2026年版・10-4

基礎-4 三相交流の基礎の一問一答

第一種電気工事士「最初に覚える土台知識」から、基礎-4 三相交流の基礎に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問110-4

三相交流の説明として、正しいものは。

  • ①位相が120度ずつずれた三つの交流の組
  • ②大きさが異なり位相の同じ三つの交流の組
  • ③位相が90度ずつずれた三つの交流の組
  • ④直流を三つに分けて順に切り替えたもの
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正解 ①位相が120度ずつずれた三つの交流の組
解説
三相交流とは、大きさ(実効値)と周波数が等しく、位相が互いに120度ずつずれた三つの正弦波交流をひとまとめにしたものです。
1周期は360度で、それを三等分すると120度になります。この120度という角度が、後で出てくる線間電圧と相電圧の関係を決める√3という数の出どころにもなります。三相の各相の瞬時値を足し合わせると常に零になるのも、この120度ずつのずれによるものです。
他の選択肢について

・位相が90度ずつずれた三つの交流の組:90度ずつのずれは二相交流の考え方に近く、三相では360度を三等分した120度になります。
・大きさが異なり位相の同じ三つの交流の組:位相がずれていなければ、三相の特徴である回転磁界も作れず、三相交流とはいえません。
・直流を三つに分けて順に切り替えたもの:これはインバータなどの動作の一部を思わせる説明で、交流の定義には当たりません。
問210-4

同じ電力を送る場合に、単相交流ではなく三相交流が広く用いられる理由として正しいものはどれか。

  • ①電線1本あたりに流れる電流が大きくなる
  • ②電線の量を減らせ、電動機も回しやすい
  • ③力率が常に1になり無効電力が消える
  • ④電圧降下がまったく生じなくなる
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正解 ②電線の量を減らせ、電動機も回しやすい
解説
三相交流には大きな利点が二つあります。第一に、同じ電力を同じ電圧・同じ損失で送るとき、単相2線式に比べて電線の総量を少なくできることです。第二に、120度ずつずれた三相の電流を三つの巻線に流すと自然に回転磁界ができ、構造の簡単な三相誘導電動機をそのまま回せることです。
自家用電気工作物の負荷の主力は電動機なので、三相の電源であることが動力設備の前提になります。第一種電気工事士の学習で三相回路の計算が重視されるのは、このためです。
他の選択肢について

・電線1本あたりに流れる電流が大きくなる:三相にすると1本あたりの電流はむしろ小さくなります。理由の説明が逆です。
・電圧降下がまったく生じなくなる:三相でも電線の抵抗とリアクタンスによる電圧降下は生じます。単相より小さく抑えやすいというだけです。
・力率が常に1になり無効電力が消える:力率は負荷の性質で決まるもので、三相にしたからといって1になるわけではありません。
問310-4

三相交流で「線間電圧」が指す電圧はどれか。

  • ①中性線と1本の電線の間の電圧
  • ②各相の巻線にかかっている電圧
  • ③2本の電線の間で測った電圧
  • ④電線と大地との間の電圧
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正解 ③2本の電線の間で測った電圧
解説
線間電圧とは、三相交流の三本の電線のうち、二本の間で測った電圧のことです。
これに対して、電源や負荷の各相の巻線そのものにかかる電圧を相電圧といいます。二つは同じ値ではありません。Y結線では線間電圧が相電圧の√3倍になり、Δ結線では線間電圧と相電圧が等しくなります。三相回路の計算でつまずく人の多くは、この二つを取り違えています。機器の銘板や図面に「200ボルト」と書かれていれば、ふつうは線間電圧を指します。問題文に出てきた電圧がどちらなのかを毎回確かめる習慣をつけましょう。
他の選択肢について

・各相の巻線にかかっている電圧:これは相電圧の説明で、線間電圧とは別の量です。
・中性線と1本の電線の間の電圧:単相3線式で100ボルトを取り出すときの測り方で、三相の線間電圧の説明ではありません。
・電線と大地との間の電圧:これは対地電圧と呼ばれ、絶縁抵抗の判定などに使われる別の言葉です。
問410-4

三相交流回路における「相電流」と「線電流」の説明として、正しいものは。

  • ①相電流は基本波、線電流は高調波の電流
  • ②相電流は電線を、線電流は巻線を流れる
  • ③相電流は正常時、線電流は事故時の電流
  • ④相電流は巻線を、線電流は電線を流れる
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正解 ④相電流は巻線を、線電流は電線を流れる
解説
相電流は各相の負荷や巻線そのものを流れる電流、線電流は電源と負荷をつなぐ3本の電線を流れる電流です。
Y結線では負荷の各相が電線と直列につながるため、線電流と相電流は等しくなります。Δ結線では各相が三角形に組まれ、1本の電線に二つの相電流が合流するため、線電流は相電流の√3倍になります。「電圧はY結線で√3倍、電流はΔ結線で√3倍」という対称的な関係で覚えると混乱しません。三相の機器の銘板に書かれた電流が線電流であることを踏まえると、Δ結線の巻線に流れる電流はその√3分の1になる、という読み替えもできるようになります。
他の選択肢について

