2026年版・9-2

保安規程と電気主任技術者制度の一問一答

第一種電気工事士「保安に関する法令」から、保安規程と電気主任技術者制度に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問19-2

自家用電気工作物を設置する者が保安規程を経済産業大臣へ届け出なければならない時期は。

  • ①工事の開始前
  • ②使用の開始前
  • ③使用開始後30日以内
  • ④使用開始後1年以内
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正解 ②使用の開始前
解説
詳細解説
電気事業法第42条は、事業用電気工作物を設置する者に対し、工事、維持および運用に関する保安を確保するため保安規程を定め、その使用の開始前に経済産業大臣へ届け出ることを義務づけています。
保安規程は、設備を実際に使い始める段階で保安体制が整っていることを担保するものなので、届出の基準は工事の開始ではなく「使用の開始」です。
使用開始後に届け出ればよいという規定はありません。届出を怠ったまま使用を始めることは法令違反となります。
選任した電気主任技術者の届出も同様に使用開始前に行い、保安規程と主任技術者の2つがそろって初めて運用を始められる、と理解しておきましょう。

他の選択肢が不適切な理由
工事の開始前を基準とする説明は、工事の途中で内容が変わることもあるうえ、保安の体制が整っていることを実際に使い始める段階で確かめるという趣旨と合いません。使用を始めたあとに届け出ればよいという規定は設けられておらず、届け出ないまま使い始めれば法令に反することになります。基準となるのは工事ではなく、電気を実際に使い始める時点です。
問29-2

届け出た保安規程の内容を変更した場合の手続として、正しいものは。

  • ①変更前に届け出る
  • ②届出は不要である
  • ③変更後遅滞なく届け出る
  • ④1年ごとにまとめて届け出る
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正解 ③変更後遅滞なく届け出る
解説
詳細解説
電気事業法第42条第2項は、保安規程を変更したときは遅滞なくその旨を経済産業大臣へ届け出なければならないと定めています。最初の届出が「使用の開始前」であるのに対し、変更の届出は「変更したあと遅滞なく」である点が異なります。
設備の増設や体制の見直しがあれば保安規程も実態に合わせて改める必要があり、実態と規程が食い違ったままにしないための規定です。
変更前の届出や、まとめて年1回の届出という手続は定められていません。届出を要しないとする規定もありません。
「最初は使用開始前、変更は遅滞なく」と対で覚えると確実です。

他の選択肢が不適切な理由
変更する前に届け出るという手続は定められていません。最初の届出が使用を始める前であることと混同しやすい点です。届出を要しないとする規定もなく、実態と文書が食い違ったままになれば、保安の体制を定めた意味が失われます。1年ごとにまとめて届け出るという扱いも認められておらず、変更のたびに速やかに届け出ることが求められています。
問39-2

電気事業法施行規則により、保安規程に定めなければならない事項に該当するものは。

  • ①電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安教育
  • ②電気工作物の設置に要した工事費の内訳と償却方法
  • ③電気工作物から供給を受ける需要家の料金の算定方法
  • ④電気工作物を製造した事業者の品質管理体制の内容
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正解 ①電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安教育
解説
詳細解説
保安規程に定めるべき事項は電気事業法施行規則第50条に列挙されており、保安業務を管理する者の職務と組織、従事者に対する保安教育、保安のための巡視・点検・検査、運転または操作の方法、災害その他非常の場合にとるべき措置、保安についての記録などが含まれます。
いずれも「電気工作物の保安をどう確保するか」に関する事項です。
工事費の償却方法、需要家の料金の算定方法、製造事業者の品質管理体制は、いずれも会計や取引に関する内容であり、保安の確保を目的とする保安規程の記載事項ではありません。
「保安に直接関わることだけを書く」と判断すれば選び分けられます。

他の選択肢が不適切な理由
工事にかかった費用の内訳や償却のしかた、需要家から受け取る料金の算定のしかたは、いずれも会計や取引に関する事柄で、設備の安全をどう確保するかという内容ではありません。設備を製造した事業者の品質管理の体制も、製造者の側の取り組みであって、設置者が自らの設備をどう守るかを定める文書に書き込む事項ではありません。保安に直接関わるかどうかで見分けます。
問49-2

