2026年版・4-8

煙感知器(イオン化式・光電式)の一問一答

消防設備士甲種4類「構造・機能・工事・整備」から、煙感知器(イオン化式・光電式)に関する4択問題を10問。「答えと解説を見る」を開くと、正解とその理由がその場で読めます。会員登録は不要です。

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問題

上から順に解いてみてください。答えは各問の下で確認できます。

問14-8

イオン化式スポット型感知器の作動原理として、最も適切なものはどれか。

  • ①煙の侵入によりイオン電流が減少することを検知する
  • ②光軸上の煙により受光量が減少することを検知する
  • ③煙の粒子による散乱光を受光素子でとらえて検知する
  • ④周囲の温度上昇率が一定の値を超えたことを検知する
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正解 ①煙の侵入によりイオン電流が減少することを検知する
解説
イオン化式スポット型感知器は、内部に微量の放射線源を持ち、その放射線が空気を電離(空気の分子を電気を帯びた粒に分けること)させることで、わずかな電流(イオン電流)を常に流している。ここへ煙が入ると、煙の粒子がイオンを吸着して動きを妨げるため、イオン電流が減少する。この電流の減少量が一定値を超えたときに火災信号を発信する。つまり「電流が減る」ことをとらえる感知器である。

他の選択肢が不適切な理由
「煙の粒子による散乱光を受光素子でとらえて検知する」は光電式スポット型(散乱光式)の原理であり、こちらは受光量が増加することで作動する。「光軸上の煙により受光量が減少することを検知する」は送光部と受光部を離して設ける光電式分離型(減光式)の原理である。「周囲の温度上昇率が一定の値を超えたことを検知する」は差動式感知器の原理で、煙ではなく熱を検出するものである。イオン化式は「電流の減少」、散乱光式は「受光量の増加」、分離型は「受光量の減少」と対にして整理するとよい。
問24-8

イオン化式スポット型感知器の放射線源として一般に用いられているものはどれか。

  • ①コバルト60
  • ②アメリシウム241
  • ③セシウム137
  • ④ラジウム226
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正解 ②アメリシウム241
解説
イオン化式スポット型感知器の内部には、空気を電離させてイオン電流を作るための微量の放射線源が組み込まれており、一般にアメリシウム241が用いられる。アメリシウム241はアルファ線を放出する核種で、アルファ線は紙一枚でも遮られるほど透過力が弱いため、感知器の外箱の外へはほとんど出ない。この性質により、空気を電離させる働きは十分に得ながら、外部への影響を小さく抑えることができる。なお放射線源を内蔵するため、廃棄する際は一般ごみとして捨てず、所定の回収経路によることが求められる。

他の選択肢が不適切な理由
「コバルト60」はガンマ線を放出する核種で、透過力が非常に強く医療用照射や工業用非破壊検査などに用いられるものであり、感知器内部の局所的な電離には適さない。「セシウム137」もガンマ線を伴う核種で、同様に感知器の線源としては用いられない。「ラジウム226」はかつて夜光塗料に使われた核種だが、透過力の強い放射線を伴い半減期も長く、現在の感知器には使用されていない。「イオン化式といえばアメリシウム241、放出するのはアルファ線」と覚える。
問34-8

煙が流入したときの受光素子の受光量の変化について、光電式スポット型感知器(散乱光式)と光電式分離型感知器を比較した記述として正しいものはどれか。

  • ①散乱光式も分離型もともに減少する
  • ②散乱光式は減少し、分離型は増加する
  • ③散乱光式は増加し、分離型は減少する
  • ④散乱光式も分離型もともに増加する
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正解 ③散乱光式は増加し、分離型は減少する
解説
光電式スポット型感知器(散乱光式)は、暗箱の中で光源と受光素子を直接向かい合わせず、平常時は受光素子に光がほとんど届かない配置にしてある。ここへ煙が入ると煙の粒子に光が当たって四方に散り、その散乱光の一部が受光素子に届くため、受光量は増加する。一方、光電式分離型感知器は送光部と受光部を離して向かい合わせに設け、その間の光の道筋(光軸)を煙が横切ると光がさえぎられるため、受光量は減少する。この減り方の割合を減光率という。

他の選択肢が不適切な理由
「散乱光式も分離型もともに減少する」は、散乱光式の変化の向きを取り違えている。散乱光式は平常時の受光量がほぼ零であり、そこから減ることはあり得ない。「散乱光式は減少し、分離型は増加する」は両者をちょうど逆にした記述で、いずれも誤りである。「散乱光式も分離型もともに増加する」は分離型の変化の向きが誤りで、分離型は光をさえぎることで検出する減光式である。「スポット型は増える、分離型は減る」と対で覚えるとよい。
問44-8

