2026年版・5-5

PDCA・安全教育計画の一問一答

運行管理者試験(旅客)「実務上の知識及び能力」から、PDCA・安全教育計画に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問15-5

輸送の安全を確保するためのPDCAサイクルに関する説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①計画を立てた後は変更せず翌年度も同じ内容で実施していく
  • ②計画・実施・評価・改善を繰り返し安全の水準を高めていく
  • ③事故が発生した年度に限って計画を作成し直せばよいとする
  • ④評価は事業者が行い運行管理者は関与しない仕組みだといえる
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正解 ②計画・実施・評価・改善を繰り返し安全の水準を高めていく
解説
PDCAサイクルとは、計画(Plan)、実施(Do)、評価(Check)、改善(Act)の4つの段階を繰り返し回すことで、取組の水準を継続的に高めていく手法です。輸送の安全においても、事故の発生状況や運転者の特性を踏まえて年間の指導計画を立て、計画どおりに実施し、その効果を検証し、明らかになった課題を次の計画に反映させるという流れを絶やさないことが重要とされています。

他の選択肢が不適切な理由
「計画を立てた後は変更せず翌年度も同じ内容で実施していく」は誤りで、評価と改善の段階が欠落しており、サイクルとして機能しません。「事故が発生した年度に限って計画を作成し直せばよいとする」は誤りで、事故が起きていない年度であっても継続的な見直しが必要です。「評価は事業者が行い運行管理者は関与しない仕組みだといえる」は誤りで、運行管理者は現場の実情を把握する立場として評価と改善に深く関わります。
問25-5

年間の安全教育計画を作成する段階における留意点として、最も適切なものはどれか。

  • ①目標は達成状況を測れないよう抽象的に定めておくとよい
  • ②内容は毎年同じものとし前年度の実績は考慮しなくてよい
  • ③計画は運行管理者のみが把握し運転者には知らせずにおく
  • ④事故の傾向や運転者の特性を踏まえ具体的な目標を定める
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正解 ④事故の傾向や運転者の特性を踏まえ具体的な目標を定める
解説
計画の段階では、自社で過去に発生した事故やヒヤリ・ハットの傾向、適性診断の結果に表れた運転者ごとの特性、車両や運行経路の特徴などを分析し、それに対応した具体的な教育内容と目標を定めることが重要です。目標を具体的に定めておくことで、後の評価の段階で達成状況を検証し、次の改善につなげることができます。

他の選択肢が不適切な理由
「目標は達成状況を測れないよう抽象的に定めておくとよい」は誤りで、抽象的な目標では効果の検証ができず、改善につながりません。「内容は毎年同じものとし前年度の実績は考慮しなくてよい」は誤りで、前年度の実績を踏まえない計画では課題が解消されません。「計画は運行管理者のみが把握し運転者には知らせずにおく」は誤りで、運転者に目標と内容を周知してこそ教育の効果が高まります。
問35-5

安全教育の取組についての評価の段階で行うこととして、最も適切なものはどれか。

  • ①計画どおり実施できたかと効果が上がったかを検証していく
  • ②新たな年間の計画を作成して運転者に周知することをいう
  • ③実施した事実のみを確かめ効果の検証までは要しないとする
  • ④評価は事故が発生した場合に限って行えば足りるものとする
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正解 ①計画どおり実施できたかと効果が上がったかを検証していく
解説
評価の段階では、計画した教育を予定どおり実施できたかという実施状況の確認と、その結果として事故やヒヤリ・ハットが減ったか、運転者の行動が改善されたかという効果の検証の両方を行います。運行記録計やドライブレコーダーの記録、点呼での様子など客観的な資料を用いることで、評価の精度を高めることができます。

他の選択肢が不適切な理由
「新たな年間の計画を作成して運転者に周知することをいう」は誤りで、これは計画の段階に当たる作業です。「実施した事実のみを確かめ効果の検証までは要しないとする」は誤りで、効果を検証しなければ次の改善につながりません。「評価は事故が発生した場合に限って行えば足りるものとする」は誤りで、評価は事故の有無にかかわらず定期的に行うべきものです。
問45-5

