2026年版・4-8

高圧受電設備の構成と単線結線図の一問一答

第一種電気工事士「電気機器・材料工具・受電設備」から、高圧受電設備の構成と単線結線図に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-8

自家用電気工作物の保安上の責任分界点付近に施設する区分開閉器として、地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器(GR付PAS)を用いる場合の説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①構内の地絡事故を検出して自動で開放し、波及事故を防ぐ
  • ②構内の短絡電流を直接遮断できるので遮断器を省略できる
  • ③電力量を計量するために電力会社が施設する装置である
  • ④常時は開路しておき、停電が起きたときだけ閉路して使う
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正解 ①構内の地絡事故を検出して自動で開放し、波及事故を防ぐ
解説
詳細解説
GR付PASは、電力会社と需要家の保安上の責任分界点付近、多くは構内第1柱に施設する区分開閉器である。構内で地絡事故が起きると、内蔵の零相変流器(地絡電流を検出するための変成器)が動作して開閉器を自動で開放し、事故点を配電線から切り離す。これにより同じ配電線につながる他の需要家まで停電させる波及事故を防げる。
PASは名前のとおり負荷開閉器であり、短絡電流を遮断する能力はない。短絡時は内部のSOG制御装置が開放を一時的に禁止し、配電用変電所の遮断器が動作して線路が無電圧になってから開く。
計量のための機器ではないので電力量計と混同しないこと。「地絡は自分で切り、短絡は切らずに待つ」と整理して覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
常時は開いておくという運用では平常時に受電できず、区分開閉器としての役目を果たさない。この機器は常時閉じておき、事故のときだけ開くものである。負荷開閉器である以上、能力を超える短絡電流を切れば機器自体が壊れて事故を広げてしまう。電力量の計量は電力会社が別に取り付ける計器の仕事である。
問24-8

キュービクル式高圧受電設備において、主遮断装置に高圧限流ヒューズと高圧交流負荷開閉器を組み合わせたPF・S形を採用できる受電設備容量の上限は、高圧受電設備規程上いくらか。

  • ①100kV・A
  • ②300kV・A
  • ③500kV・A
  • ④1000kV・A
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正解 ②300kV・A
解説
詳細解説
主遮断装置の形式にはCB形とPF・S形の2種類がある。PF・S形は高圧限流ヒューズ(PF)で短絡保護を行い、高圧交流負荷開閉器(LBS)で負荷電流の開閉を行う簡素な構成で、高圧受電設備規程では受電設備容量300kV・A以下の設備に適用できるとされている。
これに対しCB形は遮断器(CB)と過電流継電器を組み合わせ、短絡電流を自ら遮断できるため容量の大きい設備に用いる。
500kV・Aや1000kV・Aという値は、キュービクル全体の容量区分や変圧器容量の目安と取り違えた誤りである。
PF・S形は安価だがヒューズが溶断すると交換が必要で、再閉路できない点が実務上の弱点になる。「PF・S形は300まで」と数字で覚えておくとよい。

他の選択肢が不適切な理由
この区切りは高圧受電設備規程が定める一つの数値であり、100kV・Aとすると、実際にこの形式で広く運用されている設備の多くが説明できなくなる。500kV・Aは引込口へ避雷器を施設する条件として、1000kV・Aは自家用の設備の区分として出てくる数値であり、主遮断装置の形式を選ぶ条件とは別の場面のものである。
問34-8

高圧受電設備の主遮断装置としてCB形を採用する場合、その主遮断装置として用いられる機器はどれか。

  • ①高圧交流負荷開閉器(LBS)
  • ②高圧断路器(DS)
  • ③高圧真空遮断器(VCB)
  • ④高圧カットアウト(PC)
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正解 ③高圧真空遮断器(VCB)
解説
詳細解説
CB形のCBはサーキットブレーカ、すなわち遮断器を指す。現在の高圧受電設備では、真空バルブの中でアークを消す高圧真空遮断器(VCB)が主流である。過電流継電器(OCR)や地絡継電器と組み合わせ、事故電流を自ら遮断できる点がCB形の特徴となる。
高圧交流負荷開閉器(LBS)は負荷電流の開閉はできるが短絡電流は遮断できず、限流ヒューズと組み合わせてPF・S形として使う。断路器(DS)は電流を遮断する能力がなく、点検時に回路を目に見える形で切り離すための機器である。高圧カットアウト(PC)は主に小容量変圧器の一次側保護に使う。
「遮断できるのはCBだけ」という区別が、この分野全体の土台になる。