光電式分離型感知器の公称監視距離として、規格省令上正しいものはどれか。

  • ①5m以上50m以下(5m刻み)
  • ②10m以上100m以下(10m刻み)
  • ③1m以上20m以下(1m刻み)
  • ④5m以上100m以下(5m刻み)
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正解 ④5m以上100m以下(5m刻み)
解説
公称監視距離とは、その感知器が有効に火災を感知できる送光部と受光部の間の距離として、製造者があらかじめ定めて表示している値をいう。感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令では、光電式分離型感知器の公称監視距離は5m以上100m以下とし、5m刻みで定めることとされている。したがって5m、10m、15mというように5mごとの値が表示され、実際の設置ではこの表示値の範囲内に送光部と受光部の距離が収まるようにしなければならない。体育館や工場、劇場など天井が高く広い空間で、スポット型では感知面積が足りない場所に用いられる。

他の選択肢が不適切な理由
「5m以上50m以下(5m刻み)」は上限が実際の半分であり、100mまで認められている現行規定と一致しない。「10m以上100m以下(10m刻み)」は下限と刻み幅がともに誤りで、下限は5m、刻みも5mである。「1m以上20m以下(1m刻み)」は炎感知器の公称監視距離が20m未満で1m刻みとされることと混同したもので、分離型の値ではない。「分離型は5から100まで5刻み」と数字で覚える。
問54-8

光電式分離型感知器の設置基準に関する記述のうち、消防法令上誤っているものはどれか。

  • ①光軸が並行する壁から0.3m以内となるように設ける
  • ②送光部及び受光部はその背部の壁から1m以内に設ける
  • ③光軸の高さが天井等の高さの80%以上となるように設ける
  • ④壁で区画された区域の各部分から光軸までの水平距離が7m以下
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正解 ①光軸が並行する壁から0.3m以内となるように設ける
解説
消防法施行規則第23条第4項第7号の3ロによれば、光電式分離型感知器は、光軸(送光部の中心と受光部の中心とを結ぶ線)が、その光軸と並行する壁から0.6m以上離れた位置となるように設けることとされている。壁に近すぎると、壁面に沿って流れる気流の影響を受けたり、壁の汚れや反射で正しく減光を検出できなくなったりするためである。したがって「0.3m以内」とする記述は、離すべきところを近づける内容であり、規定と正反対で誤りとなる。

他の選択肢が不適切な理由
「送光部及び受光部はその背部の壁から1m以内に設ける」は同号ハのとおりで正しい。背部に大きな空間を残すと、その部分が監視されない死角になるためである。「光軸の高さが天井等の高さの80%以上となるように設ける」も同号ホのとおりで、煙は天井付近にたまるため光軸を高い位置に置く必要がある。「壁で区画された区域の各部分から光軸までの水平距離が7m以下」も同号トのとおりの数値であり、いずれも誤りではない。分離型は「壁から0.6m以上、背部の壁から1m以内、高さは80%以上、水平距離7m以下」とまとめて覚える。
問64-8

蓄積型の感知器の公称蓄積時間として、規格省令上正しいものはどれか。

  • ①5秒を超え60秒以内(5秒刻み)
  • ②10秒以上60秒以内(10秒刻み)
  • ③30秒以上60秒以内(10秒刻み)
  • ④10秒以上30秒以内(10秒刻み)
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正解 ②10秒以上60秒以内(10秒刻み)
解説
蓄積型の感知器とは、煙などを検出してもすぐには火災信号を出さず、その状態が一定時間続いていることを確かめてから発信する方式のものをいう。たばこの煙や一瞬の湯気のような短時間の刺激で火災信号を出してしまう非火災報(誤報)を防ぐための仕組みである。感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第16条第1項は、蓄積時間そのものは5秒を超え60秒以内とし、機器に表示する公称蓄積時間は10秒以上60秒以内で10秒刻みと定めている。したがって表示される値は10秒、20秒、30秒…60秒となる。

他の選択肢が不適切な理由
「5秒を超え60秒以内(5秒刻み)」は蓄積時間そのものに定められた範囲であって、機器に表示する公称蓄積時間の区分ではない。「10秒以上30秒以内(10秒刻み)」は上限が過小で、60秒までの公称蓄積時間が認められている。「30秒以上60秒以内(10秒刻み)」は下限が過大で、10秒や20秒の公称蓄積時間をもつ感知器も認められている。なお感知器の公称蓄積時間と中継器・受信機に設定された蓄積時間の合計は、消防法施行規則第24条第7号イにより60秒を超えてはならない。
問74-8

光電式スポット型感知器(2種)の公称作動濃度として、規格省令が定める値はどれか。

  • ①5%/m
  • ②15%/m
  • ③10%/m
  • ④20%/m
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正解 ③10%/m
解説
煙感知器の感度の種別は1種・2種・3種に分かれ、数字が小さいほど薄い煙で作動する高感度のものとなる。感知器及び発信機に係る技術上の規格を定める省令第17条第2項の表は、光電式スポット型感知器の公称作動濃度を減光率(1mあたり光がどれだけ弱まるかの割合)で示し、1種は5%/m、2種は10%/m、3種は15%/mと定めている。したがって2種は10%/mである。感度試験ではこの公称作動濃度の1.5倍の濃度の煙で30秒以内に作動すること、0.5倍の濃度では5分以内に作動しないことが求められる。この種別の違いは設置基準にも直結し、廊下に設ける場合、1種・2種は歩行距離30mにつき1個、3種は20mにつき1個となる。