PDCAサイクルにおける改善の段階に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①評価の結果にかかわらず当初の計画をそのまま維持していく
  • ②効果が薄い取組でも一度決めた以上は変更しないものとする
  • ③評価で明らかになった課題を次の計画の見直しに反映させる
  • ④改善は経営者のみが行い運行管理者は関与しないものとする
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正解 ③評価で明らかになった課題を次の計画の見直しに反映させる
解説
改善の段階では、評価によって明らかとなった課題を踏まえ、教育の内容や方法、実施の頻度、対象とする運転者の範囲などを見直し、次の計画に反映させます。この段階を確実に行うことで、PDCAは一巡して終わるのではなく、次のサイクルへとつながり、安全の水準が段階的に高まっていきます。

他の選択肢が不適切な理由
「評価の結果にかかわらず当初の計画をそのまま維持していく」は誤りで、評価の結果を反映しなければ改善の段階を設ける意味がありません。「効果が薄い取組でも一度決めた以上は変更しないものとする」は誤りで、効果の乏しい取組は内容を見直すべきです。「改善は経営者のみが行い運行管理者は関与しないものとする」は誤りで、現場の課題を最もよく把握している運行管理者の関与が不可欠です。
問55-5

運転者に対して行った指導及び監督の記録の取扱いとして、正しいものはどれか。

  • ①記録は本社にまとめて備え置くこととされているものである
  • ②記録は営業所において3年間保存しなければならないもの
  • ③記録は運転者ごとではなく年度ごとに1通あれば足りる
  • ④記録の保存期間は1年間と定められているものといえる
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正解 ②記録は営業所において3年間保存しなければならないもの
解説
事業者は、運転者に対して行った指導及び監督について、その実施の日時、場所、内容、指導を行った者と受けた者の氏名を記録し、これを営業所において3年間保存しなければならないとされています。記録は、監査の際に指導の実施状況を示す資料となるだけでなく、運転者ごとの受講状況を把握し、次の教育計画を立てるための基礎資料としても重要です。

他の選択肢が不適切な理由
「記録は本社にまとめて備え置くこととされているものである」は誤りで、保存すべき場所は運転者が所属する営業所です。「記録は運転者ごとではなく年度ごとに1通あれば足りる」は誤りで、誰にどのような指導を行ったかが分かるよう記録する必要があります。「記録の保存期間は1年間と定められているものといえる」は誤りで、1年間の保存とされているのは点呼の記録などであり、指導及び監督の記録は3年間です。
問65-5

運転者に対して行う一般的な指導及び監督の内容として、最も適切なものはどれか。

  • ①交通事故を起こした運転者にのみ実施すれば足りるとされる
  • ②運転技能の実技指導のみを行えばよいこととされているもの
  • ③内容は各事業者が自由に定めてよく国の指針は存在しない
  • ④事業用自動車の構造上の特性や危険の予測などが含まれる
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正解 ④事業用自動車の構造上の特性や危険の予測などが含まれる
解説
国土交通省が定める「旅客自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」には、一般的な指導及び監督として行うべき事項が示されています。事業用自動車を運行する際に遵守すべき事項、事業用自動車の構造上の特性、危険の予測と回避、健康管理の重要性など幅広い項目が含まれており、事業者はこれらについて計画的に指導を行う必要があります。

他の選択肢が不適切な理由
「交通事故を起こした運転者にのみ実施すれば足りるとされる」は誤りで、一般的な指導及び監督はすべての運転者を対象とするものです。「運転技能の実技指導のみを行えばよいこととされているもの」は誤りで、法令の遵守や健康管理など座学による指導も必要です。「内容は各事業者が自由に定めてよく国の指針は存在しない」は誤りで、国土交通省の告示として指針が定められています。
問75-5

運輸安全マネジメントの考え方に関する説明として、最も適切なものはどれか。

  • ①経営者から現場までが一体となり安全の風土を築いていく
  • ②現場の運転者と運行管理者だけで取り組めば足りるとする
  • ③事故が起きた後の再発防止のみを対象とする仕組みである
  • ④車両の整備に関する事項のみを対象とする管理手法をいう
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正解 ①経営者から現場までが一体となり安全の風土を築いていく
解説
運輸安全マネジメントは、経営のトップが率先して安全の確保に関与し、その方針を現場まで浸透させるとともに、現場で把握された課題を経営層まで伝えて改善につなげる、組織全体での安全管理の取組です。経営トップの姿勢が現場の安全意識を大きく左右するとされており、PDCAサイクルを回して安全の水準を継続的に高めていくことが求められます。