・相電流は電線を、線電流は巻線を流れる:相と線の定義が逆になっており、Y結線とΔ結線の関係式も導けなくなります。
・相電流は正常時、線電流は事故時の電流:事故時に流れる電流には地絡電流や短絡電流という別の呼び方があり、相と線の区別とは無関係です。
・相電流は基本波、線電流は高調波の電流:高調波の話は電力品質の分野で、相と線の区別とは別の観点です。
問510-4

三相回路でいう「平衡三相負荷」の説明として、正しいものは。

  • ①三相の負荷の大きさと力率がそろう
  • ②二つの相だけに負荷がつながっている
  • ③負荷の力率が1で無効電力が生じない
  • ④負荷の消費電力が時間によらず一定
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正解 ①三相の負荷の大きさと力率がそろう
解説
平衡三相負荷とは、三つの相に接続された負荷のインピーダンスの大きさも力率もそろっていて、各相に流れる電流の大きさが等しく、位相が120度ずつずれている状態の負荷をいいます。
この条件が成り立つと、Y結線の中性点には電流が流れず、計算も1相分だけを取り出して行い最後に3倍する、という簡単な方法が使えます。三相誘導電動機は三つの巻線が同一に作られているため、代表的な平衡三相負荷です。試験問題で「平衡」と書かれていたら1相分の計算でよい、という合図だと考えてください。
他の選択肢について

・二つの相だけに負荷がつながっている:これは不平衡な状態の一例で、平衡の説明とは正反対です。
・負荷の力率が1で無効電力が生じない:力率がそろってさえいれば1でなくとも平衡です。力率の値そのものは条件ではありません。
・負荷の消費電力が時間によらず一定:時間変化の有無は負荷変動の話で、三相間のつり合いを表す平衡とは別の概念です。
問610-4

平衡三相負荷の消費電力を求める式 P=√3 × V × I × cosθ において、V と I が表すものは。

  • ①V は線間電圧、I は相電流
  • ②V は線間電圧、I は線電流
  • ③V は相電圧、I は相電流
  • ④V は相電圧、I は線電流
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正解 ②V は線間電圧、I は線電流
解説
三相電力の式 P=√3VIcosθ の V は線間電圧、I は線電流です。
この式が便利なのは、Y結線かΔ結線かを気にせずに使えることです。実務で受電端に取り付けた計器が示すのも線間電圧と線電流なので、結線の中身が分からなくてもこの式で電力が求められます。もし相電圧と相電流を使うなら、係数は√3ではなく3になり、P=3×相電圧×相電流×cosθ となります。どちらを使っているかで係数が変わる点に注意しましょう。なお cosθ は力率で、電圧と電流の位相差から決まる0から1までの値です。皮相電力は √3VI、無効電力は √3VIsinθ と、同じ形で表せます。
他の選択肢について

・相電圧と相電流:この組合せでは係数が3になり、√3を掛ける式には当てはまりません。
・線間電圧と相電流:結線によって値が変わってしまい、電力の式として成り立ちません。
・相電圧と線電流:これも組合せが混ざっており、正しい電力の値になりません。
問710-4

三相交流のY結線で、線間電圧が相電圧の√3倍になる理由として正しいものはどれか。

  • ①電線が3本あり電圧が3分の1になるから
  • ②三つの相電圧の瞬時値を足し合わせるから
  • ③位相が120度ずれた相電圧の差だから
  • ④中性点を接地して電圧が持ち上がるから
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正解 ③位相が120度ずれた相電圧の差だから
解説
線間電圧は、二つの相電圧の差として現れます。二つの相電圧は大きさが等しく位相が120度ずれているため、単純な引き算ではなくベクトルの引き算になり、その大きさは元の相電圧の2×cos30度=√3倍になります。
√3という数はここから出てきます。数値で確かめると、相電圧が約110ボルトの三相の電源で線間電圧が約190ボルト、相電圧が約200ボルトなら線間電圧は約346ボルトです。丸暗記ではなく図で理解しておくと、Δ結線で電流が√3倍になる理由も同じ考え方で説明できます。
他の選択肢について

