2026年版・9-1

電気事業法と電気工作物の区分の一問一答

第一種電気工事士「保安に関する法令」から、電気事業法と電気工作物の区分に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問19-1

電気事業法における電気工作物の区分に関する記述として、正しいものは。

  • ①事業用電気工作物と一般用電気工作物の2つに分かれる
  • ②自家用電気工作物と一般用電気工作物の2つに分かれる
  • ③事業用電気工作物と小規模発電設備の2つに分かれる
  • ④自家用電気工作物と小規模事業用電気工作物に分かれる
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正解 ①事業用電気工作物と一般用電気工作物の2つに分かれる
解説
詳細解説
電気事業法は電気工作物を、まず事業用電気工作物と一般用電気工作物の2つに区分しています。
事業用電気工作物はさらに、電気事業の用に供する電気工作物と、自家用電気工作物に分かれます。したがって自家用電気工作物は事業用電気工作物の一部であり、一般用電気工作物と並ぶ最上位の区分ではありません。
また2023年3月の改正により、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物を合わせて「一般用電気工作物等」と呼ぶ規定が設けられました。小規模事業用電気工作物は事業用電気工作物に含まれる点に注意が必要です。
まず大きく2つ、その内側で自家用が位置づけられる、という階層で覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
自家用のものは事業用の中に含まれる下位の区分なので、これを一般用と並べて最上位の二つとする説明は階層を取り違えています。小規模なものについての区分も同じく事業用の内側に置かれるもので、一般用と並ぶ大きな柱ではありません。まず大きく二つに分かれ、その一方の内側で電気事業のためのものと自らの用に供するものに分かれる、という順で覚えると混乱しません。
問29-1

電気事業法において、小規模事業用電気工作物に該当する太陽電池発電設備の出力の範囲は。

  • ①5kW以上50kW未満
  • ②10kW以上50kW未満
  • ③20kW以上50kW未満
  • ④10kW以上20kW未満
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正解 ②10kW以上50kW未満
解説
詳細解説
2023年3月の電気事業法改正により、出力10kW以上50kW未満の太陽電池発電設備は「小規模事業用電気工作物」として事業用電気工作物に位置づけられました。
この改正は、屋根置き以外の低圧太陽光発電設備で事故が相次いだことを受け、保安の水準を高めるために行われたものです。出力10kW未満の太陽電池発電設備は、従来どおり小規模発電設備として一般用電気工作物に含まれます。
50kW以上になると自家用電気工作物となり、保安規程の届出と電気主任技術者の選任が必要になります。
「10kW未満は一般用、10kW以上50kW未満は小規模事業用、50kW以上は自家用」と3段階で整理しましょう。

他の選択肢が不適切な理由
下限を5キロワットとする範囲は、一般用に含まれるものまで巻き込んでしまいます。下限を20キロワットとする範囲は、風力について定められた値を持ち込んだもので、対象とする設備が異なります。上限を20キロワットとする範囲も同様です。この区分は、一般用として扱ってきた規模のうち保安を強めるべきものを切り出したものなので、下限と上限の両方を正しく押さえる必要があります。
問39-1

電気事業法において、小規模事業用電気工作物に該当する風力発電設備の出力の範囲は。

  • ①10kW未満
  • ②50kW未満
  • ③100kW未満
  • ④20kW未満
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正解 ④20kW未満
解説
詳細解説
2023年3月の電気事業法改正により、出力20kW未満の風力発電設備は「小規模事業用電気工作物」に位置づけられました。改正前は小規模発電設備として一般用電気工作物に含まれていましたが、保安の強化のため区分が変更されています。
出力20kW以上の風力発電設備は自家用電気工作物となり、保安規程の届出と電気主任技術者の選任が必要です。
小規模事業用電気工作物に該当するのは、太陽電池発電設備(10kW以上50kW未満)と風力発電設備(20kW未満)の2種類だけです。水力・内燃力・燃料電池はこの区分に入りません。
「太陽光は10以上50未満、風力は20未満」と数字を対で覚えてください。

他の選択肢が不適切な理由
10キロワットや50キロワットという値は、太陽電池による設備について定められた区切りであり、対象とする設備が異なります。100キロワットという区切りは、この区分には定められていません。小さな規模のものについてのこの区分に入るのは二種類の設備だけで、それぞれに別の値が定められているため、設備の種類と数値を必ず組にして覚えておく必要があります。
問49-1

