2026年版・1-8

一般構造(鉄骨構造)の一問一答

2級建築施工管理技士「建築学」から、一般構造(鉄骨構造)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全740問) 建築学の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-8

鋼構造に用いる鋼材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①鋼材のヤング係数は、コンクリートのおよそ2倍の値である。
  • ②鋼材は、炭素の含有量が多くなるほど引張強さは大きくなる。
  • ③鋼材は、温度が上昇すると強度が著しく低下する材料である。
  • ④SN材は、建築構造用として性能が規定された鋼材である。
答えと解説を見る
正解 ①鋼材のヤング係数は、コンクリートのおよそ2倍の値である。
解説
鋼材のヤング係数はおよそ2.05×10⁵N/mm²であるのに対し、普通コンクリートのヤング係数はおよそ2.1〜2.5×10⁴N/mm²です。したがって鋼材はコンクリートのおよそ10倍の値をもち、2倍ではありません。この比を弾性係数比といい、鉄筋コンクリートの許容応力度計算では一般に15として扱われます。鋼材が同じ応力度でコンクリートよりはるかに変形しにくいという性質は、鉄筋が引張力を効率よく負担できる理由にもなっており、両材料を比較するうえで基本となる数値です。

他の選択肢が不適切な理由
「鋼材は、炭素の含有量が多くなるほど引張強さは大きくなる。」は正しく、その一方で伸びや溶接性は低下します。「鋼材は、温度が上昇すると強度が著しく低下する材料である。」も正しく、500℃程度で常温のおよそ半分になるため耐火被覆が必要です。「SN材は、建築構造用として性能が規定された鋼材である。」も正しく、溶接性や塑性変形能力について建築用に必要な性能が定められています。

試験の罠
鋼材のヤング係数はおよそ2.05×10⁵N/mm²、コンクリートはおよそ2.1×10⁴N/mm²で、約10倍の差があります。「2倍」としたものは誤りです。この比をヤング係数比といい、鉄筋コンクリートの断面算定でも用いられます。
問21-8

高力ボルト摩擦接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①接合面には、赤錆の発生やブラスト処理などの処置を行う。
  • ②接合面には、防錆のために塗装を施しておく必要がある。
  • ③ボルトの締付けは、部材の中央部から端部へ向けて行う。
  • ④摩擦面のすべり係数は、0.45以上を確保する必要がある。
答えと解説を見る
正解 ②接合面には、防錆のために塗装を施しておく必要がある。
解説
高力ボルト摩擦接合は、ボルトを強く締め付けて部材どうしを圧着し、接合面に生じる摩擦力によって応力を伝える接合方法です。したがって、摩擦面はできるだけすべりにくい状態にしておく必要があります。塗装を施すと塗膜がすべりやすい層となって摩擦力が大幅に低下し、設計で想定した耐力が得られません。このため摩擦面には塗装を行わず、黒皮を除去して自然発錆させるか、ショットブラストなどで粗面に仕上げます。塗装は接合部の組立てが完了した後に、接合部の周囲へ行います。

他の選択肢が不適切な理由
「接合面には、赤錆の発生やブラスト処理などの処置を行う。」は正しく、いずれもすべり係数を確保するための標準的な処理です。「摩擦面のすべり係数は、0.45以上を確保する必要がある。」も正しく、設計耐力の前提となる値です。「ボルトの締付けは、部材の中央部から端部へ向けて行う。」も正しく、外側から締めると板が浮いて密着不良となるおそれがあるためです。

試験の罠
高力ボルト摩擦接合は、締め付けた板どうしの摩擦で応力を伝えます。摩擦面に塗装や油があると滑ってしまうため、赤錆の発生やブラスト処理でざらつかせ、すべり係数0.45以上を確保します。締付けは中央部から端部へ向かって行います。
問31-8

溶接接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①完全溶込み溶接では、裏当て金やエンドタブを用いる。
  • ②隅肉溶接のサイズは、薄いほうの母材の厚さ以下とする。
  • ③隅肉溶接の有効長さは、溶接の全長をそのまま用いる。
  • ④隅肉溶接ののど厚は、サイズの0.7倍として計算する。
答えと解説を見る
正解 ③隅肉溶接の有効長さは、溶接の全長をそのまま用いる。
解説
隅肉溶接では、溶接の始端と終端において、アークが安定せず溶け込みが浅くなったりクレーターが生じたりするため、その部分は耐力を期待できません。このため有効長さは、溶接の全長から溶接サイズの2倍を差し引いた値として計算します。すなわち全長をそのまま用いることはできません。たとえばサイズ6mmの隅肉溶接を全長100mmで行った場合、有効長さは100−6×2=88mmとなります。この考え方は、必要な溶接長さを求める際の基本となります。

