2026年版・1-8

三相交流回路の計算の一問一答

第一種電気工事士「電気に関する基礎理論」から、三相交流回路の計算に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-8

三相交流のY(スター)結線において、相電圧が200Vであるときの線間電圧[V]に最も近い値は。

  • ①115
  • ②346
  • ③200
  • ④400
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正解 ②346
解説
詳細解説
Y結線では、線間電圧は相電圧の√3倍になる。
200×1.732≒346[V]である。
115Vは逆に相電圧を求める計算(200÷1.732)をしてしまった値、400Vは2倍とした誤りである。
Y結線で線間電圧が相電圧の√3倍になるのは、二つの相電圧が120°の位相差をもって差し引かれるためであり、単純な2倍にはならない。
実務では、Y結線の中性点を接地した三相4線式の低圧配電で、線間400V・相電圧230V付近といった組合せが用いられる。線間と相のどちらの電圧を指しているのかを常に確認することが重要である。

他の選択肢が不適切な理由
200Vは相電圧をそのまま線間電圧と答えた値だが、両者が等しくなるのはΔ結線の場合である。115Vは√3で割る計算で、これは線間電圧から相電圧を求めるときの向きにあたる。400Vは単純に2倍とした値だが、二つの相電圧は120°の位相差をもって差し引かれるため2倍にはならない。Y結線では線間電圧が相電圧より必ず大きくなる。
問21-8

三相交流のΔ(デルタ)結線において、相電流が10Aであるときの線電流[A]に最も近い値は。

  • ①5.8
  • ②10
  • ③14.1
  • ④17.3
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正解 ④17.3
解説
詳細解説
Δ結線では、線電流は相電流の√3倍になる。
10×1.732≒17.3[A]である。
5.8Aは逆に相電流を求める計算をした値、14.1Aは√2倍としてしまった値、10Aは相電流をそのまま答えたものである。
Δ結線では線間電圧と相電圧が等しく、電流のほうが√3倍になる。Y結線とはちょうど関係が入れ替わるため、「Yは電圧が√3倍、Δは電流が√3倍」と対で覚えると混同しない。
この関係は電動機のスターデルタ始動でも重要で、始動時と運転時で巻線にかかる電圧と流れる電流が変わることの根拠になっている。

他の選択肢が不適切な理由
Δ結線では線電流が相電流より必ず大きくなるので、10A以下の値は成り立たない。10Aは相電流をそのまま書き写した値で、両者が等しくなるのはY結線の場合である。5.8Aは√3で割った値、14.1Aは√2倍とした値である。√2の約1.41と√3の約1.73は交流計算で並んで現れるので、どちらを使う場面かを結線の種類から判断したい。
問31-8

線間電圧200Vの三相3線式電源に、1相当たり20Ωの抵抗をY結線して接続した。このとき電線に流れる線電流[A]に最も近い値は。

  • ①5.8
  • ②10
  • ③17.3
  • ④3.3
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正解 ①5.8
解説
詳細解説
Y結線ではまず相電圧を求める。相電圧は線間電圧の1/√3倍なので、
200÷1.732≒115.5[V]である。
1相当たりの電流は 115.5÷20≒5.8[A]となる。Y結線では線電流と相電流が等しいので、線電流もそのまま5.8Aである。
10Aは線間電圧200Vを直接20Ωで割った誤り、17.3AはΔ結線とした場合の値である。
Y結線の計算は「線間電圧を√3で割って相電圧を出す」ことから始めるのが定石である。この一手を飛ばすと必ず√3倍の誤差が出るので、手順として固定しておきたい。

他の選択肢が不適切な理由
10Aは線間電圧200Vが相の抵抗にそのままかかると考えた値だが、Y結線で各相に加わるのは線間電圧の1/√3である。17.3AはΔ結線とした場合の値で、同じ抵抗でもY結線の3倍になる。3.3Aは線間電圧を√3ではなく3で割ってしまった場合に近い値である。まず相電圧を求める、という一手を手順として固定したい。
問41-8

線間電圧200Vの三相3線式電源に、1相当たり20Ωの抵抗をΔ結線して接続した。このとき電線に流れる線電流[A]に最も近い値は。

  • ①5.8
  • ②10
  • ③17.3
  • ④30
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正解 ③17.3
解説
詳細解説
Δ結線では線間電圧と相電圧が等しいので、各相の抵抗には200Vがそのまま加わる。
相電流は 200÷20=10[A]である。
線電流は相電流の√3倍なので、10×1.732≒17.3[A]となる。
10Aは相電流をそのまま線電流と答えた誤り、5.8AはY結線とした場合の値、30Aは3倍としてしまった値である。
同じ抵抗を同じ電源につないでも、Δ結線の線電流はY結線の3倍になる。これは、相電圧が√3倍になり、さらに線電流が相電流の√3倍になるためで、消費電力も3倍になる。

