2026年版・1-3

知識表現とエキスパートシステムの詳細の一問一答

G検定(ジェネラリスト検定)「人工知能とは・人工知能をめぐる動向」から、知識表現とエキスパートシステムの詳細に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。本試験は多肢選択式で、問い方は問題ごとに異なりますが、ここでは4択で出題しています。

問11-3

探索木を用いて解を探す方法のうち、「深さ優先探索」の特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①出発点に近い節点から順に調べるため、最短の解が必ず見つかるが、記憶を多く必要とする。
  • ②ゴールに近そうだと見積もった節点から優先して調べるため、少ない手数で解に近づきやすい。
  • ③行けるところまで深く進み行き止まりで戻るため、記憶は少なくて済むが最短とは限らない。
  • ④行けるところまで深く進み行き止まりで戻るため、記憶は多く必要だが最短の解が必ず見つかる。
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正解 ③行けるところまで深く進み行き止まりで戻るため、記憶は少なくて済むが最短とは限らない。
解説
深さ優先探索は、探索木の1つの枝をたどって行けるところまで深く進み、行き止まりになったら1つ前の分かれ道に戻って別の枝を進む、という方法です。
いま進んでいる道筋の分だけを覚えておけばよいため、必要な記憶(メモリ)は少なくて済みます。一方で、たまたま先に調べた枝の深いところで解が見つかると、それが最短の解でなくても探索を終えることがあるため、最短の解が見つかるとは限りません。

他の選択肢が不適切な理由
・近い節点から順に調べ最短の解が見つかる:これは幅優先探索の特徴です。同じ深さの節点をすべて覚えておく必要があるため、記憶を多く必要とします。
・ゴールに近そうな節点から優先して調べる:これは、ゴールまでの見積もり(ヒューリスティック)を手がかりにする最良優先探索の考え方です。深さ優先探索は見積もりを使わず、決まった順に1つの枝を深くたどります。
・深く進んで戻るが、記憶は多く最短の解が必ず見つかる:進み方は深さ優先探索のものですが、性質が幅優先探索のものと入れ替わっています。深さ優先探索は記憶が少なくて済む一方、最短の解が見つかるとは限りません。

覚え方のポイント
「深さ優先=記憶が少ない・最短とは限らない」「幅優先=最短が見つかる・記憶が多い」と、長所と短所を対にして覚えましょう。
問21-3

迷路やハノイの塔のような問題を解くために、問題の「状態」を節点、状態を変える「操作」を枝として、出発の状態から枝分かれしていく木の形で表したものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①決定木
  • ②意味ネットワーク
  • ③デンドログラム
  • ④探索木
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正解 ④探索木
解説
探索木は、問題の状態を節点(ノード)、ある状態から別の状態へ移る操作を枝として、出発点の状態から考えられる状態を木の形に展開したものです。迷路なら「今いる場所」が状態、「どちらに進むか」が操作にあたります。
第1次AIブームでは、このように問題を探索木で表し、幅優先探索や深さ優先探索でゴールの状態を探すことで、迷路やパズルなどを解きました。

他の選択肢が不適切な理由
・決定木:データの特徴量についての条件で枝分かれさせ、分類や回帰を行う機械学習のモデルです。
・意味ネットワーク:概念を節点、概念どうしの関係(is-a、part-ofなど)を矢印で結んで知識を表す方法です。
・デンドログラム:階層的クラスタリングで、データがまとまっていく過程を表す樹形図です。

覚え方のポイント
「木」の付く用語を区別しましょう。探索木=状態と操作(探索)、決定木=条件の分岐(機械学習)、デンドログラム=クラスタのまとまり方(教師なし学習)です。
問31-3

1960年代にスタンフォード大学で開発が始まり、質量分析のデータなどから有機化合物の分子構造を推定した、最初期のエキスパートシステムとして知られるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①DENDRAL
  • ②MYCIN
  • ③ELIZA
  • ④SHRDLU
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正解 ①DENDRAL
解説
DENDRALは、1960年代にスタンフォード大学のエドワード・ファイゲンバウムらが開発を始めたシステムで、質量分析のデータなどから、未知の有機化合物の分子構造を推定しました。化学の専門家の知識をルールとして組み込んだもので、最初期のエキスパートシステムとして知られています。
その後、同じくスタンフォード大学で、感染症の診断を支援するMYCINが開発され、第2次AIブームのエキスパートシステムの代表例となりました。

