける限り納税が猶予される仕組みで、後継者の死亡等により猶予税額が免除される場合があります。適用には都道府県知事の認定等、所定の手続きが必要です。制度の対象は非上場の中小企業の株式等であり上場企業は対象外です。
問26-6

自社株の評価引き下げ対策に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①配当を抑制したり、役員退職金の支給により純資産や利益を圧縮したりすることで、株価評価を下げる対策がある。
  • ②原則として、非上場の自社株式の評価は、そもそもいかなる方法を用いても法律上引き下げることはできない。
  • ③原則として、役員退職金の支給という手法は、自社株式の評価額にはそもそも全く何の影響も及ぼさない。
  • ④原則として、この自社株評価引き下げ対策というもの自体こそが、そもそも明確に法律上禁止されている行為である。
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正解 ①配当を抑制したり、役員退職金の支給により純資産や利益を圧縮したりすることで、株価評価を下げる対策がある。
解説
非上場株式の評価は配当・利益・純資産等の実績を反映するため、配当の抑制や、役員退職金の支給による純資産・利益の一時的な圧縮などにより、類似業種比準方式や純資産価額方式による評価額を引き下げる対策が実務上行われています。

他の選択肢が不適切な理由
合理的な範囲での対策は可能です。役員退職金の支給は純資産・利益を減少させ株価評価に影響を及ぼします。適正な範囲で行う限り、法律上禁止された行為ではありません。
問36-6

事業承継における種類株式の活用(いわゆる黄金株等)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①拒否権付株式(黄金株)を先代経営者が保有することで、重要事項について一定の抑止力を持たせることができる。
  • ②原則として、種類株式という仕組みは、普通株式と全く同一の権利内容しかそもそも設定できない制度である。
  • ③原則として、この黄金株という特別な種類株式をひとたび発行すると、他の株主の議決権もそのまま自動的に消滅する。
  • ④原則として、この種類株式という制度の発行には、そもそもいかなる会社法上の手続きも一切不要である。
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正解 ①拒否権付株式(黄金株)を先代経営者が保有することで、重要事項について一定の抑止力を持たせることができる。
解説
拒否権付株式(いわゆる黄金株)は、株主総会等の決議事項について拒否権を持つ種類株式で、先代経営者が事業承継後もこれを保有することで、後継者の経営判断に対する一定の抑止力(歯止め)を持たせる活用方法があります。

他の選択肢が不適切な理由
種類株式には議決権制限株式・配当優先株式等、普通株式とは異なる多様な権利内容を設定できます。他の株主の議決権が自動的に消滅するわけではありません。種類株式の発行には定款変更等、会社法上の所定の手続きが必要です。
問46-6

遺留分に関する民法の特例(経営承継円滑化法)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①後継者が取得した自社株式について、遺留分算定基礎財産から除外する「除外合意」等ができる制度である。
  • ②原則として、この遺留分に関する民法特例は、後継者以外の推定相続人全員の合意がなくても一方的に適用できる。
  • ③原則として、この遺留分に関する民法特例には、そもそも固定合意という仕組みは一切含まれていない。
  • ④原則として、この民法特例の適用に、経済産業大臣の確認等の一連の手続きはそもそも一切不要である。
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正解 ①後継者が取得した自社株式について、遺留分算定基礎財産から除外する「除外合意」等ができる制度である。
解説
経営承継円滑化法に基づく遺留分に関する民法の特例では、後継者が先代経営者から贈与を受けた自社株式について、推定相続人全員の合意を前提に、遺留分算定基礎財産から除外する「除外合意」や、評価額をあらかじめ固定する「固定合意」を活用できます。

他の選択肢が不適切な理由
後継者以外の推定相続人全員の合意が必要な制度です。固定合意も特例に含まれる仕組みの一つです。適用には経済産業大臣の確認及び家庭裁判所の許可の手続きが必要です。
問56-6

事業承継における生命保険の活用に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①経営者に万一のことがあった場合の相続税の納税資金や、遺族への代償分割資金の準備に活用できる。
  • ②生命保険という金融商品というものは、事業承継対策としてはそもそも全く活用の余地がないものである。
  • ③一般に、生命保険をどれだけ活用してみても、相続税の納税資金の準備にはそもそも一切役立たない。
  • ④事業承継における生命保険の活用という対策は、法人契約に限られ経営者個人の契約では一切活用できない。
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正解 ①経営者に万一のことがあった場合の相続税の納税資金や、遺族への代償分割資金の準備に活用できる。
解説
事業承継においては、経営者に万一のことがあった場合の相続税の納税資金や、自社株式を集中して承継させる代わりに他の相続人へ支払う代償分割資金を準備する目的で、生命保険が活用されます。

他の選択肢が不適切な理由
生命保険は事業承継対策で広く活用される手段の一つです。納税資金対策として有効な活用方法です。法人契約だけでなく、経営者個人の生命保険契約による対策も行われます。
問66-6

自己株式の取得による株式の分散防止に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①会社が少数株主等から自社の株式を買い取ることで、株式の分散を防ぎ後継者への集中を図ることができる。
  • ②原則として、この自己株式の取得という手法は、会社法上いかなる場合であっても一切禁止されている行為である。
  • ③原則として、この自己株式の取得という手法は、株式の分散防止には全く何の効果もない対策である。
  • ④この自己株式の取得という手法には、財源規制等の会社法上の制約はそもそも一切設けられていない。
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正解 ①会社が少数株主等から自社の株式を買い取ることで、株式の分散を防ぎ後継者への集中を図ることができる。
解説
相続等により分散してしまった株式を、会社自身が少数株主等から買い取る(自己株式の取得)ことで、株式の分散を抑え、後継者への議決権の集中を図る事業承継対策として活用されます。

