2026年版・1-9

力率と力率改善の基礎の一問一答

第一種電気工事士「電気に関する基礎理論」から、力率と力率改善の基礎に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-9

交流回路における力率の説明として、正しいものは。

  • ①有効電力に対する無効電力の割合を表したもの
  • ②皮相電力に対する有効電力の割合を表したもの
  • ③皮相電力に対する無効電力の割合を表したもの
  • ④有効電力と無効電力の和を表したもの
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正解 ②皮相電力に対する有効電力の割合を表したもの
解説
詳細解説
力率は、電源から見かけ上供給している皮相電力[V・A]のうち、実際に仕事として使われる有効電力[W]がどれだけの割合を占めるかを表す量である。式では cosθ=有効電力/皮相電力 となる。
皮相電力に対する無効電力の割合は無効率(sinθ)であり、別の量である。有効電力と無効電力の和という記述も誤りで、この二つは位相が90°異なるためベクトル的に合成され、皮相電力は√(有効²+無効²)となる。
力率は電圧と電流の位相差の余弦でもある。位相差が零、すなわち抵抗だけの回路では力率が1になる。

他の選択肢が不適切な理由
有効電力に対する無効電力の割合とする記述は分母と分子をそろって取り違えたもので、この値は力率0.8のとき0.75となり、場合によっては1を超えることもある。皮相電力に対する無効電力の割合は無効率で、力率とは2乗の和が1になる関係にある別の量である。有効電力と無効電力の和とする記述は、位相が90°異なる二つを単純に足しており、そもそも割合を表す量になっていない。
問21-9

単相200Vの電源から10Aの電流が流れている負荷があり、その有効電力は1.6kWであった。この負荷の力率[%]は。

  • ①50
  • ②60
  • ③70
  • ④80
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正解 ④80
解説
詳細解説
単相回路の皮相電力は S=V×I で求められる。
S=200×10=2000[V・A]=2[kV・A]である。
力率は有効電力を皮相電力で割った値なので、
cosθ=1600÷2000=0.8、すなわち80%となる。
無効電力は 2000×0.6=1200[var]であり、皮相電力の2乗が有効電力と無効電力の2乗の和に等しいこと(2000²=1600²+1200²)でも確認できる。
電力量計が計量するのは有効電力量だが、電力会社の契約や変圧器の容量は皮相電力[kV・A]で決まる。力率が低いと同じ仕事量でも大きな設備容量が必要になる。

他の選択肢が不適切な理由
皮相電力は200×10=2000V・Aなので、選んだ力率を掛け戻して1600Wになるかを見れば判別できる。60%では1200W、70%では1400W、50%では1000Wとなり、いずれも与えられた1.6kWに届かない。力率は有効電力が皮相電力に占める割合なので、有効電力より皮相電力が小さくなる値は選びようがない、という向きでも確かめられる。
問31-9

皮相電力が10kV・A、力率が80%である負荷の無効電力[kvar]は。

  • ①6
  • ②8
  • ③2
  • ④12.5
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正解 ①6
解説
詳細解説
力率が0.8のとき、無効率は sinθ=√(1-0.8²)=√0.36=0.6 である。
無効電力は Q=S×sinθ=10×0.6=6[kvar]となる。
8kvarは有効電力(10×0.8)の値であり、有効と無効を取り違えると選んでしまう。12.5は皮相電力を力率で割った値、2は皮相電力と有効電力の差を取った誤りである。
力率0.8のときは無効率0.6、力率0.6のときは無効率0.8となり、3:4:5の直角三角形の関係がそのまま当てはまる。有効電力8kW、無効電力6kvar、皮相電力10kV・Aという組合せは頻出なので、まとめて覚えておくと計算が速くなる。

他の選択肢が不適切な理由
力率0.8のときの無効率は0.6であり、1から0.8を引いた0.2ではない。二つは2乗の和が1になる関係にあるため、単純な引き算から求めた2kvarは成り立たない。8kvarは有効電力にあたる値で、単位もkWとすべきものである。12.5は皮相電力を力率で割った値である。有効8・無効6・皮相10が直角三角形の関係になるかで検算できる。
問41-9

有効電力60kW、力率60%(遅れ)の三相負荷がある。この負荷の力率を80%(遅れ)に改善するために必要な、高圧進相コンデンサの容量[kvar]は。

  • ①12
  • ②35
  • ③45
  • ④80
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正解 ②35
解説
詳細解説
必要なコンデンサ容量は、改善前と改善後の無効電力の差として求める。
力率0.6のときの無効率は0.8なので、無効電力は 60×(0.8/0.6)=80[kvar]である。
力率0.8のときの無効率は0.6なので、無効電力は 60×(0.6/0.8)=45[kvar]である。
したがって必要な容量は 80-45=35[kvar]となる。
80kvarは改善前の無効電力そのもの、45kvarは改善後の無効電力そのもの、12kvarは無効率の差(0.8-0.6)に有効電力を掛けてしまった誤りである。
コンデンサは進み無効電力を供給して遅れ無効電力を打ち消す。有効電力は変わらず、無効電力だけが減る点が要点である。