他の選択肢が不適切な理由
「現場の運転者と運行管理者だけで取り組めば足りるとする」は誤りで、要員の配置や設備投資などは経営層の判断を要するため、現場だけでは完結しません。「事故が起きた後の再発防止のみを対象とする仕組みである」は誤りで、事故が起きる前の予防的な取組も重要な対象です。「車両の整備に関する事項のみを対象とする管理手法をいう」は誤りで、対象は輸送の安全に関わる業務全体に及びます。
問85-5

特別な指導とあわせて受診させる適性診断の対象となる運転者の区分として、正しいものはどれか。

  • ①事故惹起運転者と初任運転者の2つの区分に限られる
  • ②高齢運転者と初任運転者の2つの区分に限られているもの
  • ③事故惹起運転者・初任運転者・高齢運転者の3つの区分
  • ④過去に交通違反をした運転者のみが対象とされているもの
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正解 ③事故惹起運転者・初任運転者・高齢運転者の3つの区分
解説
適性診断は、死者又は重傷者を生じた交通事故を引き起こした事故惹起運転者(特定診断)、新たに雇い入れるなどして初めて当該事業用自動車に乗務する初任運転者(初任診断)、そして65歳以上の高齢運転者(適齢診断)の3つの区分を対象として受診させることとされています。なお、特別な指導については、これらに加えて一般貸切旅客自動車運送事業者における準初任運転者も対象となります。

他の選択肢が不適切な理由
「事故惹起運転者と初任運転者の2つの区分に限られる」は誤りで、高齢運転者が抜けています。「高齢運転者と初任運転者の2つの区分に限られているもの」は誤りで、事故惹起運転者が抜けています。「過去に交通違反をした運転者のみが対象とされているもの」は誤りで、交通違反の有無を対象の基準とする区分は定められていません。
問95-5

一般貸切旅客自動車運送事業者が初任運転者に対して行う特別な指導について、正しいものはどれか。

  • ①座学のみで足り安全運転の実技は要しないとされているもの
  • ②座学に加えて安全運転の実技を20時間以上行う必要がある
  • ③実技のみで足り座学による指導は要しないとされているもの
  • ④実施の時期は選任してから1年以内であればよいとされる
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正解 ②座学に加えて安全運転の実技を20時間以上行う必要がある
解説
一般貸切旅客自動車運送事業者は、初任運転者に対する特別な指導として、事業用自動車の安全な運転に関する基本的事項や、運行の安全および旅客の安全を確保するために留意すべき事項等について座学による指導を行うとともに、安全運転の実技について20時間以上の指導を行わなければならないとされています。座学については、平成29年12月からその時間が拡大され、10時間以上の実施が求められています。

他の選択肢が不適切な理由
「座学のみで足り安全運転の実技は要しないとされているもの」は誤りで、実車を用いた実技指導が義務付けられています。「実技のみで足り座学による指導は要しないとされているもの」は誤りで、座学による指導も必要です。「実施の時期は選任してから1年以内であればよいとされる」は誤りで、初任運転者に対する特別な指導は、原則としてその運転者を事業用自動車に乗務させる前に実施すべきものです。
問105-5

事故防止のための年間目標の立て方として、最も適切なものはどれか。

  • ①目標は高いほどよいため実現の可能性は考えなくてもよい
  • ②目標は運行管理者だけが把握しておけば足りるものである
  • ③目標は前年度と同じ数値をそのまま用いることが望ましい
  • ④達成の状況を確かめられる具体的な指標を用いて設定する
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正解 ④達成の状況を確かめられる具体的な指標を用いて設定する
解説
年間目標は、事故件数やヒヤリ・ハットの報告件数、健康診断の受診率、指導の実施回数など、後から達成状況を客観的に確かめられる指標を用いて設定します。数値で表せる目標を掲げることで、評価の段階で取組の効果を検証でき、達成できなかった場合にその原因を分析して次の計画に反映させることが可能になります。

他の選択肢が不適切な理由
「目標は高いほどよいため実現の可能性は考えなくてもよい」は誤りで、現実的でない目標は形骸化し、かえって取組の意欲を損ないます。「目標は運行管理者だけが把握しておけば足りるものである」は誤りで、運転者を含む全員で共有してこそ目標が行動につながります。「目標は前年度と同じ数値をそのまま用いることが望ましい」は誤りで、前年度の達成状況や事故の傾向を踏まえて見直す必要があります。

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