他の選択肢が不適切な理由
・MYCIN:1970年代にスタンフォード大学で開発された、血液の感染症の診断と抗菌薬の選択を支援するエキスパートシステムで、分子構造の推定を行うものではありません。
・ELIZA:1960年代にワイゼンバウムが開発した、パターンに当てはめて受け答えをする会話プログラムです。
・SHRDLU:積み木の世界の中で、英語による指示を理解して積み木を操作するプログラムです。

覚え方のポイント
エキスパートシステムは「DENDRAL(化合物の構造推定・最初期)」「MYCIN(感染症の診断)」の2つをセットで覚えましょう。どちらもスタンフォード大学です。
問41-3

1970年ごろにテリー・ウィノグラードが開発し、コンピュータの中の「積み木の世界」で、英語による指示を理解して積み木を動かしたり、質問に答えたりしたプログラムとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①ELIZA
  • ②SHRDLU
  • ③DENDRAL
  • ④STRIPS
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正解 ②SHRDLU
解説
SHRDLU(シュルドゥル)は、マサチューセッツ工科大学(MIT)のテリー・ウィノグラードが1970年ごろに開発したプログラムです。積み木だけからなる限られた世界(積み木の世界)の中で、「赤いブロックを箱に入れて」といった英語の指示を理解して積み木を動かし、その世界についての質問にも答えることができました。
限られた世界の中では高い能力を示しましたが、現実の複雑な世界にはそのまま広げられず、第1次AIブームの成果と限界を示す例として知られています。

他の選択肢が不適切な理由
・ELIZA:ワイゼンバウムが開発した会話プログラムで、相手の言葉をパターンに当てはめて返すだけで、積み木の世界を操作するものではありません。
・DENDRAL:有機化合物の分子構造を推定したエキスパートシステムです。
・STRIPS:ロボットの行動計画(プランニング)を「前提条件・行動・結果」で記述する方法です。

覚え方のポイント
「SHRDLU=積み木の世界・英語の指示・ウィノグラード」。限られた世界では賢くても現実には広げにくい、という点が第1次AIブームの限界と結び付きます。
問51-3

エキスパートシステムの推論のうち、「後ろ向き推論」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①手元にある事実にルールを次々と当てはめて、新しい事実を導き出しながら結論にたどり着く。
  • ②過去の事例の中から今の問題に最も似た事例を探し出し、その事例の解決策をそのまま使う。
  • ③証明したい結論を仮説として立て、それが成り立つ条件を事実とルールでさかのぼって確かめる。
  • ④大量のデータから統計的な規則を自動で学習し、人が書いたルールを使わずに結論を導き出していく。
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正解 ③証明したい結論を仮説として立て、それが成り立つ条件を事実とルールでさかのぼって確かめる。
解説
エキスパートシステムの推論には、大きく2つの進め方があります。後ろ向き推論(バックワード・チェイニング)は、「この患者は○○という感染症である」のように、確かめたい結論を仮説として立て、それが成り立つために必要な条件を、ルールをさかのぼりながら事実と照らし合わせて確かめていく方法です。診断のように、候補となる結論がある程度決まっている問題に向いており、MYCINで用いられました。

他の選択肢が不適切な理由
・事実にルールを次々と当てはめて結論に至る:これは前向き推論(フォワード・チェイニング)の説明で、推論の向きが逆です。
・似た過去の事例の解決策を使う:これは事例ベース推論の説明です。
・データから統計的に規則を学習する:これは機械学習の説明で、人が書いたルールで推論するエキスパートシステムの推論とは異なります。

