2026年版・2-5

幹線の過電流遮断器の定格選定の一問一答

第一種電気工事士「配電理論及び配線設計」から、幹線の過電流遮断器の定格選定に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-5

電動機が接続されていない低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流について、電気設備技術基準の解釈が定める原則として正しいものはどれか。

  • ①幹線の許容電流以下の値とすること
  • ②幹線の許容電流以上の値とすること
  • ③幹線の許容電流の2倍とすること
  • ④負荷の定格電流の合計と等しくすること
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正解 ①幹線の許容電流以下の値とすること
解説
詳細解説
過電流遮断器は電線を過熱から守るために設けるものなので、電線が耐えられる電流(許容電流)に達する前に動作しなければならない。そのため電気設備技術基準の解釈第148条は、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流を、その幹線の許容電流以下とすることを原則としている。
許容電流以上にすると、電線が過熱しても遮断器が働かず保護の意味をなさない。2倍とする定めもない。負荷の定格電流の合計と等しくするという考え方は、電線の太さとの関係を無視しており保護にならない。
「遮断器は電線を守るためにある」という原則を押さえれば、定格は電線の許容電流以下という結論は自然に導ける。

他の選択肢が不適切な理由
許容電流以上とすると、電線が耐えられる電流を超えても遮断器が動作せず、過熱を止められない。2倍とする定めは規定のどこにも現れない。負荷の定格電流の合計と等しくするという考え方は、守るべき電線の太さをまったく見ておらず、細い電線に大きな遮断器が付く事態を防げない。遮断器は電線を守るために設けるという原則から判断したい。
問22-5

低圧幹線に、定格電流の合計が40Aの電動機群と、定格電流の合計が10Aの電熱器群が接続されている。この幹線に許容電流60Aの電線を用いた場合、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の上限〔A〕はいくらか。

  • ①100A
  • ②130A
  • ③150A
  • ④60A
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正解 ②130A
解説
詳細解説
電動機が接続される幹線では、電気設備技術基準の解釈第148条により、過電流遮断器の定格電流は次の二つのうち小さい方の値以下とする。
一つ目:電動機等の定格電流の合計の3倍に他の負荷の定格電流の合計を加えた値:3×40+10=130〔A〕
二つ目:幹線の許容電流を2.5倍した値:60×2.5=150〔A〕
小さい方は130Aなので、これが上限となる。
150Aは二つ目の値だけを見て大きい方を採った誤り、60Aは電動機がない場合の原則をそのまま当てはめた誤り、100Aは2.5倍を電動機等の定格電流の合計に掛けてしまった誤り(40×2.5)である。
二つを計算して小さい方を採る、という手順を必ず踏むことが正答の鍵である。

他の選択肢が不適切な理由
二つの上限を計算して小さいほうを採る、という手順を踏まないと誤る。150Aは幹線の許容電流を2.5倍した値だけを見て大きいほうを採ったもので、電動機側の条件を満たしていない。60Aは電動機が接続されない場合の原則を当てはめた値で、始動電流を考えていない。100Aは2.5倍を電動機等の定格の合計に掛けた値で、乗じる相手を取り違えている。
問32-5

低圧幹線に、定格電流の合計が100Aの電動機群のみが接続されている。この幹線に許容電流115Aの電線を用いた場合、幹線を保護する過電流遮断器の定格電流の上限〔A〕はいくらか。

  • ①115A
  • ②250A
  • ③300A
  • ④287.5A
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正解 ④287.5A
解説
詳細解説
二つの上限値を計算して小さい方を採る。
一つ目:電動機等の定格電流の合計の3倍:3×100=300〔A〕(他の負荷は0)
二つ目:幹線の許容電流を2.5倍した値:115×2.5=287.5〔A〕
小さい方は287.5Aなので、これが上限である。
300Aは一つ目の値だけを見て大きい方を採った誤りで、この場合は電線の許容電流に対して遮断器が大きすぎ、電線の保護にならない。115Aは電動機に対する割増しを認める規定を見落とした誤り、250Aは2.5倍を電動機の定格電流の合計に掛けてしまった誤り(100×2.5)である。
電動機の定格電流が大きく、電線に余裕が少ない設備では二つ目の条件が効いてくる。二つのうちどちらが効くかは条件によって入れ替わるため、必ず両方計算する。

他の選択肢が不適切な理由
300Aは電動機等の定格の3倍だけを見た値で、電線の許容電流115Aに対して遮断器が大きすぎ、電線の保護にならない。115Aは電動機に認められた割増しを見落とした値で、始動のたびに動作するおそれがある。250Aは2.5倍を電動機の定格の合計に掛けた値だが、2.5倍を掛ける相手は幹線の許容電流である。二つの上限のどちらが効くかは条件で入れ替わるため、必ず両方を計算する。
問42-5