他の選択肢が不適切な理由
会社法上、一定の手続き・財源規制のもとで自己株式の取得は認められています。株式の分散防止に有効な対策の一つです。分配可能額の範囲内で行う必要があるなど財源規制が設けられています。
問76-6

事業承継において遺言を活用する目的に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①後継者に自社株式や事業用資産を集中して承継させ、経営の安定を図ることができる。
  • ②たとえ遺言を作成しても、自社株式の承継先を指定することはそもそも一切できない。
  • ③遺言を活用した事業承継対策は、後継者以外の相続人の遺留分の問題とは一切関係がない。
  • ④一般に、遺言は、事業を承継しない相続人の存在する事業承継には全く活用できない制度である。
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正解 ①後継者に自社株式や事業用資産を集中して承継させ、経営の安定を図ることができる。
解説
遺言を活用することで、経営者は自社株式や事業用資産を後継者に集中して承継させる意思を明確にでき、経営権の分散を防ぎ、円滑な事業承継と経営の安定を図ることができます。

他の選択肢が不適切な理由
遺言により承継先を具体的に指定することができます。後継者以外の相続人の遺留分を侵害する内容の場合、遺留分侵害額請求のリスクがあるため、遺留分に配慮した対策(民法特例の活用等)が重要になります。後継者以外の相続人がいる場合にこそ、遺言による対策の意義が大きくなります。
問86-6

持株会社(ホールディングカンパニー)化による事業承継対策に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①持株会社が事業会社の株式を保有する体制にすることで、株式の分散防止や後継者への権限集中がしやすくなる場合がある。
  • ②原則として、この持株会社化という組織再編を行っても、事業承継対策としては全く効果がまるでないものである。
  • ③原則として、この持株会社化という組織再編を行うと、事業会社に対する経営への実質的な関与が完全になくなってしまう。
  • ④原則として、この持株会社化を行う場合であっても、会社法や税務上のあらゆる考慮事項はそもそも一切存在しない。
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正解 ①持株会社が事業会社の株式を保有する体制にすることで、株式の分散防止や後継者への権限集中がしやすくなる場合がある。
解説
持株会社化(グループ経営体制への移行)により、事業会社の株式を持株会社に集約することで、株式の分散防止や、持株会社の株式のみを後継者に承継させることによる権限集中がしやすくなる効果が期待できます。

他の選択肢が不適切な理由
事業承継対策として一定の効果が期待できる手法です。持株会社を通じて事業会社をグループとして統括する体制であり、経営への関与がなくなるわけではありません。組織再編や税務上、株式移転・株式交換等の手続きや検討事項が伴います。
問96-6

従業員持株会の活用に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • ①従業員に自社株式の一部を保有させることで、オーナー家族の株式保有割合を維持しつつ株価対策にもなり得る。
  • ②原則として、この従業員持株会という仕組みは、経営者一族の議決権を完全に奪ってしまう制度である。
  • ③一般に、この従業員持株会に取得させる株式には、通常の相続税評価と全く同じ評価方法がそのまま用いられる。
  • ④一般に、この従業員持株会の活用という手法は、事業承継対策としてはそもそも一切用いられないものである。
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正解 ①従業員に自社株式の一部を保有させることで、オーナー家族の株式保有割合を維持しつつ株価対策にもなり得る。
解説
従業員持株会に自社株式の一部(主に議決権のない、または少数の株式)を保有させることで、オーナー家族の議決権割合を大きく損なうことなく、相続財産としての自社株式の絶対量を抑える対策として活用されます。従業員持株会が取得する株式は、少数株主として配当還元方式により低く評価されるのが一般的です。

他の選択肢が不適切な理由
経営者一族の議決権を完全に奪うものではなく、通常は議決権の少ない株式を保有させます。少数株主として配当還元方式により、原則的評価方式とは異なる低い評価になるのが一般的です。事業承継対策として広く活用される手法の一つです。
問106-6

個人事業者の事業承継税制(個人版事業承継税制)に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①青色申告に係る事業用資産を後継者が承継する場合、その資産に係る贈与税・相続税の納税が猶予される制度である。
  • ②一般に、この個人版事業承継税制という制度は、法人版事業承継税制とそのまま全く同一の対象資産を扱う制度である。
  • ③原則として、この個人版事業承継税制という制度は、白色申告を行う個人事業者のみを対象とした制度である。
  • ④原則として、この個人版事業承継税制の適用に、承継計画の提出等の一連の手続きはそもそも一切不要である。
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正解 ①青色申告に係る事業用資産を後継者が承継する場合、その資産に係る贈与税・相続税の納税が猶予される制度である。
解説
個人版事業承継税制は、青色申告を行う個人事業者の後継者が、事業用の宅地・建物・減価償却資産等の特定事業用資産を贈与・相続により取得する場合、一定の要件のもとでその資産に係る贈与税・相続税の納税が猶予される制度です。

他の選択肢が不適切な理由
法人版(自社株式が対象)とは対象資産(事業用資産)が異なります。青色申告を行う個人事業者が対象であり白色申告者は対象外です。適用には都道府県への承継計画の提出等、所定の手続きが必要です。

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