2026年版・4-7

蓄電池と直流電源設備の一問一答

第一種電気工事士「電気機器・材料工具・受電設備」から、蓄電池と直流電源設備に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-7

鉛蓄電池1セル(単電池)の公称電圧[V]は。

  • ①1.2
  • ②1.5
  • ③2.0
  • ④2.5
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正解 ③2.0
解説
詳細解説
鉛蓄電池は、正極に二酸化鉛、負極に鉛、電解液に希硫酸を用いる二次電池で、1セルあたりの公称電圧は2.0Vである。
1.2Vはアルカリ蓄電池(ニッケル・カドミウム蓄電池など)の公称電圧、1.5Vは使い切りのマンガン乾電池の値であり、いずれも別の電池のものである。
公称電圧は電極の材料と電解液の組合せで決まるため、電池の大きさを変えても1セルの電圧は変わらない。容量を大きくしたいときはセルを大きくし、電圧を高くしたいときはセルを直列に接続する。
したがって直流100Vを得るには2.0Vのセルを50個直列にする、というように必要なセル数を計算できる。この考え方は直流電源設備の設計で必ず使われる。

他の選択肢が不適切な理由
公称電圧は電極の材料と電解液の組合せで決まる値であり、2.5Vという公称電圧をもつ実用的な電池はない。この値は充電の終わりごろに一時的に現れる端子電圧に近く、公称値ではない。1.2Vはアルカリ蓄電池、1.5Vは使い切りの乾電池の値であるから、これらを当てはめると直流100Vを得るのに必要なセル数の計算も合わなくなる。
問24-7

鉛蓄電池の電解液として用いられるものは。

  • ①水酸化カリウム水溶液
  • ②希硫酸
  • ③塩化ナトリウム水溶液
  • ④炭酸ナトリウム水溶液
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正解 ②希硫酸
解説
詳細解説
鉛蓄電池の電解液は希硫酸である。放電すると両極に硫酸鉛が生じ、電解液中の硫酸が消費されるため比重が下がる。充電するとこの反応が逆に進み、比重が戻る。
水酸化カリウム水溶液を用いるのはアルカリ蓄電池であり、こちらは充放電しても電解液の比重がほとんど変わらないという違いがある。塩化ナトリウム水溶液や炭酸ナトリウム水溶液は蓄電池の電解液には用いられない。
希硫酸は強い腐食性をもつため、蓄電池室の床や棚には耐酸性の処理を施し、取扱い時には保護具を用いる。
電解液の比重を測れば充電の状態がおおよそ分かる、という点は鉛蓄電池ならではの特徴として押さえておきたい。

他の選択肢が不適切な理由
食塩や炭酸ナトリウムの水溶液は、鉛の電極と組み合わせても充電と放電を繰り返せる安定した反応が続かず、電極を腐食させるだけなので蓄電池の電解液には用いられない。アルカリ性の水溶液を使う電池も実在するが、そちらは充放電しても液の成分がほとんど変わらないため、比重を測って充電の状態を知ることができないという違いがある。
問34-7

アルカリ蓄電池(ニッケル・カドミウム蓄電池)の特徴として正しいものは。

  • ①過酷な充放電に強く寿命が長い
  • ②1セルの公称電圧が2Vである
  • ③電解液に希硫酸を用いている
  • ④充電を行わずに使い切る電池
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正解 ①過酷な充放電に強く寿命が長い
解説
詳細解説
アルカリ蓄電池は、電解液に水酸化カリウム水溶液を用い、1セルの公称電圧は1.2Vである。過放電や過充電、急激な大電流の放電に強く、温度の変化にも耐えるため、鉛蓄電池より寿命が長い。
公称電圧が2Vで電解液が希硫酸なのは鉛蓄電池の特徴である。また蓄電池は充電して繰り返し使える二次電池なので、使い切りという説明も誤りである。
一方で、同じ電圧を得るのに必要なセル数が鉛蓄電池より多くなり、価格も高いという短所がある。
長期間の据置きで確実な動作が求められる非常用の電源や、頻繁な充放電が生じる用途ではアルカリ蓄電池が選ばれることが多い。

他の選択肢が不適切な理由
蓄電池という呼び名そのものが、充電して繰り返し使える電池を指すので、使い切りとする説明は言葉の定義と食い違う。公称電圧を2Vとする記述と、電解液に酸を用いるとする記述は、いずれも鉛蓄電池を説明したものであり、この電池は1.2Vでアルカリ性の水溶液を用いる。電解液の種類を先に押さえると二つの電池を取り違えにくい。
問44-7

