2026年版・1-10

電気計測と指示計器の一問一答

第一種電気工事士「電気に関する基礎理論」から、電気計測と指示計器に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問11-10

可動鉄片形計器の特徴として、正しいものはどれか。

  • ①交流回路の測定に用いられ、目盛は不平等目盛となる
  • ②直流回路の測定に用いられ、目盛は平等目盛となる
  • ③交流回路の測定に用いられ、目盛は平等目盛となる
  • ④直流回路の測定に用いられ、目盛は不平等目盛となる
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正解 ①交流回路の測定に用いられ、目盛は不平等目盛となる
解説
詳細解説
可動鉄片形は、コイルに流れる電流がつくる磁界によって固定鉄片と可動鉄片を同じ向きに磁化させ、その反発力で指針を振らせる計器です。
指針を動かす力は電流のほぼ二乗に比例するため、目盛は低い側が狭く高い側が広い不平等目盛になります。また電流の向きが変わっても反発する向きは変わらないので、交流をそのまま測ることができ、商用周波数の電流計・電圧計として最も広く使われています。
直流で平等目盛になるという記述は、可動コイル形の性質と取り違えたものです。可動コイル形は永久磁石の磁界と電流の積で力が決まるため振れが電流に正比例して平等目盛となり、交流を加えると振れの平均が零になって指示しません。
「鉄片は交流・二乗だから不平等目盛」と結び付けて覚えると混同しません。

他の選択肢が不適切な理由
交流で平等目盛になるという記述は、指針を動かす力が電流のほぼ二乗に比例するという可動鉄片形の原理と合いません。直流で不平等目盛になるという記述は、二乗特性だけを取り入れて用途を取り違えたもので、この計器を直流で用いると鉄片の残留磁気の影響で誤差が生じます。直流に用いて平等目盛となるのは、永久磁石を使う可動コイル形の特徴です。
問21-10

電流力計形計器に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①交流専用の計器であり、電力量計としてよく用いられる
  • ②直流専用の計器であり、電圧計としてよく用いられる
  • ③直流にも交流にも使用でき、電力計として用いられる
  • ④交流専用の計器であり、周波数計としてよく用いられる
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正解 ③直流にも交流にも使用でき、電力計として用いられる
解説
詳細解説
電流力計形は、固定コイルがつくる磁界と、その中に置かれた可動コイルに流れる電流との間に働く力を利用します。二つのコイルの電流の積に応じて指針が振れるため、電流の向きが同時に反転する交流でも力の向きが変わらず、直流でも交流でも使えます。
固定コイルを負荷電流の通る電流コイル、可動コイルを電圧に比例した電流の流れる電圧コイルとすれば、振れが電圧と電流の積、すなわち電力に比例します。これが指示電力計の基本構造で、力率の影響も自動的に含まれるので有効電力をそのまま読めます。
交流専用で電力量を積算するのは誘導形、直流専用で電圧・電流を測るのは可動コイル形、周波数の測定は振動片形などの別の計器が受け持ちます。
「電力計といえば電流力計形」と覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
交流専用で電力量を積算するという記述は誘導形の特徴で、電流力計形はその瞬間の電力を指示するだけで、時間を掛け合わせて積算する機構を持ちません。直流専用で電圧計に用いるという記述は、永久磁石を使う可動コイル形の特徴です。交流専用で周波数を測るという記述も、二つのコイルの電流の積に応じて振れるという原理からは出てきません。交流か直流のどちらかに限っている点でも合いません。
問31-10

一般家庭や工場で使用電力量を計量するために用いられる、交流専用の計器の種類はどれか。

  • ①可動コイル形計器
  • ②誘導形計器
  • ③電流力計形計器
  • ④静電形計器
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正解 ②誘導形計器
解説
詳細解説
誘導形は、交流によって生じる移動磁界がアルミニウム円板に渦電流を誘導し、その渦電流と磁界との間に働く力で円板を回転させる方式です。円板の回転数が電力と時間の積、すなわち電力量に比例するため、回転を歯車で計数機構に伝えて積算電力量計として使われます。
交流が磁界を移動させることを前提にした原理なので、直流ではまったく動かない交流専用の計器です。
可動コイル形は永久磁石を使うため直流専用で、交流では指針が動きません。電流力計形は瞬時の電力を指示する電力計であり、時間で積算する働きは持ちません。静電形は電極間に働く静電力を利用する高電圧用の電圧計です。
「回る円板を見たら誘導形の電力量計」と結び付けると確実に区別できます。

