2026年版・10-5

基礎-5 高圧受電設備の基本のしくみの一問一答

第一種電気工事士「最初に覚える土台知識」から、基礎-5 高圧受電設備の基本のしくみに関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

この分野の演習

全10問/解説つき・基本無料

アプリ形式で解く(全840問) 最初に覚える土台知識の要点解説を読む
問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問110-5

キュービクル式高圧受電設備の説明として正しいものはどれか。

  • ①高圧の機器を金属の箱にまとめた設備
  • ②高圧のまま各階へ電気を分ける配電盤
  • ③電柱の上に機器を分けて付けた設備
  • ④発電機と蓄電池を収めた予備の電源
答えと解説を見る
正解 ①高圧の機器を金属の箱にまとめた設備
解説
キュービクル式高圧受電設備とは、断路器や遮断器、変圧器、計器用変成器、保護継電器などの高圧受電に必要な機器を、金属製の外箱(キュービクル)の中に一括して収めた受電設備をいいます。
機器がむき出しになっている開放形に比べ、充電部に人が触れる危険が小さく、設置面積も小さくて済むため、ビルや工場、店舗の受電設備として広く使われています。第一種電気工事士が実際に相手にする自家用電気工作物の多くがこの形式なので、中に何が入っていて、どんな順に並んでいるかを最初に把握しておくことが学習の土台になります。
他の選択肢について

・高圧のまま各階へ電気を分ける配電盤:構内の各所へ送るのは変圧器で低圧に落とした後が基本で、キュービクルの定義でもありません。
・電柱の上に機器を分けて付けた設備:これはキュービクル式と対比される開放形の説明にあたります。
・発電機と蓄電池を収めた予備の電源:非常用予備発電装置などの説明で、受電設備とは目的が異なります。
問210-5

高圧受電における「責任分界点」の意味として、正しいものは。

  • ①屋外の引込線と屋内の配線が入れ替わる点
  • ②電力会社と需要家で保安の責任を分ける点
  • ③電力量計が使用量を計っている測定点
  • ④高圧と低圧が変圧器で切り替わる点
答えと解説を見る
正解 ②電力会社と需要家で保安の責任を分ける点
解説
責任分界点とは、電気事業者側と需要家(設置者)側とで、設備の維持や保安の責任を分ける境目をいいます。高圧受電では、この点の近くに区分開閉器を設けるのが一般的です。
この点より電源側は電気事業者が、負荷側は設置者が責任を負います。設置者側で起きた事故が電気事業者の配電線へ波及すると多数の需要家が停電するため、区分開閉器には地絡や過電流を検出して自動で切り離す機能が求められます。第一種電気工事士がどこからどこまでを扱うのかを理解するうえで、最初に押さえるべき概念です。
他の選択肢について

・高圧と低圧が変圧器で切り替わる点:それは変圧器の位置を指す説明で、責任の所在を分ける点とは別です。
・屋外の引込線と屋内の配線が入れ替わる点:引込口の位置の話であり、保安責任の分界を意味するものではありません。
・電力量計が使用量を計っている測定点:計量点は取引のための位置で、責任分界点と一致するとは限りません。
問310-5

高圧受電設備において、電気が受電点から屋内の低圧負荷へ届くまでの一般的な順序として、正しいものは。

  • ①引込ケーブル → 変圧器 → 区分開閉器 → 低圧配電盤 → 主遮断装置
  • ②主遮断装置 → 区分開閉器 → 引込ケーブル → 低圧配電盤 → 変圧器
  • ③区分開閉器 → 引込ケーブル → 主遮断装置 → 変圧器 → 低圧配電盤
  • ④区分開閉器 → 変圧器 → 主遮断装置 → 引込ケーブル → 低圧配電盤
答えと解説を見る
正解 ③区分開閉器 → 引込ケーブル → 主遮断装置 → 変圧器 → 低圧配電盤
解説
高圧受電の基本の流れは、責任分界点付近の区分開閉器で構内へ引き込み、高圧引込ケーブルでキュービクルまで送り、主遮断装置で受電設備全体を保護し、変圧器で低圧に下げ、低圧配電盤から各負荷へ分配する、という順序です。
この並びが頭に入っていると、単線結線図を読むときに機器の役割を推測できます。事故が起きたときにどこで切れば影響が最小になるかも、この順序から考えます。細かい機器の名前を覚える前に、まず幹の流れを押さえるのが効率的です。
他の選択肢について

・変圧器が主遮断装置より前にあるもの:変圧器は保護されるべき機器なので、主遮断装置の負荷側に置きます。
・引込ケーブルが最初に来るもの:構内へ入る前に区分開閉器で切り離せるようにしておく必要があります。
・主遮断装置が最初に来るもの:主遮断装置は構内設備を守るためのもので、責任分界点より電源側には置きません。
問410-5