蓄電池設備における浮動充電(フローティング充電)方式の説明として正しいものは。

  • ①停電したときにだけ充電を開始する
  • ②定期的に大電流で急速に充電する
  • ③完全に放電してから充電を始める
  • ④常時充電しながら負荷へも給電する
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正解 ④常時充電しながら負荷へも給電する
解説
詳細解説
浮動充電方式では、整流装置(充電器)と蓄電池と負荷を常に並列に接続しておく。通常時は整流装置が負荷へ電力を供給しつつ、蓄電池には自己放電を補う程度のわずかな電流を流し続け、満充電の状態を保つ。
停電などで整流装置からの供給が止まると、蓄電池から負荷へ切れ目なく電力が供給される。切換えの動作がないので瞬時の停電も生じない点が大きな利点である。
停電時にだけ充電を始めるのでは非常用の電源として意味をなさない。完全に放電してから充電する運用は蓄電池を著しく傷める。
大電流で行う充電は急速充電や、後述する均等充電にあたるもので、常時行う方式ではない。

他の選択肢が不適切な理由
停電したときに充電を始める方式では、その時点で満充電である保証がないため、非常用の電源として役に立たない。放電しきってから充電する運用は極板を傷め、寿命を大きく縮める。大きな電流を流す充電は、ばらつきを直すときや急いで回復させるときに限って行うものであり、常に続ければ過充電となって電池を劣化させる。
問54-7

据置蓄電池に対して定期的に行う均等充電の目的として正しいものは。

  • ①蓄電池を短時間で使い切らせるため
  • ②各セルの電圧のばらつきを直すため
  • ③電解液の温度を下げて冷やすため
  • ④充電装置の出力電圧を測定するため
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正解 ②各セルの電圧のばらつきを直すため
解説
詳細解説
多数のセルを直列に接続して長く浮動充電を続けると、セルごとの自己放電の差などによって充電状態に少しずつ差が生じる。放置すると容量の小さいセルが早く劣化し、蓄電池全体の性能が落ちる。
そこで定期的に、通常より高い電圧をある時間加えて全セルを確実に満充電にし、ばらつきをそろえる。これが均等充電である。
蓄電池を使い切らせることや電解液を冷やすことは目的ではなく、充電装置の点検とも別の作業である。
均等充電中は水の電気分解が進んで水素の発生が増えるため、換気には特に注意する。また接続されている機器に高めの電圧が加わることになるので、実施前に許容範囲を確認しておく必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
放電しきった状態で置くと極板が傷むため、使い切らせることを目的にした作業は行わない。温度を下げたいのであれば換気や空調で対処するのであって、通常より高い電圧を加えるこの作業はむしろ発熱と水素の発生を増やす。充電装置の出力を測るのは点検の項目であり、電池側の状態をそろえるという目的とは別の作業である。
問64-7

公称電圧1.2Vのアルカリ蓄電池を直列に接続して、直流100V以上を得たい。必要となる最小のセル数は。

  • ①50
  • ②67
  • ③80
  • ④84
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正解 ④84
解説
詳細解説
必要なセル数は、目標の電圧を1セルの公称電圧で割り、割り切れないときは切り上げて求める。
100÷1.2=83.3…であるから、切り上げて84セルが必要である。実際の電圧は1.2×84=100.8[V]となり、100Vを上回る。
50セルは公称電圧を2Vの鉛蓄電池として計算した値、67セルは1.5Vとして計算した値、80セルでは1.2×80=96[V]にとどまり100Vに届かない。
切り捨ててしまうと必要な電圧に届かないため、この種の計算では必ず切り上げる点に注意する。
同じ電圧を得るのに鉛蓄電池なら50セルで済むのに対しアルカリ蓄電池では84セル必要になり、セル数が多くなることがこの電池の短所の一つである。

他の選択肢が不適切な理由
求めたセル数に1セルの電圧を掛けて100Vを超えるかどうかで検算できる。80セルでは96Vにとどまり条件を満たさない。50セルや67セルは、1セルの電圧を2Vや1.5Vとして計算した場合の値であり、この電池の公称電圧ではない。割り切れないときに切り捨てると必要な電圧に届かないので、必ず切り上げる点にも注意したい。
問74-7

容量50A・hの蓄電池から10Aの電流を取り出すとき、放電できる時間[h]は。ただし、放電電流の大きさによる容量の変化は考えないものとする。

  • ①5
  • ②10
  • ③40
  • ④500
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正解 ①5
解説
詳細解説
蓄電池の容量はアンペア時[A・h]で表され、放電電流[A]と放電時間[h]の積にあたる。
時間=容量÷放電電流=50÷10=5[h]となる。
500hは容量と電流を掛けてしまった誤り、40hは差を取った誤り、10hは放電電流の数値をそのまま答えた誤りである。
なお実際の蓄電池では、放電電流を大きくすると取り出せる容量が公称値より減る。そのため蓄電池の容量は「10時間率」「1時間率」のように、どれだけの時間で放電したときの値かを添えて表示される。
非常用の直流電源を設計するときは、必要な負荷電流と保持したい時間から必要容量を求め、さらに温度による低下分や将来の劣化分を見込んだ余裕を加えて選定する。