他の選択肢が不適切な理由
主遮断装置に求められるのは、事故の電流を自ら切って設備を守る能力である。負荷開閉器は通常の電流を開閉するところまで、断路器は電流が流れていない状態で切り離すところまでしかできない。カットアウトは変圧器一台分の一次側を守る小形の機器であり、受電点全体の保護を任せられる遮断の能力をもたない。
問44-8

GR付PASに内蔵されたSOG制御装置の過電流ロック機能の働きとして、正しいものはどれか。

  • ①過電流を検出すると直ちに開放して短絡電流を遮断する
  • ②過電流を検出すると同時に地絡継電器の動作を停止する
  • ③過電流が続く間だけ開放し、復電すると自動で閉路する
  • ④過電流を検出しても開放せず、無電圧になってから開く
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正解 ④過電流を検出しても開放せず、無電圧になってから開く
解説
詳細解説
SOGはStorage(蓄勢)、Over current(過電流)、Ground(地絡)の頭文字で、PASの制御装置の動作方式を表す。構内で短絡事故が起きて大きな過電流が流れると、制御装置はその事実を記憶(蓄勢)したうえで開放を禁止する。これが過電流ロック機能である。
PASは負荷開閉器なので短絡電流を切ると機器が破損する。そこで上位の配電用変電所の遮断器が先に動作して線路が無電圧になるのを待ち、電流が消えてから開放する。その後に配電線が再送電されても、事故を起こした需要家だけが切り離された状態を保てる。
地絡の場合はロックせず直ちに開放する。短絡と地絡で動作が逆になる点が試験でよく問われる。

他の選択肢が不適切な理由
直ちに開けば、負荷開閉器が能力を超える電流を切ることになり、機器が壊れて事故がかえって広がる。地絡の検出は事故を切り離す最後のよりどころであるから、過電流を理由に止めてしまえば保安の目的に反する。事故を起こした需要家側が自動で閉じてしまう仕組みでは、送電が戻るたびに同じ事故を繰り返すことになる。
問54-8

CB形の高圧受電設備において、断路器(DS)を遮断器(VCB)の電源側に施設する理由として、最も適切なものはどれか。

  • ①遮断器や継電器の点検時に回路を電源から切り離すため
  • ②遮断器では遮断できない大きな短絡電流を代わりに切るため
  • ③遮断器の開閉回数を減らして接点の寿命を長く保つため
  • ④地絡電流を検出して遮断器へ動作の信号を送るため
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正解 ①遮断器や継電器の点検時に回路を電源から切り離すため
解説
詳細解説
断路器は、負荷電流を開閉する能力をもたない機器で、無負荷、すなわち電流が流れていない状態でだけ操作する。遮断器の電源側に置くことで、遮断器や過電流継電器を点検・修理するときに、その全体を電源から目に見える形で切り離せる。
したがって操作の順序も決まっており、停電させるときは先に遮断器を開いて電流を零にしてから断路器を開く。送電するときは逆に、先に断路器を入れてから遮断器を投入する。この順序を誤って負荷電流が流れたまま断路器を開くと、大きなアークが生じて機器の損傷や感電の危険がある。
短絡電流を切れるのは遮断器だけであり、断路器に開閉回数を肩代わりさせる目的もない。地絡電流を検出するのは零相変流器と地絡継電器の役目である。