・三つの相電圧の瞬時値を足し合わせるから:平衡三相では三つの相電圧の瞬時値の和は常に零になり、足し算では線間電圧を説明できません。
・電線が3本あり電圧が3分の1になるから:電圧は本数で割り算されるものではなく、位相の関係で決まります。
・中性点を接地して電圧が持ち上がるから:接地は基準電位を与えるだけで、線間電圧の大きさを変えるものではありません。
問810-4

三相誘導電動機が回転する原理の説明として、正しいものは。

  • ①回転子の直流電流と永久磁石が働く
  • ②固定子と回転子の磁極が引き合い止まる
  • ③整流子とブラシで電流の向きを変える
  • ④回転磁界に回転子が引きずられて回る
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正解 ④回転磁界に回転子が引きずられて回る
解説
三相誘導電動機は、固定子の三つの巻線に120度ずつ位相のずれた三相電流を流すことで、大きさが一定で向きだけが回っていく磁界(回転磁界)をつくります。この磁界が回転子を横切ると回転子に誘導電流が流れ、その電流と磁界の間に力が生じて、回転子は磁界を追いかけるように回ります。
回転子は磁界よりわずかに遅れて回り、この速度の差の割合をすべりといいます。三相の電源をつなぐだけで回転磁界ができるので、整流子やブラシ、永久磁石がいらず、構造が簡単で丈夫になります。自家用電気工作物の動力負荷の主役がこの電動機である理由もここにあります。
他の選択肢について

・回転子の直流電流と永久磁石が働く:これは直流電動機や永久磁石同期電動機に近い説明で、誘導電動機の原理ではありません。
・整流子とブラシで電流の向きを変える:整流子とブラシは直流電動機の部品です。かご形誘導電動機はこれらを持ちません。
・固定子と回転子の磁極が引き合い止まる:向きがそろって静止してしまえば回り続けることはできず、回転磁界による説明になっていません。
問910-4

負荷の力率が低いときに生じることの説明として、正しいものは。

  • ①必要な電流が大きくなり損失が増える
  • ②電源の周波数が下がり回転が遅くなる
  • ③必要な電流が小さくなり損失が減る
  • ④電流の波形がひずみ高調波が生じる
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正解 ①必要な電流が大きくなり損失が増える
解説
力率は皮相電力に対する有効電力の割合です。有効電力が同じでも力率が低ければ皮相電力は大きくなり、電圧が一定である以上、流れる電流はその分だけ大きくなります。
電線での損失は電流の2乗に比例するため、力率の低下は損失の増加に直結します。あわせて電圧降下も大きくなり、変圧器や配電線の余力も食われます。高圧受電設備に進相コンデンサを設けて力率を改善するのは、これらの不利をまとめて減らすためです。逆にいえば、力率改善は有効電力そのものを減らす対策ではありません。
他の選択肢について

・必要な電流が小さくなり損失が減る:力率が高いときの説明で、低いときの結果とは逆になっています。
・電源の周波数が下がり回転が遅くなる:周波数は系統全体で保たれる量で、個々の負荷の力率によって変わるものではありません。
・電流の波形がひずみ高調波が生じる:高調波はインバータなど非線形の負荷が原因で生じるもので、力率が低いことがそのまま原因になるわけではありません。
問1010-4

有効電力・無効電力・皮相電力を表す単位の組合せとして、正しいものは。

  • ①有効電力はW、無効電力はV・A、皮相電力はvar
  • ②有効電力はW、無効電力はvar、皮相電力はV・A
  • ③有効電力はV・A、無効電力はW、皮相電力はvar
  • ④有効電力はvar、無効電力はV・A、皮相電力はW
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正解 ②有効電力はW、無効電力はvar、皮相電力はV・A
解説
有効電力はワット(W)、無効電力はバール(var)、皮相電力はボルトアンペア(V・A)で表します。
単位を分けているのは、三つが同じ次元でありながら性質が違うことを示すためです。皮相電力は電圧と電流の積そのもの、有効電力はそのうち実際に仕事をする分、無効電力は電源と負荷の間を行き来するだけの分を表します。三者の関係は直角三角形で表され、皮相電力の2乗が有効電力の2乗と無効電力の2乗の和に等しくなります。変圧器の容量がキロボルトアンペアで表されるのは、力率が分からなくても扱えるようにするためです。
他の選択肢について

・有効電力をV・Aとするもの:V・Aは皮相電力の単位で、有効電力にはWを用います。
・無効電力をV・Aとするもの:無効電力にはvarを用い、V・Aと取り違えると容量計算で誤ります。
・有効電力をvarとするもの:三つの単位がすべて入れ替わっており、いずれも対応していません。

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