他の選択肢が不適切な理由
必要な容量は改善前と改善後の無効電力の差なので、片方の無効電力そのものである80kvarや45kvarは答えにならない。80kvarを入れると無効電力が零を通り越して進み側へ振れてしまう。12kvarは無効率の差0.2に有効電力を掛けた値だが、無効電力は有効電力に無効率と力率の比を掛けて求めるものであり、無効率だけを掛けても得られない。
問51-9

単相100Vの電源に接続された負荷があり、有効電力は800W、力率は80%である。この負荷に流れる電流[A]は。

  • ①6.4
  • ②10
  • ③8
  • ④12.5
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正解 ②10
解説
詳細解説
単相回路の有効電力は P=V×I×cosθ で表されるので、電流について解くと I=P/(V×cosθ)となる。
I=800÷(100×0.8)=800÷80=10[A]である。
8Aは力率を考慮せずに 800÷100 として求めた値、6.4Aは力率を割らずに掛けてしまった誤り、12.5Aは力率で二重に割ってしまった値である。
皮相電力は 100×10=1000[V・A]であり、有効電力800Wとの比が力率0.8になることでも確認できる。
力率が低いほど、同じ有効電力を得るために必要な電流が大きくなる。この電流の増加が電線の発熱と電圧降下を招くため、力率改善が求められる。

他の選択肢が不適切な理由
力率が悪い負荷ほど同じ有効電力を得るのに大きな電流が必要になるので、答えは力率を考えないときの8Aより必ず大きくなる。この向きだけで8Aと6.4Aは除ける。6.4Aは力率で割るべきところを掛けた値、12.5Aは力率で二重に割った値である。求めた電流に電圧と力率を掛け戻して800Wになるかを確かめれば確実である。
問61-9

高圧進相コンデンサを設置して力率を改善したときに得られる効果として、正しいものは。

  • ①変圧器や配電線に流れる電流が増加する
  • ②負荷が消費する有効電力そのものが減少する
  • ③配電線路で生じる電圧降下が大きくなる
  • ④配電線路で生じる電力損失が小さくなる
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正解 ④配電線路で生じる電力損失が小さくなる
解説
詳細解説
力率を改善すると、同じ有効電力を送るのに必要な電流が減少する。電線の電力損失は I²R で電流の2乗に比例するため、電流が減れば損失は大きく減少する。
電流が減ることで電圧降下も小さくなるので、電圧降下が大きくなるという記述は逆である。電流が増加するという記述も誤りである。
また、コンデンサが打ち消すのは無効電力であり、負荷が実際に消費する有効電力は変わらない。したがって有効電力が減少するという記述も誤りである。
力率改善は、変圧器や配電線の容量に余裕を生み、電気料金の力率割引にもつながる。設備側の効率化であって、負荷の仕事量を減らすものではない。

他の選択肢が不適切な理由
力率を改善すると同じ有効電力を送るのに必要な電流が減るため、電流が増加するという記述も、電流に比例する電圧降下が大きくなるという記述も向きが逆である。コンデンサが打ち消すのは遅れ無効電力だけであり、負荷が実際に仕事として使う有効電力は変わらないので、有効電力そのものが減るという記述も成り立たない。効果はあくまで送る側の設備に現れる。
問71-9

次の負荷のうち、力率がほぼ100%となるものは。

  • ①電気ヒーターなどの電熱負荷
  • ②三相かご形誘導電動機
  • ③変圧器の無負荷時の励磁回路
  • ④安定器を用いた放電灯
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正解 ①電気ヒーターなどの電熱負荷
解説
詳細解説
力率がほぼ100%になるのは、抵抗だけで構成された負荷である。電気ヒーターや電気炉などの電熱負荷は、電圧と電流が同位相となるため力率がほぼ1になる。
三相かご形誘導電動機は回転磁界をつくるために励磁電流を必要とし、遅れ力率となる。定格運転でおおむね0.8程度、軽負荷時にはさらに低下する。
変圧器の励磁回路も鉄心を磁化するための電流が流れるため、著しく遅れた力率になる。安定器を用いた放電灯も安定器のコイル分によって遅れ力率となるため、コンデンサを内蔵して改善しているものが多い。
コイルを含むかどうかが、力率の良否を見分ける最初の手がかりになる。