他の選択肢が不適切な理由
この機器にはアークを消すための仕組みがないので、電流を切る役目を肩代わりさせることはできない。開閉の回数を分担させる目的で使えば、操作のたびにアークが生じて危険である。地絡電流の検出は、電線をまとめて貫通させる変成器と継電器が受け持つ仕事であり、刃を開閉するだけの機器にその働きはない。
問64-8

高圧受電設備に設ける零相変流器(ZCT)の役割として、正しいものはどれか。

  • ①三相の負荷電流の大きさを計測して電流計へ送る
  • ②受電電圧を110Vに変成して電圧計や継電器へ送る
  • ③三相の電流のベクトル和から地絡電流を検出する
  • ④落雷による異常電圧を大地へ逃がして機器を保護する
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正解 ③三相の電流のベクトル和から地絡電流を検出する
解説
詳細解説
零相変流器(ZCT)は、三相3線の電線をまとめて1つの窓に貫通させる構造をもつ。健全時は三相の電流のベクトル和がゼロになるため二次側に出力は現れないが、地絡が起きると大地へ逃げた分だけ和がゼロでなくなり、その差が零相電流として二次側に現れる。これを地絡継電器(GR)へ送って動作させる。
負荷電流そのものを計測するのは変流器(CT)、電圧を110Vに変成するのは計器用変圧器(VT)、雷による異常電圧を大地へ逃がすのは避雷器(LA)であり、それぞれ別の機器である。
地絡電流は数百ミリアンペアと小さいため、ZCTの検出感度と結線の正確さが保安上きわめて重要になる。

他の選択肢が不適切な理由
負荷電流を測る変成器は各相に一つずつ取り付け、電線を1本だけ通す点が構造として違う。電圧を変成する機器は電路に並列に接続するもので、電流の道に直列に入るこの機器とは置き方から異なる。雷の異常電圧を逃がす機器は、平常時は絶縁を保ち異常時だけ導通するものであり、常に電流を映し出す変成器とは働きが逆である。
問74-8

高圧進相コンデンサに直列リアクトルを設ける主な目的として、正しいものはどれか。

  • ①コンデンサの残留電荷を放電させて感電を防ぐため
  • ②コンデンサに流れる基本波電流を大幅に減らすため
  • ③電源が停電したときに構内の電圧を維持するため
  • ④系統の第5調波などの高調波の拡大を抑えるため
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正解 ④系統の第5調波などの高調波の拡大を抑えるため
解説
詳細解説
進相コンデンサは周波数が高いほどインピーダンスが小さくなるため、そのまま系統に接続すると第5調波(基本波の5倍の周波数の成分)などの高調波電流を吸い込み、系統と共振して高調波を拡大させることがある。直列リアクトルを入れて回路全体を誘導性にしておくと、この拡大が起きない。同時に、投入時の突入電流も抑えられる。
容量はコンデンサ容量の6%が標準である。第5調波に対して誘導性を保つには計算上4%程度あればよいが、周波数の変動や機器のばらつきを考慮して余裕をとり6%としている。
残留電荷を放電するのは放電コイルや放電抵抗の役割で、リアクトルとは別の機器である。

他の選択肢が不適切な理由
基本波の電流を大幅に減らしてしまっては、無効電力を供給して力率を改善するというコンデンサ本来の目的が損なわれる。標準とされる6%では基本波の電流はわずかしか変わらない。停電した構内の電圧を保つ働きはコンデンサにもリアクトルにもなく、それは自家発電設備や蓄電池の役目である。残留電荷の放電も別の機器が受け持つ。
問84-8

電気設備技術基準の解釈では、高圧の電路から受電する需要場所の引込口に避雷器を施設しなければならないのは、受電電力の容量がいくら以上の場合か。

  • ①300kW
  • ②500kW
  • ③1000kW
  • ④2000kW
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正解 ②500kW
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈では、高圧架空電線路から受電電力500kW以上の需要場所へ供給を受ける引込口に、避雷器を施設することを義務づけている。避雷器(LA)は雷による異常電圧が加わったときだけ導通して電流を大地へ流し、電圧が正常に戻ると再び絶縁を回復する機器で、変圧器や遮断器の絶縁破壊を防ぐ。
接地はA種接地工事とし、接地線はできるだけ短く太くする。引下げ線が長いと電圧降下が生じ、保護効果が下がるためである。
300kWや1000kWは他の設備基準の区切りと取り違えた値である。500kW未満でも設置は望ましく、実際の高圧受電設備では容量にかかわらず設けることが多い。

