2026年版・2-4

幹線の許容電流と電線の太さの一問一答

第一種電気工事士「配電理論及び配線設計」から、幹線の許容電流と電線の太さに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問12-4

金属管工事において、1本の電線管の中に600Vビニル絶縁電線を3本収めて施設する。このときの電流減少係数として正しいものはどれか。

  • ①0.49
  • ②0.56
  • ③0.70
  • ④0.63
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正解 ③0.70
解説
詳細解説
電線を管の中にまとめて収めると、たがいの発熱が逃げにくくなり温度が上がりやすくなる。そのため単独で使うときの許容電流に電流減少係数を掛けて小さく見積もる。
同一管内の電線数が3本以下のときは0.70、4本のときは0.63、5本または6本のときは0.56、7本から15本までは0.49と定められている。
0.63は4本、0.56は5〜6本、0.49は7本以上の場合の値である。
接地線は電流を常時流さないため本数に数えない点にも注意する。「3本まで0.70」を出発点に、本数が増えるごとに段階的に下がっていく数値として覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
0.63は4本、0.56は5本または6本、0.49は7本から15本までの場合の係数である。本数が増えるほど熱が逃げにくくなるので係数は小さくなり、3本以下がいちばん大きい値になる。接地線は常時電流を流さないため本数に数えない点も、判断を誤りやすいところである。管に予備の電線を通しておくと、その分だけ既設回路の許容電流まで下がることに注意したい。
問22-4

1本の金属管の中に、直径2.0mmの600Vビニル絶縁電線を4本収めて施設する。このときの電線1本当たりの許容電流〔A〕はいくらか。ただし、直径2.0mmの絶縁電線の許容電流は35A、周囲温度は30℃以下とする。

  • ①17A
  • ②19A
  • ③27A
  • ④22A
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正解 ④22A
解説
詳細解説
管内に収める電線の本数が4本のときの電流減少係数は0.63である。
許容電流=35×0.63=22.05〔A〕となり、小数点以下を切り捨てて22Aとする。
27Aは直径1.6mmの絶縁電線の許容電流をそのまま答えた誤りである。19Aは5本または6本の場合の係数0.56を用いた誤り(35×0.56=19.6A)、17Aは7本以上の場合の係数0.49を用いた誤り(35×0.49=17.15A)である。
電線の本数が1本増えるだけで許容電流が2〜3A下がる。管内に予備の電線を通しておくと、その分だけ既設回路の許容電流も落ちる点に注意が必要である。

他の選択肢が不適切な理由
27Aは直径1.6mmの絶縁電線を単独で施設した場合の値で、太さも減少係数も本問の条件と合わない。19Aは5本または6本のときの係数、17Aは7本以上のときの係数を用いた値で、いずれも本数を多く数えている。係数は本数が増えるほど小さくなるので、4本のときの答えが5本以上のときの値より小さくなることはない、という向きでも確かめられる。
問32-4

低圧幹線に、定格電流30Aの電動機1台と、定格電流15Aの電熱器1台が接続されている。電気設備技術基準の解釈にもとづき、この幹線に必要な最小の許容電流〔A〕はいくらか。

  • ①52.5A
  • ②45A
  • ③48A
  • ④56.3A
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正解 ①52.5A
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈第148条により、低圧幹線の許容電流は、電動機等の定格電流の合計と他の負荷の定格電流の合計から求める。電動機等の合計が50A以下のときは1.25倍、50Aを超えるときは1.1倍したうえで、他の負荷の合計を加える。
本問では電動機の合計が30Aで50A以下なので、30×1.25+15=37.5+15=52.5〔A〕となる。
45Aは単純に30と15を足した値で、電動機の始動電流に対する余裕を見込んでいない誤りである。56.3Aは電熱器にも1.25を掛けた誤り(30×1.25+15×1.25=56.25)、48Aは50Aを超える場合の係数1.1を誤って用いた値(30×1.1+15)である。
電動機だけに割増しを掛けるのは、始動時に定格の数倍の電流が流れるためである。

他の選択肢が不適切な理由
45Aは電動機の始動電流に対する割増しをまったく見込んでいない値で、これでは始動のたびに幹線が過熱の危険にさらされる。56.3Aは電熱器にも1.25を掛けた値だが、割増しが認められているのは電動機等だけである。48Aは電動機の合計が50Aを超える場合の係数を当てはめた値で、本問の30Aは50A以下にあたる。境目の50Aちょうどのときは1.25を用いる。
問42-4