他の選択肢が不適切な理由
可動コイル形は永久磁石の一定の磁界を使うため、交流を加えると振れが打ち消し合って指示しません。電流力計形は電圧と電流の積に比例して指針が振れる計器で、その瞬間の電力は読めても、時間を掛け合わせて積算する働きは持ちません。静電形は電極の間に働く力を利用する高電圧用の電圧計で、電流の通り道をほとんど持たないため電力量の計量には使えません。
問41-10

熱電形計器の特徴として、正しいものはどれか。

  • ①直流専用で、微小な電流の測定に適する
  • ②交流専用で、正弦波の実効値を示す
  • ③交直両用で、電力量の計量に用いられる
  • ④交直両用で、高周波の電流も測定できる
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正解 ④交直両用で、高周波の電流も測定できる
解説
詳細解説
熱電形は、測ろうとする電流を細い加熱線に流し、その発熱を熱電対で起電力に変換して可動コイル形の計器で読み取る方式です。発熱量は電流の二乗に比例し、電流の向きには関係しないため、直流でも交流でも同じように使え、指示は実効値になります。
コイルの巻数を必要としない単純な加熱線を使うので、インダクタンスの影響が小さく、数百キロヘルツを超える高周波の電流測定にも使えるのが最大の長所です。ただし過大な電流で加熱線が焼損しやすく、過負荷には弱いという短所があります。
直流専用で微小電流に適するのは可動コイル形、正弦波の実効値を示すよう目盛られた交流専用の計器は整流形、電力量の計量は誘導形が受け持ちます。
「高周波を測るなら熱電形」と覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
直流専用で微小な電流に適するという記述は、永久磁石を用いる可動コイル形の特徴です。交流専用で正弦波の実効値を示すという記述は、整流器と可動コイル形を組み合わせた整流形の説明で、平均値に応答する計器を正弦波の実効値に合わせて目盛っているため、ひずんだ波形では誤差が出ます。電力量の計量を受け持つのは交流専用の誘導形であり、加熱線の発熱を利用するこの計器の役割ではありません。
問51-10

静電形計器に関する記述として、正しいものはどれか。

  • ①大きい電流の測定に用いられ、直流だけに使用できる
  • ②高い周波数の測定に用いられ、交流だけに使用できる
  • ③高い電圧の測定に用いられ、消費電力が極めて小さい
  • ④小さい抵抗の測定に用いられ、直流だけに使用できる
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正解 ③高い電圧の測定に用いられ、消費電力が極めて小さい
解説
詳細解説
静電形は、向かい合った二枚の電極に電圧を加えたときに働く静電力(クーロン力)で指針を動かします。電極の間は絶縁されていて電流がほとんど流れないため、測定対象から取るエネルギーが極めて小さく、測定によって回路の状態を乱しにくいという長所があります。
力は電圧の二乗に比例して向きが変わらないので直流でも交流でも使え、実効値を指示します。原理上、電圧が高いほど大きな力が得られるので、数キロボルト以上の高電圧の測定に適しています。
大きい電流を直流で測るのは分流器を付けた可動コイル形、周波数の測定は振動片形などの周波数計、小さい抵抗の測定はケルビンダブルブリッジといった別の手段が用いられます。
「静電形は電圧専用で高電圧向き」と押さえます。

他の選択肢が不適切な理由
静電形は電極の間が絶縁されていて電流がほとんど流れないため、大きい電流を測る用途には向きません。大電流の測定は分流器を組み合わせた計器などが受け持ちます。力は電圧の二乗に比例して向きが変わらないので直流でも交流でも使え、直流だけ、交流だけと限る記述はいずれも成り立ちません。抵抗の測定は電流を流して行うものであり、電流をほとんど流さないという原理と合いません。
問61-10