電気事業者から高圧6600Vで受電し、自らの事務所ビルで使用する需要設備は、電気事業法上どの区分に該当するか。

  • ①一般用電気工作物
  • ②小規模事業用電気工作物
  • ③自家用電気工作物
  • ④電気事業の用に供する電気工作物
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正解 ③自家用電気工作物
解説
詳細解説
一般用電気工作物は、低圧(600V以下)で受電する場所の電気工作物などに限られます。600Vを超える高圧または特別高圧で受電する需要設備は、電気事業の用に供するものでない限り自家用電気工作物となります。
自家用電気工作物の設置者には、保安規程を定めて届け出ること、電気主任技術者を選任すること、技術基準に適合するよう維持することが義務づけられます。
小規模事業用電気工作物は太陽電池発電設備と風力発電設備に限られる区分で、受電する需要設備は該当しません。電気事業の用に供する電気工作物は、電力会社などが供給のために設置するものです。
「高圧で受電したら自家用」が基本の判断です。

他の選択肢が不適切な理由
一般用に当たるのは低圧で受電する場所などに限られるため、600ボルトを超える電圧で受け取る需要設備は当てはまりません。小さな規模のものについての区分は太陽電池と風力による設備に限られており、受電する需要設備はそもそも対象になりません。電気事業のために用いるものは、電力会社などが供給のために設けるもので、自らの事務所で使うための設備とは目的が異なります。
問59-1

低圧(600V以下)で受電し、同一構内に出力5kWの太陽電池発電設備のみを設置した一般住宅の電気工作物の区分は。

  • ①自家用電気工作物
  • ②一般用電気工作物
  • ③小規模事業用電気工作物
  • ④事業用電気工作物
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正解 ②一般用電気工作物
解説
詳細解説
一般用電気工作物は、低圧で受電する場所の電気工作物であって、同一の構内に設置する小規模発電設備を含みます。出力10kW未満の太陽電池発電設備は小規模発電設備に該当するため、出力5kWであればこの住宅全体が一般用電気工作物のままです。
これが10kW以上50kW未満になると、太陽電池発電設備の部分が小規模事業用電気工作物となり、使用前自己確認や基礎情報の届出が必要になります。
自家用電気工作物は高圧以上で受電する場合などに該当します。
「低圧受電+10kW未満の太陽光=一般用電気工作物」という組合せを押さえておきましょう。

他の選択肢が不適切な理由
高い電圧で受電する場合に当たる区分は、低圧で受電しているこの住宅には当てはまりません。小さな規模のものについての区分に入るのは出力が10キロワット以上の太陽電池による設備なので、5キロワットではその下限に届きません。事業用というくくりは上位の大きな区分であり、この住宅のように低圧で受電し小さな発電設備を持つだけの場合は、そこに含まれることになりません。
問69-1

自家用電気工作物の設置者に、電気事業法上課される義務の組合せとして正しいものは。

  • ①保安規程を定めて届け出るが、主任技術者は不要である
  • ②電気主任技術者を選任するが、保安規程は不要である
  • ③保安規程を定めて届け出て、電気主任技術者を選任する
  • ④保安規程も主任技術者も不要で、届出だけを行えばよい
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正解 ③保安規程を定めて届け出て、電気主任技術者を選任する
解説
詳細解説
電気事業法は、事業用電気工作物(自家用電気工作物を含む)の設置者に対し、保安規程を定めて使用開始前に経済産業大臣へ届け出ること、および電気主任技術者を選任して届け出ることを義務づけています。あわせて技術基準に適合するよう維持する義務も課されます。
この3つは自家用電気工作物の設置者に共通する基本的な義務であり、どちらか一方だけで足りるということはありません。
ただし小規模事業用電気工作物については、保安規程の届出と主任技術者の選任は求められず、代わりに使用前自己確認と基礎情報の届出が課されます。区分によって義務の内容が異なる点に注意してください。

他の選択肢が不適切な理由
保安の体制を文書として定めることと、その体制を担う人を選ぶことは、どちらが欠けても保安が確保されないため、一方だけで足りるという扱いはされていません。届出だけを行えばよいという手続は、より小さな規模の設備について新たに設けられた区分に当てはまるもので、高い電圧で受電する設備には当てはまりません。区分によって課される義務の重さが変わる点を押さえておきます。
問79-1

小規模事業用電気工作物の設置者に課される手続として、正しいものは。

  • ①使用前自己確認と基礎情報の届出を行う必要がある
  • ②保安規程の届出と電気主任技術者の選任が必要である
  • ③工事計画の届出と使用前安全管理審査が必要である
  • ④電気主任技術者を選任すれば他の手続は不要
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正解 ①使用前自己確認と基礎情報の届出を行う必要がある
解説
詳細解説
小規模事業用電気工作物(太陽電池発電設備10kW以上50kW未満、風力発電設備20kW未満)の設置者には、技術基準に適合することを自ら確認する使用前自己確認の結果の届出と、設置場所や設備の内容を届け出る基礎情報の届出が義務づけられています。
一方、保安規程の届出と電気主任技術者の選任は求められません。これらは50kW以上の自家用電気工作物に課される義務です。
工事計画の届出と使用前安全管理審査は、より規模の大きな設備に適用される手続です。
2023年3月の改正で新設された区分であり、義務の内容が自家用より軽く一般用より重い中間的な位置づけである点が要点です。