他の選択肢が不適切な理由
Δ結線では相の抵抗に線間電圧がそのままかかるため、相電流の時点で10Aとなり、線電流はさらに√3倍になる。10Aは相電流を線電流と答えた値、5.8AはY結線として線間電圧を√3で割ってから求めた値である。30Aは√3ではなく3を掛けた値である。同じ抵抗ならΔ結線の線電流はY結線の3倍になるが、それでも5.8Aの3倍の17.3Aであり、30Aにはならない。
問51-8

線間電圧200V、線電流10A、力率80%の平衡三相負荷がある。この負荷の消費電力[kW]に最も近い値は。

  • ①1.6
  • ②2.77
  • ③3.46
  • ④4.8
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正解 ②2.77
解説
詳細解説
平衡三相負荷の有効電力は P=√3×V×I×cosθ(Vは線間電圧、Iは線電流)で求められる。
P=1.732×200×10×0.8=3464×0.8=2771[W]≒2.77[kW]である。
3.46kWは力率を掛け忘れた値(皮相電力にあたる)、1.6kWは√3を掛け忘れた値、4.8kWは√3ではなく3を掛けてしまった値である。
この式で使うのは線間電圧と線電流であり、Y結線・Δ結線のどちらであっても同じ形で計算できる点が便利である。
皮相電力は 1.732×200×10=3464[V・A]、無効電力は 3464×0.6≒2078[var]となり、三つの電力の関係も同時に確認できる。

他の選択肢が不適切な理由
三相電力の式は線間電圧と線電流を使うため、掛ける係数は3ではなく√3である。4.8kWは3を掛けた値で、正しい値の1.73倍に膨らんでいる。3.46kWは力率を掛けていない皮相電力にあたる値で、単位もV・Aで表すべき量である。1.6kWは√3を落とした値である。有効電力は皮相電力に力率を掛けた値なので、必ず皮相電力より小さくなる。
問61-8

同じ抵抗3個を用いて構成した三相平衡負荷を、Y結線からΔ結線に変更して同じ三相電源に接続した。消費電力はもとの何倍になるか。

  • ①0.33
  • ②0.58
  • ③1.73
  • ④3
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正解 ④3
解説
詳細解説
Y結線では各相に線間電圧の1/√3の電圧がかかるのに対し、Δ結線では線間電圧がそのままかかる。
抵抗が同じとき消費電力は電圧の2乗に比例するので、相電圧が√3倍になると1相の電力は(√3)²=3倍になる。相の数は同じ3個なので、全体の消費電力も3倍になる。
0.33倍はΔからYへ変えた場合の値、1.73倍は√3倍としてしまった誤りである。
この関係が、三相誘導電動機のスターデルタ始動の原理である。始動時にY結線とすることで電圧を下げ、始動電流と始動トルクをいずれも3分の1に抑えている。

他の選択肢が不適切な理由
1.73倍は相電圧が√3倍になることをそのまま電力に当てはめた値だが、抵抗が同じなら電力は電圧の2乗で効くため3倍になる。0.58倍は1/√3にあたり、倍率の向きまで逆にしている。0.33倍はΔからYへ変えた場合の値で、変更の向きが反対である。どちらの結線で相にかかる電圧が高くなるかを先に確かめてから、2乗して倍率を出したい。
問71-8

三相交流のY(スター)結線における、線間電圧・相電圧・線電流・相電流の関係を述べたものとして、正しいものは。

  • ①線間電圧は相電圧の√3倍で、線電流は相電流に等しい
  • ②線電流は相電流の√3倍で、線間電圧と相電圧は等しい
  • ③線間電圧も線電流も、それぞれ相の値の√3倍になる
  • ④線間電圧も線電流も、それぞれ相の値と等しくなる
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正解 ①線間電圧は相電圧の√3倍で、線電流は相電流に等しい
解説
詳細解説
Y結線では、各相の巻線が中性点から放射状に出ており、電線にはその巻線がそのまま直列に入る。したがって線電流と相電流は等しい。一方、線間電圧は二つの相電圧の差として現れ、120°の位相差があるため相電圧の√3倍になる。
線電流が相電流の√3倍になるのはΔ結線の場合であり、Yと取り違えると典型的な誤答になる。
「Yは電圧が√3倍、Δは電流が√3倍」と、変化する側が電圧か電流かで区別するのが確実である。
この関係を押さえておけば、負荷の結線が変わっても線間電圧から相電圧を正しく導ける。