第三種電気主任技術者免状の交付を受けている者が保安の監督をすることができる事業用電気工作物の電圧の範囲は。

  • ①1万V未満
  • ②5万V未満
  • ③17万V未満
  • ④電圧の制限はない
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正解 ②5万V未満
解説
詳細解説
電気事業法施行規則は、電気主任技術者免状の種類ごとに保安の監督ができる範囲を定めています。第三種電気主任技術者は、電圧5万V未満の事業用電気工作物(出力5000kW以上の発電所を除く)の工事、維持および運用に関する保安の監督ができます。
第二種は電圧17万V未満、第一種は電圧の制限なくすべての事業用電気工作物が対象です。
1万Vという値は、需要設備の工事計画の届出が必要となる受電電圧の区切りで、主任技術者の範囲とは別の規定です。
「三種は5万V、二種は17万V、一種は制限なし」と3つの数字で覚えます。公称電圧6600Vの高圧受電設備は第三種で監督できます。

他の選択肢が不適切な理由
17万ボルト未満という範囲は一つ上の種別に、制限がないという扱いはさらに上の種別に定められたもので、種別を取り違えたものです。1万ボルトという値は、需要設備について工事の計画を届け出るかどうかを分ける区切りであり、監督できる範囲を定める規定とは別のものです。数値が似た規定が複数あるため、何を分ける区切りなのかまで含めて覚える必要があります。
問59-2

第二種電気主任技術者免状の交付を受けている者が保安の監督をすることができる事業用電気工作物の電圧の範囲は。

  • ①1万V未満
  • ②5万V未満
  • ③17万V未満
  • ④電圧の制限はない
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正解 ③17万V未満
解説
詳細解説
第二種電気主任技術者は、電圧17万V未満の事業用電気工作物の工事、維持および運用に関する保安の監督ができます。第三種の5万V未満より広く、第一種のようにすべてを対象とするわけではない中間の範囲です。
17万Vという区切りは、送電系統において154000Vまでの設備を含み、それを超える基幹系統は第一種の範囲になるという考え方に対応しています。
電圧の制限がないのは第一種、5万V未満は第三種の範囲です。1万V未満という区分は主任技術者の制度には存在しません。
免状の種類と電圧の対応は、法令の問題で繰り返し問われる基本知識です。

他の選択肢が不適切な理由
5万ボルト未満という範囲は一つ下の種別に定められたもの、制限がないという扱いは最上位の種別に定められたもので、いずれも種別を取り違えています。1万ボルト未満という区分は、この制度には設けられていません。三つの種別が、下から順に範囲を広げていく形で定められていることを踏まえ、中間に位置する種別の値として押さえておくと混同しません。
問69-2

電気事業法に定める電気主任技術者の職務として、正しいものは。

  • ①事業用電気工作物の設計と工事の請負契約を締結する
  • ②事業用電気工作物の電気料金の算定と請求を担当する
  • ③事業用電気工作物の使用者へ電気工事士免状を交付する
  • ④事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安を監督する
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正解 ④事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安を監督する
解説
詳細解説
電気事業法第43条は、事業用電気工作物の工事、維持および運用に関する保安の監督をさせるため、主任技術者を選任しなければならないと定めています。
あわせて同条は、主任技術者は保安の監督の職務を誠実に行わなければならないこと、そして事業用電気工作物の工事、維持または運用に従事する者は、主任技術者がその保安のためにする指示に従わなければならないことを定めています。この指示への服従義務があるため、主任技術者の監督が実効性を持ちます。
請負契約の締結や料金の算定は保安とは無関係です。電気工事士免状を交付するのは都道府県知事であり、主任技術者ではありません。

他の選択肢が不適切な理由
工事の請負契約を結ぶことや、料金を計算して請求することは、事業の運営や取引に関する仕事であって、設備の安全を確かめる仕事とは性質が異なります。免状を交付するのは行政の事務であり、事業者の側に置かれた者が行えるものではありません。この立場が実際に力を持つのは、工事や運用に従事する者が保安のための指示に従う義務を負っているからで、その関係を離れた仕事は職務に含まれません。
問79-2

電気主任技術者を選任せず、電気保安法人等へ保安管理業務を委託する外部委託承認制度の対象となる需要設備は。

  • ①電圧7000V以下で受電する需要設備
  • ②電圧17万V未満で受電する需要設備
  • ③電圧10万V以上で受電する需要設備
  • ④受電電圧にかかわらずすべての需要設備
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正解 ①電圧7000V以下で受電する需要設備
解説
詳細解説
電気事業法施行規則第52条は、電圧7000V以下で受電する需要設備などについて、電気管理技術者や電気保安法人に保安管理業務を委託し、経済産業大臣の承認を受けた場合は、主任技術者を選任しないことができると定めています。
公称電圧6600Vで受電する多くの自家用需要家がこの制度を利用しており、常時勤務の主任技術者を置かずに保安を確保しています。
電圧17万V未満・10万V以上といった値は主任技術者免状の範囲などに関する数字であり、外部委託承認の基準ではありません。受電電圧を問わずすべてが対象になるわけでもありません。
「7000V以下なら外部委託できる」と数字で覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
この仕組みは、常時勤務する人を自前で置かずに外部へ任せることを認めるものなので、対象を大きな設備まで広げれば保安の水準が保てなくなります。17万ボルト未満や10万ボルト以上といった値は、監督できる範囲などを定める別の規定に現れる数字で、この制度の基準ではありません。受電する電圧を問わずすべてが対象になるという扱いも、制度の趣旨に反します。
問89-2