覚え方のポイント
「前向き推論=事実→結論(データ駆動)」「後ろ向き推論=結論(仮説)→条件を確認(目標駆動)」と、矢印の向きで覚えましょう。
問61-3

エキスパートシステムの基本的な構成の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①専門家の知識と推論の手順を1つのプログラムに混ぜて書き、知識だけを直すことはできない。
  • ②専門家の知識を持たず、大量のデータからニューラルネットワークで判断の方法を学習する。
  • ③利用者の質問をインターネットで検索し、見つかった文章をそのまま回答として画面に表示する。
  • ④専門家の知識をまとめた知識ベースと、その知識を使って推論を行う推論エンジンを分けている。
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正解 ④専門家の知識をまとめた知識ベースと、その知識を使って推論を行う推論エンジンを分けている。
解説
エキスパートシステムは、主に、専門家の知識を「もし〜ならば〜である」といったルールなどの形でまとめた知識ベースと、その知識を使って結論を導く推論エンジン、利用者とのやり取りを行う部分から構成されます。
知識ベースと推論エンジンを分けているため、知識を追加・修正するときも、推論の仕組みそのものを作り直す必要がありません。一方で、専門家の知識をルールとして書き出す作業には大きな手間がかかり、「知識獲得のボトルネック」と呼ばれる課題になりました。

他の選択肢が不適切な理由
・知識と推論の手順を混ぜて書き、知識だけを直せない:知識ベースと推論エンジンを分けて、知識を更新しやすくしている点がエキスパートシステムの特徴です。
・知識を持たずデータからニューラルネットワークで学習する:これは機械学習・ディープラーニングの考え方で、専門家の知識をルールとして持つエキスパートシステムとは異なります。
・検索した文章をそのまま表示する:これは検索エンジンに近い説明で、知識をもとに推論するエキスパートシステムではありません。

覚え方のポイント
エキスパートシステム=「知識ベース(何を知っているか)+推論エンジン(どう考えるか)」。第2次AIブームの中心的な技術です。
問71-3

意味ネットワークで用いられる関係についての説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①「犬is-a哺乳類」「哺乳類is-a動物」から「犬is-a動物」を導けるように、is-a関係には推移律が成り立つ。
  • ②is-a関係は全体と部分の関係を表し、「車輪is-a自動車」のように、部品と製品の関係を示すために用いる。
  • ③part-of関係は上位と下位の概念の関係を表し、「犬part-of哺乳類」のように、分類の階層を示すために用いる。
  • ④part-of関係には推移律が必ず成り立ち、is-a関係には推移律が成り立たないため、分類の階層には使わない。
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正解 ①「犬is-a哺乳類」「哺乳類is-a動物」から「犬is-a動物」を導けるように、is-a関係には推移律が成り立つ。
解説
意味ネットワークでは、概念を節点、概念どうしの関係を矢印で表します。代表的な関係が、上位概念と下位概念の関係を表す「is-a関係」(「犬は哺乳類である」)と、全体と部分の関係を表す「part-of関係」(「車輪は自動車の一部である」)です。
is-a関係では、「犬is-a哺乳類」と「哺乳類is-a動物」から「犬is-a動物」が導けるように、推移律が成り立ちます。また、上位概念の性質を下位概念が受け継ぐ(継承する)ことにも使われます。一方、part-of関係は、関係の種類によっては推移律が成り立たないことがあるとされています。

他の選択肢が不適切な理由
・is-a関係は全体と部分の関係を表す:全体と部分の関係を表すのはpart-of関係です。
・part-of関係は上位と下位の関係を表す:上位と下位の概念の関係を表すのはis-a関係です。
・part-of関係には推移律が必ず成り立ち、is-a関係には成り立たない:関係が逆です。is-a関係には推移律が成り立ち、分類の階層を表すのに使われます。part-of関係は、関係の種類によっては推移律が成り立たないことがあります。

覚え方のポイント
「is-a=〜の一種(分類)・推移律が成り立つ」「part-of=〜の一部(部品)」と区別しましょう。
問81-3

マービン・ミンスキーが提唱した、ある対象についての知識を、「属性」を表すスロットと、その値の組でひとまとまりにして表す知識表現の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①プロダクションルール
  • ②フレーム
  • ③意味ネットワーク
  • ④オントロジー
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正解 ②フレーム
解説
フレーム(フレーム表現)は、マービン・ミンスキーが1970年代に提唱した知識表現の方法で、ある対象や状況についての知識を、属性を表す「スロット」とその値の組でひとまとまりにして表します。たとえば「鳥」というフレームに「移動の方法:飛ぶ」「体の表面:羽毛」といったスロットを持たせ、下位の「ペンギン」のフレームでは「移動の方法:歩く・泳ぐ」と上書きする、というように使います。値が書かれていないスロットには、上位のフレームの値(初期値)を受け継がせることができます。