他の選択肢が不適切な理由
1000kWや2000kWという値は、自家用電気工作物の区分や非常用の予備発電装置に関する別の基準で目にする数値であり、引込口に避雷器を施設する条件として定められたものではない。300kWも他の規定と取り違えたものである。なおこの区切りに満たない設備でも施設することが望ましく、実務では容量にかかわらず設けることが多い。
問94-8

高圧の計器用変圧器および変流器の二次側電路に施さなければならない接地工事の種類はどれか。

  • ①A種接地工事
  • ②B種接地工事
  • ③D種接地工事
  • ④C種接地工事
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正解 ③D種接地工事
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈では、高圧の計器用変成器(計器用変圧器VTと変流器CT)の二次側電路にはD種接地工事を施すと定めている。万一、一次巻線と二次巻線の間の絶縁が破れて高圧が二次側へ侵入した場合に、電圧計や継電器に触れる人を保護するためである。
特別高圧の計器用変成器の場合はA種接地工事となる点が対比して問われやすい。
B種接地工事は変圧器の高圧側と低圧側の混触を防ぐために低圧側の中性点などに施すもので、目的が異なる。C種接地工事は300Vを超える低圧の機器の外箱などに施す。
「高圧の計器用変成器の二次はD種、特別高圧はA種」と対にして覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
A種は高圧や特別高圧の機器の外箱、避雷器などに施すもので、接地抵抗の条件が厳しい。B種は高圧側と低圧側が触れ合ったときの危険を防ぐために低圧側へ施すものであり、目的がまったく異なる。C種は300Vを超える低圧の機器の金属部分に施すもので、高圧の計器用変成器の二次側に求められる種別ではない。
問104-8

高圧引込ケーブルの端末処理部で、ケーブルの遮へい銅テープからの接地線を零相変流器(ZCT)の電源側で取り出す場合の施工として、正しいものはどれか。

  • ①接地線をZCTの窓に貫通させてから接地極へつなぐ
  • ②接地線をZCTに通さず最短距離で接地極へつなぐ
  • ③接地線を切り離し、遮へい層は接地せずに絶縁する
  • ④接地線をZCTの二次側端子に直接接続して接地する
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正解 ①接地線をZCTの窓に貫通させてから接地極へつなぐ
解説
詳細解説
ケーブルの遮へい層に接地線をつなぐと、ケーブル内部で地絡が起きたときの地絡電流の一部が遮へい層を通って接地線へ流れる。この接地線をZCTの電源側で取り出したまま外へ出すと、ZCTの窓を通る電流のベクトル和から地絡電流分が打ち消されてしまい、地絡継電器が動作しなくなる。
そこで接地線をいったんZCTの窓に貫通させてから接地極へ接続する。こうすると打ち消された分が再びZCTを通って補われ、正しく零相電流を検出できる。
遮へい層を接地しない施工は、遮へい層に危険な電位が生じるため認められない。接地線をZCTの二次側端子につなぐのは回路の意味が全く異なる誤りである。
接地線をZCTの負荷側で取り出す場合は、貫通させる必要はない。

他の選択肢が不適切な理由
接地線を最短でつなぐことは配線の心掛けとしては正しいが、この場所では検出すべき電流が打ち消され、地絡があっても継電器が働かなくなる。遮へい層を接地せずに絶縁すると、そこに危険な電位が現れて感電のおそれが生じる。二次側の端子は継電器へ信号を送るための回路であり、そこへ接地線をつなげば検出の回路そのものが成り立たない。

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