他の選択肢が不適切な理由
三相かご形誘導電動機は回転磁界をつくる励磁電流が遅れ位相で常に流れるため、軽負荷になるほど力率が下がる。変圧器の無負荷時の励磁回路は鉄心を磁化するための電流だけが流れる状態で、有効分がごくわずかしかないため力率は著しく低い。安定器を用いた放電灯も、放電を安定させるコイルが直列に入るため遅れ力率となる。三つともコイルを含む点が共通しており、そこが力率低下の原因である。
問81-9

単相回路に接続された有効電力1kW、力率60%(遅れ)の負荷がある。この負荷の力率を100%にするために並列に接続するコンデンサの容量[kvar]に最も近い値は。

  • ①0.60
  • ②0.75
  • ③1.33
  • ④1.67
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正解 ③1.33
解説
詳細解説
力率を100%にするには、負荷が持つ遅れ無効電力をすべて打ち消せばよい。
力率0.6のときの無効率は sinθ=0.8 なので、無効電力は Q=P×(sinθ/cosθ)=1×(0.8/0.6)≒1.33[kvar]である。
したがって必要なコンデンサ容量も約1.33kvarとなる。
0.75kvarは力率0.8の負荷の場合の値、0.60kvarは力率0.6をそのまま掛けた誤り、1.67kvarは有効電力を力率で割った皮相電力の値である。
なお実務では、力率を厳密に100%にすると軽負荷時に進み力率となり、電圧上昇や機器への悪影響を招くおそれがある。このため、コンデンサを負荷に応じて開閉する自動力率調整装置が用いられる。

他の選択肢が不適切な理由
力率0.6の負荷は有効電力より大きな遅れ無効電力を抱えているため、必要な容量は1kvarを上回る。したがって0.60kvarや0.75kvarでは打ち消しきれない。0.75kvarは力率0.8の負荷を同様に改善する場合の値、1.67kvarは皮相電力にあたる値で、無効電力より必ず大きくなる。有効1kW・無効約1.33kvar・皮相約1.67kV・Aが直角三角形をつくるかで確かめられる。
問91-9

皮相電力が50kV・A、力率が80%(遅れ)である負荷の有効電力[kW]は。

  • ①30
  • ②40
  • ③50
  • ④62.5
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正解 ②40
解説
詳細解説
有効電力は皮相電力に力率を掛けて求められる。
P=S×cosθ=50×0.8=40[kW]である。
30kWは無効電力(50×0.6)にあたる値、62.5kV・Aは皮相電力を力率で割ってしまった値である。
この負荷の無効電力は 50×0.6=30[kvar]であり、40²+30²=50² が成り立つことでも確認できる。
受電設備の変圧器容量は皮相電力[kV・A]で表される。力率が低いと、同じ有効電力を供給するのにより大きな変圧器が必要になる。力率改善が設備の有効活用につながるのはこのためである。

他の選択肢が不適切な理由
有効電力は皮相電力に力率を掛けた値なので、皮相電力の50を上回ることはなく、この向きだけで62.5は除ける。62.5は掛けるべきところを力率で割った値、50kWは力率が1のときの値である。30kWは無効電力にあたる値で、有効と無効を取り違えている。40と30と50が直角三角形の関係になるかを見れば、まとめて検算できる。
問101-9

配電線路を通じて一定の有効電力を供給している負荷の力率を、60%から90%に改善した。改善後の配電線路の電力損失は、改善前のおよそ何倍になるか。

  • ①0.67
  • ②0.81
  • ③0.56
  • ④0.44
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正解 ④0.44
解説
詳細解説
有効電力が一定のとき、線電流は力率に反比例する。したがって電流の比は 0.6/0.9=0.667 倍になる。
配電線路の電力損失は I²R で電流の2乗に比例するので、損失の比は 0.667²≒0.44 倍となる。
0.67倍は電流の比をそのまま損失の比としてしまった誤り、0.81倍は改善後の力率の2乗(0.9²)を用いた誤り、0.56倍は減った分(1-0.44)を答えてしまった値である。
力率を6割から9割へ改善するだけで、線路損失がおよそ半分以下になることが分かる。
この効果は電線を太くするよりも安価に得られることが多く、高圧受電設備に進相コンデンサを設ける実務上の大きな理由になっている。

他の選択肢が不適切な理由
損失は電流の2乗で効くため、電流が0.67倍になっても損失が0.67倍になるわけではない。0.67倍は2乗を取る一手を落とした値である。0.81倍は改善後の力率だけを2乗した値だが、比べるべきは改善前と改善後の電流の比である。0.56倍は減った割合を答えたもので、問われている残る割合とは足して1になる関係にある。

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※本ページの問題・解説は、生成AI(人工知能)を活用して作成しています。