他の選択肢が不適切な理由
「隅肉溶接のサイズは、薄いほうの母材の厚さ以下とする。」は正しく、これを超えると母材が溶け落ちるおそれがあります。「完全溶込み溶接では、裏当て金やエンドタブを用いる。」も正しく、板厚全体にわたる確実な溶込みと、始終端の品質確保のために用います。「隅肉溶接ののど厚は、サイズの0.7倍として計算する。」も正しく、直角二等辺三角形の断面において最も薄い部分の寸法にあたります。

試験の罠
隅肉溶接の有効長さは「全長−2×サイズ」です。溶接の始端と終端はのど厚が確保できないため、その分を差し引きます。のど厚はサイズの0.7倍(√2分の1)である点も併せて覚えます。
問41-8

溶接の欠陥に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①アンダーカットは、母材が溶けて溝状にへこむ欠陥である。
  • ②オーバーラップは、溶着金属が母材に融合せず重なる欠陥である。
  • ③内部の欠陥の検査には、超音波探傷試験が広く用いられる。
  • ④ブローホールは、溶接部の表面に生じる割れのことをいう。
答えと解説を見る
正解 ④ブローホールは、溶接部の表面に生じる割れのことをいう。
解説
ブローホールとは、溶接金属が凝固する過程で、内部に閉じ込められたガスが球状の空洞として残ってしまう内部欠陥をいいます。溶接部の断面を減少させて耐力を低下させるほか、応力集中の起点にもなります。表面に開口したものはピットと呼ばれ、区別されます。いずれにしても「表面に生じる割れ」ではありません。発生の原因は、母材表面の水分や油分、さび、あるいは溶接部の急冷などであり、開先面の清掃と適切な溶接条件の管理が防止の基本となります。

他の選択肢が不適切な理由
「アンダーカットは、母材が溶けて溝状にへこむ欠陥である。」は正しく、溶接電流が過大な場合などに生じ、断面欠損と応力集中の原因となります。「オーバーラップは、溶着金属が母材に融合せず重なる欠陥である。」も正しく、電流が小さすぎる場合などに生じます。「内部の欠陥の検査には、超音波探傷試験が広く用いられる。」も正しく、完全溶込み溶接部の内部欠陥の検出に用いられます。

試験の罠
溶接欠陥は場所で分けます。表面に生じるのがアンダーカット・オーバーラップ・ピット、内部に生じるのがブローホール(球状の空洞)・スラグ巻込み・溶込み不良です。内部欠陥の検出には超音波探傷試験を用います。
問51-8

高力ボルト接合の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①ボルトの中心間の距離は、ボルト径の1.5倍以上とする。
  • ②呼び径27mm未満のボルト孔径は、径に2.0mmを加えた値とする。
  • ③縁端距離は、板の縁の種類に応じて最小値が定められている。
  • ④本締めの後は、マーキングのずれにより締付けを確認する。
答えと解説を見る
正解 ①ボルトの中心間の距離は、ボルト径の1.5倍以上とする。
解説
高力ボルトの中心間の距離(ピッチ)は、ボルト径の2.5倍以上とすることが定められています。ボルトを近づけすぎると、締付けによって生じる圧縮力の及ぶ範囲が重なり合って摩擦力が十分に発揮されないほか、施工上も締付け工具が入らない、板がボルト孔の間で破断するといった問題が生じます。1.5倍以上では不足します。あわせて、板の端からボルト中心までの縁端距離にも最小値が定められており、いずれも接合部が想定どおりの耐力を発揮するための条件です。

他の選択肢が不適切な理由
「呼び径27mm未満のボルト孔径は、径に2.0mmを加えた値とする。」は正しく、呼び径27mm以上では3.0mmを加えた値となります。「縁端距離は、板の縁の種類に応じて最小値が定められている。」も正しく、せん断縁と圧延縁などで値が異なります。「本締めの後は、マーキングのずれにより締付けを確認する。」も正しく、共回りや軸回りの有無、ナットの回転量を目視で確認できます。

試験の罠
施行令第68条により、高力ボルト・ボルト・リベットの中心間距離は径の2.5倍以上です。孔径は径+2mm以下、径が27mm以上の場合は+3mmまで許容されます。2.5倍を1.5倍や2倍とした選択肢が定番です。
問61-8

