2026年版・4-5

改善基準告示の基礎の一問一答

運行管理者試験(旅客)「労働基準法関係」から、改善基準告示の基礎に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-5

改善基準告示(自動車運転者の労働時間等の改善のための基準)の位置づけについて、正しいものはどれか。

  • ①自動車運転者の労働条件の向上を図るための厚生労働大臣の告示である
  • ②自動車運転者の運転技能の向上を図るための国土交通大臣の告示である
  • ③旅客自動車運送事業の運賃の適正化を図るための法律の規定である
  • ④旅客自動車運送事業者の安全確保を図るための省令の規定である
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正解 ①自動車運転者の労働条件の向上を図るための厚生労働大臣の告示である
解説
改善基準告示は、自動車運転者の労働時間等の労働条件の向上を図るため、その業務の特性を踏まえて拘束時間の上限や休息期間の下限などを定めた厚生労働大臣の告示です。労働基準法だけでは長時間の拘束を十分に規制できない自動車運転者について、業種ごとに具体的な基準を示したものであり、令和4年に改正され令和6年4月1日から適用されています。

他の選択肢が不適切な理由
改善基準告示は運転技能の向上を目的とするものではなく、労働条件の向上を目的としています。また所管は厚生労働省であり、国土交通大臣の告示ではありません。運賃の適正化を図る規定でもなく、運賃・料金については道路運送法に基づく別の制度で扱われます。旅客自動車運送事業者の安全確保に関する事項は旅客自動車運送事業運輸規則などの省令に定められており、改善基準告示とは根拠となる法令も所管も異なります。
問24-5

改善基準告示の適用対象となる自動車運転者について、正しいものはどれか。

  • ①四輪以上の自動車の運転の業務に従事する事業主本人も含まれる
  • ②四輪以上の自動車の運転の業務に従事する役員が対象とされる
  • ③四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する労働者をいう
  • ④運転の業務に従事する労働者のうち、正社員のみが対象となる
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正解 ③四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する労働者をいう
解説
改善基準告示にいう自動車運転者とは、労働基準法上の労働者であって、四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する者をいいます。「主として従事する」かどうかは実態で判断され、たとえば通常は事務職であっても、実態として運転の業務に主として従事しているのであれば対象となります。雇用形態は問われないため、パートタイムや有期契約の運転者も対象です。

他の選択肢が不適切な理由
事業主本人は労働基準法上の労働者ではないため、自ら運転をしていても改善基準告示の適用対象とはなりません。役員についても同様に、労働者としての実態がない限り対象外です。「正社員のみが対象」とするのも誤りで、労働者であれば雇用形態にかかわらず適用されます。なお、改善基準告示は、運送を業とするか否かを問わず、自動車運転者を労働者として使用するすべての事業に適用されます。
問34-5

改善基準告示にいう「拘束時間」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①実際に運転していた時間のみを合計した時間のことをいう
  • ②始業時刻から終業時刻までの労働時間と休憩時間の合計をいう
  • ③勤務の終了から次の勤務の開始までの自由な時間のことをいう
  • ④労働時間から休憩時間と仮眠時間を差し引いた時間をいう
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正解 ②始業時刻から終業時刻までの労働時間と休憩時間の合計をいう
解説
拘束時間とは、始業時刻から終業時刻までの時間で、労働時間と休憩時間(仮眠時間を含む)の合計をいいます。つまり、その日に会社に拘束されていた時間全体を指し、実際にハンドルを握っていたかどうかは関係ありません。点呼や車両点検、客待ちの待機、休憩や仮眠の時間もすべて拘束時間に算入されるため、1日の拘束時間を計算する際に休憩を差し引いてはならない点に注意が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
「実際に運転していた時間のみ」は運転時間の説明に近いものであり、拘束時間はこれよりはるかに広い概念です。「勤務の終了から次の勤務の開始までの自由な時間」は休息期間の説明であり、拘束時間とは正反対の時間帯を指します。「労働時間から休憩時間と仮眠時間を差し引いた時間」は、休憩時間を含めるという拘束時間の定義と逆になっており、誤りです。
問44-5

改善基準告示にいう「休息期間」の説明として、正しいものはどれか。

  • ①拘束時間の中に含まれる休憩時間や仮眠時間のことをいう
  • ②1日のうち運転を中断して待機している時間のことをいう
  • ③使用者に拘束される時間から労働時間を除いた時間をいう
  • ④勤務の終了後、次の勤務が始まるまでの自由な時間をいう
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正解 ④勤務の終了後、次の勤務が始まるまでの自由な時間をいう
解説
休息期間とは、勤務と次の勤務との間にあって、使用者の拘束を一切受けない期間をいいます。睡眠時間を含む生活時間として労働者が自由に利用できることが保障された時間であり、休憩時間のように拘束時間の一部を構成するものではありません。改善基準告示が拘束時間の上限とあわせて休息期間の下限を定めているのは、疲労を回復させるためのまとまった時間を確実に確保させるためです。