他の選択肢が不適切な理由
「5%/m」は1種の値であり、2種より高感度の区分に対応する。「15%/m」は3種の値で、最も鈍い感度の区分である。「20%/m」はいずれの種別にも対応しない濃度で、規格上定められていない値である。「1種が5、2種が10、3種が15」と5きざみで並ぶことを覚えておくと迷わない。
問84-8

排気ガスが多量に滞留する地下駐車場に設置する感知器として、消防法令上適切なものはどれか。

  • ①光電式スポット型感知器
  • ②光電式分離型感知器
  • ③イオン化式スポット型感知器
  • ④差動式スポット型感知器
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正解 ④差動式スポット型感知器
解説
消防法施行規則第23条では、煙感知器を設けることが適当でない場所が定められており、排気ガスが多量に滞留する場所はその一つである。自動車の排気ガスは煙感知器にとって煙と区別しにくく、火災でないのに作動する非火災報の原因となるためである。こうした場所には熱を検出する感知器や炎感知器を用いることとされ、選択肢のうちでは差動式スポット型感知器が適切である。差動式スポット型は周囲の温度の上がり方(上昇率)が一定を超えたときに作動する感知器で、排気ガスの影響を受けにくい。

他の選択肢が不適切な理由
「光電式スポット型感知器」は煙の散乱光を検出する煙感知器であり、排気ガスの微粒子によって誤って作動するおそれがあるため設置できない。「イオン化式スポット型感知器」も煙感知器であり、排気ガスの粒子がイオン電流を変化させるため同様に不適切である。「光電式分離型感知器」も煙を検出する方式であるため、排気ガスが滞留する場所には適さない。「排気ガス・じんあい・水蒸気・厨房の煙がある場所には煙感知器を使わない」と整理して覚える。
問94-8

散乱光式の光電式スポット型感知器において、平常時に光源の光が受光素子に直接届かない配置としている理由として、最も適切なものはどれか。

  • ①煙がないときの受光量をほぼ零に保つため
  • ②光源の寿命を延ばして消費電力を抑えるため
  • ③煙がないときの受光量を最大に保つため
  • ④外光の影響で誤作動しないようにするため
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正解 ①煙がないときの受光量をほぼ零に保つため
解説
散乱光式は「煙の粒子に当たって散った光」を検出する方式である。もし光源の光が受光素子に直接届いていると、常に大きな受光量がある状態となり、煙によるわずかな散乱光の増加が埋もれて判別できなくなる。そこで暗箱の内部に遮光板を設け、光源と受光素子を直接向かい合わせない配置とし、煙がないときの受光量をほぼ零にしてある。この状態から散乱光が加わって受光量が増えたことを検出するため、わずかな煙でも確実にとらえられる。

他の選択肢が不適切な理由
「煙がないときの受光量を最大に保つため」は変化の向きを取り違えたもので、受光量を最大にしてしまうと煙による増加が読み取れない。なお受光量が減ることで検出するのは光電式分離型である。「光源の寿命を延ばして消費電力を抑えるため」は、配置の工夫と光源の寿命に直接の関係がないため理由として成り立たない。「外光の影響で誤作動しないようにするため」については、外光の遮断は暗箱そのものの役割であり、光源と受光素子を直接向かい合わせない配置の理由とは異なる。
問104-8

イオン化式スポット型感知器が外部イオン室と内部イオン室の二室構成となっている主な理由として、最も適切なものはどれか。

  • ①煙の色の違いによる感度の差をなくすため
  • ②放射線が外部に漏れないようにするため
  • ③気圧や温度の変化による影響を打ち消すため
  • ④電源が停電したときも作動を継続させるため
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正解 ③気圧や温度の変化による影響を打ち消すため
解説
イオン化式スポット型感知器は、煙が入りやすい外部イオン室と、ほぼ密閉されて煙が入りにくい内部イオン室を直列に接続し、その境目の電圧の変化を見て火災を判断する。イオン電流の大きさは煙だけでなく気圧・温度・湿度によっても変わるが、これらの影響は二つの室に同じように及ぶため、両室を比べる構成にしておくと影響が互いに打ち消し合う。その結果、煙が外部イオン室にだけ入ったときの変化だけを取り出して検出でき、環境変化による誤作動を抑えられる。

他の選択肢が不適切な理由
「煙の色の違いによる感度の差をなくすため」は、イオン化式が光ではなくイオン電流の変化で検出する方式であり、そもそも煙の色に左右されにくいため理由にあたらない。なお煙の色の影響を受けやすいのは光を用いる光電式のほうである。「放射線が外部に漏れないようにするため」は、放射線の遮へいは線源にアルファ線核種を用いることと外箱の構造で確保されており、二室構成の目的ではない。「電源が停電したときも作動を継続させるため」は予備電源や非常電源の役割であり、イオン室の構成とは無関係である。

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