低圧幹線に、定格電流の合計が60Aの電動機群と、定格電流の合計が20Aの電熱器群が接続されている。この幹線に必要な最小の許容電流〔A〕はいくらか。

  • ①80A
  • ②86A
  • ③95A
  • ④88A
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正解 ②86A
解説
詳細解説
電動機等の定格電流の合計が50Aを超える場合、電気設備技術基準の解釈第148条により乗じる係数は1.1倍となる。
60×1.1+20=66+20=86〔A〕である。
95Aは50A以下のときの係数1.25を誤って用いた値(60×1.25+20)である。80Aは割増しをまったく考えずに単純に合計した値、88Aは電熱器にも1.1を掛けた誤り(60×1.1+20×1.1)である。
電動機の合計が50Aを境に係数が1.25から1.1へ下がるのは、台数が多くなるほどすべての電動機が同時に始動する確率が小さくなるためである。50Aちょうどのときは1.25を使う点にも注意する。

他の選択肢が不適切な理由
80Aは割増しをまったく見込まず単純に合計した値である。95Aは電動機の合計が50A以下のときの係数1.25を当てはめた値だが、本問の60Aは50Aを超えている。88Aは電熱器にも1.1を掛けた値で、割増しの対象は電動機等に限られる。電動機の台数が増えるほど、すべてが同時に始動する確率は下がるので、合計が大きいほど係数は小さくなる。
問52-4

低圧幹線に接続される電動機等の定格電流の合計が50Aを超える場合、幹線に必要な許容電流を求める際に、電動機等の定格電流の合計に乗じる係数として正しいものはどれか。

  • ①1.25
  • ②1.5
  • ③1.1
  • ④3
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正解 ③1.1
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈第148条では、低圧幹線に必要な許容電流について、電動機等の定格電流の合計が50A以下のときは1.25倍、50Aを超えるときは1.1倍と定めている。
1.25は50A以下の場合に用いる係数であり、本問の条件では誤りである。1.5や3はこの計算では用いない数値で、3は幹線を保護する過電流遮断器の定格電流を求める際に電動機の定格電流に乗じる係数として登場するものである。
「50A以下なら1.25、50A超なら1.1」という境界と数値は、幹線の設計計算で必ず問われる。混同を防ぐため、電流が大きいほど割増しが小さくなる、という向きで覚えるとよい。

他の選択肢が不適切な理由
1.25は電動機等の合計が50A以下のときに用いる係数で、50Aを境に使い分ける。3は幹線を保護する過電流遮断器の定格の上限を求めるときに電動機等の定格の合計へ掛ける数値であり、幹線に必要な許容電流を求める計算には登場しない。1.5はこの規定のどこにも現れない。数値だけでなく、掛ける相手が許容電流なのか電動機の定格なのかもあわせて押さえたい。
問62-4

がいし引き工事により、周囲温度30℃以下の場所に直径1.6mmの600Vビニル絶縁電線を1本だけ施設した。この電線の許容電流〔A〕として正しいものはどれか。

  • ①19A
  • ②27A
  • ③35A
  • ④48A
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正解 ②27A
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈第146条に定める600Vビニル絶縁電線の許容電流(周囲温度30℃以下)は、単線では直径1.6mmが27A、2.0mmが35A、2.6mmが48A、3.2mmが62Aである。
35Aは直径2.0mm、48Aは直径2.6mmの値であり、太さを取り違えた誤りである。19Aは1.6mmを電線管に3本収めた場合の値(27×0.70=18.9A)に近く、電流減少係数を掛けた後の数値と混同したものである。
1.6mm=27A、2.0mm=35A、2.6mm=48Aの3つは、分岐回路の設計でも繰り返し使う基本値なので確実に覚える。管に収める場合は必ずここから電流減少係数を掛ける。

他の選択肢が不適切な理由
35Aは直径2.0mm、48Aは直径2.6mmの値で、太さを一段取り違えている。19Aは1.6mmの27Aに、電線管へ3本収めたときの係数0.70を掛けた値に近く、単独で施設するという本問の条件とは前提が違う。表の値はいずれも周囲温度30℃以下で単独に施設した場合のもので、管に収める場合や高温の場所では、そこから係数を掛けて減らして使う。
問72-4

絶縁電線の許容電流に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①周囲温度が高いほど許容電流は小さくなる
  • ②周囲温度が高いほど許容電流は大きくなる
  • ③電線管に収める本数が多いほど許容電流は大きくなる
  • ④電線の断面積が大きいほど許容電流は小さくなる
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正解 ①周囲温度が高いほど許容電流は小さくなる
解説
詳細解説
許容電流とは、絶縁物を傷めない温度の上限まで流せる電流のことである。周囲温度が高いと、電流による発熱がわずかでも絶縁物の許容温度に達してしまうため、流せる電流は小さくなる。表に示された値は周囲温度30℃以下を前提としており、それを超える場所では温度補正係数を掛けて減らす。
電線管に収める本数が増えると熱が逃げにくくなるので許容電流は小さくなり、大きくはならない。電線の断面積が大きいほど抵抗が小さく放熱面積も広いので、許容電流は大きくなる。
「熱がこもる条件はすべて許容電流を下げる方向に働く」と押さえておけば、判断を誤らない。