他の選択肢が不適切な理由
保安の体制を定めて届け出ることと、監督する人を選任することは、より規模の大きな設備に課される義務です。工事の計画を届け出て審査を受ける手続も、さらに大きな設備を対象としたものです。この区分は、一般用として扱われてきたものの中から保安を強めるべきものを切り出して設けられたので、義務の重さも一般用と大きな設備との中間に位置づけられています。
問89-1

電気事業法に基づき、電線路維持運用者が一般用電気工作物について行う調査の頻度として、原則とされているものは。

  • ①1年に1回以上
  • ②2年に1回以上
  • ③4年に1回以上
  • ④10年に1回以上
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正解 ③4年に1回以上
解説
詳細解説
電気事業法は、一般用電気工作物と直接電気的に接続する電線路を維持し運用する者(一般送配電事業者など)に対し、その一般用電気工作物が技術基準に適合しているかどうかを調査する義務を課しています。
調査は、設置されたとき(および変更の工事が完成したとき)と、それ以降は4年に1回以上行うことが原則です。調査の結果、技術基準に適合していないと認めたときは、設置者へその内容と改修の必要性を通知します。
この調査業務は、登録調査機関へ委託することが認められています。
一般住宅の絶縁測定などで調査員が訪問するのは、この規定に基づくものです。

他の選択肢が不適切な理由
1年、2年、10年という周期は、この調査について定められた値ではありません。周期を短く覚えると過剰な負担を求めることになり、長く覚えると法令が求める確認の水準に届かなくなります。なお、この調査は決まった周期で行うだけでなく、電気工作物が設置されたときや変更の工事が完成したときにも行うこととされており、機会は二通りある点もあわせて押さえておきます。
問99-1

自家用電気工作物で感電による死傷事故や波及事故が発生した場合、電気関係報告規則に基づく報告の期限として正しいものは。

  • ①事故を知った時から48時間以内に速報し、30日以内に詳報する
  • ②事故を知った時から24時間以内に速報し、10日以内に詳報する
  • ③事故を知った時から72時間以内に速報し、60日以内に詳報する
  • ④事故を知った時から24時間以内に速報し、30日以内に詳報する
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正解 ④事故を知った時から24時間以内に速報し、30日以内に詳報する
解説
詳細解説
電気関係報告規則は、感電による死傷事故、電気火災事故、他の電気工作物の運転を停止させた事故(いわゆる波及事故)などが発生した場合、事故を知った時から24時間以内に可能な限り速やかに電話などで速報し、30日以内に報告書(詳報)を提出することを定めています。
波及事故は、需要家構内の事故が配電線を通じて周囲の多数の需要家を停電させるもので、自家用電気工作物の保安上もっとも避けるべき事故です。
48時間・72時間・10日・60日という期限はいずれも規定にありません。
「速報は24時間、詳報は30日」と2つの数字で覚えてください。

他の選択肢が不適切な理由
48時間や72時間という速報の期限、10日や60日という報告書の期限は、いずれも定められた値ではありません。速報の期限が短く定められているのは、事故の広がりを早く把握して同種の事故を防ぐためであり、これを長く覚えると報告が間に合わなくなります。逆に報告書の期限を短く覚えると、原因の調査が終わらないうちに提出することになり、内容が伴いません。
問109-1

電気事業法に基づき、需要設備の設置について工事計画の届出が必要となる受電電圧として正しいものは。

  • ①600V以上
  • ②3000V以上
  • ③50000V以上
  • ④10000V以上
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正解 ④10000V以上
解説
詳細解説
電気事業法第48条と同法施行規則の別表により、受電電圧10000V(1万V)以上の需要設備の設置または一定の変更の工事は、工事の開始の30日前までに経済産業大臣へ工事計画を届け出なければならないとされています。
そのため、公称電圧6600Vで受電する一般的な高圧受電設備は工事計画の届出の対象外で、22000Vや66000Vで受電する設備が対象になります。
600V以上は高圧の入口となる電圧、3000V・50000Vはこの規定に関係のない値です。
工事計画の届出を要する設備は、あわせて使用前安全管理審査の対象にもなります。「1万V」という区切りを数字で覚えましょう。

他の選択肢が不適切な理由
600ボルトという値は低圧と高圧を分ける区切りであって、工事の計画を届け出るかどうかの基準ではありません。3000ボルトや5万ボルトという値も、この規定には定められていません。区切りを低く覚えてしまうと、公称電圧6600ボルトで受電する一般的な高圧受電設備まで届出が必要だと誤って判断することになります。実際にはこれらは対象外です。

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