他の選択肢が不適切な理由
「拘束時間の中に含まれる休憩時間や仮眠時間」は休憩時間の説明であり、休息期間とは区別されます。休憩や仮眠は拘束時間に算入されますが、休息期間は拘束時間には算入されません。「運転を中断して待機している時間」は手待時間や運転の中断に当たり、使用者の拘束を受けている以上休息期間ではありません。「使用者に拘束される時間から労働時間を除いた時間」も休憩時間の説明であり、休息期間の定義とは異なります。
問54-5

改善基準告示において、労使当事者に求められている姿勢として、正しいものはどれか。

  • ①告示の基準を上限として、これに近づける努力が求められている
  • ②告示の基準を理由に、労働条件を低下させてはならないとされる
  • ③告示の基準を下回る内容を協定で定めることが認められている
  • ④告示は目安であり、労使が合意すれば守らなくてもよいとされる
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正解 ②告示の基準を理由に、労働条件を低下させてはならないとされる
解説
改善基準告示は、労使当事者に対し、この基準を理由として自動車運転者の労働条件を低下させてはならないことはもとより、その労働条件の向上に努めなければならないと求めています。すでに告示の基準を上回る良好な労働条件を実現している事業場が、「告示ではここまで働かせてよい」として条件を引き下げることは、この趣旨に反します。

他の選択肢が不適切な理由
「基準を上限として、これに近づける努力が求められている」というのは方向が逆で、求められているのは基準に近づけることではなく労働条件の向上です。「基準を下回る内容を協定で定めることが認められている」も誤りで、労使協定によって延長できるのは告示が明示的に認めた範囲に限られ、それ以外に基準を下回る定めをすることはできません。「労使が合意すれば守らなくてもよい」というのも誤りで、告示の基準は労使の合意によって免れられるものではありません。
問64-5

改善基準告示の適用が除外される業務について、正しいものはどれか。

  • ①災害時の緊急輸送など、労働基準局長が定める業務は適用が除外される
  • ②深夜に運行される旅客輸送の業務は、時間帯を問わず一律に除外される
  • ③貸切バスによる長距離の運行の業務は、運行計画に関わらず除外される
  • ④1人乗務で行われる運行の業務は、事業の種類を問わず除外される
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正解 ①災害時の緊急輸送など、労働基準局長が定める業務は適用が除外される
解説
改善基準告示は、四輪以上の自動車の運転の業務のうち厚生労働省労働基準局長が定めるものを適用対象から除いています。具体的には、災害対策基本法等に基づく緊急輸送の業務など、公共的な必要性が高く時間的な予測が困難な業務が対象です。ただし、適用除外業務に従事する期間を含む一定期間のうち、適用除外業務に従事しない期間については通常どおり改善基準告示が適用される点に注意が必要です。

他の選択肢が不適切な理由
深夜に運行される旅客輸送は、むしろ拘束時間や休息期間の管理が重要になる業務であり、時間帯を理由に適用が除外されることはありません。貸切バスによる長距離運行も適用除外ではなく、貸切バス等乗務者については労使協定により拘束時間を延長できる特例が設けられているにすぎません。1人乗務の運行も当然に適用対象であり、むしろ2人以上乗務する場合にこそ拘束時間を延長する特例が認められています。
問74-5

改善基準告示が適用される事業の範囲について、正しいものはどれか。

  • ①旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業にのみ適用される
  • ②国土交通大臣の許可を受けた運送事業者にのみ適用される
  • ③常時10人以上の運転者を使用する事業場にのみ適用される
  • ④運送を業とするか否かを問わず運転者を使用する事業に適用
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正解 ④運送を業とするか否かを問わず運転者を使用する事業に適用
解説
改善基準告示は、労働基準法上の労働者であって四輪以上の自動車の運転の業務に主として従事する者を対象とするもので、運送を業とするか否かを問わず、そのような運転者を使用するすべての事業に適用されます。自社製品を運ぶ工場の運転者や送迎バスの運転者など、貨物自動車運送事業や旅客自動車運送事業の許可を受けていない事業であっても、四輪以上の自動車の運転を主たる業務とする労働者を使用していれば対象となります。

他の選択肢が不適切な理由
「旅客自動車運送事業と貨物自動車運送事業にのみ適用される」は誤りで、運送事業の許可の有無にかかわらず、四輪以上の自動車の運転を主たる業務とする労働者を使用する事業であれば適用されます。「国土交通大臣の許可を受けた運送事業者にのみ適用される」も誤りで、許可の有無は適用の要件ではありません。「常時10人以上の運転者を使用する事業場にのみ適用される」も誤りで、事業規模による適用除外は定められていません。
問84-5