他の選択肢が不適切な理由
・プロダクションルール:「もし〜ならば〜する」という条件と結論(行動)の組で知識を表す方法です。
・意味ネットワーク:概念を節点、概念どうしの関係を矢印で結んだネットワークで知識を表す方法です。
・オントロジー:ある分野の概念とその関係を、共有・再利用できるように体系的に定義したものです。

覚え方のポイント
知識表現の方法は「プロダクションルール=もし〜ならば」「意味ネットワーク=概念と関係の矢印」「フレーム=スロットと値の組(ミンスキー)」で区別しましょう。名前の似た「フレーム問題」は、関係のあることだけを選び出す難しさを指す別の問題です。
問91-3

エキスパートシステムなどで用いられる「プロダクションルール」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①対象についての知識を、属性を表すスロットとその値の組で、ひとまとまりにして表す。
  • ②概念を節点、概念どうしの関係を矢印で結んだネットワークで、知識を表す。
  • ③「もし〜ならば、〜する(である)」という条件と結論の組で、知識や手続きを表す。
  • ④大量のデータから自動で学習した重みの値によって、知識を数値として表す。
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正解 ③「もし〜ならば、〜する(である)」という条件と結論の組で、知識や手続きを表す。
解説
プロダクションルールは、「もし熱が38度以上で、かつせきが出るならば、〜の可能性がある」のように、条件部(IF)と結論部(THEN)の組で知識を表す方法です。このルールを多数集めたものを知識ベースとし、推論エンジンが条件に当てはまるルールを選んで適用していく仕組みをプロダクションシステムと呼びます。
ルールを1つずつ追加・修正できるため分かりやすい一方、ルールが増えると互いに矛盾したり、管理が難しくなったりするという課題があります。

他の選択肢が不適切な理由
・スロットと値の組で表す:これはフレームの説明です。
・概念と関係の矢印で表す:これは意味ネットワークの説明です。
・データから学習した重みで表す:これはニューラルネットワークの説明で、知識を人が読めるルールとして表すものではありません。

覚え方のポイント
「プロダクションルール=IF–THENのルール」。MYCINなどのエキスパートシステムの知識は、この形で表されていました。
問101-3

オントロジーの構築の考え方のうち、「ライトウェイトオントロジー」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

  • ①概念の意味や関係を、専門家が哲学的な検討も重ねながら厳密に定義して、人手で一つずつ作り上げる。
  • ②既存の辞書の見出し語を、専門家が意味の近さにもとづいて手作業で一つずつ分類し直して作る。
  • ③概念どうしの関係を、専門家どうしの合意が得られるまで議論し、正確さを最優先にして作る。
  • ④厳密さにこだわらず、データなどからコンピュータで概念どうしの関係を自動的に見つけて作る。
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正解 ④厳密さにこだわらず、データなどからコンピュータで概念どうしの関係を自動的に見つけて作る。
解説
オントロジーは、ある分野の概念と、概念どうしの関係を体系的に定義したものです。その作り方の考え方には大きく2つあります。
ライトウェイトオントロジーは、正確さや厳密さにはあまりこだわらず、大量のデータなどからコンピュータで概念どうしの関係を自動的に見つけ出して作る考え方で、ウェブ上のデータの活用などと相性がよいとされます。ヘビーウェイトオントロジーは、概念の意味や関係を人が時間をかけて厳密に定義していく考え方で、どの関係を記述すべきかについて、哲学的な考察が必要になることもあります。

他の選択肢が不適切な理由
・専門家が厳密に定義して人手で作る:これはヘビーウェイトオントロジーの説明です。
・辞書の見出し語を専門家が手作業で分類し直す:人が一つずつ作る点で、コンピュータがデータから自動的に関係を見つけるライトウェイトオントロジーとは異なります。
・専門家の合意が得られるまで議論し正確さを最優先にする:正確さ・厳密さを重視して人が作るのはヘビーウェイトオントロジーの考え方です。ライトウェイトオントロジーは、厳密さにはあまりこだわりません。

覚え方のポイント
「ヘビーウェイト=人が厳密に(重い)」「ライトウェイト=コンピュータで自動的に(軽い)」と、名前の重さと作り方を結び付けて覚えましょう。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。

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