他の選択肢が不適切な理由
単位に注目すると判別できる。アンペア時を電流で割ってはじめて時間の単位が残るので、掛け算や引き算では時間にならない。500は容量と電流を掛けた値、40は差を取った値であり、いずれも単位の上で成り立たない。10は与えられた電流の数値をそのまま答えたものである。求めた時間に電流を掛けて容量に戻るかを確かめたい。
問84-7

据置蓄電池を設置した蓄電池室に、十分な換気を行わなければならない理由は。

  • ①充電時に発生する熱を排出するため
  • ②湿気を入れて静電気を防ぐため
  • ③充電時に発生する水素を排出するため
  • ④外気を入れて電解液を乾燥させるため
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正解 ③充電時に発生する水素を排出するため
解説
詳細解説
鉛蓄電池を充電すると、電解液中の水が電気分解され、正極から酸素が、負極から水素が発生する。水素は空気中で広い濃度範囲にわたり爆発性の混合気をつくるうえ、軽いため室の上部にたまりやすい。
そのため蓄電池室では、上部から排気する換気設備を設け、水素が滞留しない構造にする。室内で火気を使わないこと、開閉時に火花を生じる器具を避けることもあわせて求められる。
発熱の排出も換気の副次的な効果ではあるが、主たる理由ではない。電解液を乾燥させることはむしろ避けるべきで、湿気を入れる目的で換気するわけでもない。
特に均等充電中は水素の発生量が増えるため、換気の状態を確認してから実施する。

他の選択肢が不適切な理由
湿気を入れるという記述は、端子や金具の腐食を進めるうえ、この場所で問題になるのは静電気ではない。電解液は水分が減るほど濃くなって極板を傷めるので、乾燥させることはむしろ避けたい。発生した熱を運び出すのは付随する効果にすぎず、換気設備をわざわざ室の上部から排気する構造にする理由の説明にはならない。
問94-7

鉛蓄電池を放電したときに電解液に生じる変化として正しいものは。

  • ①比重が下がり希硫酸が薄くなる
  • ②比重が上がり希硫酸が濃くなる
  • ③電解液が水酸化物に変化する
  • ④電解液の量が2倍に増加する
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正解 ①比重が下がり希硫酸が薄くなる
解説
詳細解説
鉛蓄電池が放電すると、正極の二酸化鉛と負極の鉛がいずれも硫酸鉛に変わり、その過程で電解液中の硫酸が消費されて水が生じる。その結果、電解液は薄まって比重が下がる。
充電すると反応が逆向きに進み、硫酸が電解液に戻って比重が上がる。したがって比重を測定すれば、おおよその充電状態を知ることができる。
電解液が水酸化物に変わることはなく、液量が急に倍増することもない。ただし充電時の電気分解で水が減るため、開放形の蓄電池では定期的な補水(精製水の補給)が必要である。
比重は温度によっても変わるので、判定するときは基準温度に換算した値で比較する。

他の選択肢が不適切な理由
比重が上がるのは充電したときの変化であり、向きが逆である。極板で生じるのは硫酸鉛であって水酸化物ではなく、水酸化物が現れるのはアルカリ性の液を用いる電池の反応である。密閉した容器の中で液の量が短時間に倍になることは、反応に関わる物質の量から考えてもありえない。比重の変化を追えば充電の状態が読み取れる。
問104-7

高圧受電設備に設置される直流電源装置(整流装置と蓄電池の組合せ)の主な用途として正しいものは。

  • ①高圧の主回路に直接電力を供給する
  • ②変圧器の二次電圧を昇圧して送り出す
  • ③電動機の始動電流を直接供給している
  • ④遮断器の操作や継電器の電源に用いる
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正解 ④遮断器の操作や継電器の電源に用いる
解説
詳細解説
高圧受電設備の直流電源装置は、遮断器の開閉操作を行う操作用電源、保護継電器の動作用電源、表示灯や警報回路の電源として用いられる。
これらの回路は、事故で交流電源が失われたときこそ確実に動作しなければならない。直流電源装置は浮動充電方式で蓄電池を満充電に保っているため、停電中でも遮断器を確実に開放でき、事故の拡大を防げる。
主回路の電力そのものを供給するものではなく、電圧を昇圧する装置でも、電動機の始動電流をまかなうものでもない。
制御電源が失われると保護装置が働かなくなるため、蓄電池の電圧・比重・端子部の状態は定期点検の重要な項目となっている。

他の選択肢が不適切な理由
この装置から取り出せる電力は制御回路をまかなう程度であり、受電設備の主回路が扱う電力とは桁が違う。電圧を高めて送り出すのは変圧器や昇圧装置の役目である。電動機の始動電流は交流の幹線から供給されるものであって、直流の制御用電源が肩代わりできる大きさではない。用途は開閉と保護の回路に限られる。

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