計器定数1200rev/kWhの単相電力量計がある。この電力量計の円板が20回転するのに30秒かかったとき、負荷の消費電力[kW]は。

  • ①1.0
  • ②2.0
  • ③4.0
  • ④4.5
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正解 ②2.0
解説
詳細解説
計器定数は、1kWhの電力量を計量する間に円板が何回転するかを表す値です。1200rev/kWhの計器で20回転したのなら、計量された電力量は20÷1200=1/60kWhになります。
この電力量を30秒で使ったので、時間は30÷3600=1/120時間です。電力は電力量を時間で割って求めるので、(1/60)÷(1/120)=2.0kWとなります。
式にまとめると、回転数をn、計器定数をK[rev/kWh]、時間をt[秒]として、P=3600×n÷(K×t)です。数値を入れると3600×20÷(1200×30)=2.0kWで、同じ答えになります。
4.0kWは30秒を15秒と読み違えた値、1.0kWは30秒を60秒と取り違えた値、4.5kWは回転数と秒数を入れ替えて計算した値です。
円板の回転を数えるだけで消費電力が分かるので、現場で負荷の大きさを手早く確かめる方法として実際に使われています。

他の選択肢が不適切な理由
求めた値を条件に戻すと確かめられます。2.0kWで30秒なら電力量は2×30÷3600=1/60kWhとなり、1200rev/kWhの計器ではちょうど20回転します。4.0kWなら40回転、1.0kWなら10回転となり、20回転という条件に合いません。4.5kWは回転数と秒数を入れ替えた計算から出る値です。消費電力が大きいほど円板が速く回る、という向きでも見当がつきます。
問71-10

三電流計法により単相負荷の消費電力を求める。負荷と並列に既知の抵抗25Ωを接続し、電源から流れる全電流が10A、抵抗に流れる電流が4A、負荷に流れる電流が8Aであった。負荷の消費電力[W]は。

  • ①250
  • ②400
  • ③500
  • ④800
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正解 ①250
解説
詳細解説
三電流計法は、電力計を使わずに三つの電流計と既知の抵抗だけで単相電力を求める方法です。負荷と並列に既知抵抗Rを接続し、全電流I1、抵抗に流れる電流I2、負荷に流れる電流I3を測ると、負荷の消費電力Pは P=R×(I1の二乗-I2の二乗-I3の二乗)÷2 で求められます。三つの電流がつくる三角形に余弦定理を当てはめた式です。
数値を入れると、10の二乗は100、4の二乗は16、8の二乗は64なので、かっこの中は100-16-64=20です。これに25を掛けて2で割ると、P=25×20÷2=250Wとなります。
500Wは最後に2で割るのを忘れた値、400Wは既知抵抗自身が消費する電力(4Aの二乗×25Ω)、800Wは負荷の皮相電力(抵抗の端子電圧100V×8A)で、いずれも負荷の有効電力ではありません。
電圧計を三つ使う三電圧計法と対で覚えます。

他の選択肢が不適切な理由
この方法で求まるのは負荷の有効電力です。400Wは測定のために入れた既知抵抗が自分で消費している電力であり、負荷の消費電力ではありません。800Wは負荷の端子電圧と電流の積、すなわち皮相電力にあたり、力率を含んでいないため有効電力より必ず大きくなります。500Wは最後に2で割る手順を落とした値で、答えが皮相電力に近づきすぎていないかを見れば気づけます。
問81-10

内部抵抗0.2Ωの直流電流計に、抵抗0.05Ωの分流器を並列に接続した。この電流計の指示が3Aであるとき、回路に流れている電流[A]は。

  • ①0.60
  • ②3.75
  • ③12
  • ④15
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正解 ④15
解説
詳細解説
電流計と分流器は並列なので、両端の電圧が等しくなります。電流計に流れる電流をIa、分流器に流れる電流をIsとすると、0.2Ω×Ia=0.05Ω×Is が成り立ちます。
Ia=3Aを入れると0.2×3=0.6Vなので、Is=0.6÷0.05=12Aです。回路の全電流はこの二つの和なので、3+12=15Aとなります。
倍率の式を使っても同じで、m=1+(r÷Rs)=1+(0.2÷0.05)=1+4=5、全電流=3A×5=15Aです。
12Aは分流器に流れる分だけを答えた誤り、3.75Aは倍率の式の抵抗の比を逆にして1+(0.05÷0.2)=1.25としてしまった誤り、0.60Aは電流の分かれ方を逆にして3A×0.05÷0.25と計算した誤りです。
分流器を付けた電流計は、目盛の値に倍率を掛けて読むという実務上の扱いにそのままつながります。