電動機が接続される低圧幹線を保護する過電流遮断器の定格電流は、その幹線の許容電流に一定の倍数を乗じた値以下でなければならない。この倍数として正しいものはどれか。

  • ①1.25倍
  • ②2倍
  • ③2.5倍
  • ④3倍
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正解 ③2.5倍
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈第148条は、電動機等が接続される低圧幹線について、過電流遮断器の定格電流の上限を「幹線の許容電流を2.5倍した値」と「電動機等の定格電流の合計の3倍に他の負荷の定格電流の合計を加えた値」の小さい方としている。したがって許容電流に乗じる倍数は2.5倍である。
3倍は電動機等の定格電流の合計に乗じる倍数であり、乗じる相手が違う。1.25倍は幹線に必要な許容電流を求めるときに電動機等の定格電流の合計(50A以下の場合)に乗じる係数である。2倍はこの規定には現れない。
「許容電流には2.5、電動機の定格には3」と対にして覚えると取り違えにくい。

他の選択肢が不適切な理由
3倍は電動機等の定格電流の合計に掛ける数値で、掛ける相手が違う。1.25倍は幹線に必要な許容電流を求めるとき、電動機等の合計が50A以下の場合に掛ける係数であり、遮断器の定格を決める場面では使わない。2倍はこの規定に現れない。数値だけを覚えると取り違えやすいので、許容電流に掛けるのか電動機の定格に掛けるのかを組で押さえたい。
問52-5

電動機が接続されない低圧幹線に、許容電流88Aの電線を使用した。この幹線を保護する過電流遮断器として選定できる定格電流の最大値はどれか。ただし、選定できる定格電流は60A、75A、100A、125Aの4種類とする。

  • ①60A
  • ②75A
  • ③100A
  • ④125A
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正解 ②75A
解説
詳細解説
電動機が接続されない幹線では、過電流遮断器の定格電流は幹線の許容電流以下でなければならない。したがって88A以下でなければならず、選択できる4種類のうち条件を満たすのは60Aと75Aの二つである。このうち最大のものは75Aとなる。
100Aや125Aは88Aを超えており、電線が過熱しても遮断器が動作しないおそれがあるため選定できない。60Aは条件を満たすが最大ではなく、必要以上に小さいと通常の負荷でも不必要に動作してしまう。
実務では「許容電流を超えない範囲でできるだけ大きい定格」を選ぶ。上限を超えないことが絶対条件で、その中で運用しやすい値を採るという順序で考える。

他の選択肢が不適切な理由
100Aと125Aは電線の許容電流88Aを超えており、電線が過熱しても遮断器が動作しないおそれがあるため選べない。60Aは条件こそ満たすが上限に最も近い値ではなく、余裕の小さい定格は通常の使用でも不要な動作を招きやすい。上限を超えないことが絶対の条件で、その範囲でできるだけ大きい定格を選ぶ、という順序で考えたい。
問62-5

低圧幹線に施設する過電流遮断器の主な役割として、最も適切なものはどれか。

  • ①地絡電流を検出して感電事故を防ぐこと
  • ②雷による過電圧から機器を守ること
  • ③負荷の力率を一定の値に保つこと
  • ④過負荷や短絡から電線を保護すること
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正解 ④過負荷や短絡から電線を保護すること
解説
詳細解説
過電流遮断器は、定格を超える電流が流れ続けたとき(過負荷)や、電線どうしが直接つながって極めて大きな電流が流れたとき(短絡)に回路を自動的に開き、電線の過熱と焼損を防ぐ機器である。守る対象はあくまで電線である。
地絡電流を検出して感電を防ぐのは漏電遮断器の役割で、動作する電流の大きさも検出のしくみもまったく異なる。雷による過電圧から機器を守るのは避雷器の役割である。力率を保つのは進相コンデンサの働きで、保護機器ではない。
過電流と地絡は原因も対策機器も別である、という区別が保護設計の出発点になる。

他の選択肢が不適切な理由
地絡電流を検出して感電を防ぐのは漏電遮断器で、検出する電流の大きさもしくみもまったく異なる。雷による過電圧から機器を守るのは避雷器の役目で、電流の大きさではなく電圧の高さに応じて働く。力率を保つのは進相コンデンサの働きであり、そもそも保護機器ではない。過電流遮断器が守る対象は負荷ではなく電線である、という点を押さえたい。
問72-5

定格電流30A以下の低圧配線用遮断器は、定格電流の1.25倍の電流を流したとき、何分以内に自動的に動作しなければならないと定められているか。

  • ①2分
  • ②4分
  • ③60分
  • ④120分
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正解 ③60分
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈第33条は、低圧配線用遮断器の動作特性として、定格電流では自動的に動作せず、定格電流の1.25倍で60分以内、2倍で2分以内(定格電流30A以下の場合)に動作することを求めている。
2分は定格電流の2倍を流したときの制限時間であり、倍率が違う。4分は定格電流が30Aを超え50A以下の遮断器に2倍の電流を流したときの制限時間である。120分は定格電流が50Aを超え100A以下の遮断器に1.25倍の電流を流したときの制限時間であり、定格電流の大きさが違う。
1.25倍という小さめの過負荷では時間をかけて、2倍という大きな過負荷では短時間で動作する。電線の温度上昇が電流の2乗に比例することに対応した特性で、これを反限時特性という。