届け出た保安規程を守らなければならない者について、電気事業法の定めとして正しいものは。

  • ①電気主任技術者だけが守らなければならない
  • ②設置者だけが守り、その従業者は対象とならない
  • ③従業者だけが守り、設置者は対象とならない
  • ④設置者及びその従業者が守らなければならない
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正解 ④設置者及びその従業者が守らなければならない
解説
詳細解説
電気事業法第42条第4項は、事業用電気工作物を設置する者およびその従業者は、保安規程を守らなければならないと定めています。
保安規程は設置者が一方的に届け出て終わりの書類ではなく、現場で実際に電気工作物を扱う従業者を含めた全員の行動基準として機能します。だからこそ、保安規程には従業者に対する保安教育に関する事項を定めることが求められています。
電気主任技術者だけ、あるいは設置者だけが守ればよいという限定はありません。
保安規程・主任技術者・従業者の指示服従義務がそろって、自家用電気工作物の保安体制が組み立てられています。

他の選択肢が不適切な理由
実際に設備を操作したり点検したりするのは現場の従業者なので、設置する者だけを縛っても現場の行動は変わりません。逆に従業者だけを対象とする扱いも、体制を整える責任を負う側が外れてしまい成り立ちません。監督する立場の者だけが守ればよいという説明も、この文書に従業者への教育に関する事項を定めることとされていることと食い違います。
問99-2

自家用電気工作物の設置者が電気主任技術者を選任した場合の届出について、正しいものは。

  • ①選任したときは遅滞なく届け出る
  • ②選任する30日前までに届け出る
  • ③届出は不要で選任だけでよい
  • ④選任から1年以内に届け出る
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正解 ①選任したときは遅滞なく届け出る
解説
詳細解説
電気事業法第43条第3項は、主任技術者を選任したとき、または解任したときは、遅滞なくその旨を経済産業大臣へ届け出なければならないと定めています。
選任そのものは事業用電気工作物の使用開始前に行う必要があり、届出は選任・解任のつど遅滞なく行います。人が替われば保安の責任者が替わるため、国が常に把握できるようにする趣旨です。
30日前までの事前届出や、1年以内という猶予は定められていません。届出を要しないとする規定もありません。
保安規程の変更と同様に「遅滞なく」という表現が使われている点をあわせて確認しておきましょう。

他の選択肢が不適切な理由
あらかじめ日数を区切って事前に届け出るという定めは設けられていません。選ぶこと自体は設備を使い始める前に済ませておく必要がありますが、届出の期限はそれとは別に、選んだあと速やかに行うこととされています。1年以内という猶予や、届出そのものが要らないという扱いも定められていません。解任したときにも同じように速やかな届出が求められます。
問109-2

電気主任技術者と第一種電気工事士の役割の違いを述べたものとして、正しいものは。

  • ①主任技術者は工事の作業、電気工事士は保安の監督に従事する
  • ②主任技術者も電気工事士も、いずれも保安の監督だけを行う
  • ③主任技術者も電気工事士も、いずれも工事の作業だけを行う
  • ④主任技術者は保安の監督、電気工事士は工事の作業に従事する
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正解 ④主任技術者は保安の監督、電気工事士は工事の作業に従事する
解説
詳細解説
電気主任技術者は電気事業法に基づく資格で、事業用電気工作物の工事、維持および運用に関する保安を監督する立場にあります。実際に工具を持って作業することが職務ではありません。
これに対して第一種電気工事士は電気工事士法に基づく資格で、最大電力500kW未満の需要設備である自家用電気工作物および一般用電気工作物の電気工事の作業に従事できます。
根拠となる法律も、監督か作業かという役割も異なる別の資格です。工事に従事する電気工事士は、主任技術者が保安のためにする指示に従う義務があります。
「法律が違えば役割も違う」と整理して覚えましょう。

他の選択肢が不適切な理由
役割を入れ替えた説明は、根拠となる法律も求められる立場も取り違えています。両方が監督だけを行う、あるいは両方が作業だけを行うという説明も成り立ちません。仮に役割が同じであれば、工事に従事する者が保安のための指示に従うという関係そのものが成り立たなくなるからです。監督する側と実際に手を動かす側が分かれていることに、この仕組みの意味があります。

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