高圧受電設備に設ける変圧器の役割として、正しいものは。

  • ①受けた電力の力率を改善する
  • ②受けた電流を計器で測れる値にする
  • ③受けた交流を直流に変えて蓄える
  • ④受けた高圧を使える低圧に変える
答えと解説を見る
正解 ④受けた高圧を使える低圧に変える
解説
変圧器は、電磁誘導を利用して交流の電圧を変える機器です。高圧受電設備では、受電した6600ボルトを、動力用の三相200ボルトや電灯用の単相100/200ボルトへ下げる役割を担います。
大電力を送るときは電圧が高いほど電流が小さくなり損失が減るので、電力会社は高い電圧で送ってきます。しかし照明やコンセント、一般の電動機はその電圧では使えません。この矛盾を橋渡しするのが変圧器で、受電設備の中で最も大きく、最も基本的な機器です。
他の選択肢について

・受けた電力の力率を改善する:力率改善は進相コンデンサの役割です。変圧器自体はむしろ無効電力を消費する側になります。
・受けた交流を直流に変えて蓄える:交流と直流の変換は整流器やコンバータの働きで、変圧器は交流のまま電圧だけを変えます。
・受けた電流を計器で測れる値にする:これは変流器(CT)の役割で、変圧器とは目的が異なります。
問510-5

高圧の機器の金属製の外箱に施す接地工事はどれか。

  • ①A種接地工事
  • ②B種接地工事
  • ③C種接地工事
  • ④D種接地工事
答えと解説を見る
正解 ①A種接地工事
解説
高圧用または特別高圧用の機械器具の金属製の外箱や鉄台には、A種接地工事を施します(電気設備の技術基準の解釈第29条)。
接地工事にはA種からD種までの四種類があり、扱う電圧が高い設備ほど厳しい基準が求められます。A種は高圧・特別高圧の機器の外箱などに施すもので、接地抵抗値は10オーム以下とされています。C種は300ボルトを超える低圧の機器に、D種は300ボルト以下の低圧の機器に施します。B種だけは目的が違い、高圧と低圧が混ざり合ったときに低圧側の電位が危険なほど上がるのを抑えるため、変圧器の低圧側の中性点などに施します。
他の選択肢について

・B種接地工事:高圧と低圧が混触したときに低圧側の電位が上がるのを抑えるため、変圧器の低圧側に施します。
・C種接地工事:300ボルトを超える低圧で使用する機器の外箱などに施す接地工事です。
・D種接地工事:300ボルト以下の低圧で使用する機器の外箱などに施す接地工事です。
問610-5

高圧受電設備に進相コンデンサを設ける目的はどれか。

  • ①電源側から流れ込む高調波を吸収する
  • ②力率を改善して無効電力を減らす
  • ③停電したとき負荷へ電力を送る
  • ④下がった受電電圧を持ち上げる
答えと解説を見る
正解 ②力率を改善して無効電力を減らす
解説
高圧進相コンデンサは、電動機などの負荷が生じさせる遅れ力率を改善し、無効電力を減らすために設けます。
コンデンサには電流の位相を進める性質があり、遅れている電流を打ち消して力率を1に近づけます。力率が改善されると、同じ有効電力を得るのに必要な電流が小さくなり、電線や変圧器の負担、電力の損失、電圧降下がいずれも小さくなります。なお進相コンデンサには、高調波を拡大させたり、投入したときに大きな突入電流を生じさせたりする性質があるため、直列リアクトルと組み合わせて使うのがふつうです。
他の選択肢について

・電源側から流れ込む高調波を吸収する:高調波への対策を受け持つのは直列リアクトルです。コンデンサだけではむしろ高調波を拡大させることがあります。
・停電したとき負荷へ電力を送る:停電したときの電力の供給は、蓄電池設備や無停電電源装置の役割です。
・下がった受電電圧を持ち上げる:力率改善の結果として電圧降下が減ることはありますが、電圧を調整する装置ではありません。
問710-5

高圧受電設備に避雷器(LA)を設ける目的として、正しいものは。

  • ①直撃雷を受け止めて電源側へ電流を返す
  • ②落雷で生じた過電流を検出して遮断する
  • ③異常な過電圧を大地へ逃がし絶縁を守る
  • ④雷雲の接近を検知して運転を止める
答えと解説を見る
正解 ③異常な過電圧を大地へ逃がし絶縁を守る
解説
避雷器は、雷や開閉サージによって電路に異常な過電圧が現れたとき、その電圧で導通して電流を大地へ逃がし、電圧を機器が耐えられる値まで抑える機器です。過電圧が去れば再び絶縁状態に戻り、通常の運転を妨げません。
守っているのは変圧器や遮断器などの絶縁で、遮断器のように回路を切るわけではありません。高圧の電路に施設する避雷器にはA種接地工事を施すこととされており、効果を出すには接地抵抗を低く保つこと、そして避雷器と保護したい機器をできるだけ近づけて施工することが重要です。
他の選択肢について