鋼構造の部材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①幅厚比が大きい部材ほど、局部座屈を生じやすくなる。
  • ②細長比が小さい柱ほど、曲げ座屈をより生じやすくなる。
  • ③横補剛材を設けることは、横座屈の防止に有効である。
  • ④横座屈は、梁の圧縮側フランジが横にはらむ現象である。
答えと解説を見る
正解 ②細長比が小さい柱ほど、曲げ座屈をより生じやすくなる。
解説
細長比は、柱の座屈長さを断面二次半径で除した値であり、部材がどれだけ細長いかを表します。細長比が大きいほど、圧縮力に対して横へはらむ曲げ座屈を生じやすくなり、許容圧縮応力度は小さく定められます。逆に細長比が小さい、すなわち太くて短い柱は座屈しにくく、材料の強度をほぼそのまま発揮できます。したがって「細長比が小さいほど座屈しやすい」という記述は関係が逆です。座屈しやすさを判断する際は、断面積ではなく細長比で評価する点が重要です。

他の選択肢が不適切な理由
「幅厚比が大きい部材ほど、局部座屈を生じやすくなる。」は正しく、板要素が薄く広いほど部分的に波打つように座屈します。「横座屈は、梁の圧縮側フランジが横にはらむ現象である。」も正しく、曲げを受ける梁に特有の座屈です。「横補剛材を設けることは、横座屈の防止に有効である。」も正しく、圧縮側フランジの横方向の移動を拘束することで防ぎます。

試験の罠
細長比λ=座屈長さ÷断面二次半径で、λが大きい(細長い)ほど座屈しやすくなります。大小の向きを逆にした選択肢が典型です。局部座屈は幅厚比、横座屈は梁の圧縮側フランジ、と原因となる指標を対で覚えます。
問71-8

鋼構造の柱脚に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①露出形式柱脚は、ベースプレートとアンカーボルトで固定する。
  • ②根巻き形式柱脚は、柱の周囲を鉄筋コンクリートで巻く形式である。
  • ③露出形式柱脚は、3つの形式のうち最も固定度が高い形式である。
  • ④埋込み形式柱脚は、基礎コンクリートに柱を埋め込む形式である。
答えと解説を見る
正解 ③露出形式柱脚は、3つの形式のうち最も固定度が高い形式である。
解説
柱脚の形式は、露出形式・根巻き形式・埋込み形式の3種類に分けられ、この順で固定度が高くなります。露出形式は、ベースプレートを基礎の上に置いてアンカーボルトで留めるだけの形式であり、ボルトの伸びやベースプレートの変形により回転が生じるため、3つのなかで最も固定度が低くなります。最も固定度が高いのは、柱を基礎コンクリートの中に直接埋め込む埋込み形式です。設計では、柱脚の形式に応じて回転しにくさを適切に評価する必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「露出形式柱脚は、ベースプレートとアンカーボルトで固定する。」は正しく、施工が容易で工期も短くて済むという利点があります。「根巻き形式柱脚は、柱の周囲を鉄筋コンクリートで巻く形式である。」も正しく、露出形式と埋込み形式の中間の固定度が得られます。「埋込み形式柱脚は、基礎コンクリートに柱を埋め込む形式である。」も正しく、十分な埋込み深さを確保する必要があります。

試験の罠
柱脚の固定度は「露出形式<根巻き形式<埋込み形式」の順に高くなります。最も簡便な露出形式が最も固定度が低く、コンクリートに埋め込む形式が最も高い、と施工の手間と対応づけて覚えます。
問81-8

鋼構造の接合部に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①添え板は、応力を伝えるため接合部の両面に配置される。
  • ②通しダイアフラム形式では、柱を梁フランジの位置で切断する。
  • ③スカラップは、溶接線の交差を避けるための扇形の切欠きである。
  • ④ダイアフラムは、柱の座屈を防ぐため柱脚へ設ける板である。
答えと解説を見る
正解 ④ダイアフラムは、柱の座屈を防ぐため柱脚へ設ける板である。
解説
ダイアフラムは、角形鋼管柱などと梁とが取り合う仕口部において、梁のフランジと同じ高さの位置で柱の内部または外部に設ける補強の板です。梁フランジから伝わる大きな引張力・圧縮力を柱の反対側の面へ確実に伝達し、柱の管壁が局部的に変形するのを防ぐ役割を担います。すなわち設ける位置は柱と梁の仕口部であって柱脚ではなく、目的も柱全体の座屈防止ではありません。設け方により、通しダイアフラム・内ダイアフラム・外ダイアフラムの3形式に分けられます。