他の選択肢が不適切な理由
周囲温度が高いほど大きくなるという記述は、絶縁物が耐えられる温度までの余裕が減るという関係と向きが逆である。電線管に収める本数が多いほど大きくなるという記述も、たがいの発熱が逃げにくくなって温度が上がりやすくなる事実と合わない。断面積が大きいほど小さくなるという記述は、太い電線ほど抵抗が小さく放熱面も広いこととまったく逆である。
問82-4

低圧幹線に用いる電線の太さを決定する際の考え方として、最も適切なものはどれか。

  • ①許容電流だけを満たす太さがあればよい
  • ②電圧降下だけを満たす太さがあればよい
  • ③過電流遮断器の定格電流と同じ太さにする
  • ④許容電流と電圧降下の両方を考えて決める
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正解 ④許容電流と電圧降下の両方を考えて決める
解説
詳細解説
電線の太さは、まず負荷電流に対して発熱の面から安全な許容電流を確保できること、次にこう長が長い場合でも末端の機器に必要な電圧が届くこと、という二つの条件をどちらも満たす必要がある。それぞれから求めた太さを比較し、太い方を採用するのが基本である。
許容電流だけで決めると、こう長が長い設備で末端電圧が下がりすぎ、照明のちらつきや電動機のトルク不足を招く。電圧降下だけで決めると、電線が過熱して絶縁物を傷めるおそれがある。過電流遮断器の定格電流は電線を保護するために電線の許容電流以下に選ぶもので、電線の太さそのものを決める基準ではない。
短いこう長では許容電流、長いこう長では電圧降下が決め手になることが多い。

他の選択肢が不適切な理由
許容電流だけで決めると、こう長の長い設備では末端の電圧が下がりすぎ、電動機のトルク不足や照明のちらつきを招く。電圧降下だけで決めると、電線が過熱して絶縁物を傷めるおそれが残る。過電流遮断器の定格は電線を守るために許容電流以下から選ぶものなので、遮断器に合わせて電線の太さを決めるのは順序が逆である。
問92-4

がいし引き工事により周囲温度30℃以下の場所に単独で施設する600Vビニル絶縁電線のうち、許容電流が最も大きいものはどれか。

  • ①直径2.6mmの単線
  • ②断面積5.5mm²のより線
  • ③直径3.2mmの単線
  • ④断面積8mm²のより線
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正解 ③直径3.2mmの単線
解説
詳細解説
電気設備技術基準の解釈第146条の値は、単線が直径2.6mmで48A、3.2mmで62A、より線が断面積5.5mm²で49A、8mm²で61Aである。したがって最も大きいのは直径3.2mmの単線の62Aとなる。
直径3.2mmの単線の断面積は約8.04mm²で、より線の8mm²とほぼ同じだが、単線の方がわずかに許容電流が大きい。同様に直径2.6mmの単線は断面積約5.3mm²で、5.5mm²のより線とほぼ並ぶ。
単線の直径とより線の断面積は表の上では別の欄に並ぶが、実際の太さで比べると近い値どうしが対応している。両方の表を行き来できるようにしておくと、材料の選定を誤らない。

他の選択肢が不適切な理由
直径2.6mmの単線は48A、断面積5.5mm²のより線は49A、8mm²のより線は61Aで、いずれも62Aには届かない。単線は直径で、より線は断面積で表されるため、同じ土俵に直して比べる必要がある。直径2.6mmは断面積およそ5.3mm²で5.5mm²のより線とほぼ並び、8mm²のより線は最も近い値になるものの、断面積がほぼ等しい単線をわずかに下回る。
問102-4

絶縁電線を許容電流を超える電流で継続して使用した場合に起こることとして、最も適切なものはどれか。

  • ①導体の温度が上がり絶縁物が劣化する
  • ②導体の抵抗が下がり電圧降下が減る
  • ③電線の静電容量が増え漏れ電流が減る
  • ④導体の断面積が広がり許容電流が増える
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正解 ①導体の温度が上がり絶縁物が劣化する
解説
詳細解説
電流が流れると導体の抵抗によって熱が発生する。この発熱量は電流の2乗に比例するため、許容電流を超えると温度が急激に上昇し、被覆の絶縁物が硬化・変質して絶縁性能を失う。やがて短絡や地絡、火災に至る。許容電流とは、この絶縁物の許容温度から逆算して決められた値である。
金属導体の抵抗は温度が上がるほど大きくなるので、抵抗が下がるという記述は誤りである。静電容量は電線の形状と絶縁物で決まり電流では変わらない。断面積が広がることもない。
過電流による絶縁劣化は目に見えにくく、時間をかけて進む。過電流遮断器で電線を確実に保護することが不可欠である。

他の選択肢が不適切な理由
金属導体の抵抗は温度が上がるほど大きくなるので、抵抗が下がって電圧降下が減るという記述は逆である。静電容量は導体の形状と絶縁物の性質で決まる量で、流す電流によって変わることはなく、漏れ電流が減る理由にもならない。導体の断面積が広がるという記述も、固体の導体が通電によって太くなることはないという点で成り立たない。

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