運転中に予期し得ない事象に遭遇して運行に遅延が生じた場合の、改善基準告示上の取扱いについて、正しいものはどれか。

  • ①遅延した分だけ、次の勤務の休息期間を短縮することができる
  • ②遅延の原因を問わず、その日の拘束時間の規制は適用されなくなる
  • ③客観的な記録がある場合、1日の拘束時間から対応時間を除ける
  • ④運転者の申告のみで、対応に要した時間を運転時間から除ける
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正解 ③客観的な記録がある場合、1日の拘束時間から対応時間を除ける
解説
運転者が乗務中の車両の故障、フェリーの欠航、災害や事故による道路の封鎖・渋滞、異常気象などの通常予期し得ない事象に遭遇し、運行が遅延した場合には、その対応に要した時間を1日の拘束時間、2暦日の拘束時間、運転時間および連続運転時間の規制の適用から除くことができます。ただし、運転日報への記録に加え、遅延の原因を客観的に証明できる記録(気象情報や公的機関の証明等)を残しておくことが必要です。

他の選択肢が不適切な理由
「次の勤務の休息期間を短縮できる」というのは誤りで、この取扱いを適用した場合でも、勤務終了後には通常どおりの休息期間を与えなければなりません。「遅延の原因を問わず拘束時間の規制が適用されなくなる」も誤りで、対象となる事象は限定されており、単なる渋滞予測の誤りや自社の運行計画の不備は含まれません。「運転者の申告のみで除ける」も誤りで、客観的な記録によって裏付けられることが要件とされています。
問94-5

改善基準告示と労働基準法との関係について、正しいものはどれか。

  • ①改善基準告示への違反そのものに、直ちに罰則が科される訳ではない
  • ②改善基準告示の違反は、そのまま労働基準法違反として処罰される
  • ③改善基準告示は労働基準法に優先し、法の基準を下回ることができる
  • ④改善基準告示は法律であり、違反には常に罰金が科されることとなる
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正解 ①改善基準告示への違反そのものに、直ちに罰則が科される訳ではない
解説
改善基準告示は厚生労働大臣の告示であり、違反したこと自体に対して直接罰則が科される仕組みにはなっていません。もっとも、違反があれば労働基準監督署から是正の指導を受け、悪質な場合は地方運輸局へ通報されて道路運送法に基づく行政処分の対象となります。また、告示違反となるような働かせ方は、同時に36協定の範囲を超えた時間外労働など労働基準法違反を伴うことが多く、その場合は労働基準法の罰則が適用されます。

他の選択肢が不適切な理由
「そのまま労働基準法違反として処罰される」というのも誤りで、告示違反自体が直ちに労働基準法違反になるわけではなく、36協定の範囲を超えた時間外労働など別途の労働基準法違反が成立する場合に初めて罰則が適用されます。「労働基準法に優先し、法の基準を下回ることができる」も誤りで、告示は労働基準法の枠内で自動車運転者の労働条件をさらに具体化するものであり、法の基準を下回ることはできません。「改善基準告示は法律である」というのも誤りで、その形式は法律ではなく告示です。
問104-5

2024年4月から適用されている改正後の改善基準告示の内容について、正しいものはどれか。

  • ①1日の休息期間の下限が、継続9時間から継続8時間に短縮されている
  • ②1日の休息期間は、継続11時間以上を基本とし9時間を下回らない
  • ③連続運転時間の上限が、従来の4時間から6時間に緩和された
  • ④1か月の拘束時間の上限は、すべての事業について撤廃されている
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正解 ②1日の休息期間は、継続11時間以上を基本とし9時間を下回らない
解説
改正後の改善基準告示では、バス運転者およびタクシーの日勤勤務者の休息期間について、勤務終了後、継続11時間以上与えるよう努めることを基本とし、継続9時間を下回ってはならないとされました。改正前は継続8時間以上とされていたため、下限が1時間引き上げられるとともに、11時間という目指すべき水準が明示された形になります。十分な睡眠時間を確保して疲労を回復させることが、過労運転の防止に直結するという考え方に基づく改正です。

他の選択肢が不適切な理由
「下限が9時間から8時間に短縮された」は改正の方向を逆に述べたもので、実際には8時間から9時間へ引き上げられています。「連続運転時間の上限が4時間から6時間に緩和された」も誤りで、連続運転時間は改正後も4時間以内のままです。「1か月の拘束時間の上限がすべての事業について撤廃された」も誤りで、バスは原則281時間、タクシーの日勤勤務は288時間などの上限が引き続き定められています。

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