他の選択肢が不適切な理由
「通しダイアフラム形式では、柱を梁フランジの位置で切断する。」は正しく、切断した柱の間に板を挟んで溶接する、最も多く用いられる形式です。「スカラップは、溶接線の交差を避けるための扇形の切欠きである。」も正しく、溶接部の重なりによる品質低下を防ぎます。「添え板は、応力を伝えるため接合部の両面に配置される。」も正しく、スプライスプレートとも呼ばれます。

試験の罠
ダイアフラムは柱と梁の接合部(仕口部)に設け、梁フランジの応力を柱に伝えるとともに柱断面の変形を防ぐ板です。柱脚に設けるものではありません。通しダイアフラム形式では柱を梁フランジの位置で切断します。
問91-8

鋼構造の接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①溶接を先に行った場合でも、両者の耐力は加算してよいとされる。
  • ②高力ボルトと溶接を併用する場合、高力ボルトを先に締め付ける。
  • ③高力ボルト接合は、部材間の摩擦力によって応力を伝達する。
  • ④普通ボルト接合は、軒高9m以下などの小規模な建物に限られる。
答えと解説を見る
正解 ①溶接を先に行った場合でも、両者の耐力は加算してよいとされる。
解説
高力ボルト摩擦接合と溶接接合を同一の接合部で併用する場合、応力を分担させるためには、まず高力ボルトを締め付けて部材どうしを密着させ、その後に溶接を行う順序としなければなりません。この順序であれば両者の耐力を加算できます。逆に溶接を先に行うと、溶接部が先に固定されてしまい、後から高力ボルトを締めても部材が十分に密着せず摩擦力が期待できません。この場合は高力ボルトの耐力を見込むことができず、溶接だけで全応力を負担するものとして扱います。

他の選択肢が不適切な理由
「高力ボルトと溶接を併用する場合、高力ボルトを先に締め付ける。」は正しく、これが耐力を加算できる条件そのものです。「高力ボルト接合は、部材間の摩擦力によって応力を伝達する。」も正しく、ボルトの軸力によって生じる圧着力が摩擦力を生みます。「普通ボルト接合は、軒高9m以下などの小規模な建物に限られる。」も正しく、あわせて延べ面積や張り間についても制限が定められています。

試験の罠
高力ボルトと溶接を併用する場合、高力ボルトを先に締め付けたときだけ両者の耐力を加算できます。溶接を先に行うと熱で部材が密着し、後から締めるボルトが摩擦力を負担できないためです。「先にボルト」と手順で覚えます。
問101-8

鋼構造の耐火及び防錆に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

  • ①鋼材は500℃程度で、常温のおよそ半分まで強度が低下する。
  • ②耐候性鋼材は、塗装を行わなければ使用できない鋼材である。
  • ③耐火被覆は、火災時の鋼材の温度上昇を抑えるために行う。
  • ④溶融亜鉛めっきは、鋼材の防錆処理として用いられている。
答えと解説を見る
正解 ②耐候性鋼材は、塗装を行わなければ使用できない鋼材である。
解説
耐候性鋼材は、銅やクロム、ニッケルなどを少量加えることで、表面に緻密で密着性の高いさびの層を安定して形成させる鋼材です。この安定さび層が内部への腐食の進行を抑えるため、無塗装のままでも使用できるように設計されており、橋梁や外部の鉄骨などで塗替えの手間を省く目的で用いられます。したがって「塗装を行わなければ使用できない」という記述は誤りです。ただし、塩分の飛来が多い海岸地域などでは安定さび層が形成されにくいため、適用にあたっては環境条件の確認が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
「鋼材は500℃程度で、常温のおよそ半分まで強度が低下する。」は正しく、耐火被覆が必要とされる根拠となる性質です。「耐火被覆は、火災時の鋼材の温度上昇を抑えるために行う。」も正しく、吹付けロックウールや耐火板張りなどの工法があります。「溶融亜鉛めっきは、鋼材の防錆処理として用いられている。」も正しく、亜鉛が犠牲的に腐食して鋼材を保護します。

試験の罠
耐候性鋼材は表面に緻密な錆の層をつくって内部の腐食を止める鋼材で、無塗装で使えることが最大の特徴です。防食の方法は、耐候性鋼材(錆の層)、溶融亜鉛めっき(犠牲防食)、塗装の3つを区別して整理します。

2級建築施工管理技士の対策問題(全740問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。