他の選択肢が不適切な理由
2分は定格電流の2倍を流したときの制限時間で、倍率が違う。4分は定格電流が30Aを超え50A以下の遮断器に2倍の電流を流したときの値、120分は定格電流が50Aを超え100A以下の遮断器に1.25倍を流したときの値で、いずれも遮断器の定格の区分が本問と異なる。倍率が小さいほど許される時間は長く、定格が大きいほど時間も長くなる、という二つの向きで整理したい。
問82-5

低圧電路に過電流遮断器として施設するヒューズは、定格電流の何倍の電流に耐えることが求められているか。

  • ①1.1倍
  • ②1.25倍
  • ③1.6倍
  • ④2倍
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正解 ①1.1倍
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈第33条は、低圧電路に施設する過電流遮断器としてのヒューズについて、定格電流の1.1倍の電流に耐えること、そのうえで定められた倍率と時間で溶断することを求めている。
1.6倍と2倍はいずれも溶断すべき条件の側の倍率で、定格30A以下のヒューズでは1.6倍で60分以内、2倍で2分以内に溶断することとされている。耐えるべき倍率と溶断すべき倍率を取り違えないことが要点である。1.25倍は配線用遮断器が動作しなければならない倍率で、機器が異なる。
ヒューズは1.1倍に耐え、配線用遮断器は1倍で動作しない。この出発点の違いを押さえると整理しやすい。

他の選択肢が不適切な理由
1.6倍と2倍は、耐えるべき倍率ではなく溶断すべき条件の側の数値であり、定格30A以下のヒューズでは1.6倍で60分以内、2倍で2分以内に溶断することが求められる。1.25倍は配線用遮断器が動作しなければならない倍率で、そもそも機器が異なる。耐える側の数値と動作する側の数値を、それぞれどちらの機器のものかまで含めて分けて覚えたい。
問92-5

電動機が接続される低圧幹線について、過電流遮断器の定格電流として電線の許容電流を上回る値を認めているのはなぜか。

  • ①始動時に定格の数倍の電流が流れるため
  • ②電動機の力率が始動時に1になるため
  • ③電動機の巻線抵抗が運転中に増えるため
  • ④電線の許容電流が高温では大きくなるため
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正解 ①始動時に定格の数倍の電流が流れるため
解説
詳細解説
かご形三相誘導電動機は、始動の瞬間に定格電流のおよそ5倍から7倍の電流が流れる。この電流は数秒で収まるため電線が過熱するには至らないが、定格電流ぴったりの遮断器では始動のたびに動作してしまい運転できない。そこで電動機が接続される幹線に限り、定格電流の上限を許容電流より大きく認めている。
始動時の力率はむしろ低く、1になることはない。巻線抵抗は温度上昇でわずかに増えるが、遮断器の選定理由ではない。電線の許容電流は温度が高いほど小さくなるので、この記述は逆である。
ただし上限には別途3倍・2.5倍の枠が設けられており、無制限に大きくできるわけではない。

他の選択肢が不適切な理由
始動時の力率はむしろ低く、回り始める前は巻線のインダクタンスが強く効くため1にはならない。巻線抵抗は温度上昇でわずかに増えるが、その変化は遮断器の定格を大きくする理由にならない。電線の許容電流は周囲温度が高いほど小さくなるので、高温で大きくなるという記述は向きが逆である。認められているのは、短時間で収まる始動電流に限った例外である。
問102-5

電気設備技術基準の解釈にもとづき、過電流遮断器を施設してはならない箇所として正しいものはどれか。

  • ①低圧幹線の電圧側電線
  • ②高圧受電設備の主遮断装置
  • ③単相3線式電路の中性線
  • ④三相3線式電路の各相
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正解 ③単相3線式電路の中性線
解説
詳細解説
多線式電路の中性線や、接地工事を施した低圧電路の接地側電線に過電流遮断器を設けることは禁止されている。中性線だけが先に開くと、単相3線式の両側の負荷が200Vに対して直列につながった状態になり、軽い負荷の側に過大な電圧が加わって機器が焼損するためである。
低圧幹線の電圧側電線には過電流遮断器を設けなければならない。三相3線式には中性線がなく各相に設けるのが原則である。高圧受電設備の主遮断装置は、受電設備全体を保護するために必ず設けるものである。
「中性線と接地側電線には遮断器を入れない」という原則は、開閉器の極数の考え方とあわせて確認しておくとよい。

他の選択肢が不適切な理由
低圧幹線の電圧側電線には、電線を守るために過電流遮断器を設けなければならない。三相3線式には中性線がなく、各相に設けるのが原則である。高圧受電設備の主遮断装置は、事故時に設備全体を系統から切り離すために必ず設けるものである。禁止されているのは中性線と接地側電線に限られ、それらが先に開くと機器に過大な電圧が加わるか、接地の役割が失われるためである。

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