他の選択肢が不適切な理由
線電流が相電流の√3倍で線間電圧と相電圧が等しいとする記述はΔ結線の関係で、YとΔを入れ替えたものである。電圧も電流もともに√3倍とする記述は、Y結線では各相の巻線が電線に直列に入っていて電流が分かれないことと合わない。ともに相の値と等しいとする記述は、120°の位相差をもつ二つの相電圧の差として線間電圧が現れる点を見落としている。
問81-8

線間電圧200Vの三相3線式電源に、1相当たり20Ωの抵抗をΔ結線して接続した。三相全体で消費される電力[W]は。

  • ①2000
  • ②3464
  • ③6000
  • ④10392
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正解 ③6000
解説
詳細解説
Δ結線では各相の抵抗に線間電圧200Vがそのままかかる。
1相の消費電力は P=V²/R=200²÷20=40000÷20=2000[W]である。
相が3個あるので、全体では 2000×3=6000[W]となる。
公式で確かめると、相電流10A、線電流17.3A、力率1なので P=1.732×200×17.3×1≒6000[W]で一致する。
2000Wは1相分だけを答えた値、3464Wは1相分に√3を掛けた誤り、10392Wは3相分にさらに√3を掛けた誤りである。
抵抗負荷では力率が1なので、皮相電力と有効電力が等しくなる。三相の計算では「1相を求めて3倍する」方法と「√3の公式で一気に求める」方法のどちらでも検算できる。

他の選択肢が不適切な理由
2000Wは1相分だけを答えた値である。三相の合計は必ず1相分の3倍であり、√3倍ではない。√3を使うのは線間電圧と線電流から一気に求める式のときだけなので、1相ずつ求めた結果に重ねて掛けると3464Wや10392Wのような過大な値になる。1相を求めて3倍する方法と、公式で一気に求める方法のどちらか一方に統一して計算したい。
問91-8

線間電圧200Vの三相3線式電源に、1相当たり20Ωの抵抗をY結線して接続した。三相全体で消費される電力[W]は。

  • ①1155
  • ②2000
  • ③3464
  • ④6000
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正解 ②2000
解説
詳細解説
Y結線ではまず相電圧を求める。
200÷1.732≒115.5[V]である。
1相の消費電力は P=V²/R=115.5²÷20≒13340÷20≒667[W]となる。
相が3個あるので、全体では 667×3≒2000[W]である。
6000WはΔ結線とした場合の値であり、同じ抵抗でもΔのほうが3倍大きくなる。1155Wは正しい値をさらに√3で割ってしまった値、3464Wは√3を余分に掛けた値である。
公式で確かめると、線電流5.77A、力率1なので P=1.732×200×5.77×1≒2000[W]で一致する。
Y結線とΔ結線で消費電力が3倍違うという結果は、電動機の始動方式や電熱器の結線変更による出力調整の根拠として実務でも使われている。

他の選択肢が不適切な理由
6000Wは同じ抵抗をΔ結線にした場合の値で、結線の取り違えがそのまま3倍の差として表れる。Y結線では相電圧が線間電圧の1/√3となり、電力は電圧の2乗で効くので1相あたり3分の1にとどまる。3464Wは√3を余分に掛けた値、1155Wは逆に√3で割った値である。答えを線電流から検算して同じ値になるかを確かめたい。
問101-8

線間電圧200Vの三相3線式電源から、消費電力8kW、力率80%の平衡三相負荷に電力を供給している。このときの線電流[A]に最も近い値は。

  • ①18.5
  • ②23.1
  • ③28.9
  • ④50.0
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正解 ③28.9
解説
詳細解説
平衡三相負荷の電力の式 P=√3×V×I×cosθ を電流について解くと、
I=P/(√3×V×cosθ)となる。
I=8000÷(1.732×200×0.8)=8000÷277.1≒28.9[A]である。
23.1Aは力率を考慮せずに計算した値(8000÷346.4)、50.0Aは分母の√3を落とした値、18.5Aは力率で割るべきところを掛けてしまった値である。
力率が低いほど、同じ電力を送るのに大きな電流が必要になる点が重要である。電流が増えれば電線の発熱と電圧降下も増えるため、進相コンデンサによる力率改善が求められる。幹線の太さを決める際も、力率を含めた線電流で検討する必要がある。

他の選択肢が不適切な理由
力率は式の分母にあるため、割るか掛けるかを取り違えると答えが大きくずれる。18.5Aは0.8を掛けた値で、力率が悪いほど電流が減るという結果になり実態と逆である。23.1Aは力率1のときの電流で、力率0.8の負荷ではこれより必ず大きくなる。50Aは√3を落とした値である。求めた電流を式に戻して8kWになるかを確かめたい。

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