・落雷で生じた過電流を検出して遮断する:遮断は遮断器と保護継電器の役割で、避雷器には遮断の機能はありません。
・雷雲の接近を検知して運転を止める:避雷器に検知や制御の機能はなく、過電圧が現れてから受動的に働きます。
・直撃雷を受け止めて電源側へ電流を返す:逃がす先は大地であり、電源側へ返せば配電線に被害を広げてしまいます。
問810-5

高圧受電設備に用いる計器用変圧器(VT)と変流器(CT)の役割の違いとして、正しいものは。

  • ①VTは地絡電圧を、CTは地絡電流を測る
  • ②VTは電流を、CTは電圧を測れる値にする
  • ③VTは供給電圧を下げ、CTは電流を抑える
  • ④VTは電圧を、CTは電流を測れる値にする
答えと解説を見る
正解 ④VTは電圧を、CTは電流を測れる値にする
解説
計器用変圧器(VT)は高圧の電圧を計器や継電器で扱える大きさへ下げ、変流器(CT)は大きな電流を同じく扱える大きさへ下げるための機器です。これらをまとめて計器用変成器と呼びます。
6600ボルトや数百アンペアを計器に直接入れることはできないため、いったん小さな値に変換してから測るという考え方です。この二つは名前も外観も似ていますが、扱う量が電圧と電流で正反対であり、通電中に二次側を開放してはならないのはCTのほうだ、という違いも押さえておきましょう。
他の選択肢について

・VTは電流を、CTは電圧を測れる値にする:VTとCTの扱う量が逆になっており、二次側の取扱いの注意点も逆に理解してしまいます。
・VTは供給電圧を下げ、CTは電流を抑える:計器用変成器は測定や保護のためのもので、負荷へ電力を供給する経路には入りません。
・VTは地絡電圧を、CTは地絡電流を測る:地絡電流を検出するのは零相変流器(ZCT)で、通常のVTやCTとは別の機器です。
問910-5

高圧受電設備に設ける保護継電器の役割として、正しいものは。

  • ①事故を見つけて遮断器に指令を出す
  • ②事故の起きた区間を自動で切り替える
  • ③事故電流のアークを消して直接切る
  • ④事故の記録を残し後から読み出せる
答えと解説を見る
正解 ①事故を見つけて遮断器に指令を出す
解説
保護継電器は、計器用変成器から送られてくる電圧や電流の情報をもとに、過電流や地絡といった異常を判定し、遮断器へ引外しの指令を出す「頭脳」にあたる機器です。
代表的なものに、過電流継電器(OCR)と地絡継電器(GR)があります。実際に電流を切るのは遮断器という「手足」で、この役割分担が高圧の保護方式の基本です。継電器が正しく整定されていなければ遮断器は動かないため、竣工検査や定期点検では継電器の動作特性を確かめる試験が重視されます。
他の選択肢について

・事故電流のアークを消して直接切る:これは遮断器の役割で、継電器は指令を出すだけで電流の経路には入りません。
・事故の起きた区間を自動で切り替える:切替による供給継続は配電系統の運用や自動切替装置の話で、継電器単体の役割ではありません。
・事故の記録を残し後から読み出せる:記録機能を備えた製品はありますが、それは付随的な機能で、本来の役割ではありません。
問1010-5

同じ電力を使う需要家が、低圧受電ではなく高圧受電を選ぶ理由として正しいものはどれか。

  • ①保安をすべて電力会社に任せられるから
  • ②電流が小さくなり損失を抑えられるから
  • ③電気工事士の資格がなくても工事できる
  • ④力率が自動的に改善されて無効分が減る
答えと解説を見る
正解 ②電流が小さくなり損失を抑えられるから
解説
同じ電力を送るとき、電圧が高いほど電流は小さくなります。電線での損失は電流の2乗に比例するため、高圧で受電すれば損失も電圧降下も小さく抑えられ、電線も細くて済みます。大きな電力を使う需要家が高圧で受電するのはこのためです。
ただし高圧受電を選ぶと、その設備は自家用電気工作物となり、保安規程の届出、電気主任技術者の選任、定期点検といった義務が設置者に生じます。設備の費用も維持の手間も増えます。利点と引き換えに責任も負う、という関係を理解しておくことが大切です。
他の選択肢について

・保安をすべて電力会社に任せられるから:責任分界点より負荷側の保安は設置者の責任です。むしろ負う責任は重くなります。
・電気工事士の資格がなくても工事できる:自家用電気工作物の工事には原則として第一種電気工事士が必要で、要件は厳しくなります。
・力率が自動的に改善されて無効分が減る:力率は負荷の性質で決まり、受電電圧を上げても改善されません。

第一種電気工事士の対策問題(全840問)に戻る

※本ページはアクセス解析のためCookieを利用し、その情報を外部(Google)へ送信しています。

※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。