他の選択肢が不適切な理由
分流器の抵抗は電流計の内部抵抗より小さいので、分流器側により多くの電流が流れ、全電流は電流計の指示3Aより必ず大きくなります。この向きだけで3.75Aと0.60Aは除けます。12Aは分流器に流れる分だけを答えたもので、電流計自身の3Aを足していません。倍率は1に内部抵抗と分流器の抵抗の比を足した値で、比を逆にすると1.25倍という小さすぎる値になります。
問91-10

三電圧計法により単相負荷の消費電力を求める。負荷と直列に既知の抵抗25Ωを接続し、電源電圧が100V、抵抗の両端の電圧が40V、負荷の両端の電圧が80Vであった。負荷の消費電力[W]は。

  • ①40
  • ②64
  • ③80
  • ④128
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正解 ①40
解説
詳細解説
三電圧計法は、電力計を使わずに三つの電圧計と既知の抵抗だけで単相電力を求める方法です。電源電圧をV1、抵抗の両端をV2、負荷の両端をV3、既知抵抗をRとすると、三つの電圧がつくる三角形に余弦定理を当てはめることで、負荷の消費電力Pは P=(V1の二乗-V2の二乗-V3の二乗)÷(2R) で求められます。
数値を入れると、100の二乗は10000、40の二乗は1600、80の二乗は6400なので、分子は10000-1600-6400=2000です。分母は2×25=50なので、P=2000÷50=40Wとなります。
128Wは電圧と電流の積である皮相電力(80V×1.6A)、80Wは2で割るのを忘れた値、64Wは既知抵抗が消費する電力(40Vの二乗÷25Ω)です。
抵抗に流れる電流は40÷25=1.6Aで、これが負荷にも流れます。皮相電力128Vアに対し有効電力が40Wなので、負荷の力率はおよそ0.31という遅れの大きい負荷だと分かります。

他の選択肢が不適切な理由
この方法で求まるのは負荷の有効電力です。128Wは負荷の端子電圧80Vと電流1.6Aの積、すなわち皮相電力にあたり、力率を含んでいません。64Wは測定のために直列に入れた既知抵抗が自分で消費している電力です。80Wは分母を2Rではなく2で割る手順を落とした形にあたります。求めた値が皮相電力128V・Aを超えていないかを見れば、大きすぎる答えはすぐに除けます。
問101-10

最大目盛150Vで階級が0.5級の電圧計がある。この電圧計に許される固有誤差の最大値[V]は。

  • ①±0.15
  • ②±0.75
  • ③±1.50
  • ④±3.00
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正解 ②±0.75
解説
詳細解説
指示計器の階級は、その計器が持ってよい誤差の大きさを表す等級で、0.2級、0.5級、1.0級、1.5級、2.5級などがあります。数字は、基準となる状態で許される固有誤差を、最大目盛の値に対する百分率で表したものです。
階級0.5級は最大目盛の±0.5%という意味なので、150V×0.005=0.75V、すなわち±0.75Vが許容される最大の誤差になります。
ここで大切なのは、誤差が読んだ値ではなく最大目盛を基準に決まる点です。同じ計器で30Vを読んだときも誤差は±0.75Vのままなので、指示値に対する誤差の割合は2.5%にもなります。測定値が最大目盛の三分の一を下回るときはより小さい範囲の計器に替える、という実務上の判断はここから来ています。
±3.00Vは2.0%、±1.50Vは1.0%、±0.15Vは0.1%に当たる値です。

他の選択肢が不適切な理由
階級の数字は許容される固有誤差を最大目盛に対する百分率で表したものなので、0.5級なら0.5%です。±1.50Vは1.0級、±3.00Vは2.0級、±0.15Vは0.1級に相当する値で、いずれも別の階級の計器の許容誤差です。基準になるのは指示値ではなく最大目盛なので、同じ0.5級でも最大目盛300Vの計器なら許容誤差は±1.5Vになります。

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